料理研究家、料理大好きフッくんです。
鍋の〆に、寒い朝に、ちょっと体調がすぐれない日に。
やさしい湯気の立つ雑炊は、いつでも食卓の味方ですよね。
でも、いざ作ろうとすると「何を入れたらいいんだろう」と迷いませんか?
こんなお悩み、よく聞きます。
- いつも卵とねぎだけになる
定番はおいしいけれど、たまには違う具で楽しみたい。 - 鍋の〆に何を足せばいいか分からない
鍋の種類によって、合う具材が違う気がする。 - 家族みんなが食べやすくしたい
高齢の親や小さな子どもにも、安心して出したい。
この記事では、現役料理人20年で栄養士でもある私が、雑炊に合う具材を20選でお伝えします。
定番からうま味の具、変わり種、鍋ごとの〆の組み合わせ、入れる順番まで、順番に見ていきましょう。

雑炊の具材は「たんぱく質・香り・彩り」
雑炊の具材に、決まりはありません。
それでも、おいしい雑炊には共通する組み立てがあります。
私は、具材を「たんぱく質・香り・彩り」の3つの役割で選んでいます。
- たんぱく質:卵・鶏肉・魚
ご飯とだしだけの雑炊に、食べごたえと満足感を足します。 - 香り:ねぎ・三つ葉・のり
やさしい味の雑炊を、最後にきゅっと引き締めます。 - 彩り:にんじん・青菜・トマト
白っぽい椀に色が入ると、ひと目でおいしそうに見えます。
この3つから1つずつ選ぶだけで、雑炊はぐっとまとまります。
作り方の基本、だし400mlにご飯150gの黄金比は、雑炊の作り方の記事で紹介しています。
雑炊の具材の早見表

まずは、この記事で紹介する20の具材を、入れるタイミングと一緒に表にまとめました。
入れるタイミングを守るだけで、具材それぞれの持ち味がいきます。
| 分類 | 具材 | 入れるタイミング |
|---|---|---|
| 定番8 | 卵・長ねぎ・三つ葉・鶏肉・しいたけ・にんじん・ほうれん草・刻みのり | 根菜ときのこは最初、卵は火を止める直前、香りは最後 |
| うま味6 | 鮭・しらす・かに風味かまぼこ・たら・牡蠣・あさり | 魚介は火を通してから、しらすとかにかまは仕上げ |
| 変わり種6 | チーズ・トマト・キムチ・梅干し・塩昆布・豆乳 | チーズと梅干しは最後、トマトとキムチは先に煮る |
雑炊の定番8選——卵・ねぎ・三つ葉が基本

まずは、どの家庭にもある材料で作れる定番の具材です。
迷ったら、この中から2〜3種類を選べば、間違いのない一杯になります。
- 卵
雑炊の主役です。火を止める直前に細く回し入れると、ふんわり仕上がります。 - 長ねぎ・小ねぎ
長ねぎは煮て甘みを、小ねぎは仕上げに散らして香りを足します。 - 三つ葉
最後にのせるだけで、すっと抜ける香りが椀を引き締めます。 - 鶏肉
小さく切ったもも肉から、だしにうま味が出ます。 - しいたけ
薄切りにして煮ると、きのこのうま味がだしに重なります。 - にんじん
細切りにして先に煮ると、やわらかく甘くなり、彩りにもなります。 - ほうれん草
別にゆでて水気を絞り、仕上げに加えると色よく仕上がります。 - 刻みのり
食べる直前にのせて、磯の香りを楽しみます。
鶏肉を入れるときは、中心75℃1分以上を目安に、中まで色が変わるまでしっかり煮てから、ご飯を入れてくださいね。
雑炊のうま味6選——鮭・しらす・かにかま

