料理研究家、料理大好きフッくんです。
鮮やかな赤い色に、サワークリームの白。東欧の「ボルシチ」は、見た目も味わいも本格的な、人気の煮込みスープですよね。でも、「ボルシチに、どんな具材を入れたらいい?」「ビーツってどう使うの?」と迷うこと、ありませんか🥄
ボルシチは、ビーツが決め手ですが、ほかの野菜や牛肉との組み合わせでおいしさが決まります。料理人として20年、煮込み料理も数えきれないほど作ってきた経験から、ボルシチの具材を、選び方ごと解説しますね。
こんなお悩み、ありませんか?
- ボルシチの定番の具材を知りたい
本格的な味を作りたい方へ。 - ビーツの使い方を知りたい
赤い色を生かしたい方へ。 - 子どもが食べやすい工夫を知りたい
家族みんなで楽しみたい方へ。 - 具材の組み合わせ方を知りたい
失敗なく作りたい方へ。
この記事では、料理人として、ボルシチの具材を15選、おすすめの組み合わせと栄養価つきで解説します。定番・変わり種・子ども向けの具材から、ビーツの下処理、お店の煮込みのコツまで、まるごとお伝えしますね。具材を知れば、本格的な東欧の赤いスープが、おうちで楽しめますよ。
ボルシチってどんな料理?発祥と特徴

具材選びの前に、ボルシチのことを少しだけ。
ボルシチは、ウクライナ発祥の煮込みスープとして知られています🥄。2022年にウクライナのボルシチ料理文化がユネスコ無形文化遺産に登録され、現在はロシア・ベラルーシなど東欧全域で親しまれています。語源は古スラヴ語の「борщ(ボルシチ)」で、もとはハナウド(豚草)の発酵スープを指したと言われ、中世以降ビーツが主役になりました。いちばんの特徴は、ビーツ(Beta vulgaris・アカザ科・砂糖大根の仲間)という赤い野菜を使うこと。赤い色素ベタシアニンでスープが鮮やかな赤い色になります。牛肉と野菜をじっくり煮込んだ、深い味わいの一品です。
仕上げにサワークリーム(東欧では「スメタナ」と呼ばれます)を添えて、白と赤のコントラストを楽しむのが定番。地域や家庭によって入れる具材が異なり、いろいろなボルシチがあると言われています。世界三大スープの一つに数えられることもあると言われています(諸説あり)。本格的な煮込み料理ですね。
ボルシチの魅力は、ビーツの鮮やかな赤い色と、野菜がたっぷりとれること。ビーツは水煮の缶詰を使えば手軽に作れ、具材のアレンジも自由なので、家庭ごとの味が楽しめますよ。
ボルシチの具材の選び方

ボルシチは、ビーツのきいた赤いスープが具材をまとめてくれるので、いろいろな野菜を合わせやすいのが魅力です。具材を選ぶときは、次の3つの視点で考えると、バランスよくまとまりますよ🥄
①定番の具材で本格的に
ビーツ・牛肉・キャベツ・玉ねぎ・にんじんが、ボルシチの定番。じゃがいもを加えると、ボリュームも出ます。まずは定番から始めると、本格的な味になります。
②変わり種で目先を変えて
トマトや白いんげん豆を加えると、コクや食べ応えが増します。ディルを添えると、本場らしい香りに。サワークリームは、まろやかさを加える欠かせない存在です。
③子どもが食べやすい工夫で
ウインナーやコーン、かぼちゃを入れると、子どもが食べやすくなります。マカロニを加えると、食べ応えも出て、子どもがよろこぶ一皿になりますよ。
ボルシチは、定番でおいしさを、変わり種でコクを、子ども向けに食べやすさを加えるのがコツ。ビーツの赤いスープが、いろいろな具材を受け止めてくれます。冷蔵庫の余り野菜を使い切るのにも、ぴったりの料理ですよ🥄
私のお店のボルシチおすすめ具材の組み合わせ
まずは、私のお店「マジックキッチン」でも作っていたボルシチの具材の組み合わせを2つ紹介しますね🥄

