料理研究家、料理大好きフッくんです。
こどもの日(端午の節句)は、子どもの健やかな成長を願う、5月5日の節句ですよね。こいのぼりを揚げ、兜を飾り、柏餅やちまきを食べてお祝いします。介護施設でも、季節を感じる大切な行事。お孫さんと一緒に過ごすご家庭も多いですよね。ただ——正直に言うと、こどもの日の食べ物にも、ご高齢の方には見過ごせない危険が隠れています。
「おじいちゃんおばあちゃんにも、こどもの日のお祝いを食べさせてあげたい」——ご家族はそう願い、「ご利用者様にも、季節の行事食を食べて頂きたい」——私たち介護の現場も同じ気持ちです。けれど、柏餅やちまきはお餅・もち米で窒息のリスクが高い食べ物。だからこそ、お祝いの気持ちはそのままに、やわらかく安全に仕立て直すことが大切です。
今回は、こどもの日のごちそうを嚥下(えんげ)に配慮してやわらかく仕立てた献立を7選、栄養士・現役介護士の視点でご紹介します。大阪育ちの料理人として、柏餅とちまきの話もまじえてお伝えしますね🎏
- 柏餅・ちまきは餅・もち米を代替
窒息しやすいお餅は使わず、上新粉やういろう・こしあんで端午の節句の味を安全に - こいのぼりの彩りで楽しく
こいのぼりや兜をイメージした、やわらかメニューで季節感を - UDF×嚥下調整食分類2013の早見表
ご家族の状態に合わせて選べます - こどもの日に避けたいNG食材も分かる
柏餅・ちまき・こいのぼりウインナーの落とし穴を解説します
ぜひ最後までご覧くださいね🌸
こどもの日の介護食の基本

こどもの日の行事食は楽しいものですが、ご高齢の方と楽しむなら「安全」が何より大切です。特に柏餅・ちまきには注意が必要です。
- 柏餅・ちまきは餅・もち米を代替する
柏餅はお餅、ちまきはもち米で、どちらも喉に貼りつきやすく窒息のリスクがあります。上新粉のやわらか生地・ういろう・こしあん・やわらかく炊いたご飯で置き換えます - こいのぼりウインナーはやわらか食材に
こどもの日デコの定番のウインナーは、皮や弾力で誤嚥しやすいので、はんぺんやつくね、卵焼きでこいのぼりを表現すると安全です - こいのぼり・兜の彩りで季節感を
赤・青・黄の彩りや、こいのぼり・兜をかたどるだけで、いつもの介護食がぐっとこどもの日らしくなります
ちなみに、柏餅は関東、ちまきは上方(関西)で親しまれてきた習わしです。大阪育ちの私は、子どもの頃はちまき派でしたよ。こどもの日は、季節を感じながら、ご本人の体調にやさしい一膳にしたいですね🍵
こどもの日の介護食献立7選

こどもの日らしい彩りの料理を、嚥下に配慮してやわらか仕立てにした7品です。
- ①柏餅風のやわらかおやつ
こどもの日の主役。お餅は使わず、上新粉のやわらか生地やういろうでこしあんを包み、柏の葉を添えて雰囲気を - ②やわらか中華おこわ風
ちまきの代わりに、もち米を使わずやわらかく炊いたご飯に具を混ぜて。笹の香りを添えると端午の節句らしく - ③こいのぼりの彩りやわらか卵焼き
だし巻き卵をこいのぼりに見立て、うろこを錦糸卵や薄焼き卵で。ふんわりやわらかく、卵は中心までしっかり火を通します - ④鯉のぼり風はんぺん
はんぺんを鯉のぼり型に。やわらかくて誤嚥しにくく、こどもの日の彩りになります - ⑤春野菜のやわらか煮
たけのこ(やわらか部分)・にんじん・絹さやを、だしで箸が通るまで煮含めた季節の一品 - ⑥なめらか茶わん蒸し
彩りの具をなめらかに蒸して、銀あんでさらに飲み込みやすく。卵は中心までしっかり加熱します - ⑦こどもの日の3色ゼリー
こいのぼりの赤・青・黄をイメージした3色ゼリーで、甘いお祝いを安全に
UDF×嚥下調整食分類2013 早見表

ご家族やご利用者様の状態に合わせて、かたさ・とろみを選びましょう。市販の介護食でおなじみのUDF区分と、医療・介護現場で使われる嚥下調整食分類2013の対応の目安です。
| UDF区分 | 嚥下調整食分類2013 | かたさの目安・この献立での例 |
|---|---|---|
| UDF区分1(容易にかめる) | コード4 | かたい・大きいものはやや苦手な方に。春野菜のやわらか煮・中華おこわ風 |
| UDF区分2(歯ぐきでつぶせる) | コード3 | 歯ぐきでつぶせるかたさ。こいのぼり卵焼き・鯉のぼり風はんぺん |
| UDF区分3(舌でつぶせる) | コード2-2 | 舌でつぶせるなめらかさ。柏餅風のやわらかおやつ・なめらか豆腐の白和え |
| UDF区分4(かまなくてよい) | コード2-1 | かまずに食べられる均質なもの。こどもの日の3色ゼリー・裏ごし野菜 |
UDF区分に該当しないコード1j・0j・0t(ゼリー状・とろみ水など)は、より配慮が必要な段階です。状態に迷う場合は、かかりつけ医や言語聴覚士など専門職にご相談ください。
こどもの日の介護食 献立例
栄養バランスを考えたこどもの日膳の献立例を2パターンご用意しました。お祝いらしさを大切にしつつ、たんぱく質やビタミンも意識しています。
①やわらか中華おこわ風
②こいのぼりの彩りやわらか卵焼き
③鯉のぼり風はんぺん
④春野菜のやわらか煮
⑤柏餅風のやわらかおやつ