魚介を入れると、雑炊がぐっとごちそうになります。
魚介そのもののうま味がだしに溶けて、味つけを増やさなくても深い味わいになります。
- 鮭
焼き鮭をほぐして、卵の前に加えます。骨は必ず取り除いてください。 - しらす
仕上げにのせるだけで、ほどよい塩気とうま味が加わります。 - かに風味かまぼこ
ほぐして仕上げに入れると、手軽にかに雑炊の雰囲気になります。 - たら
冬の白身魚。やさしい味で、雑炊のだしとよく合います。 - 牡蠣
先にだしで煮て火を通し、海の香りの一杯に仕上げます。 - あさり
だしで煮て口が開いたら、うま味の出た汁ごと雑炊に使います。
牡蠣は、中心部が85〜90℃で90秒以上を目安に、しっかり火を通してください。
しらすの冷凍や日持ちは、しらすの保存方法の記事にまとめています。
塩鮭やしらすは、それ自体に塩気があります。
入れる日は、だしに加える塩を半分に減らしてから味を見るのが、寿司屋で魚の塩を見てきた私のやり方です。
魚の塩とだしの塩が重ならないだけで、最後のひと口まで飽きずに食べられます。
雑炊の変わり種6選——チーズ・キムチ

いつもの雑炊に飽きたら、変わり種の具材で味の方向を変えてみてください。
洋風、韓国風、さっぱり味と、同じ雑炊とは思えないほど表情が変わります。
- チーズ
火を止める直前にのせて、とろりと溶かします。洋風のリゾットのような一杯に。 - トマト
角切りにしてだしで煮ると、酸味とうま味が加わります。 - キムチ
先に少し煮て、辛みとうま味をだしに移します。卵との相性もぴったりです。 - 梅干し
仕上げにたたいた梅をのせて、あっさり食べたい日の一杯に。 - 塩昆布
最後に少しのせるだけで、昆布のうま味と塩気が加わります。 - 豆乳
だしの一部を豆乳に替えると、まろやかな白い雑炊になります。煮立たせすぎないのがコツです。
梅干しやキムチ、塩昆布、チーズは、どれも塩気のある具材です。
入れる日は、だしの塩を控えめにしてから味を見てくださいね。
雑炊の組み合わせ——朝・疲れた夜・寒い日

20の具材から何を選ぶか迷ったら、食べる場面で決めるのがいちばん簡単です。
私がよく作る組み合わせを、3つ紹介しますね。
どれも、たんぱく質・香り・彩りの3つがそろう組み合わせです。
- 朝の雑炊:鮭・卵・三つ葉
焼き鮭のほぐし身に卵をとじて、三つ葉をのせます。前の晩に鮭を焼いておけば、朝は5分で仕上がります。 - 疲れた夜の雑炊:鶏肉・しいたけ・長ねぎ・卵
鶏としいたけのうま味がだしに重なって、少ない味つけでも満ち足りた一杯になります。 - 寒い日の雑炊:キムチ・卵・チーズ
キムチの辛みを卵とチーズがまろやかに包む、寒い日にうれしい湯気の立つ一杯です。
組み合わせに正解はないので、冷蔵庫にあるもので、わが家の定番を見つけてみてください。
鍋の〆の雑炊——鍋ごとに合う具材を選ぶ

鍋の〆の雑炊は、具のうま味が溶け出したつゆが、いちばんのだしになります。
だからこそ、鍋の味に合わせて、足す具材を選ぶのがコツです。
よく作る鍋ごとの組み合わせを、表にまとめました。
| 鍋 | 〆の雑炊に足す具材 | ひとこと |
|---|---|---|
| 水炊き | 卵・小ねぎ・刻みのり | 鶏のうま味をそのまま楽しむ定番 |
| 寄せ鍋 | 卵・三つ葉 | 魚介と野菜のだしを卵でまとめる |
| キムチ鍋 | チーズ・卵 | 辛みをチーズでまろやかに |
| 豆乳鍋 | チーズ・黒こしょう | クリーミーなリゾット風に |
| トマト鍋 | チーズ・バジル | 洋風のトマトリゾットの味わい |
水炊きの〆は、水炊きの具材の記事でも紹介しています。
鍋のつゆを翌朝の雑炊に回すときは、土鍋のまま置かずに浅い容器に移して早く冷まし、冷蔵庫へ入れてください。
使うときは、しっかり沸かしてからご飯を入れます。
鍋の〆に入る前に、つゆの表面に浮いたアクと脂を、お玉でさっとすくいます。
これだけで、雑炊のつゆが澄んで、ご飯がさらさらに仕上がります。
つゆが煮詰まって濃いときは、だしか水を足してから味を見てください。
雑炊の具の順番——固い具から、卵は最後

