料理研究家、料理大好きフッくんです。
敬老の日は、おじいちゃん・おばあちゃんの長寿を敬い、感謝を伝える大切な行事ですよね。2026年は9月21日(月)、毎年9月の第3月曜日です。せっかくのお祝いの席、心をこめたごちそうで囲みたいものです。
「長生きしてくれたおばあちゃんに、お祝いのごちそうを食べさせてあげたい」——ご家族はそう願い、「ご利用者様にも、敬老の日の特別な一膳を食べて頂きたい」——私たち介護の現場も同じ気持ちです。ただ、ご高齢の方にとっては「噛む力・飲み込む力」への配慮が欠かせません。
今回は、敬老の日のお祝い膳を嚥下(えんげ)に配慮してやわらかく仕立てた献立を7選、栄養士・現役介護士の視点でご紹介します。
- 長寿祝いをやわらか仕立てで
茶わん蒸し・鯛・お祝い赤飯風など縁起のよい7品を嚥下配慮で - UDF×嚥下調整食分類2013の早見表
ご家族の状態に合わせて選べます - 献立例A・B(栄養成分付き)
お祝いらしさと栄養バランスを両立 - お餅の誤嚥を避ける工夫
安全に楽しむためのNG食材も解説
ぜひ最後までご覧くださいね🌸
敬老の日の介護食の基本

敬老の日は、長寿を敬い、これまでの感謝を伝える日です。お祝いの食卓は華やかにしたいものですが、ご高齢の方と囲むなら「安全」と「お祝いの気持ち」の両立が大切です。
- 紅白・季節の彩りでお祝い感を
紅白や旬の彩りを添えるだけで、いつもの介護食がぐっとお祝いらしくなります - お餅・おこわは避けて代替を
お祝い=お餅になりがちですが、もち米は喉に貼りつきやすく危険。上新粉やこしあん、ういろうなどで安全に代替します - やわらかさ・とろみ・ひと口大
見守りながら、ゆっくり召し上がっていただくことを最優先に
敬老の日は、長生きを祝う気持ちを大切にしながら、ご本人の体調にやさしい一膳にしたいですね🍵
敬老の日の介護食献立7選

敬老の日らしい縁起のよい料理を、嚥下に配慮してやわらか仕立てにした7品です。
- ①やわらか茶わん蒸し
お祝いの定番。だしをきかせてなめらかに蒸し、銀あんをかけてさらに飲み込みやすく。ふるふるの食感が喜ばれます - ②鯛のやわらか蒸し 銀あんかけ
「めでたい」の鯛は敬老の日にぴったり。骨をていねいに取り、酒蒸しにして、とろみのある銀あんをかけてしっとりと - ③お祝い赤飯風(もち米不使用)
赤飯はお祝いの象徴。もち米は使わず、軟飯に小豆をやわらかく煮て合わせ、誤嚥しにくいお赤飯風に仕立てます - ④温かいにゅうめん
やわらかく煮たにゅうめんを2〜3cmに切り、つゆにとろみをつけて。長寿を願う「長いもの」を安全な形で - ⑤紅白の彩り小鉢
やわらか大根とにんじんを甘酢でくたっと煮た、紅白なます風。お祝いの彩りをやさしい口当たりで - ⑥秋野菜のやわらか炊き合わせ
かぼちゃ・里芋・にんじんを、だしで箸でほろりと崩れるまで煮含めた、季節を感じる一品 - ⑦長寿のお祝い和菓子(ういろう風)
お餅・大福の代わりに、上新粉のやわらかういろうやこしあんの練り菓子で。紅白にすればお祝い感もたっぷり🌹
敬老の日の「長いものを食べて長寿を願う」風習には、そうめん・にゅうめんがぴったりです。即席のにゅうめんなら、温かいだしでやわらかく仕上がり、食欲が落ちている時にも食べやすいです。
UDF×嚥下調整食分類2013 早見表

ご家族やご利用者様の状態に合わせて、かたさ・とろみを選びましょう。市販の介護食でおなじみのUDF区分と、医療・介護現場で使われる嚥下調整食分類2013の対応の目安です。
| UDF区分 | 嚥下調整食分類2013 | かたさの目安 |
|---|---|---|
| UDF区分1(容易にかめる) | コード4 | 歯ぐきでつぶせる程度・やわらか茶わん蒸しや炊き合わせ |
| UDF区分2(歯ぐきでつぶせる) | コード3 | 舌でつぶせる程度・鯛の蒸し物やお祝い赤飯風 |
| UDF区分3(舌でつぶせる) | コード2-2 | まとまりやすいペースト・とろみにゅうめんやういろう |
| UDF区分4(かまなくてよい) | コード2-1 | なめらかで均質・紅白寄せや水ようかん状 |
UDF区分に該当しないコード1j・0j・0t(ゼリー状・とろみ水など)は、より配慮が必要な段階です。状態に迷う場合は、かかりつけ医や言語聴覚士など専門職にご相談ください。
敬老の日の介護食 献立例
栄養バランスを考えたお祝い膳の献立例を2パターンご用意しました。お祝いらしさを大切にしつつ、たんぱく質やビタミンも意識しています。
①軟飯
②やわらか茶わん蒸し
③鯛のやわらか蒸し 銀あんかけ
④秋野菜のやわらか炊き合わせ
⑤紅白の彩り小鉢

