料理研究家、料理大好きフッくんです。
お祝いの日やごちそうの席に欠かせない、みんな大好きなお寿司🍣
でも、いざお寿司を前にすると「手で食べるの?箸で食べるの?」「醤油ってどこにつけるの?」「食べる順番はあるの?」と、ちょっと迷うことはありませんか?
この記事では、寿司職人として20年やってきた私が、こんなお悩みにお答えします。
- 寿司の正しい食べ方を知りたい
手で食べるか箸か、醤油とわさびの付け方を、寿司職人の目線でお伝えします。 - 食べる順番を知りたい
おいしく味わう順番と、その理由をお伝えします。 - ガリやお茶の意味を知りたい
意外と知らない、ガリとあがりの役割を紹介します。 - 寿司屋や家庭で気持ちよく楽しみたい
お店での作法や、家庭で楽しむコツもお伝えします。
結論から言うと、寿司の食べ方に厳しい決まりはありません。大事なのは「ネタを主役に、おいしく味わう」こと。ちょっとした作法を知っておくと、もっと気持ちよく楽しめますよ🍣
なお、この記事は「食べ方・味わい方」のお話です。握り方やシャリの作り方、ネタの選び方は、それぞれ専用の記事で詳しく解説していますので、合わせてご覧くださいね。

寿司は手で食べる?箸で食べる?

まず、いちばんよく聞かれる疑問から。結論、手でも箸でも、どちらでも大丈夫です🍣
- もともと寿司は手づかみの料理
江戸前寿司は、屋台で手軽に食べる「ファストフード」でした。だから、手で食べるのはごく自然なことです。 - 箸でももちろん大丈夫
箸で食べても、まったく問題ありません。崩れないよう、やさしくつまむのがコツです。 - 大切なのはネタを崩さないこと
手でも箸でも、シャリがほろっと崩れないよう、そっと持つのが上品に見えるポイントです。
寿司職人として、手で食べるときのコツをお伝えします。親指と中指で寿司の横(両側)をつまみ、人差し指をネタの上にそっと添えると、崩れずにきれいに持てます。上からギュッとつかむと、シャリがつぶれてしまうので注意。持ち上げたら、少し傾けてネタ側に醤油をつけ、ネタを下にして口に運びます。手で食べると、シャリの温度や握りの締め具合が指先で感じられて、寿司職人が握った「間」まで味わえるんですよ。食べ終わったら、おしぼりで手を拭けば大丈夫。気軽に楽しんでくださいね。
醤油とわさびの付け方

寿司をおいしく食べるうえで、いちばん差が出るのが醤油の付け方です。ここだけは押さえておきましょう🍣
- 醤油はネタに少しだけ
シャリに醤油をつけると、シャリが崩れて醤油を吸いすぎ、塩辛くなります。ネタの先に、少しだけつけるのが基本です。 - 軍艦巻きはガリで塗る
いくらやうにの軍艦は、醤油をつけにくいもの。ガリの先に醤油をつけて、はけのようにネタに塗ると上手にいきます。 - わさびはネタと相談して
お店ではシャリとネタの間にわさびが入っていることが多いです。足したいときは、ネタに少しのせて調整します。
寿司職人として断言できるのは、醤油はシャリではなくネタにつけるということ。寿司を少し横に傾けて持ち、ネタの先を醤油にちょんと触れさせるだけで十分です。シャリを下にして醤油につけると、シャリがバラけて醤油皿がご飯粒だらけに。塩辛くもなります。お店で握りにあらかじめ「煮切り醤油」が塗ってあるときは、そのまま何もつけずにどうぞ。わさびは、寿司職人がネタとの相性を考えて量を調整しているので、まずはそのまま味わってみるのがおすすめですよ。
※家庭で寿司を楽しむなら、寿司用のだし醤油があると味が決まります。だしのうま味でまろやかになり、ネタの持ち味を引き立てます。刺身や卵かけご飯にも使えて、1本あると重宝しますよ。
寿司を食べる順番

「順番なんてあるの?」とよく聞かれます。決まりではありませんが、おいしく味わう目安があります🍣
| 順番 | ネタの例 | 理由 |
| 1 | 白身・貝(淡白) | あっさりから始めると味がわかる |
| 2 | 赤身(マグロなど) | うま味をしっかり味わう |
| 3 | 光り物(コハダ・アジ) | 酢〆の風味を楽しむ |
| 4 | 煮物・穴子(濃厚) | 味の濃いものを後半に |
| 5 | 巻物・軍艦(〆) | 最後に満足感でしめる |
※これはあくまで目安です。淡白なものから濃厚なものへ進むと、それぞれの味がわかりやすい、という考え方。好きなものを好きな順で食べても、まったく問題ありませんよ。
- 淡白なものから濃厚なものへ
白身から始めて、だんだん味の濃いネタへ進むと、一つひとつの味を感じやすくなります。 - 好きなネタは自由に
順番はマナーではありません。大好きなネタを最初に食べても大丈夫。楽しむのがいちばんです。 - 濃い味の後は口直しを
穴子やうになど濃厚なネタの後は、ガリやお茶で口直しすると、次のネタもおいしく味わえます。
ガリ・あがり(お茶)の役割

