料理研究家、料理大好きフッくんです。
黄色いご飯の上に、えびや貝がたっぷり並んだパエリア。
パエリアパンをテーブルに出すだけで、おもてなしの主役になってくれますよね。
でも、家で作るとなると「具材は何を入れればいいの?」と迷いませんか?
こんなお悩み、よく聞きます。
- 魚介は何をどれくらい入れればいいか分からない
えびや貝を入れすぎて、ご飯が水っぽくなってしまう。 - 肉のパエリアも作ってみたい
魚介が苦手な家族がいて、肉だけで作れるか知りたい。 - 子どもや高齢の親にも食べやすくしたい
殻や骨のある具材を、どう出せばいいか迷う。
この記事では、現役料理人20年の私が、パエリアの具材を20選でお伝えします。
魚介・肉・野菜と変わり種から、子どもが食べやすい具材、下ごしらえ、基本の作り方まで、順番に見ていきましょう。

パエリアの具材はだし・主役・彩り
パエリアは、スペインのバレンシア地方発祥の米料理です。
魚介が主役のシーフードパエリア、鶏肉などが主役のバレンシア風、両方が入ったミックスと、大きく3つの種類があります。
私は、具材を「だし・主役・彩り」の3つの役割で選んでいます。
- だし:殻つきのえびや貝
殻からうま味がスープに出て、ご飯においしさを吸わせます。 - 主役:いか・鶏もも・チョリソー
食べごたえと、パエリアの顔になる具です。 - 彩り:パプリカ・いんげん・レモン
黄色いご飯に赤と緑が入ると、ぐっと華やかになります。
だし・主役・彩りから1つずつ選べば、パエリアはきれいにまとまります。
パエリアに合わせる献立は、パエリアに合うおかずの記事で紹介しています。
パエリアの具材早見表——20選

まずは、この記事で紹介する20の具材を、入れるタイミングと一緒に表にまとめました。
パエリアは米を炒めてから具をのせて炊くので、入れるタイミングで仕上がりが変わります。
| 分類 | 具材 | 入れるタイミング |
|---|---|---|
| 魚介8 | 有頭えび・あさり・ムール貝・いか・たこ・ほたて・たら・はまぐり | えびといかは先に焼いて取り出し、炊く途中でのせる。貝は殻ごとのせる |
| 肉5 | 鶏もも・鶏手羽元・豚肩ロース・チョリソー・ベーコン | 最初に焼いて中まで火を通し、米と一緒に炊く |
| 野菜と変わり種7 | パプリカ・さやいんげん・トマト・玉ねぎ・マッシュルーム・イカ墨・レモン | 玉ねぎとトマトは最初に炒め、パプリカといんげんはのせて炊く。レモンは仕上げ |
魚介の具材8選——えび・あさり

パエリアといえば、まずは魚介ですよね。
殻つきの魚介を使うと、殻からうま味がスープに出て、ご飯までおいしくなります。
献立の記事でもお伝えしているとおり、殻つきの魚介でだしをとるのが本場の作り方です。
①有頭えび
頭と殻からだしが出る、パエリアのいちばんの主役です。
背わたを取って、殻ごと使います。
②あさり
うま味の強いだしが出て、ご飯全体の味を底上げしてくれます。
砂抜きしてから、殻ごとのせて炊きます。
③ムール貝
黒い殻が映える、見た目も華やかな貝です。
殻の表面のひげ(足糸)を引き抜いてから使います。
④いか
輪切りにして、先に焼いて取り出しておくと、固くなりません。
⑤たこ
ゆでだこを一口大に切って、炊く途中でのせます。
弾力のある食感がアクセントになります。
⑥ほたて
ボイルほたてなら、炊き上がりの前にのせるだけで、甘みが加わります。
⑦たら
白身魚は身がくずれやすいので、大きめに切って、炊く途中でそっとのせます。
⑧はまぐり
お祝いの日のパエリアに。
あさりより大きく、見た目にも豪華になります。
えびの背わたの取り方や冷凍の仕方は、えびの保存方法の記事にまとめています。
はまぐりの砂抜きは、はまぐりの保存方法の記事で紹介しています。
有頭えびは、最初にオリーブ油で頭と殻をこんがり焼いて、油にえびの香りを移します。
その油で米を炒めると、ご飯の一粒一粒にえびのうま味がまとわりつきます。
寿司屋でえびの頭をだしに使うのと同じ考え方で、殻も頭も捨てずに使うのがコツです。
肉の具材5選——鶏もも・チョリソー