①なめらか卵粥
②なめらか茶わん蒸し
③鯉のぼり風はんぺん
④こどもの日の3色ゼリー

| 栄養価 | 献立例A(やわらかこどもの日膳) | 献立例B(つぶしこどもの日膳) |
|---|---|---|
| メニュー | ①やわらか中華おこわ風 ②こいのぼり卵焼き ③鯉のぼり風はんぺん ④春野菜のやわらか煮 ⑤麩と三つ葉のすまし汁 ⑥柏餅風おやつ | ①なめらか卵粥 ②なめらか豆腐の白和え ③鯉のぼり風はんぺん ④春野菜のすり流し汁 ⑤こどもの日の3色ゼリー |
| エネルギー | 約530kcal | 約510kcal |
| たんぱく質 | 約23g | 約21g |
| 脂質 | 約13g | 約14g |
| 炭水化物 | 約78g | 約74g |
| 食物繊維 | 約6g | 約6g |
| カルシウム | 約190mg | 約190mg |
| ビタミンC | 約30mg | 約25mg |
| 食塩相当量 | 約2.5g | 約2.5g |
献立例Aは噛む力が比較的ある方向け、Bは舌でつぶせる程度の方向けです。どちらも卵・はんぺんでたんぱく質を補い、こどもの日らしい彩りを大切にした構成にしています🎏
こどもの日の介護食 嚥下対応の調理5原則

こどもの日のごちそうをやわらかく安全に仕上げるための、現場で実践している5つの原則です。
- ①柏餅・ちまきは餅・もち米を代替する
柏餅はお餅、ちまきはもち米なので提供せず、上新粉のやわらか生地・ういろう・こしあん・やわらかく炊いたご飯に置き換えます。これがこどもの日の介護食で一番大切な原則です - ②こいのぼりデコはやわらか食材で
ウインナーは皮や弾力で誤嚥しやすいので、はんぺん・つくね・卵焼きでこいのぼりや兜を表現します - ③彩りは加熱した具で
ちらしや飾りに生魚は使わず、錦糸卵や桜でんぶ、煮た具など火を通したもので彩ります - ④野菜はだしでくたくたに煮含める
たけのこ・にんじん・絹さやは、箸でほろりと崩れるまで時間をかけて煮ます - ⑤あん・とろみでまとめて飲み込みやすく
仕上げに銀あんやとろみをつけると、口の中でまとまって飲み込みやすくなります
とろみ調整剤は、茶わん蒸しの銀あんや汁物のとろみづけに欠かせない介護食の必需品。さっと溶けてダマになりにくいタイプを選べば、むせ込みを防ぎ、安全に召し上がっていただけます。
こどもの日の嚥下対応レシピ3品

こどもの日膳の代表的な3品の作り方を詳しくご紹介します。主役の柏餅風から、ていねいに。
【1】柏餅風のやわらかおやつ(4個分)※もち米不使用
上新粉80g/砂糖小さじ2/ぬるま湯70ml/こしあん80g/柏の葉(飾り用・あれば)
①上新粉に砂糖を混ぜ、ぬるま湯を少しずつ加えてなめらかにこねます(もち米を使わないので喉に貼りつきにくい生地になります)。
②小さく分けて平たくのばし、こしあんを包んでやわらかく蒸します。
③柏の葉を添えれば、見た目は柏餅そのもの。やわらかく、安心して端午の節句の味を楽しめます。あんが気になる方はこしあんを裏ごしして、なめらかに。
【2】鯉のぼり風はんぺん(2人前)
はんぺん1枚/薄焼き卵・のり(飾り用)少々/だし・とろみ調整剤適量
①はんぺんを鯉のぼりの形に切り、やわらかく温めます。
②薄焼き卵やのりで、うろこや目を飾ります(のりは小さく刻むか、苦手な方は省きます)。
③だしにとろみをつけてかければ、やわらかく彩りも楽しい一品。弾力のあるウインナーの代わりに、安全にこいのぼりを表現できます。
【3】やわらか中華おこわ風(2人前)※もち米不使用
軟らかめに炊いたご飯300g/鶏もも肉50g/干し椎茸・にんじん 各適量/しょうゆ・みりん各小さじ2
①ご飯はいつもより水を多めにやわらかく炊きます(もち米は使いません)。
②鶏もも肉・椎茸・にんじんを細かく刻んでやわらかく煮て、中心までしっかり火を通します(中心温度75℃で1分以上が目安)。
③やわらかご飯に具を混ぜ、笹の香りを添えれば、ちまき風のやさしい一品に。もち米を使わず、安心して食べられます。
こどもの日の介護食で避けたいNG食材3選

