料理研究家、料理大好きフッくんです。
鍋の〆や、寒い日の朝にうれしい雑炊。
土鍋のふたを開けたときの、だしの香りと湯気は、それだけでほっとしますよね。
でも、雑炊の日の献立で、こんなことに迷いませんか?🥹
- 雑炊だけだと物足りない
主食の雑炊に、どんなおかずを合わせればよいのか迷う。 - 汁物はつけていいの?
雑炊も汁気が多いので、汁物を合わせてよいのか迷う。 - 家族みんなで食べたい
高齢の家族や小さな子どもにも、食べやすくしてあげたい。
この記事では、現役料理人20年で栄養士の私が、雑炊に合うおかずを15選でお伝えします。
15選は、私のお店の献立例2つと、あっさり・がっつりの日の献立4つ、副菜・汁物・デザートの各3選です。
料亭みたいに仕上げるコツや、朝・昼・夜のアレンジ、家族への出し方まで、順番に見ていきましょう。

雑炊に合うおかずは?たんぱく質と野菜
雑炊に合うおかずは、たんぱく質のおかずを1つと、野菜の小鉢を1つ合わせるのが基本です。
雑炊は、ご飯をだしで煮た料理なので、主食と汁物の役目をひとつでしてくれます。
足りなくなりやすいのは、肉や魚、卵、大豆のたんぱく質と、野菜です。
雑炊は水分が多いので、汁物を合わせるときは、汁は少なめにして、具だくさんのものを選びます。
汁物のかわりに、汁気の少ない茶わん蒸しを合わせると、和食のコース風で上品な印象になります。
まずは、雑炊がどんな料理なのかから見ていきましょう。
雑炊ってどんな料理?由来とルーツ

雑炊は、ご飯に野菜や魚介、卵などを加えて、だしやしょうゆ、味噌で煮た料理です。
デジタル大辞泉には、雑炊は古くは多く「増水」と書いた、とあります。
世界大百科事典でも、多くの水を加えるところから増水とも書いた、と説明されています。
もっと古い呼び名もあります。
同じ世界大百科事典によると、古くは「みそうず」といい、宮中の女房ことばでは「おじや」とも呼ばれていました。
精選版日本国語大辞典では、「雑炊」という字は、近世(江戸時代ごろ)からのあて字とされています。
日本大百科全書では、「雑炊」の字は、野菜や魚介などを米に加えて混ぜ合わせ、炊き上げるものの意味と説明されています。
つまり、もともとは多くの水を加える「増水」の字で書かれ、のちに、具を混ぜて炊く「雑炊」の字があてられたということですね。
雑炊のような料理は、とても古くからあったと考えられています。
同じ日本大百科全書には、平安時代の大嘗会で鴨の雑炊が出されたことや、室町時代の将軍家で「みそうず」が祝いの膳に使われたことが書かれています。
ここからは、料理人としての私の想像です。
少ないご飯を水で増やして、家族みんなのお腹を満たす工夫が、いつしか鍋の〆や、ごちそうの雑炊になっていったのかもしれませんね。
あくまで私の想像ですが、寒い季節に雑炊の出番が多いのも、温かいだしの香りで、ほっとできるからだと思っています。
料亭みたいに仕上げるコツ

雑炊を作るとき、炊いたご飯をそのまま鍋に入れていませんか?
お店では、ご飯をさっと洗ってから鍋に入れます。
やり方は、ボウルに水をためて、ご飯を入れたザルを、ボウルの水にひたします。
指でご飯をやさしくほぐすようにして洗い、ザルを上げて水を切ります。
流水をかけるだけでは、ご飯に水が当たるだけで、ぬめりはあまり取れません。
ためた水の中でほぐすと、ご飯のぬめりが取れて、米粒がしっかり立った、さらっとした雑炊に仕上がります。
ご飯を入れてからは、長く煮込まないのもポイントです。
沸騰してから2〜3分以内に火を止めると、お米の食感が残ります。
雑炊は、具が少なくても、だしがおいしければ、十分においしく仕上がります。
昆布と削り節で一番だしをとっておくと、雑炊にも味噌汁にも使えます。
昆布は前の晩に水につけておくと、朝の雑炊にもすぐ使えます。
鍋の残り汁で作る日は、先に味をみて、塩気が強ければだしでのばしてください。
※羅臼・利尻・日高昆布のセットです。一晩水につけておくだけで、雑炊のだしがとれます。
※山長の削り節は、業務用の大容量です。昆布と合わせて一番だしをとれば、雑炊にもうどんにも味噌汁にも使えます。
献立の考え方——3つのポイント