寿司に欠かせないガリとお茶。実はちゃんと役割があるんですよ🍣
- ガリは口直し
ガリ(甘酢生姜)は、次のネタを味わう前に口の中をさっぱりさせる、口直しの役割です。食べすぎない程度に。 - あがり(お茶)で後味すっきり
寿司屋の熱いお茶は「あがり」と呼ばれ、脂を流して後味をすっきりさせてくれます。 - 符牒は使わなくていい
「あがり」「むらさき(醤油)」などは寿司屋の符牒(隠語)。お客さんは「お茶」「醤油」で大丈夫です。
栄養士の目線でお伝えすると、寿司は文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」で、まぐろ赤身100gあたり約115kcal・たんぱく質約26.4g、しゃり(酢飯)100gあたり約153kcal・炭水化物約36gを含む食材の組み合わせです。ネタの魚にはたんぱく質が、青魚(まぐろ・さば・いわし等)には脂質が多く含まれます。一方で、寿司だけだと野菜や食物繊維が不足しがちなので、あさりの味噌汁や、野菜のお吸い物、サラダなどを添えるとバランスが整います。シャリはお酢と砂糖を使っていますが、食べすぎれば炭水化物も多くなるので、量は控えめに。厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では18歳以上男性7.5g未満・女性6.5g未満が塩分目安。醤油のつけすぎは塩分が増えるので、ネタに少しだけを心がけると、体にもやさしくいただけます。
★食品安全上の注意★:寿司の生魚はアニサキス寄生虫のリスクがあります。生食用は必ず信頼できる店で購入し、家庭で生魚を扱う場合は加熱(中心60℃で1分以上/70℃瞬時)・−20℃で24時間以上の冷凍・目視除去のいずれかを。塩・酢・わさび・しょうゆではアニサキスは死にません。妊娠中は魚のメチル水銀にも注意(まぐろ・めかじきは週1〜2回まで/厚労省)。
※市販のガリ(甘酢生姜)があると、家庭の寿司がぐっと本格的になります。口直しにぴったりで、彩りも添えられます。ちらし寿司や手巻き寿司にも合うので、常備しておくと便利ですよ。
寿司でついやりがちな、気をつけたいこと

「マナー違反かも」と身構える必要はありませんが、知っておくと、お店でも家庭でも、もっと気持ちよく楽しめることをいくつか紹介しますね🍣
- ネタとシャリは分けずに一緒に
ネタだけをはがして食べるのは、せっかくの握りがもったいないもの。ネタとシャリは、ひとつになっておいしさが完成します。そのままいただくのがおすすめです。 - 握りはできれば一口で
握りや軍艦は、一口で食べられるように握られています。大きいと感じたら、無理をせず「半分に切ってください」とお願いすれば大丈夫。かじって皿に戻すのは避けたいところです。 - 醤油はつけすぎない
醤油をたっぷりつけると、ネタ本来の味がわからなくなってしまいます。小皿の醤油も、使う分だけ少なめに出すと上品です。 - わさびは、お店では溶かずにネタへ
お店(とくに江戸前)では、わさびを醤油に溶かさず、ネタに少しのせるのがおすすめ。溶かすと辛みも香りも飛んでしまうからです。とはいえ、家庭や回転寿司では、好みで自由に楽しんで大丈夫ですよ。 - 強い香りは控えめに
寿司はネタの繊細な香りも楽しむ料理。香水などの強い香りは少し控えめにすると、周りの方もネタの風味を存分に味わえます。
寿司屋・家庭で楽しむコツ
お店でも家庭でも、ちょっとした心がけで、寿司はもっと楽しくなります🍣
- お店では「おまかせ」も楽しい
迷ったら「おまかせ」で、その日のおすすめを握ってもらうのも一興。旬のネタに出会えます。 - 握りは早めにいただく
握りたてが一番おいしいので、出されたら早めにどうぞ。時間がたつとシャリもネタも乾いてしまいます。 - 家庭では手巻きやちらしが手軽
家庭で楽しむなら、みんなで巻ける手巻き寿司や、盛るだけのちらし寿司が手軽でおすすめです。
寿司職人として、家庭で寿司を楽しむコツをお伝えします。手巻きやちらしでも、大きめの寿司桶や平皿に、彩りよく盛り付けるだけで、ぐっとごちそう感が出ます。ネタは色の並びを意識して、赤(マグロ・サーモン)、白(いか・白身)、黄(卵)、緑(きゅうり・大葉)を散らすと華やかに。木の寿司桶は余分な水分を吸ってくれるので、シャリがべたつかず、ほどよい状態を保てます。家族や友人と、わいわい巻きながら食べる手巻き寿司は、何よりのごちそうですよ。
※木の寿司桶(飯台)があると、酢飯づくりから盛り付けまで大活躍します。木が余分な水分を吸って、シャリがつやよく仕上がります。ちらし寿司や手巻きの盛り付けにも映えるので、ひとつあると寿司の日が楽しみになりますよ。
高齢者・子供と寿司を楽しむときの工夫