雑炊は、ご飯を入れてからの時間が短い料理です。
だから、火の通りにくい具材は、ご飯より先に煮ておくのが決まりです。
順番は、次の5つです。
- 1 根菜・きのこをだしで煮る
にんじんやしいたけを、やわらかくなるまで先に煮ます。 - 2 肉や魚に火を通す
鶏肉や魚介を入れ、中までしっかり火を通します。 - 3 洗ったご飯を入れて1〜2分
ご飯はさっと洗ってから入れ、煮すぎないようにします。 - 4 卵は火を止める直前
細く回し入れて、ふたをして10秒触らずに待ちます。 - 5 香りの具は最後に
三つ葉やのり、チーズは、器に盛る直前にのせます。
ご飯を洗う理由や、卵を回し入れるコツは、雑炊の作り方の記事で紹介しています。
雑炊で避けたい3つ——入れすぎ・煮すぎ

雑炊は、具材を足すほどおいしくなるわけではありません。
やさしい一杯だからこそ、よくある3つの失敗を知っておくと、味がぶれずに仕上がります。
- 具材を入れすぎる
味がぼやけて、つゆも濁ります。主役の具は2〜3種類にしぼります。 - 具材と一緒にご飯を長く煮る
ご飯がだしを吸ってのり状になります。具は先に煮て、ご飯は1〜2分だけにします。 - 塩気のある具を重ねる
梅干しとキムチ、塩鮭としらすなどを重ねると、しょっぱくなります。塩気の具は1つにしぼります。
3つに共通するのは、「雑炊の主役はだしとご飯」という考え方です。
具材は、その主役を引き立てる名脇役として選んでください。
雑炊の栄養——たんぱく質は卵や鶏肉で

栄養士として、雑炊の具材の選び方も押さえておきますね。
ご飯とだしだけの雑炊は、たんぱく質が少なめになりがちです。
そこに卵や鶏肉、魚を足すと、主食と主菜を兼ねた一杯になります。
日本食品標準成分表(八訂)で、よく使うたんぱく質の具を足したときの目安を計算しました。
- 卵1個(50g) 約70kcal・たんぱく質約6g
- 鶏もも30g 約60kcal・たんぱく質約5g
野菜やきのこ、海藻はエネルギーが少ないので、たっぷり入れても軽く仕上がります。
一方で、梅干しやキムチ、塩昆布、チーズなどは塩気があるので、入れる日はつゆの塩を控えてください。
この記事で紹介した具材の特定原材料は、卵、チーズの乳、しょうゆの小麦です。
しらすはえびやかにが混ざる漁法でとられることがあり、かに風味かまぼこやキムチも商品によって原材料が違います。
準ずる品目では、鶏肉、鮭、しょうゆや豆乳の大豆が入るので、食物アレルギーのあるご家族がいるときは表示を確かめてください。
雑炊の具材は、たんぱく質の具を1つ、野菜やきのこを1つ選ぶと、栄養のバランスが整います。
塩気のある具は1つまでにして、つゆの塩で調整すれば、やさしい味のまま満足感のある一杯になります。
塩分や糖分の指示を受けている方は、かかりつけの先生の指示を優先してください。
高齢者や子供にやさしい雑炊の具材