雑炊の献立を組むとき、私は3つのことを見ています。
雑炊の一杯にあるものと、ないものを分けて考えると、合わせるおかずが自然に決まります。
①たんぱく質のおかずを1つ
雑炊は、ご飯が中心の料理です。
具にかにや鮭、卵が入っていても、量は少なめになりがちなので、肉や魚、卵、大豆のおかずを1つ添えます。
②野菜の小鉢を1つ
雑炊の具の野菜は、ねぎやみつばのように、少しだけのことが多いです。
煮びたしやサラダ、和え物で野菜を1つ足すと、皿の色も栄養も整います。
③汁物は、汁少なめで具だくさん
雑炊は水分が多いので、汁物を合わせるときは、汁は少なめにして、具だくさんのものを選びます。
汁を少なめにすると、雑炊と汁物で塩気も重なりすぎません。
だしの雑炊には、味噌味や中華風の汁物を合わせると、味が重ならず、単調になりません。
汁物のかわりに、汁気の少ない茶わん蒸しを合わせるのもよい方法です。
反対に、やってしまいがちな組み合わせも、3つだけ書いておきます。
- 汁の多い汁物を重ねる
汁気が重なって、塩分もとりすぎになりやすくなります。 - やわらかいものばかりにする
雑炊がやわらかいので、漬物や焼き物など、歯ごたえのある一品を添えます。 - 同じだしの味を重ねる
だしの雑炊に、だしのすまし汁を合わせると、味が単調になります。
3つに共通するのは、雑炊にあるものは重ねず、ないものを足すということです。
私のお店の献立A——カニ雑炊

ここからは、私のお店で出していた雑炊の献立を、2つご紹介します。
①カニ雑炊
②塩焼きとり風(ねぎま)
③ひじき大豆
④春雨サラダ
カニ雑炊に、ねぎまのたんぱく質と、ひじき大豆、春雨サラダの小鉢を合わせた献立です。
ねぎまは、塩焼きの鶏肉とねぎを交互に刺した焼き鳥で、やわらかい雑炊の横で、香ばしい歯ごたえになります。
春雨サラダは、中華風ではなく、マヨネーズで和えたサラダです。
ねぎまの鶏肉は、中心75℃1分以上を目安に、中までしっかり焼いてください。
春雨サラダは、春雨と野菜の水気をしっかり切ってから味付けすると、味がぼやけません。
マヨネーズと塩こしょうだけで味が決まらないときは、麺つゆを少し加えると、メリハリのある味に変わります。
居酒屋時代に、まかないでよく作っていた裏ワザです。
私のお店の献立B——もずく雑炊