本場バレンシアのパエリアは、実は魚介ではなく、鶏肉やうさぎの肉が主役です。
魚介が苦手な家族がいる日は、肉のパエリアにしてみてください。
肉は最初に焼いて、中までしっかり火を通してから米と一緒に炊きます。
⑨鶏もも
一口大に切って、皮目からこんがり焼きます。
うま味の出た脂でご飯を炒めると、こくのあるパエリアになります。
⑩鶏手羽元
骨からだしが出て、ご飯のうま味が深まります。
骨がついているので、食べるときに外してあげてください。
⑪豚肩ロース
角切りにして焼くと、ほどよい脂とうま味が加わります。
⑫チョリソー
スペインのパエリアらしい、ピリッとした辛みと香りが加わります。
辛さがあるので、子どもの分は普通のウインナーに替えるのがオススメです。
⑬ベーコン
厚切りのベーコンを角切りにすると、燻製の香りでご飯の味がまとまります。
鶏肉は、新鮮な鶏肉でも中心75℃1分以上を目安に、中までしっかり火を通してください。
鶏肉の生焼けはカンピロバクターによる食中毒の原因になり、まれに手足のまひが起こるギラン・バレー症候群につながることもあると言われています。
焼いた段階で中まで火が通っているかを、切って確かめてから米と合わせます。
野菜と変わり種7選——イカ墨も

野菜は、パエリアの彩りと、ご飯の甘みを支える名脇役です。
変わり種のイカ墨を使えば、真っ黒なパエリアという、まったく違う一皿が楽しめます。
⑭パプリカ
赤と黄色を細切りにしてのせると、黄色いご飯にぱっと映えます。
⑮さやいんげん
本場バレンシア風の定番。
緑の彩りと、シャキッとした食感が加わります。
⑯トマト
すりおろすか角切りにして、最初に玉ねぎと炒めると、ご飯にうま味と酸味がなじみます。
⑰玉ねぎ
みじん切りにして最初にじっくり炒め、甘みを引き出します。
⑱マッシュルーム
薄切りにして加えると、きのこのうま味と香りが重なります。
⑲イカ墨
スープにイカ墨を溶かすと、黒いパエリアになります。
いかの身と合わせると、こくのある海の味わいです。
⑳レモン
くし切りを仕上げに添えます。
食べる直前にしぼると、魚介の味がすっきり引き締まります。
子どもが食べやすい具材5選

子どもと一緒に食べるパエリアは、殻や骨がなく、辛くない具材を選ぶと安心です。
見た目の華やかさはそのままに、食べやすさを優先した具材を紹介しますね。
どれも、小さく切ってから入れてください。
- むきえび
殻がないので、そのまま食べられます。有頭えびは大人の分だけに。 - 鶏もも(皮なし)
皮を取って小さく切ると、やわらかく食べやすくなります。 - ウインナー
チョリソーの代わりに。辛みがなく、子どもに人気です。 - コーン
黄色いご飯によく合う甘み。小さなお子さんには、つぶしてから混ぜます。 - 黄パプリカ
赤より甘みがあって、苦みが少なく食べやすい色です。
いかやたこは噛み切りにくいので、小さなお子さんの分には入れないか、ごく細かく刻んでください。
下ごしらえと切る大きさ

パエリアは、炊き始めたら混ぜない料理です。
だからこそ、炊く前の下ごしらえで、仕上がりがほとんど決まります。
具材ごとのポイントを押さえておきましょう。
魚介は殻つきのまま、汚れだけ取る
えびは背わたを取り、あさりやはまぐりは砂抜きし、ムール貝はひげを抜いて殻をこすり洗いします。
殻からだしが出るので、殻は外さずに使います。
肉と野菜は火の通りに合わせて切る
鶏ももや豚肉は一口大、パプリカは細切り、いんげんは3cmほどに切ります。
炊き上がりに合わせて、同じくらいに火が通る大きさにそろえるのがコツです。
米は洗ったら乾かしてから
献立の記事と同じく、米は洗ったら、ざるにあげてしっかり乾かしてから使います。
乾いた米を油で炒めると、スープを吸っても粒がくずれにくくなります。
私のお店の組み合わせ例