楽しいこどもの日だからこそ、安全に楽しんでいただくために気をつけたい食材を3つまとめました。
- 柏餅・ちまき(餅・もち米)柏餅はお餅、ちまきはもち米で、どちらも喉に貼りつきやすく、ご高齢の方には窒息のリスクが高い食べ物です。提供は避け、上新粉のやわらか生地・ういろう・こしあん・やわらかく炊いたご飯で代替してください。上新粉で作れば、見た目は柏餅そのままに、安全に端午の節句の味を楽しめます。
- こいのぼりウインナー・かたい飾りこどもの日デコの定番のウインナーは、皮や弾力でご高齢の方には噛み切りにくく誤嚥しやすい食材です。こいのぼりや兜は、はんぺん・つくね・だし巻き卵などやわらかい食材で表現しましょう。飾りに使う爪楊枝やピックは、誤飲を防ぐため必ず外してください。
- 球状の食材・生魚の飾りミニトマトやぶどう、白玉など球状のものは丸飲みで窒息する危険があるため、必ず4等分に。また、ちらし寿司などに生のお刺身を使うのは、食中毒やアニサキスの心配があるので避け、錦糸卵や桜でんぶなど火を通した具で彩りましょう。
ひと手間かけるだけで、ご家族みんなが安心してこどもの日の食卓を囲めます🌸
現役介護士のこどもの日の食卓のコツ

🍵 こどもの日の食卓で大切にしているのは、「世代を超えて季節を楽しむこと」です。
こどもの日は子どもが主役の行事ですが、施設やご家庭では、お孫さんと一緒に過ごす絶好の機会。小さなこいのぼりを飾ったり、お孫さんが作った兜を一緒に眺めたりするだけで、ご本人の笑顔が生まれます。柏餅は上新粉のやわらかおやつに、こいのぼりははんぺんで——危険なところだけ安全に置き換えれば、おじいちゃんおばあちゃんも、お孫さんと同じ食卓を囲めます。なお、こしあんは小豆、中華おこわ風に大豆製品を使う場合は、大豆アレルギーの方への確認も忘れずに。ご本人のペースに合わせて、ゆっくり季節を味わってくださいね🥄
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こどもの日の介護食に関するよくある質問
こどもの日の介護食について、よくいただく質問4つにお答えします。
Q1. 柏餅を食べさせてあげたいけど大丈夫?
A. お餅は避け、上新粉のやわらか生地で代替を。
柏餅のお餅は喉に貼りつきやすく、窒息のリスクが高い食べ物です。上新粉(うるち米の粉)でやわらか生地を作ってこしあんを包めば、見た目は柏餅そのままに、安全に端午の節句の味を楽しめます。柏の葉を添えると雰囲気も出ます🎏
Q2. ちまきはどうすれば安全?
A. もち米を使わず、やわらかご飯で。
ちまきのもち米は喉に貼りつきやすいので、やわらかく炊いたご飯に具を混ぜた「中華おこわ風」がおすすめです。笹の香りを添えれば、ちまきらしさも楽しめます🍵
Q3. こいのぼりの飾り料理はどう作る?
A. ウインナーではなく、はんぺんや卵で。
こいのぼりデコのウインナーは皮や弾力で誤嚥しやすいので、はんぺんやだし巻き卵で形を作りましょう。やわらかく、彩りもこどもの日らしく仕上がります。飾りのピックは必ず外してくださいね🌸
Q4. 高齢者にこどもの日のお祝いは必要?
A. 季節を感じる大切な機会です。
こどもの日は子どもが主役ですが、お孫さんと一緒に季節を楽しむ世代間交流の場になります。やわらかく安全に仕立てたお祝い膳で、おじいちゃんおばあちゃんも同じ食卓を囲めると、心も元気になります🍵
まとめ。。。
今回は、こどもの日のごちそうをやわらかく仕立てた介護食献立を7選ご紹介しました。
- 柏餅・ちまきは餅・もち米を代替
上新粉・ういろう・こしあん・やわらかご飯で、端午の節句の味を安全に - こいのぼりデコはやわらか食材で
ウインナーではなく、はんぺん・つくね・卵で誤嚥を防いで - 彩りは加熱した具で安全に
生魚は避け、錦糸卵や桜でんぶでこどもの日らしく - 世代を超えて季節を楽しむ
お孫さんと同じ食卓を、ゆっくり見守りながら
こどもの日は、子どもの成長を願う、あたたかく華やかな行事です。ご高齢のご家族と楽しむなら、柏餅・ちまきの餅にだけは気をつけて、安全への配慮を忘れずに。やわらかく仕立てたお祝い膳で、おじいちゃんおばあちゃんもお孫さんも、みんなが笑顔で過ごせるこどもの日になりますように。ご本人のペースに合わせて、ゆっくり楽しんでくださいね。
最後までお読みいただきありがとうございました。フッくんでした!