①もずく入り雑炊
②いかと里芋の煮物
③はんぺんのフライ
④そば汁
もずく雑炊はあっさりしているので、ボリューム感のあるおかずを合わせた献立です。
はんぺんのフライは、さくっとした衣とふわっとした食感で、雑炊とよく合います。
いかと里芋の煮物で、たんぱく質と野菜を足しています。
そば汁は、汁を少なめに盛ると、雑炊の汁気と重なりすぎません。
もっとしっかり食べたい日は、卵料理や肉料理のおかずを、もう1品加えてください。
| 栄養価(1人前) | 献立A | 献立B |
|---|---|---|
| メニュー | ①カニ雑炊 ②塩焼きとり風(ねぎま) ③ひじき大豆 ④春雨サラダ | ①もずく入り雑炊 ②いかと里芋の煮物 ③はんぺんのフライ ④そば汁 |
| エネルギー | 約520kcal | 約440kcal |
| たんぱく質 | 約22.6g | 約13.3g |
| 脂質 | 約15.4g | 約5.9g |
| 炭水化物 | 約70.8g | 約82.6g |
| 食物繊維 | 約4.4g | 約3.3g |
| カルシウム | 約112mg | 約57mg |
| ビタミンC | 約7mg | 約64mg |
| 食塩相当量 | 約3.7g | 約3.2g |
私のお店の献立の分量で計算した、1人前の概算値です。
雑炊にも、汁物にも、おかずにも、それぞれ塩気が入っています。
雑炊とそば汁の汁は、全部飲まずに少し残すと、献立全体の塩分を控えめにできます。
雑炊は炭水化物が中心なので、たんぱく質と食物繊維をおかずで補うのが、栄養士として考える理想のバランスです。
献立Aはねぎまと春雨サラダ、献立Bははんぺんのフライと、そば汁の具の野菜で補っています。
雑炊の具に、もずくやわかめなどの海藻や卵を入れておくと、たんぱく質と食物繊維を足しやすくなります。
塩分の指示を受けている方は、かかりつけの先生の指示を優先してください。
この記事の献立で使う特定原材料は、かに(カニ雑炊)、えび(海老塩・シーフード雑炊)、卵(卵雑炊・だし巻き玉子・茶わん蒸し・マヨネーズ・はんぺん・フライの衣)、小麦(しょうゆ・ワンタン・フライの衣・アップルパイ)、乳(チーズ・アップルパイ)、そば(そばの麺を入れたそば汁)です。
準ずる品目では、さけ(鮭雑炊・ちゃんちゃん焼き)、いか(煮物・シーフード雑炊)、大豆(納豆・厚揚げ・ひじき大豆・味噌・しょうゆ)、鶏肉(ねぎま・レンコンつくね・サラダチキン)、豚肉や牛肉(肉じゃが・マーボ春雨スープ)、ごま、りんご(アップルパイ)、オレンジやキウイ(フルーツ)、やまいも(はんぺん)が入ります。
牡蠣とほたては表示の対象ではありませんが、貝のアレルギーがある方は気をつけてください。
はんぺんやキムチ、だしの素、麺つゆなどの加工品は、商品によって原材料が違うので、使う商品の表示を確かめてください。
アレルギーの原因や、症状が出る量は人によって違います。ご家族やお客様に出すときは、使った材料や商品の表示を先に確かめてくださいね。
あっさりの日の献立——汁なし

①梅海苔納豆雑炊
②鮭のちゃんちゃん焼き
③小松菜と厚揚げの煮びたし
④たことパプリカのマリネ
汁物をつけずに、雑炊を主役にした、あっさりの献立です。
梅と海苔の香りが、納豆のにおいをやわらげてくれるので、納豆が少し苦手な方にも食べやすい雑炊です。
鮭のちゃんちゃん焼きで、たんぱく質と野菜を一度にとれます。
たことパプリカのマリネは、酢の物の感覚で、雑炊と意外によく合います。
あっさりの日の献立——汁あり

①鮭雑炊
②じゃこと青梗菜炒め
③だし巻き玉子
④ワンタン野菜スープ
雑炊に汁物を合わせたい日の、あっさりの献立です。
鮭雑炊はだしの和風、ワンタン野菜スープは中華風なので、味が重ならず、単調になりません。
雑炊は水分が多いので、ワンタン野菜スープは汁を少なめにして、具だくさんに盛ってください。
雑炊の汁気を少なめに仕上げて、汁物を別に楽しむのもよい方法です。
がっつりの日の献立——汁なし