雑炊はやわらかく、家族みんなで食べやすい料理です。
それでも、具材の選び方と卵の火の通し方には、食べる人に合わせた線があります。
卵の半熟は元気な大人まで
ふんわり半熟の卵は、雑炊のいちばんの楽しみですよね。
ただ、半熟は元気な大人までにして、小さなお子さんや高齢の方、妊娠中の方の分は、ふたをしたまま再点火30秒で、卵にしっかり火を通してください。
高齢の家族に出すとき
具材は小さく切って、やわらかく煮てから入れます。
刻みのりは上あごに貼りつきやすいので、のりの佃煮に替えるか、つゆに溶かしてから出すと安心です。
つゆと米粒が分かれた雑炊は、飲み込む力が弱い方にはむせやすいことがあるので、日本摂食嚥下リハビリテーション学会の嚥下調整食学会分類2013を目安に、とろみをつけるなど調整してくださいね。
小さなお子さんに出すとき
2歳以下のお子さんの卵は、しっかり火を通したものにします。
ミニトマトのように丸くてつるんとした具は、5歳ごろまでは丸ごとではなく小さく切ってから入れてください。
熱々の雑炊は、ひと呼吸冷ましてから出しましょう。
1歳未満の離乳食に使うときは、だしを薄めて具を細かくし、味つけ前に取り分けます。
始める時期や量は月齢で変わるので、かかりつけの先生や自治体の相談窓口で確かめてくださいね。
私は現役介護士でもあります。
さらさらの雑炊は、つゆと米粒が口の中で分かれるので、飲み込む力が弱い方にはむせやすいことがあります。
その日は、ご飯を少し長めに煮て、米粒とつゆをなじませ、とろみをつけてからお出ししています。
さらさらの雑炊を、やわらかいおかゆに置き換える日があっていい。
雑炊の具材でよくある質問
最後に、雑炊の具材についてよくいただく質問にお答えします。
Q1. 具材は何種類くらいがいい?
卵のほかに、2〜3種類が目安です。
たんぱく質の具を1つ、野菜やきのこを1つ、香りの具を1つ選ぶと、味がまとまります。
Q2. 卵を使わずにおいしくするには?
きのこをたっぷり煮てうま味を重ねたり、仕上げに梅干しをのせたりすると、卵がなくても満足感のある一杯になります。
卵アレルギーのご家族がいるときにも使える組み合わせです。
Q3. 残った雑炊は保存できますか?
雑炊は時間がたつとご飯がつゆを吸ってしまうので、保存には向かない料理です。
どうしても残った分は、浅い容器に移して早く冷まし、冷蔵で翌日までに食べきってください。
温め直すときは、だしを足してのばしながら、中心まで湯気が立つまでしっかり温めます。
Q4. 体調がすぐれない日の具材は?
やわらかく煮た野菜や、卵、白身魚など、食べやすいやさしい具材がオススメです。
脂の多い具や、辛いキムチなどは控えめにして、あたたかい一杯をゆっくり食べてくださいね。
熱が高いとき、食べられない日や水分もとりにくい日が続くときは、早めにかかりつけの先生に相談してください。
“おいしい”は、全部が重なること
雑炊のおいしさは、具材だけでは決まりません。
うま味の出ただし、さらさらのご飯、そして主役を引き立てる具材。
その3つが椀の中で重なって、はじめてやさしい一杯になります。
そして、もうひとつ重なるのが、食べる人を思う気持ちです。
疲れた家族のために、寒い朝の自分のために、選んだ具材には、その日の気づかいが入っています。
だしと、ご飯と、具材と、食べる人を思う気持ち。
その全部が重なったとき、雑炊はいちばんおいしい一杯になります。
今日の雑炊には、どんな具材を入れますか?
まとめ。。。

雑炊の具材20選を、定番から変わり種、鍋ごとの〆、入れる順番までまとめました。
- 具材はたんぱく質・香り・彩りで選ぶ
3つから1つずつ選べば、一杯がまとまります。 - 定番は卵・ねぎ・三つ葉
迷ったら定番8選から2〜3種類を選びます。 - 魚介はうま味の具
鮭やしらす、牡蠣で、ごちそうの雑炊になります。 - 変わり種で味の方向を変える
チーズ・トマト・キムチで、洋風や韓国風に。 - 鍋の〆は鍋の味に合わせる
アクと脂をすくってから、合う具材を足します。 - 固い具から、卵は火を止める直前
香りの具は最後にのせます。 - 塩気の具は1つにしぼる
入れる日は、つゆの塩を控えます。 - 半熟は元気な大人まで
家族の分は、卵にしっかり火を通します。
雑炊は、冷蔵庫にあるものでいつでも作れる、いちばん身近なごちそうです。
だからこそ、具材の選び方と入れる順番を知っているだけで、毎回の一杯が変わります。
今夜の鍋の〆に、ぜひ今日の組み合わせを試してみてくださいね。
きっと、いつもの雑炊がひと味違って感じられるはずだよ。
フッくんでした!
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