20の具材から何を選ぶか迷ったら、私がよく作る組み合わせを参考にしてみてください。
パエリアの3つの種類に合わせて、表にまとめました。
| パエリア | 具材 | ひとこと |
|---|---|---|
| シーフード | 有頭えび・あさり・ムール貝・いか・パプリカ | 殻つきの魚介のだしで、いちばん華やかに |
| バレンシア風 | 鶏もも・さやいんげん・パプリカ・トマト | 本場の味。魚介が苦手な家族にも |
| 黒いパエリア | いか・イカ墨・玉ねぎ・レモン | 真っ黒な見た目で、おもてなしに驚きを |
魚介と肉の両方を入れたミックスパエリアにするなら、有頭えびとあさり、鶏ももを合わせると、どちらのうま味も楽しめます。
基本のパエリアの作り方(4人分)

ここでは、シーフードと鶏肉を合わせた、基本のパエリアの作り方を紹介します。
フライパンでも作れるので、パエリアパンがなくても大丈夫です。
詳しい手順は、下のボタンから開いてください。
材料(4人分)
米 2合/有頭えび 4尾/あさり 200g/いか 1ぱい/鶏もも 150g/玉ねぎ 1/2個/トマト 1個/パプリカ 1/2個/さやいんげん 6本/にんにく 1かけ
水 450ml/固形ブイヨン 1個/サフラン ひとつまみ(湯大さじ2で戻す)/塩 小さじ1/2/オリーブ油 大さじ3/レモン 適量
手順
①米は洗ってざるにあげ、しっかり乾かす。あさりは砂抜きし、えびは背わたを取る
②フライパンにオリーブ油を熱し、えびといかを焼いて取り出す
③同じフライパンで鶏ももを焼き、中まで火を通す。にんにく・玉ねぎ・トマトを加えて炒める
④米を加えて透きとおるまで炒め、水・ブイヨン・サフランを戻し汁ごと・塩を加えて、平らにならす
⑤中火で混ぜずに10分ほど煮て、あさり・えび・いか・パプリカ・いんげんをのせる
⑥水分が減ってトロトロになってからふたをして弱火で10分、最後に強火で30秒ほど焼いておこげを作り、火を止めて10分蒸らす
ふたを早めにすると、ご飯がべちゃっとした食感になるので、水分が減ってから閉めてください。
あさりやムール貝、はまぐりなどの二枚貝は、中心部85〜90℃で90秒以上を目安にしっかり加熱し、口が開かないものは取り除いてください。
最後に強火にしたら、フライパンの底から「パチパチ」と乾いた音がしてきます。
香ばしい香りがふっと立ったら、それがおこげのできた合図です。
焦げくさいにおいになる前に火を止めるのが、黄金色のおこげに仕上げるコツです。
パエリアの具材で避けたいこと3つ

パエリアは、具材を増やすほどおいしくなるわけではありません。
米が主役の料理だからこそ、よくある3つの失敗を知っておくと、仕上がりがぶれません。
- 具をのせすぎる
具から水分が出て、ご飯が水っぽくなります。具は米が少し見えるくらいにします。 - 炊いている途中でかき混ぜる
米がつぶれて、べちゃっとします。スープを入れたら、混ぜずに炊きます。 - えびといかを最初から炊く
身が縮んで固くなります。先に焼いて取り出し、炊く途中でのせます。
3つに共通するのは、「米を主役にして、具はそれを引き立てる」という考え方です。
パエリアの栄養——魚介と米で

栄養士として、パエリアの栄養の考え方も押さえておきますね。
パエリアは、魚介や肉のたんぱく質と、米の主食がひと皿にそろった料理です。
一方で、野菜は彩り程度になりやすいので、サラダやスープで足してあげると、献立のバランスが整います。
パエリアに合う副菜やスープと、献立例の栄養の数値は、パエリアに合うおかずの記事で紹介しています。
具材の種類や量で栄養は大きく変わるので、この記事では数字は書いていません。
この記事の具材の特定原材料は、えびです。
準ずる品目では、いか、鶏肉、豚肉が入り、チョリソーやウインナー、ベーコン、固形ブイヨンは商品によって小麦や乳、大豆なども入ります。
食物アレルギーのあるご家族がいるときは、使う具材と調味料の表示を確かめてください。
パエリアは、魚介と米でたんぱく質と主食がしっかりとれる一方、野菜は少なめになりがちです。
トマトやパプリカのサラダを1品添えると、彩りも栄養のバランスもよくなります。
塩分の指示を受けている方は、かかりつけの先生の指示を優先してください。
高齢者や子供にやさしいパエリア

