料理研究家、料理大好きフッくんです。
グラタンやドリア、クリームコロッケ、シチューと、洋食のおいしさを支えるホワイトソース。でも「ダマだらけになった」「焦がしてしまった」「市販の缶としか使ったことがない」と、手作りのハードルを感じていませんか?
正直に言うと、ホワイトソースは、黄金比と「冷たい牛乳」のコツさえ知っていれば、拍子抜けするほど簡単です。しかも、電子レンジでも作れるんですよ。
そこで今回は、現役料理人20年・栄養士のフッくんが、ホワイトソースの作り方をまるごと解説します。ダマにならない理屈、バター・薄力粉・牛乳の黄金比、レンジで作る簡単版、料理に合わせた固さの調整、そして保存のコツまで、お店の厨房のやり方を、家庭向けに全部お伝えしますね🌸
まずは、みなさんがホワイトソースで困りがちなポイントを整理してみましょう。
- ダマだらけになってしまう
牛乳の温度と入れ方に、はっきりした理由があります。 - 焦がしてしまう
火加減と、混ぜる道具で防げます。 - 固さの加減がわからない
牛乳の量で、料理に合わせて調整できます。 - もっと手軽に作りたい
電子レンジで作る方法もお伝えします。

ホワイトソースがダマになる3つの原因
まず、失敗の原因から見ていきましょう。ホワイトソースのダマは、ほとんどが次の3つに当てはまります。
1つ目は、薄力粉の炒め不足です。粉が生っぽいまま牛乳を加えると、粉が水分を吸ってかたまり、ダマの核になります。粉っぽい香りが消えるまで、しっかり炒めるのが土台です。
2つ目は、熱いルーに、牛乳を一気に加えることです。熱いところに冷たい液体がドッと入ると、粉のでんぷんが急激に固まって、ダマになります。実は、これがダマのいちばんの原因。「火を止めて、冷たい牛乳を、少しずつ」が合言葉です。
3つ目は、混ぜ不足です。牛乳を加えるたびに、しっかり混ぜてなじませてから、次を加える。この繰り返しをあわてて省くと、ムラができてダマにつながります。ホワイトソースは、火加減より「混ぜる根気」の料理なんです。
ホワイトソースは、バター・薄力粉・牛乳が主原料です。
文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」で出来上がり100gあたり約129kcal・タンパク質約2.9g・脂質約8.0g・炭水化物約11.0g・カルシウム約80mgを目安に、脂質とカルシウムを含む調味ソースです。
消費者庁の特定原材料8品目には、ホワイトソースには「乳(バター・牛乳)」と「小麦(薄力粉)」の2つの特定原材料が含まれます(重大な食物アレルギーの原因食材)。
コクがあるぶん脂質は高めなので、具材に野菜やきのこをたっぷり合わせるのがおすすめですよ。
手作りなら、塩分もバターの量も、自分で調整できます。
ホワイトソースの黄金比と材料

覚えるのは、たった1つ。「バターと薄力粉は同量(1:1)」です。
基本の黄金比は、バター20g・薄力粉20g・牛乳400ml。これで、グラタン2人分にちょうどよい、とろりとしたソースができます。味つけは、塩少々とこしょう、あればナツメグをひとふり。ナツメグが入ると、ふわっと洋食屋さんの香りになりますよ。
牛乳は、冷蔵庫から出したての冷たいものを使います。あとでお伝えするダマ防止の主役です。薄力粉は、ふるっておくと、より安心。バターは有塩でも無塩でも作れますが、有塩なら塩の量を控えめにしてくださいね。
お店では、ホワイトソースを混ぜる道具にもこだわります。
おすすめは、木べらかシリコンのヘラ。
泡立て器はダマをほぐすのに便利ですが、鍋のふちや底の角にソースが残りやすく、そこから焦げが生まれます。
ヘラなら、鍋肌をこそげながら混ぜられるので、焦げつきを防げるんです。
仕上げに泡立て器でひと混ぜすると、なめらかさが増します。
「ふだんはヘラ、仕上げに泡立て器」の二刀流が、私のおすすめですよ。
ホワイトソース作りには、シリコンのゴムヘラがあると便利です。鍋肌やふちのソースをきれいにこそげながら混ぜられるので、焦げつきを防げて、ソースも無駄なく使い切れます。耐熱性で炒め物にも使えて、ひとつあると重宝しますよ。
ホワイトソースの作り方(基本とレンジ)