①ビーツ
②牛肉
③キャベツ
④玉ねぎ
⑤にんじん

①ビーツ
②牛肉
③じゃがいも
④トマト
⑤白いんげん豆
それぞれの栄養価をまとめました。栄養士として、1人前あたりの目安をお出しします。
| 栄養価 | 組み合わせA(定番) | 組み合わせB(具だくさん) |
|---|---|---|
| 具材 | ビーツ+牛肉+キャベツ+玉ねぎ+にんじん | ビーツ+牛肉+じゃがいも+トマト+白いんげん豆 |
| エネルギー | 約220kcal | 約280kcal |
| たんぱく質 | 約14g | 約16g |
| 脂質 | 約10g | 約10g |
| 炭水化物 | 約20g | 約32g |
| 食物繊維 | 約5g | 約7g |
| カルシウム | 約60mg | 約70mg |
| ビタミンC | 約30mg | 約35mg |
| 食塩相当量 | 約2.0g | 約2.0g |
※日本食品標準成分表(八訂)を参考にした概算値です。ボルシチは、野菜がたっぷりとれて、ビタミンCや食物繊維が豊富なスープです。牛肉でたんぱく質も補えます。ただ、コンソメや塩に塩分があるので、控えめにし、野菜のうま味を生かすとよいですよ。サワークリームを添えると、まろやかになり、味に深みが出ます。日本人の食事摂取基準(2025年版)の食塩目標量(成人男性7.5g・女性6.5g未満/日)を意識して、味つけを調整してくださいね。
ボルシチの定番の具材6選


まずは、本格的なボルシチの定番具材から紹介しますね🥄
- ビーツ
ボルシチの主役。赤い色と土のような甘みが特徴。水煮の缶詰を使うと、手軽に作れます。 - 牛肉
うま味とコクの土台。すね肉やバラ肉など、煮込み向きの部位を、じっくり煮込みます。 - キャベツ
ボルシチに欠かせない野菜。煮るとやわらかく甘くなり、スープにかさとうま味を加えます。 - 玉ねぎ
炒めると甘みが出る名脇役。スープの甘みとコクの土台になる、欠かせない野菜です。 - にんじん
彩りと甘みを添える定番野菜。ビーツの赤に、オレンジ色が加わり、彩りもよくなります。 - じゃがいも
ほくほく食感でボリュームを加える具材。煮込むとスープがしみて、食べ応えが出ます。
この中でも、ボルシチらしさを決めるのがビーツです。これで赤い色と独特の甘みが生まれます。牛肉はじっくり煮込んでうま味を出し、玉ねぎは炒めて甘みを引き出すのがコツ。キャベツやにんじん、じゃがいもを加えると、かさが増えて、具だくさんの食べ応えのある一皿になります。ビーツは生から下ゆでするのが本格的ですが、水煮の缶詰を使えば、手軽に本場の色が出せますよ。定番の野菜で、本格的な赤いスープが作れます。
※生のビーツが手に入らなくても、水煮缶なら下処理なしで本場の赤い色が出せます。常備しておくと便利です。
ボルシチの変わり種の具材5選

次は、コクや香りが増す、変わり種の具材です🥄
- サワークリーム
ボルシチの定番の仕上げ。仕上げに添えると、酸味とコクが加わり、まろやかになります。 - トマト
酸味とうま味を加える野菜。ビーツの甘みに、ほどよい酸味が加わり、味に深みが出ます。 - にんにく
香ばしさを加える香味。少し加えると、風味が引き締まり、本格的な味わいになります。 - ディル
東欧でよく使われる爽やかな香りのハーブ。仕上げに散らすと、本場らしい香りになります。 - 白いんげん豆
ほっくりした食感の豆。加えると食べ応えが増し、植物性のたんぱく質も補えます。
変わり種は、コクや香りを足したいときにおすすめです。とくにサワークリームは、ボルシチに欠かせない仕上げ。赤いスープに白く溶かしながら食べると、酸味とコクでまろやかになります。トマトの酸味は、ビーツの甘みを引き締めてくれます。ディルを散らすと、ぐっと本場らしい香りに。白いんげん豆を加えると、食べ応えのある具だくさんスープになります。本格的な東欧の味を目指すなら、これらの具材を取り入れてみてくださいね。
子どもが好きなボルシチの具材4選