寿司はみんなで囲める楽しいごちそうですが、高齢の方や小さなお子さんには、いくつか気をつけたい点があります🍣
私は現役介護士でもあります。高齢の方と寿司を楽しむときは、シャリを小さめに、やわらかめに握り、ネタも小さく切ると食べやすくなります(日本摂食嚥下リハビリテーション学会「嚥下調整食学会分類2013」目安・医師/管理栄養士/言語聴覚士へ相談してください)。かたい酢飯や大きな一貫は、飲み込みにくいことがあるので注意しましょう。生魚は、体調や飲み込む力によっては無理をせず、加熱したネタ(卵・穴子・えび・帆立の煮物・かんぴょう巻き)や、やわらかいネタを選ぶと安心です。わさびは刺激が強いので抜いてお出しし、海苔は口の中で貼りつく誤嚥リスクがあるので、細巻きは小さく切るか、軍艦は控えめに。あがり(お茶)やお吸い物を用意して、のどをうるおしながら食べると、より安全ですよ。
小さなお子さんには、生魚は食中毒(アニサキス・腸炎ビブリオ)やアレルギーの心配があるので、慎重に。1歳未満のお子さんには、生魚・生卵・わさびは絶対NG(乳児ボツリヌス症・食中毒・刺激のリスク)。2歳頃までは生魚も避けるのが安心・加熱したネタ(卵・穴子・えび)は離乳食後期(9ヶ月)以降に少量から(青魚・えびは食物アレルギーに注意)。シャリも小さくにぎってあげると食べやすいです・作り置きは食中毒リスクが高いので当日中に食べきり、再加熱時は中心温度75℃以上で。
寿司の食べ方に関するよくある質問
Q1.寿司は手と箸、どっちで食べるのが正しい?
どちらでも正解です。もともと寿司は手づかみで食べる料理なので、手で食べても上品です。箸でももちろん大丈夫。大切なのは、シャリを崩さず、ネタを主役においしく味わうことですよ。
Q2.醤油はどこにつける?
ネタの先に少しだけつけます。シャリにつけると、崩れて醤油を吸いすぎ、塩辛くなります。寿司を少し傾けて、ネタ側をちょんと醤油に触れさせるのがコツ。軍艦巻きは、ガリで醤油を塗るときれいにいきます。
Q3.食べる順番に決まりはある?
決まりはありません。ただ、白身など淡白なものから、赤身・光り物・煮物と濃厚なものへ進むと、それぞれの味がわかりやすいですよ。好きなネタを好きな順で食べても、まったく問題ありません。楽しむのがいちばんです。
寿司の握り方やシャリの作り方、手巻き寿司の具材の記事も合わせてご覧くださいね 👇
まとめ。。。
今回の記事のポイントをまとめますね。
- 寿司は手でも箸でも大丈夫
シャリを崩さず、そっとつまむのがコツです。 - 醤油はネタに少しだけ
シャリにつけると崩れて塩辛くなります。 - 軍艦はガリで醤油を塗る
わさびはまずそのまま味わってみましょう。 - 順番は淡白から濃厚へが目安
好きなネタを自由に食べても大丈夫です。 - ガリは口直し・あがりは後味すっきり
符牒は使わず「お茶」「醤油」で十分です。 - 握りは早めにいただく
家庭では手巻きやちらしが手軽です。 - 高齢者や子供はシャリ小さく・生魚は無理せず
加熱ネタ・わさび抜きで安心です。

皆さん、寿司の食べ方、イメージがわきましたか?難しい決まりよりも、ネタを主役に、その場を楽しむことが、いちばんのごちそうだと思います🍣 作法を少し知っておくと、大切な人との寿司の時間が、もっとあたたかいものになりますよ。ぜひ気軽に楽しんでくださいね。
最後までお読みいただきありがとうございました。
フッくんでした!