パエリアは、大きなパンを家族みんなで囲む料理です。
それでも、殻や骨のある具材が多いので、食べる人に合わせた取り分けが大切です。
高齢の家族に出すとき
えびの殻や貝殻は外して、身とご飯だけを取り分けてください。
いかやたこは噛み切りにくいので、細かく刻むか、除いて出します。
鶏手羽元を使ったときは、骨を外したうえで、骨を2回確かめてから取り分けましょう。
ご飯粒がばらけて飲み込みにくい方には、日本摂食嚥下リハビリテーション学会の嚥下調整食学会分類2013を目安に、やわらかさを調整してくださいね。
スープのとろみは、唾液で戻りにくい市販のとろみ剤(とろみ調整食品)でつけてください。
小さなお子さんに出すとき
2歳以下のお子さんには、むきえびや皮なしの鶏ももなど、殻や骨のない具を細かく刻んで取り分けてください。
殻を外して取り分けたあとも、殻のかけらが残っていないかを確かめます。パエリアは鍋ごと熱々で出すので、器に取り分けて少し冷ましてから出してください。
味つけも大人と同じなので、1歳未満のお子さんにはパエリアそのものは出さないようにしましょう。
魚介や鶏肉を離乳食に使うときの始める時期や量は、月齢で変わるので、かかりつけの先生や自治体の相談窓口で確かめてくださいね。
えびやいかは、はじめて食べるときに気をつけたい食材です。
私は現役介護士でもあります。
おこげのついたかためのご飯や、殻つきの魚介は、噛む力が弱い方には食べにくいことがあります。
その日は、同じ魚介のスープで米をやわらかく煮て、殻を外した具を細かく刻んでお出ししています。
パエリアを、やわらかい魚介のリゾットに置き換える日があっていい。
パエリアの具材でよくある質問
最後に、パエリアの具材についてよくいただく質問にお答えします。
Q1. シーフードミックスでもいい?
もちろん大丈夫です。
解凍したら水気をしっかり拭いてから使うと、ご飯が水っぽくなりません。
Q2. サフランがないときは?
ターメリックを少し使うと、色は黄色く仕上がります。
香りはサフランとは違うので、魚介のだしをしっかりきかせてください。
Q3. 米の代わりにパスタで作れる?
短く折ったパスタで作るスペイン料理「フィデウア」があります。
パスタのゆで方の基本は、パスタのゆで方の記事で紹介しています。
Q4. 具材は何種類がいい?
だしの魚介を2つ、主役を1つ、彩りの野菜を2つの、5種類ほどが目安です。
入れすぎると、ご飯が水っぽくなります。
“おいしい”は、全部が重なること
パエリアのおいしさは、具材だけでは決まりません。
魚介のだし、サフランの香り、そして底にできたおこげ。
その3つがパエリアパンの中で重なって、はじめてパエリアの味になります。
そして、もうひとつ重なるのが、大きなパンを囲む人の笑顔です。
ふたを開けた瞬間の歓声も、取り分けるときのにぎやかさも、パエリアの大切な一部です。
だしと、香りと、おこげと、囲む人の笑顔。
その全部が重なったとき、パエリアはいちばんおいしくなります。
次のパエリアには、どの具材を入れますか?
まとめ。。。

パエリアの具材20選を、魚介・肉・野菜と変わり種から、子どもが食べやすい具材、下ごしらえ、基本の作り方までまとめました。
- 具材はだし・主役・彩りで選ぶ
1つずつ選べば、きれいにまとまります。 - 殻つきの魚介でだしをとる
えびの頭は最初に油で焼いておきます。 - 肉は中までしっかり火を通す
鶏肉は中心75℃1分以上が目安です。 - 米は洗ったら乾かしてから
炊き始めたら混ぜずに炊きます。 - ふたは水分が減ってから
最後に強火30秒でおこげを作ります。 - 殻と骨は外して取り分け
高齢の方と小さなお子さんの分は、とくにていねいに。 - 子どもには殻のない具を
むきえび・皮なしの鶏もも・ウインナーで。
パエリアは、家族や仲間と大きなパンを囲む、にぎやかな料理です。
具材を選ぶ時間から、もうパーティーは始まっています。
次のおもてなしには、ぜひ20選から具材を選んで、パエリアを炊いてみてくださいね。
ふたを開けた瞬間の歓声が、きっと食卓を包むはずだよ。
フッくんでした!
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