最後は、子どもがよろこぶ、食べやすい具材です🥄
- ウインナー
子どもに人気の具材。うま味が出て、食べやすく切ると、よろこんで食べてくれます。 - コーン
甘くてプチプチ食感。赤いスープに黄色が映え、子どもが大好きな彩り具材です。 - かぼちゃ
自然な甘さでやさしい味わい。やわらかく煮ると、子どもがよろこぶ甘みの野菜です。 - マカロニ
入れると食べ応えのある一皿に。つるっと食べやすく、子どもにうれしい具材です。
子ども向けには、ウインナーやコーン、かぼちゃなど、うま味や甘みのある具材がおすすめです。ウインナーはうま味が出て、子どもが食べやすくなります。コーンの甘みは赤いスープによく合い、かぼちゃを入れると甘くてやさしい味に。マカロニを加えると、食べ応えが出て、これ一皿で満足できます。ビーツの色や香りが苦手な子もいるので、その場合はビーツを少なめにして、慣れた具材を多めにすると食べやすくなりますよ。
料理人が教えるボルシチのコツ
ボルシチのおいしさは、ビーツの赤い色と牛肉のうま味で決まります🥄。ビーツを生から使う場合は、皮付きのまま「切らずに丸ごと」40分〜1時間ゆでるのがコツ。切ったり皮をむいてから加熱すると赤い色素ベタシアニンが水に溶け出すので、丸のまま加熱してから皮をむき、最後に切ると鮮やかな色が保てます。生のビーツの赤色素は水溶性で手指やまな板を強く染めるので、使い捨て手袋を着用し、まな板にはシリコンマットを敷くと安心です。手軽にするなら水煮缶も使えますが、生のビーツに比べて風味と色味はやや控えめ。本格派は生から、時短派は缶詰、と使い分けがおすすめですよ。牛肉は、煮込み向きのすね肉やバラ肉を、じっくり時間をかけて煮込むと、やわらかくうま味が出ます。玉ねぎとにんじんは、先に炒めて甘みを出してから加えると、味に深みが出ます。ビーツとほかの野菜、牛肉を一緒に煮込み、コンソメや塩で味をととのえます。仕上げにサワークリームを添えて、ディルを散らせば、本格的なボルシチに。サワークリームは煮込まず、食べる直前に添えるのが、きれいに仕上げるコツですよ。
※すね肉やバラ肉など煮込み向きの部位がおすすめ。じっくり煮込むと、やわらかくうま味が出ます。

お店のボルシチのレシピ

本格的なお店のボルシチのレシピを公開しますね。ビーツの赤い色と、野菜がたっぷりの、深い味わいの煮込みスープです🥄
~材料(4人分)~
・牛肉(煮込み用)…250g
・ビーツ(水煮)…1缶
・キャベツ…1/4個
・玉ねぎ…1個
・にんじん…1本
・じゃがいも…2個
・トマト…1個
・水…800ml
・コンソメ…適量
・サワークリーム…適量
・ディル…お好みで
~作り方~
①野菜は食べやすく切る。玉ねぎ・にんじんは炒める
②鍋に牛肉と水を入れ、牛肉の中心まで火を通し(中心75℃で1分以上を目安・O157対策・厚労省基準)、アクを取りながら煮込む
③キャベツ・じゃがいも・トマト・ビーツを加えて煮る
④コンソメと塩で味をととのえる
⑤器に盛り、サワークリームとディルを添えて完成
ポイントは②と⑤です。牛肉は②で中心75℃で1分以上(O157対策)しっかり火を通し、アクを取りながらじっくり煮込みます。サワークリームは⑤で、食べる直前に添えるのが、見た目も味もよく仕上げるコツです。
※ボルシチに欠かせない仕上げ。赤いスープに溶かすと、酸味とコクでまろやかになり、本場の味に近づきます。
具材は、お好みでアレンジできます。白いんげん豆を加えると食べ応えが出て、子ども向けにはウインナーやコーンを加えても、おいしく作れますよ。ビーツの水煮缶を使えば、下処理なしで手軽に本場の色が出せます。多めに作って、翌日に温め直すと、味がなじんでさらにおいしくなります。残ったら冷凍もできるので、忙しい日にも役立ちますよ。
ボルシチの栄養バランス
ボルシチは、ビーツやキャベツ、にんじんなどの野菜がたっぷりとれて、ビタミンCや食物繊維が豊富なスープです🥄。1人前(約300ml)で約150〜250kcal・塩分1.5〜2.5gが目安。牛肉でたんぱく質も補え、具だくさんにすれば、これ一皿で主菜と副菜を兼ねた、満足感のある一品になります。ただ、コンソメや塩に塩分があるので、控えめにし、野菜のうま味を生かすとよいですよ。サワークリームのまろやかさで、薄味でもおいしく仕上がります。なお、ボルシチには、特定原材料8品目(2025年4月くるみ追加・現在えび/かに/小麦/そば/卵/乳/落花生/くるみ)のうち乳(サワークリーム・スメタナ)を、また特定原材料に準ずる牛肉を使います。パンを添える場合は小麦も含まれます。ご家族やお客様に出すときは、アレルギーがないか、使う食材を確かめておくと安心ですよ。
子どもと食べるときの工夫と1歳未満の注意