いよいよ作り方です。基本の鍋バージョンと、レンジの簡単バージョン、両方お伝えしますね。
基本の作り方(鍋・約10分)
まず、鍋にバター20gを入れて、弱火で溶かします。溶けたら薄力粉20gを加え、焦がさないように、弱火のまま2〜3分炒めます。粉っぽい香りが消えて、ふつふつと軽く泡立つようになったら、炒め上がりのサイン。白いソースにしたいので、色をつけないのがポイントです。
ここで、いったん火を止めます。そして、冷たい牛乳を、少しずつ加えてはよく混ぜ、なじんだらまた加える、を繰り返します。一度にたくさん入れるとダマになるので、最初は特に少しずつ。半量ほど入れてなめらかになったら、残りは2〜3回に分けて大丈夫です。全部混ざったら、再び弱火にかけ、混ぜながら、とろみがつくまで加熱します。ふつふつしてから1〜2分、もったりしたら、塩・こしょう・ナツメグで味をととのえて完成です。
レンジで作る簡単ホワイトソース
火を使わない、レンジ版もお伝えします。耐熱ボウルにバター20gを入れ、ラップなしで600Wで40秒ほど加熱して溶かします。薄力粉20gを加えて、よく混ぜてなじませたら、冷たい牛乳400mlを少しずつ混ぜ入れます。あとは、600Wで2分加熱→取り出してよく混ぜる、を3〜4回繰り返すだけ。とろみがついたら、塩・こしょうで味をととのえて完成です。鍋を見張らなくてよいので、他の調理と並行できて、忙しい日に助かりますよ。
もしダマができてしまっても、あわてなくて大丈夫。
泡立て器でしっかり混ぜれば、小さなダマはほぐれます。
それでも残るときは、ざるでこせば、なめらかなソースに復活します。
お店でも、大量に作るときは最後に必ずこして仕上げるんですよ。
もう一つ、プロの現場の知恵を。
ホワイトソースは「弱火を守って、鍋から離れない」が鉄則です。
数分間つきっきりになりますが、その数分が、焦げのない真っ白なソースを作ります。
スマホを置いて、ソースと向き合ってあげてくださいね。
固さの調整と使い分け(グラタン・コロッケ・シチュー)

ホワイトソースの固さは、牛乳の量で自由に調整できます。バター20g・薄力粉20gに対して、こう覚えてください。
クリームコロッケなど、成形したい料理は、牛乳200〜250mlの固めに。グラタンやドリアは、基本の400ml。クリームシチューやクリーム煮、スープに使うなら、500〜600mlのゆるめに。同じ黄金比から、牛乳の量だけで、洋食の世界がぐっと広がります。作ってから「固すぎた」と思ったら、牛乳を少し足してのばせば大丈夫。逆にゆるいときは、弱火で混ぜながら煮詰めれば、とろみが増しますよ。
時間がない日は、市販のホワイトソース缶を使うのも、立派な選択です。手作りと市販を、平日と週末で使い分けるのも、無理なく続けるコツ。缶のソースに牛乳を少し足してのばし、こしょうやナツメグで香りを足すと、手作りに近い味わいになりますよ。
市販のホワイトソース缶をストックしておくと、思い立った日にグラタンやドリアが作れます。開封後に余ったぶんは、冷凍保存もできるので無駄になりません。牛乳でのばしてスープにも使えて、忙しい日の強い味方になりますよ。
よくある失敗と対策

ここまでのポイントを、失敗別にまとめておきますね。困ったときの逆引きに使ってください。
- ダマだらけになる
熱いルーに牛乳を一気に入れています。火を止めて、冷たい牛乳を少しずつ。できたダマは、こせば復活します。 - 焦げて茶色くなる
火が強いか、混ぜが足りません。終始弱火で、ヘラで鍋底をこそげながら混ぜ続けましょう。 - 粉っぽい味が残る
薄力粉の炒め不足です。粉っぽい香りが消えるまで、弱火で2〜3分しっかり炒めましょう。 - ゆるすぎ・固すぎになる
ゆるければ弱火で煮詰め、固ければ牛乳でのばします。あとからいくらでも調整できるので大丈夫です。
保存とアレンジで広がるホワイトソース

ホワイトソースは、多めに作って保存しておくと便利です。冷蔵なら、清潔な容器に入れて2〜3日。冷凍なら、保存袋に入れて平らにならし、約1ヶ月保存できます。平らにしておくと、使う分だけパキッと折って取り出せますよ。解凍は、冷蔵庫か、レンジで少しずつ。牛乳を少し足しながら温め直すと、なめらかさが戻ります。
アレンジも自在です。チーズを溶かし込めば、コクのあるチーズソース(モルネーソース風)に。グラタンはもちろん、温野菜やチキンソテーにかけるだけで、ごちそうの一皿になります。コーンとあわせてコーンクリーム、ゆでたほうれん草とあわせてクリーム煮、ごはんにかけてチーズをのせればドリアに。ホワイトソースが冷凍庫にあるだけで、平日の献立がぐっと楽になりますよ🌸
ホワイトソースのクリーミーさは、野菜との相性がよいです。
ブロッコリーやほうれん草、かぼちゃ、きのこなど、彩りのよい野菜をたっぷり合わせると、一皿で野菜も一緒にとれます。
苦手な野菜も、ホワイトソースとチーズがまとめてくれるので、お子さんが食べやすいことがあります。
厚労省の日本人の食事摂取基準(2025年版)を目安に、コクがあるぶん、食べすぎには気をつけて、サラダやスープを添えた献立にするとよいですね。
チーズアレンジには、とろけるスライスチーズが手軽です。仕上げに1〜2枚溶かし込むだけで、コクのあるチーズソースに変わります。グラタンのトッピングにも、朝食のトーストにも使えるので、常備しておくと重宝しますよ。
高齢者や子供にやさしいホワイトソース