①全粥
②温かいにゅうめん
③豆腐とかぼちゃのやわらか煮
④長寿のお祝い和菓子(ういろう風)

| 栄養価 | 献立例A(やわらかお祝い膳) | 献立例B(つぶしお祝い膳) |
|---|---|---|
| メニュー | 軟飯 やわらか茶わん蒸し 鯛のやわらか蒸し 秋野菜の炊き合わせ 紅白の彩り小鉢 | 全粥 温かいにゅうめん 豆腐とかぼちゃのやわらか煮 長寿のお祝い和菓子 |
| エネルギー | 約520kcal | 約420kcal |
| たんぱく質 | 約22g | 約16g |
| 脂質 | 約14g | 約10g |
| 炭水化物 | 約75g | 約66g |
| 食物繊維 | 約5g | 約4g |
| カルシウム | 約180mg | 約150mg |
| ビタミンC | 約35mg | 約25mg |
| 食塩相当量 | 約2.2g | 約1.8g |
献立例Aは噛む力が比較的ある方向け、Bは舌でつぶせる程度の方向けです。どちらも鯛・豆腐・卵でたんぱく質を補い、お祝いらしい彩りを大切にした構成にしています🌸
敬老の日の介護食 嚥下対応の調理5原則

お祝い膳をやわらかく安全に仕上げるための、現場で実践している5つの原則です。
- ①やわらかく煮含める
野菜や乾物は、箸でほろりと崩れるまで時間をかけて煮る。圧力鍋も便利 - ②ひと口大・繊維を断つ
繊維のある野菜は繊維を断ち切る方向に切り、ひと口大に。麺は2〜3cmに短くカット - ③とろみ・銀あんでまとめる
茶わん蒸し・鯛・にゅうめんは、銀あんやとろみ調整剤で口の中でまとまりやすくする - ④たんぱく質と彩りを意識
鯛・豆腐・卵でたんぱく質を、紅白の彩りでお祝い感と食べる意欲を引き出す - ⑤お餅は使わず安全に代替
お祝いのお餅は、上新粉・こしあん・ういろう・葛菓子に置き換えて誤嚥を防ぐ
とろみ調整剤は、つゆや銀あんのとろみづけに欠かせない介護食の必需品。さっと溶けてダマになりにくいタイプを選べば、むせ込みを防ぎ、安全に召し上がっていただけます。
敬老の日の嚥下対応レシピ3品

お祝い膳の代表的な3品の作り方を詳しくご紹介します。
【1】やわらか茶わん蒸し 銀あんかけ(2人前)
卵1個/だし200ml/薄口しょうゆ・みりん各小さじ1/銀あん用だし100ml/とろみ調整剤適量
①卵を溶き、冷ましただしと調味料を合わせてこし器でこします。
②器に注ぎ、弱火で12〜15分、ふるふるになるまで蒸します。
③銀あん用のだしを温めてとろみ調整剤でとろみをつけ、蒸し上がりにかけて完成。なめらかで飲み込みやすい一品です。
【2】お祝い赤飯風(2人前)※もち米不使用
軟飯300g/ゆで小豆(無糖)大さじ3/ゆで汁少々/黒ごま少々
①小豆はやわらかくゆで、皮が気になる場合は軽くつぶします。
②温かい軟飯に小豆とゆで汁を混ぜ、ほんのり赤く色づける程度に。もち米は使わず、誤嚥しにくいやわらかさに。
③器に盛り、黒ごまを少々ふってお祝い感を演出。お赤飯の雰囲気を安全に楽しめます。
【3】長寿のお祝い和菓子 ういろう風(4個分)※餅の代替
上新粉50g/砂糖30g/水120ml/こしあん80g/食紅少々(紅白用)
①上新粉・砂糖・水を混ぜて器に流し、ラップをして電子レンジで2〜3分加熱し、よく練ります。
②半量に食紅を加えて紅色にし、紅白に。やわらかく、もち米のような貼りつきがない口当たりに。
③ひと口大に切り、こしあんを添えて完成。お餅の代わりに、安心してお祝いの甘味を楽しめます🌹
敬老の日の介護食で避けたいNG食材3選