ボルシチは、やわらかく煮た野菜が多く、子どもにも食べやすいスープです。ただ、熱々の温度と味の濃さには、ひと工夫があると安心ですよ🥄
- 熱々は少し冷ましてから
煮込んだスープは熱いので、子どもにはやけどに注意して、少し冷ましてからお出しします。 - 野菜は食べやすく小さく
野菜を小さめに切ると、子どもも食べやすくなります。やわらかく煮ると、さらに安心です。 - 子ども用は塩分控えめに
コンソメや塩は塩分が高いので、子ども用は薄味にして作ると安心です。
私は栄養士で、現役の介護士でもあります。ボルシチはやわらかく煮た野菜が多く、栄養もとれるので高齢の方にもよいスープですが、いちばん気をつけたいのが、熱々によるやけどです。煮込んだスープは見た目より熱いことがあるので、少し冷ましてからお出しください。野菜は小さめに切って、やわらかく煮ると、かみやすく飲み込みやすくなります。大きい野菜はかみにくいことがあるので、高齢の方には小さく切ってあげましょう。牛肉も、すじが多い部位は噛み切りにくいので、やわらかく煮込んで小さく切ると安心です。コンソメや塩は塩分が高めなので、薄味にしてあげてください。1歳未満の赤ちゃんには与えないでください。理由は、①コンソメや塩の塩分が腎臓に負担、②サワークリームなど乳製品アレルギーリスク、③ビーツは必ず加熱してから(生はNG)、の3要因が重なるためですよ。離乳期のお子さんには、うす味で野菜をやわらかく煮て取り分け、塩分を控えめにして仕上げてあげてくださいね。なおビーツを多く食べると尿や便が赤くなる「ベタウリア現象」が起こることがありますが一時的なもので心配いりません(初めて食べるお子さんには事前に伝えてあげてください)。
ボルシチの具材に関するよくある質問
ボルシチの具材についてよく聞かれる疑問にお答えしますね。
Q1.ボルシチの定番の具材は?
ビーツ・牛肉・キャベツ・玉ねぎ・にんじんが定番です。じゃがいもを加えると、ボリュームも出ます。ビーツで赤い色と独特の甘みが生まれ、牛肉のうま味と合わさって、本格的な味になりますよ。
Q2.ビーツが手に入らないときはどうする?
水煮の缶詰を使うのが手軽でおすすめです。生のビーツが手に入らない場合、水煮缶なら下処理なしで赤い色が出せます。どうしてもない場合は、赤い色は出ませんが、トマトベースの野菜スープとして作ることもできますよ。
Q3.ビーツの赤い色をきれいに出すには?
生のビーツは皮付きのまま「切らずに丸ごと」40分〜1時間ゆで、ゆでてから皮をむき最後に切ると鮮やかな色が保てます。手指やまな板が染まるので使い捨て手袋着用が安心。水煮缶を使えば、手軽に本場の色が出せますよ。
Q4.子どもが食べやすいボルシチにするには?
ウインナーやコーン、かぼちゃを加え、野菜を小さく切ることです。マカロニを入れると食べ応えが出ます。ビーツの香りが苦手な子は、ビーツを少なめにして、慣れた具材を多めにすると食べやすくなりますよ。
Q5.ボルシチを本格的な味にするコツは?
サワークリームとディルを添えることです。仕上げにサワークリームを溶かしながら食べると、まろやかな本場の味に。ディルの爽やかな香りを散らすと、ぐっと本格的になります。牛肉をじっくり煮込むのも、深い味わいのコツですよ。
同じ洋食スープの具材や、煮込み料理の具材、嚥下しやすい汁物の記事も合わせてご覧くださいね。
まとめ。。。
今回の記事のポイントをまとめますね。
- ボルシチの具材は定番・変わり種・子ども向けで選ぶ
- 定番はビーツ・牛肉・キャベツ・玉ねぎ・にんじん
- ビーツは水煮缶を使うと手軽に赤い色が出せる
- 変わり種はサワークリーム・ディル・白いんげん豆で本格的に
- 子ども向けはウインナー・コーン・かぼちゃ・マカロニ
- 牛肉はじっくり煮込んで中心まで加熱する
- 熱々はやけど注意・1歳未満は塩分に注意
皆さん、ボルシチの具材、イメージがふくらみましたか?ビーツ・牛肉・キャベツ・玉ねぎ・にんじんの定番に、サワークリームやディルで本格的に、ウインナーやコーンで子ども向けにと、具材のアレンジは自由自在です。ビーツは水煮缶を使えば手軽に赤い色が出せ、牛肉はじっくり煮込むのが、深い味わいのコツ。サワークリームは食べる直前に添えると、まろやかな本場の味になります。牛肉の加熱と熱々のやけどにだけ気をつければ、お子さんからご高齢の方まで、家族みんなで本格的な東欧の赤いスープを楽しめますよ。
最後までお読みいただきありがとうございました。
フッくんでした!






