料理研究家、料理大好きフッくんです。
シャキシャキのサラダに、ひとまわし。ドレッシングは、野菜をごちそうに変える魔法の一滴ですよね。でも「冷蔵庫がドレッシングの瓶だらけ」「手作りしたら分離してばかり」「比率がわからない」と、意外と悩ましい存在でもあります。
正直に言うと、ドレッシングは、覚える比率はひとつだけ。オイル2:酢1です。オリーブオイルの記事でもお伝えした、この黄金比に塩こしょうを加えるだけで、市販品よりおいしい自家製ドレッシングが完成します。あとは、分離を防ぐ「乳化の仲人」さえ知れば、もう瓶を買い足す必要はありませんよ。
そこで今回は、現役料理人20年・栄養士のフッくんが、ドレッシングの作り方をまるごと解説します。黄金比、乳化の科学、和風とごまだれへの展開、そして手作りならではの日持ちの話まで。サラダの味が、この1本で決まりますよ🌸
まずは、みなさんがドレッシングで困りがちなポイントを整理してみましょう。
- 比率がわからず、味がぶれる
オイル2:酢1。覚えるのはこれだけです。 - すぐに分離してしまう
乳化の仲人を少量。マスタードやマヨネーズが働きます。 - 手作りの日持ちがわからない
冷蔵2〜3日。市販より短いのが正しいんです。 - レパートリーが広がらない
フレンチ・和風・ごまだれの展開をお伝えします。
黄金比はオイル2:酢1(覚えるのはこれだけ)


まず、いちばん大事な比率から。基本のフレンチドレッシングは、オリーブオイル大さじ2:酢大さじ1。そこに塩小さじ1/4、こしょう少々、砂糖ひとつまみです。オイル2:酢1——オリーブオイルの記事でもお伝えした、わが家の黄金比ですよ。
2:1は、酸味がきりっと立つ、さっぱり寄りの比率です。「もう少しまろやかに」と感じたら、オイルを足して3:1へ。逆にもっとさっぱりなら、酢を気持ち多めに。比率の軸さえ持っていれば、味見しながら、わが家の一本に育てられます。
酢は米酢がまろやかで万能ですが、ワインビネガーなら洋風に、りんご酢ならフルーティーに。オイルと酢の組み合わせを変えるだけで、同じ2:1から何種類もの顔が生まれますよ。
オイル2:酢1に塩こしょう。まずはこの基本形を一度作ってみてください。
こってり好みなら3:1へ、さっぱりなら酢を気持ち多めに。
軸があるから調整できる——お店の味の育て方と同じですよ。
計量は、大さじスプーンで十分。大さじの換算に迷ったら、大さじ換算の早見表の記事もどうぞ。それでは次に、手作り派の最大の悩み、分離の話です。

フレンチドレッシングの主役には、香り高いエクストラバージンオリーブオイルを。2:1の黄金比で、オイルの質がそのまま味になります。パスタの仕上げにも毎日活躍しますよ。
分離しない科学(乳化の仲人を呼ぶ)

手作りドレッシングが分離するのは、失敗ではありません。油と酢(水分)は、そのままでは混ざらないもの——分離は、自然現象なんです。使う直前によく振れば、それだけでも十分おいしくいただけますよ。
それでも「とろりとつながったままにしたい」なら、乳化の仲人を呼びましょう。粒マスタード、マヨネーズ、すりおろし玉ねぎ、はちみつ。どれかを小さじ1/2ほど加えてよく振ると、油と酢の間を取り持って、とろりとした一体感が長持ちします。
実はこれ、パスタの記事でお伝えした「ゆで汁の乳化」と同じ科学。油と水をつなぐ仲人がいれば、ソースもドレッシングも、ぐっとまとまるんですね。ひとつだけ注意を——はちみつを使ったドレッシングは、加熱しないので、1歳未満の赤ちゃんには与えないでください。
油と酢はそのままでは混ざらない。だから仲人を少量呼びます。
粒マスタードなら風味もついて一石二鳥。マヨネーズでも玉ねぎでも。
よく振ってとろりとしたら、乳化の成功。ゆで汁の魔法と同じ科学ですよ。
科学がわかったところで、次は展開です。同じ考え方で、和風もごまだれも作れますよ。
展開レシピ(和風・ごまだれ)