①キムチ雑炊
②カレイのから揚げ
③サラダチキンのサラダ
④南瓜のそぼろ煮
肉や魚のおかずをしっかり合わせた、がっつりの献立です。
雑炊があっさりしているぶん、主菜に近いおかずを選ぶと、お腹も満たされます。
揚げ物が苦手な方は、カレイを塩焼きや煮つけにしてください。
キムチ雑炊は辛みがあるので、小さなお子さんの分は、キムチを入れる前に取り分けます。
がっつりの日の献立——豪華版

①卵雑炊
②刺身盛り合わせ
③肉じゃが
④マーボ春雨スープ
見た目はあっさりしていても、肉と魚がしっかり入った、少し豪華な献立です。
雑炊に刺身を合わせると、おもてなしの食卓にもなります。
揚げ物が好きな方は、マグロカツやサーモンチーズフライを合わせても楽しめます。
マーボ春雨スープは、汁を少なめにして、春雨と具を多めに盛ってください。
雑炊と刺身を合わせるときは、雑炊の味付けを、薄口しょうゆと昆布だしにします。
濃口しょうゆで作ると、雑炊の味が勝ちすぎて、刺身の繊細なうまみが感じにくくなります。
薄口しょうゆと昆布だしで仕上げた雑炊なら、刺身の甘みとうまみがしっかり引き立ちます。
刺身は、買ってきたらすぐに冷蔵庫に入れて、その日のうちに食べきってください。
小さなお子さんや高齢の方、妊娠中の方には、焼き魚や煮魚にかえると安心です。
卵雑炊の卵も、小さなお子さんや高齢の方、妊娠中の方に出すときは、中までしっかり火を通してください。
副菜3選

雑炊の副菜は、やわらかい雑炊とは違う、歯ごたえや香ばしさのある一品から選びます。
①レンコンつくね
鶏ひき肉に、刻んだれんこんを混ぜて焼いたつくねです。
シャキシャキしたれんこんの歯ごたえが、やわらかい雑炊の横で、楽しい一品になります。
食べ応えがあるので、主菜にも副菜にもなります。
鶏ひき肉は、中心75℃1分以上を目安に、中までしっかり焼いてください。
②ボリボリきゅうり
通称「きゅうりのきゅうちゃん」の、しょうゆ漬けのきゅうりです。
ボリボリとした歯ごたえと生姜の香りが、雑炊とよく合います。
お店の極秘レシピは、次の見出しで公開します。
③焼きチーズししゃも
ししゃもにチーズをのせて、オーブントースターで焼いた一品です。
焼くときは、オーブントースターで5〜6分が目安です。
ししゃもは、頭から丸ごと食べることもできて、カルシウムがとれる魚です。
小さなお子さんや噛む力が弱い方には、骨を確かめて取り除いてください。
ボリボリきゅうりの極秘レシピ

私のお店で出していた、ボリボリきゅうりのレシピです。
下をタップすると、材料と作り方が開きます。
【材料】
きゅうり…5〜7本
生姜…40g
鷹の爪…1本
【合わせ調味料】
醤油…180cc
お酢…50cc
赤酢…40cc
砂糖…40g
みりん…50cc
お酒…180cc
ダシの素…少々
味の素…少々
鶏ガラスープの素…少々
海老塩…少々
白ごま…大さじ1
【作り方】
①きゅうりを5mm〜10mm幅に切る。生姜をマッチ棒より少し細めに千切りにする。鷹の爪を3mm幅に輪切りにする
②きゅうりを塩もみして汗がかいてきたら軽く水にさらす(少し塩分が残っていて大丈夫)
③合わせ調味料を沸かせて、きゅうり・生姜・鷹の爪を入れて1分炊いたら、きゅうりだけザルにあける
④残った調味液だけを再度沸かせて少し煮詰める(きゅうりから出た水分を飛ばす程度)
⑤調味液が冷めたら、きゅうりを戻し入れ、一晩冷蔵庫で寝かせて完成
ボリボリきゅうりの隠し味は、海老塩です。
ふつうは味の素や鶏ガラスープの素でうま味を足しますが、海老塩を少し加えると、えびの香りとうま味が深まります。
居酒屋時代、海老塩を使うだけで「プロの味」と言っていただけた調味料です。
※海老塩は、ボリボリきゅうりだけでなく、雑炊の隠し味や炒め物、チャーハンにも使えます。
合わせ調味料には、お酒とみりんが入ります。
合わせ調味料は2回沸かしますが、加熱でアルコールがすべて飛ぶとは限りません。
お子さんや妊娠中の方、車を運転する方など、アルコールを避けたい方には、出すのを控えてください。
しょうゆ漬けなので塩気が強めです。小鉢に少しずつ盛ってください。
海老塩にはえびが入るので、えびのアレルギーがある方の分は、海老塩を入れずに作ってください。
汁物3選——汁は少なめに