長寿をお祝いする席だからこそ、安全に楽しんでいただくために気をつけたい食材を3つまとめました。
- お餅・大福・おこわ敬老の日のお祝いにお餅を用意したくなりますが、もち米は粘り気が強く喉に貼りつきやすいため、ご高齢の方には誤嚥・窒息のリスクが非常に高い食材です。提供は避け、上新粉のういろうや軟飯のお祝い赤飯風、こしあん・葛菓子などで代替しましょう。お祝いの気持ちは大切にしつつ、安全な形で楽しんでいただくのが一番です。
- 串に刺した料理(団子串・焼き鳥など)お祝いの席で出がちな串ものは、竹串の先が鋭く、口や喉を傷つける危険があります。提供する際は必ず串を抜き、ひと口大に切り分けてください。だんごも、串から外して上新粉のやわらか団子にし、こしあんやみたらしあんでまとまりよく仕上げると安心です。
- 硬い生果物・大きな塊の肉りんごや梨などの硬い生果物、繊維の多い大きな肉は、噛み砕きにくく、かけらが気道に入る危険があります。果物はすりおろす・やわらかく煮る・コンポートにする、お肉はやわらかく煮込んでほぐすなどの工夫を。バナナや熟した桃、缶詰の果物など、やわらかいものを選ぶと安心です。
ひと手間かけるだけで、ご家族みんなが安心して敬老の日の食卓を囲めます🌸
現役介護士の敬老の日の食卓のコツ

🍵 敬老の日の食卓で大切にしているのは、「主役はご本人」という気持ちです。
すべての料理を完璧に揃える必要はありません。ご本人の嚥下の状態に合わせて、やわらかさやとろみを調整し、一品でもお祝いらしいメニュー(茶わん蒸しや紅白の彩りなど)があれば、敬老の日の特別感は十分に伝わります。「おめでとう」の言葉と、好物をひと口でも一緒に味わう時間そのものが、何よりのごちそうです。ご本人のペースに合わせて、ゆっくり楽しんでくださいね🥄
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敬老の日の介護食に関するよくある質問
敬老の日の介護食について、よくいただく質問4つにお答えします。
Q1. 敬老の日にお餅を食べさせてあげたいけど大丈夫?
A. もち米は避け、代替がおすすめです。
お餅やおこわのもち米は喉に貼りつきやすく、ご高齢の方には誤嚥・窒息のリスクがあります。上新粉のういろうや、軟飯のお祝い赤飯風、こしあん・葛菓子などで代替すれば、安全にお祝いの気持ちを形にできます🥄
Q2. お祝いらしく華やかにするコツは?
A. 紅白の彩りと季節の器を意識しましょう。
紅白なます風の小鉢や、紅白のういろうを添えるだけで、ぐっとお祝いらしくなります。秋らしい器や敷紙を使うと、見た目から季節と行事を感じていただけて、食べる意欲にもつながります🌸
Q3. 食欲が落ちている時はどうすれば?
A. つるんと食べやすいものと、好物をひと口から。
茶わん蒸し・にゅうめん・水ようかん状の甘味など、のど越しのよいメニューがおすすめです。無理に量を求めず、好物をひと口でも一緒に味わえれば、それが何よりのお祝いになります🍵
Q4. UDF区分と嚥下調整食分類2013、どう使い分ける?
A. 市販品はUDF、現場の共有は分類2013が目安です。
スーパーで買える介護食のパッケージにはUDF区分が、医療・介護の現場では嚥下調整食分類2013がよく使われます。本記事の早見表を参考に、ご本人の状態に合うかたさを選んでください。迷う場合は専門職にご相談を🌸
まとめ。。。
今回は、敬老の日のお祝い膳をやわらかく仕立てた介護食献立を7選ご紹介しました。
- 長寿祝いをやわらか仕立てで
茶わん蒸し・鯛・お祝い赤飯風・にゅうめんなど縁起のよい7品 - UDF×嚥下調整食分類2013で選ぶ
ご本人の状態に合わせたかたさ・とろみを - お餅は代替で安全に
上新粉・こしあん・ういろう・葛菓子で誤嚥を防いで - 主役はご本人・気持ちが一番のごちそう
華やかさと安全を両立し、ゆっくり味わう時間を大切に
敬老の日は、長生きを祝い、感謝を伝える、心あたたまる一日です。ご高齢のご家族と食卓を囲むなら、安全への配慮を忘れずに、けれどお祝いの気持ちをたっぷりこめて。やわらかく仕立てたお祝い膳で、みんなが笑顔で過ごせる敬老の日になりますように。ご本人のペースに合わせて、無理なく楽しんでくださいね。
最後までお読みいただきありがとうございました。フッくんでした!