ホワイトソースは、なめらかで、適度なとろみがあるので、かむ力・飲み込む力が弱くなっている方でも、口の中でまとまりやすく、飲み込みやすい食材です。
日本摂食嚥下リハビリテーション学会「嚥下調整食学会分類2013」を目安に、医師・管理栄養士・言語聴覚士と連携して形態を選んでくださいね。
パサつきやすい鶏むね肉や白身魚も、ホワイトソースをかけてクリーム煮にすると、しっとりして食べやすくなります。
グラタンにするときは、具材を小さく、やわらかく煮て、マカロニもやわらかめにゆでると安心です。
表面の焦げたチーズがかたい場合は、取り除くか、焼き色を控えめにしてあげてください。
手作りなら、塩分も固さも調整できるのが、いちばんの強みです。
作り置きは冷蔵24時間以内、再加熱時は中心温度75℃以上を目安にしてください。
小さなお子さんの離乳食では、牛乳を飲み物として与えるのは1歳以降ですが、加熱する調理に使うのは、中期(生後7〜8か月ごろ)から少量ずつ使えます。
ホワイトソースも、薄味の手作りなら、中期以降のクリーム煮などに少量から。
ホワイトソースの牛乳(乳)と薄力粉(小麦)は、どちらも消費者庁の特定原材料8品目に含まれるアレルギー食材です。
初めて与えるときは、それぞれの食材を試してからにして、ごく少量から、体調のよい平日の日中に試して、症状が出たら医療機関に相談してくださいね。
ホワイトソースの作り方でよくある質問
Q1. ホワイトソースがダマになりました。直せますか?
直せます。まず、泡立て器でしっかり混ぜてみてください。小さなダマなら、これでほぐれます。それでも残るときは、ざるでこせば、なめらかなソースに復活します。お店でも、仕上げにこすのは普通のことなので、失敗ではありませんよ。次から防ぐには、「火を止めて、冷たい牛乳を、少しずつ」の3点セットを守るのがいちばんです。熱いルーに一気に牛乳を入れるのが、ダマの最大の原因です。
Q2. ホワイトソースは冷凍できますか?
はい、冷凍できます。粗熱を取って、冷凍用の保存袋に入れ、平らにならして冷凍すれば、約1ヶ月保存できます。平らにしておくと、使う分だけ折って取り出せて便利です。解凍は、冷蔵庫に移すか、レンジで少しずつ。温め直すときに、牛乳を少し足しながら混ぜると、なめらかさが戻ります。グラタンやシチューのもとが冷凍庫にあると思うと、平日の夕食がぐっと楽になりますよ。
Q3. バターなしでも作れますか?
作れます。バターの代わりに、サラダ油やオリーブオイルでも、薄力粉を炒めてホワイトソースにできます。バターより香りとコクは控えめになりますが、そのぶん軽い仕上がりに。また、炒めずに、薄力粉を冷たい牛乳によく溶かしてから、混ぜながら加熱してとろみをつける方法もあります。ダマになりにくく、脂質も抑えられるので、あっさり仕上げたいときにおすすめですよ。
Q4. 市販のホワイトソース缶と手作り、どう使い分けますか?
忙しさと料理で使い分けるのがおすすめです。手作りは、固さを自由に調整でき、塩分も控えめにできるのが強み。クリームコロッケのような固さが大事な料理や、味を細かく調整したいときに向いています。市販の缶は、開けてすぐ使える手軽さが魅力で、平日のグラタンやドリアにぴったり。缶に牛乳を足してのばし、こしょうやナツメグを足すと、手作りに近い風味になりますよ。どちらも上手に使ってくださいね。
まとめ。。。
ホワイトソースの作り方のポイントを、最後にまとめておきますね。
- 黄金比はバター20g:薄力粉20g:牛乳400ml
バターと粉は同量(1:1)、これだけ覚えれば大丈夫です。 - 粉は弱火で2〜3分炒める
粉っぽい香りが消えるまで、色をつけずに炒めます。 - 火を止めて冷たい牛乳を少しずつ
これがダマ防止の最大のコツです。 - 終始弱火・ヘラで混ぜ続ける
鍋底をこそげながら混ぜれば、焦げません。 - 固さは牛乳の量で調整
コロッケは固め、グラタンは基本、シチューはゆるめに。 - レンジでも作れる
加熱と混ぜるを繰り返すだけで、火を使わず完成します。 - 冷凍は平らにして約1ヶ月
折って使えば、平日のグラタンがぐっと手軽になります。

ホワイトソースは、黄金比と「火を止めて、冷たい牛乳を、少しずつ」さえ守れば、もう怖くありません。一度手作りの味を知ると、グラタンもシチューも、ぐっとおいしくなりますよ。冷凍ストックで、平日の洋食を楽しんでくださいね。困ったときは、またこの記事を見に来てください🌸
最後までお読みいただきありがとうございました。
フッくんでした!