雑炊は水分が多いので、汁物は、汁を少なめにして、具だくさんのものを選びます。
雑炊がだしの味なら、汁物は味噌味や中華風、カレー味のように、別の味の方向から選ぶと、味が重なりません。
汁を少なめにするのは、雑炊と汁物で塩気が重なりすぎないようにするためでもあります。
①けんちん汁
根菜と豆腐を、ごま油で炒めてから煮た、具だくさんの汁物です。
雑炊がだしベースなら味噌味のけんちん汁、味噌雑炊ならすまし仕立てのけんちん汁と、味が重ならないように合わせます。
汁は少なめにして、具を多めに盛ってください。
②スープカレー
スープカレーは、肉や野菜がごろっと入っていて、主菜と副菜と汁物を兼ねられる一品です。
雑炊と合わせると、それだけで献立がそろいます。
スープカレーのスープを少し雑炊にかけると、カレー雑炊としても楽しめます。

③茶わん蒸し
和食の定番の茶わん蒸しは、汁気が少ないので、雑炊にもよく合います。
具を工夫すれば副菜も兼ねられるので、献立をシンプルにしたい日に重宝します。
茶わん蒸しは、竹串を刺して澄んだ汁が出るまで、中までしっかり蒸してください。

デザート3選

雑炊の日のデザートは、さっぱりした果物や、甘酸っぱい一品がよく合います。
①フルーツ
献立Aのように、雑炊の献立は、ビタミンCが少なくなりがちです。
生の果物は、切るだけでビタミンCを手軽に足せる、便利なデザートです。
②アップルパイ
りんごの甘酸っぱさで、食後をやさしく締めてくれるデザートです。
忙しい日は、冷凍のものを解凍して出すのも便利です。
バターや砂糖が多いので、量は少なめに楽しんでください。
③サツマイモのレモン煮
さつまいもを、レモンと砂糖で甘く煮た一品です。
多めに作っておけば、常備菜にもなります。
さつまいもは、よく洗って皮ごと煮ると、皮の紫が彩りになり、皮の分の食物繊維もいただけます。
ビタミンCもとれるので、雑炊の献立に足りないものを補える、副菜にもデザートにもなる一品です。
朝・昼・夜のアレンジ雑炊