まず、和風ドレッシング。油を太白ごま油(またはサラダ油)に替えて、2:1の酢に、しょうゆ大さじ1/2を足すだけ。すりごまをひねれば、豆腐サラダや水菜のサラダの相棒になります。
次に、子供に人気のごまだれ。こちらはマヨネーズが土台です。マヨネーズ大さじ2、すりごま大さじ1、砂糖小さじ1、酢小さじ1、しょうゆ小さじ1。まったりコクのあるたれは、温野菜にも蒸し鶏にもよく合いますよ。
軸は、いつも同じ。油と酸味の比率に、香りの衣替え。冷蔵庫の瓶を全部手放しても、この考え方ひとつで、サラダの味は毎日変えられます。
手作りのひと味があると、サラダが自然と食卓に並びます。
生野菜、温野菜、海藻と、土台を替えれば野菜の幅も広がります。
「今日はどの野菜にどのたれ?」——その相談が、野菜好きへの近道ですよ。
酢の主役には、まろやかな米酢を。ツンとしすぎない酸味が、フレンチにも和風にもなじみます。甘酢漬けや酢の物にも毎日活躍する、台所の基本の一本ですよ。
手作りの日持ち(冷蔵2〜3日が正しい)

手作りドレッシングの日持ちは、清潔な容器に入れて、冷蔵で2〜3日。「市販は何ヶ月ももつのに?」と思いますよね。でも、短いのが正しいんです。
市販品が長持ちするのは、保存や品質管理の工夫があるから。手作りには、それがありません。特に、すりおろし玉ねぎやにんにくなど、生の野菜を加えたドレッシングは、さらに早めに使い切ってください。作るときは、食べる分+2〜3日分だけ。「少量をこまめに」が、手作りの正しい付き合い方ですよ。
だからこそ、手作りのよさもあります。塩分も甘さも、自分で決められる。今日のサラダに合わせて、今日の味を作る——瓶を買い足す生活から、比率で作る生活へ。台所が、少し自由になりますよ。
市販のドレッシングは、意外と塩分がしっかりめです。手作りなら、塩をひかえめにして、酢と香りで満足感を出せます。
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」の食塩目標は男性7.5g/日・女性6.5g/日未満。かける量も大さじ1をきちんと計ると、塩分をコントロールしやすくなります。
和風・ごまだれには特定原材料8品目「小麦」(醤油)「卵」(マヨネーズ)「乳」(製品による)+準ずる20品目「大豆」(醤油)「ごま」「りんご」(酢)などが含まれます。アレルギー対応はご確認ください。
やってはいけないドレッシング

手作りドレッシングのよくある失敗は、理屈がわかれば防げます。代表的な4つをまとめました。
- 分離したから失敗だと捨てる
分離は自然現象です。使う直前によく振るか、乳化の仲人を少量加えましょう。 - 比率を計らず目分量で作る
味がぶれる原因です。オイル2:酢1を計量スプーンで。軸があれば調整も自在です。 - 手作りを1週間も置いておく
保存料がないので、冷蔵2〜3日で使い切りましょう。生野菜入りはさらに早めが安心です。 - はちみつ入りを赤ちゃんに使う
加熱しないドレッシングだからこそ要注意。乳児ボツリヌス症のリスクがあり、1歳未満には絶対に与えないでください(厚生労働省「乳児ボツリヌス症」)。
2:1の黄金比の再現には、計量スプーンが頼りになります。オイル大さじ2、酢大さじ1——軸を道具に覚えてもらえば、味は毎回ぴたり。たれや合わせ調味料にも毎日活躍しますよ。
高齢者や子供にやさしいドレッシング