①朝は梅雑炊や納豆雑炊
朝は、梅のさっぱりした風味の梅雑炊を、卵でとじて。
納豆ご飯を、野菜とだしで炊いた雑炊にして、上から海苔をかけると、いつもの納豆ご飯が、ほっこり温かい一品に変わります。
②昼はイタリアン雑炊
昼は、ホールトマトやトマトジュースで煮た、イタリアン雑炊がよく合います。
にんにくやコンソメ、粉チーズを使った洋風の味付けで、リゾットのように楽しめます。
イタリアン雑炊の粉チーズは、2人前で大さじ3〜4杯が目安です。
粉チーズは、火を止めた後の余熱で溶かすのがコツです。
高温のまま入れると、チーズがダマになりやすくなります。
パルメザンチーズのかたまりがあれば、すりおろして使うと、香りがぐっとよくなります。
③夜はカキ雑炊やシーフード雑炊
夜は、カキ雑炊やシーフード雑炊、冬が旬のホッキ貝の雑炊で、特別な日の夕飯にも。
野菜もたっぷり入れると、鍋を食べるような満足感のある夕食になります。
カキや貝、えびなどの魚介は、中心までしっかり火を通してください。
生の貝が手に入らない日は、魚介のだしの素を使うと、シーフード雑炊の味が深まります。
※ほたてだしの素は顆粒タイプで、シーフード雑炊やカキ雑炊に少し加えると、貝のうま味が足せます。味噌汁や炊き込みご飯にも使えます。
※ユウキの貝柱だしは、貝柱のうま味が出るだしです。洋風の味付けにも合うので、イタリアン雑炊にも使えます。
高齢者や子供にやさしい雑炊

雑炊は、水分が多く、やわらかい口当たりが特徴です。
温かいので、寒い日や朝食にもよく合います。
ご飯を少なめにして、具や汁で量を整えやすいのも、雑炊のよいところです。
ただ、飲み込む力が弱い方には、米粒とさらさらした汁が混ざると、むせやすいこともあります。
食べる人に合わせて、具の大きさととろみ、温度を少し変えてあげましょう。
高齢の家族に出すとき
野菜や肉はやわらかく煮て、食べる方の噛む力や飲み込む力に合わせて、小さく切ります。
細かく刻みすぎると、口の中でばらけて、かえって飲み込みにくくなることもあります。
もずくやわかめ、海苔は、口の中に貼りつきやすいので、細かく刻むか、少なめにしてください。
飲み込みに不安がある方には、食べる方の状態に合わせて、とろみを調整します。
片栗粉のとろみは、時間がたつとゆるくなることがあるので、市販のとろみ剤(とろみ調整食品)を使う方法もあります。
とろみが濃すぎても、かえって飲み込みにくくなるので、合う濃さは主治医や言語聴覚士さんに確かめてください。
熱い雑炊は、食べる方に合わせて冷まし、温度を確かめてから出してください。
さらに飲み込む力が弱い方には、具の入った雑炊より、全粥(お米1に対して水5くらいで炊いたおかゆ)のほうが、食べやすいことがあります。
ただ、おかゆにも米粒が残るので、粒の残り方やまとまり、とろみまで、食べる方に合わせた調整が要ります。
形ややわらかさは、日本摂食嚥下リハビリテーション学会の嚥下調整食分類(学会分類2013・2021年に改訂版)を目安に、主治医や言語聴覚士、栄養士さんと相談しながら調整してくださいね。
小さなお子さんに出すとき
土鍋の雑炊は、とても熱くなっています。
お子さんの分は、取り分けて少し冷ましてから渡してください。
具は小さく切り、えびやいか、たこは噛み切りにくいので、細かく刻むか外してください。
キムチ雑炊のような辛いものは、お子さんの分には入れません。
ボリボリきゅうりは、お酒と鷹の爪が入るので、お子さんには出さないでください。
納豆や海苔、もずくは口の中に貼りつきやすいので、少なめにしてください。
2歳以下のお子さんには、噛む力に合わせて具をさらに細かく切り、汁はお湯で薄めて取り分けます。
食べている間は、大人がそばで見守ってください。
しょうゆや味噌で味をつけた雑炊は、1歳未満のお子さんには取り分けません。
取り分けるなら、味をつける前に取り出して、離乳食の進み方に合わせて、やわらかくしてください。
離乳食の進め方は、かかりつけの先生や自治体の相談窓口で確かめてくださいね。
私は現役介護士でもあります。
介護施設でも、雑炊は人気のメニューです。
食べる方の様子に合わせて、具の入った雑炊と、なめらかなおかゆを使い分けるとよいですよ。
同じ雑炊の日でも、ひとりひとりに合った一杯にできる。それが雑炊のやさしさです。
雑炊の献立でよくある質問
最後に、雑炊の献立について、よくいただく質問にお答えします。
Q1. 雑炊・おかゆ・おじやの違い
雑炊は、炊いたご飯をだしで煮て、具や味をつけた料理です。
おかゆは、お米から水でやわらかく炊いたものです。
おじやは、宮中の女房ことばから生まれた、雑炊の古い呼び名です。
おかゆの作り方の記事では、お米から炊くおかゆの黄金比もお伝えしています。

Q2. 汁物はつけてもいい?
つけてかまいません。
雑炊は水分が多いので、汁物は汁を少なめにして、具だくさんのものを選んでください。
汁気の少ない茶わん蒸しを合わせるのも、よい方法です。
Q3. 雑炊は作り置きできる?
雑炊は、時間がたつとご飯が汁を吸って、やわらかくなりすぎます。
食べる分だけ、その都度作るのが、おいしく食べるコツです。
残ったときは、浅い容器に小分けにして、粗熱を30分以内に取り、冷蔵庫で保存して、次の日までに食べきってください。
温め直すときは、だしを少し足して、全体を混ぜながら、中心までしっかり熱くしてください。
Q4. 鍋の〆の雑炊のコツは?
鍋の残り汁は、具のうま味が出ているぶん、塩気も強くなっています。
味をみて、塩気が強ければだしでのばしてから、洗ったご飯を入れてください。
ご飯を入れてからは長く煮込まず、2〜3分たったら溶き卵を回し入れ、卵に火が通ったら火を止めると、ふんわり仕上がります。
小さなお子さんや高齢の方、妊娠中の方の分は、卵に中までしっかり火を通してください。
“おいしい”は、全部が重なること
雑炊の献立を考えるとき、私は四つの軸で見ています。
だしの香り、米粒の立った食感、おかずのたんぱく質と野菜、そして食べる人に合わせたやさしさです。
雑炊は、それだけで主食と汁物がそろう一杯です。
でも、雑炊だけでは、たんぱく質も、歯ごたえのある野菜も足りません。
それぞれのおかずが、同じ食卓の中で別の役割を持っているから、雑炊の日がもっとうれしい日になるんです。
もうひとつ、お伝えしたいことがあります。
献立に決まりはありません。
汁物が重なった日も、おかずが少なかった日も、1食で整えようとせず、朝・昼・晩の1日で考えて、次の食事で足りないものを選べば十分です。
だしと、米粒と、おかずと、やさしさ。
その全部が重なったとき、雑炊が、家族のごちそうになります。
まとめ。。。

雑炊に合うおかずを、最後にもう一度まとめますね。
- 雑炊に合うおかずは、たんぱく質と野菜
肉や魚、卵、大豆のおかずと、野菜の小鉢を1つずつ。 - ご飯はボウルの水で洗う
長く煮込まず、沸騰してから2〜3分。 - 汁物は汁少なめで具だくさん
汁気の少ない茶わん蒸しも上品。 - 献立Aはカニ雑炊、Bはもずく雑炊
ねぎまや、はんぺんのフライでたんぱく質を。 - あっさりの日も、がっつりの日も
汁なし・汁ありで、組み合わせを変えて。 - 副菜はボリボリきゅうり
歯ごたえと生姜の香りで、雑炊とよく合う。 - 高齢の方とお子さんには
具の大きさととろみ、温度を合わせて。
雑炊は、たんぱく質のおかずと野菜の小鉢を1つずつ添えるだけで、家族みんなの献立になります。
朝は梅雑炊、昼はイタリアン雑炊、夜はシーフード雑炊と、日によっておかずを入れかえれば、同じ雑炊でも、毎回ちがう食卓になります。
いろいろな献立の記事を見ながら、一日の献立を考えるときの、少しでもサポートになれば嬉しいです。
土鍋のふたを開けたときのだしの香りが、きっと食卓をほっとさせてくれるはずだよ。
フッくんでした!
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