サラダの名脇役のドレッシングは、実は介護の食卓でも、大事な働きをします。現場の目線でお伝えしますね。
まず、うれしい働きから。ドレッシングの油分は、パサつきがちなサラダをしっとりまとめて、飲み込みの味方になってくれます。焼き魚の大根おろしと同じ、「しっとりさせる」気配りですね。
ただし、土台の野菜に注意を。シャキシャキの生野菜は、かむ力が弱くなった方には、実はかみ切りにくい相手です。介護の食卓では、ブロッコリーやにんじんの温野菜サラダにして、とろみのあるごまだれ系をかけるのが定番。やわらかい野菜と、とろりとしたたれ——この組み合わせが、安心のサラダですよ。
お子さんには、甘めのごまだれやマヨ系が人気です。ただ、おいしいからと、かけすぎには気をつけて。離乳食の時期には、ドレッシングは基本使わず、素材の味で。幼児期になってから、少量ずつ慣らしてあげてくださいね。
シャキシャキの生野菜やレタス・わかめなどの薄い葉物は、かむ力・飲み込む力が弱い方には口の中でまとまりにくく、むせ・誤嚥のもとになります。
介護の食卓では、やわらかく加熱した温野菜を一口大に切り、とろみのあるごまだれ(マヨネーズ系)をかけると、まとまって飲み込みやすくなります。
とろみや形態のご相談は日本摂食嚥下リハビリテーション学会「嚥下調整食学会分類2013」を基準に、必ず主治医・言語聴覚士(ST)・管理栄養士にご相談ください。
ドレッシングひとつで、サラダは三世代の一皿になります。かたさと味を、家族に合わせてあげてくださいね。
ドレッシングの作り方でよくある質問
Q1. ドレッシングの黄金比を教えてください。
オイル2:酢1です。オリーブオイル大さじ2に酢大さじ1、塩小さじ1/4、こしょう、砂糖ひとつまみで、基本のフレンチが完成します。
こってりが好みなら3:1へ、さっぱりなら酢を気持ち多めに。2:1の軸から、わが家の味に育ててくださいね。
Q2. 分離しないドレッシングにするには?
乳化の仲人を少量加えてください。粒マスタード、マヨネーズ、すりおろし玉ねぎのどれかを小さじ1/2ほど入れてよく振ると、とろりとつながって分離しにくくなります。
そもそも分離は自然現象なので、使う直前によく振るだけでも大丈夫。気楽に付き合ってあげてください。
Q3. 手作りドレッシングは、どのくらいもちますか?
清潔な容器に入れて、冷蔵で2〜3日が目安です。保存料を使わない手作りは、市販より短いのが正しい姿。すりおろし玉ねぎなど生野菜入りは、さらに早めに使い切ってください。
作るのは、食べる分+2〜3日分だけ。「少量をこまめに」が、手作りの合言葉ですよ。
Q4. サラダ以外にも使えますか?
使えます。フレンチはカルパッチョやマリネに、和風は冷しゃぶや豆腐に、ごまだれは温野菜や蒸し鶏、バンバンジー風にと、たれとしても大活躍します。
2:1の軸は、実は「万能だれ」の軸でもあるんです。サラダの枠を超えて、毎日の一皿に使ってあげてくださいね。
まとめ。。。

ドレッシングの作り方のポイントを、最後にまとめておきますね。
- 黄金比は、オイル2:酢1
塩こしょうと砂糖ひとつまみ。こってり派は3:1へ。 - 分離は自然現象
使う直前によく振る。それだけで大丈夫です。 - 乳化の仲人を少量
マスタード・マヨ・玉ねぎが、油と酢をつなぎます。 - 和風もごまだれも、同じ軸
油と酸味の比率に、香りの衣替えだけです。 - 手作りは冷蔵2〜3日
市販より短いのが正しい。少量をこまめに、です。 - はちみつ入りは1歳未満NG
加熱しないドレッシングだからこそ、要注意です。 - 介護は、温野菜+ごまだれ
しっとりととろみが、飲み込みの味方になります。
ドレッシングは、「2:1の軸と、乳化の仲人」。このふたつだけで、冷蔵庫の瓶の列から卒業できます。今日のサラダに、今日の一本を、3分で。手作りの自由を、ぜひ味わってみてください。
オイルの選び方はオリーブオイルの記事で、計量の基本は大さじ早見表で。台所の基礎が、サラダから整いますよ。困ったときは、またこの記事を見に来てください🌸
最後までお読みいただきありがとうございました。
フッくんでした!






