料理研究家、料理大好きフッくんです。
こんがりチーズと、とろりとしたホワイトソース。グラタンは、子どもから大人まで大人気の、ごちそうメニューですよね。でも、いざ献立を考えると「グラタンに、あと何を合わせたらいい?」「スープはいる?ごはんかパンか?」と、迷いませんか?
正直に言うと、グラタンの献立は「こってりの主役を、さっぱりの脇役で支える」と考えるだけで、スッと決まります。レストランの現場でも、グラタンに添える一皿は、この考え方で組んでいました。
そこで今回は、現役料理人20年・栄養士のフッくんが、グラタンに合う献立をまるごと解説します。副菜5選・サラダ5選・汁物5選の15選、私のお店で出していた献立例A・B(栄養成分付き)、そして基本のグラタンのレシピまで。今夜のグラタンの献立が、この1本で決まりますよ🌸
まずは、みなさんがグラタンの献立で迷いがちなポイントを整理してみましょう。
- グラタンに合うおかずがわからない
副菜・サラダ・汁物の15選からお選びいただけます。 - こってりして重たくなりがち
さっぱりの脇役で支える考え方をお伝えします。 - 栄養バランスが気になる
献立例A・Bに栄養成分を付けて解説します。 - 主食はごはんかパンか迷う
どちらも合います。選び方の目安もお伝えします。

グラタンはどこ生まれ?発祥とマカロニグラタン

献立の前に、少しだけグラタンの話を。グラタンは、フランス生まれの料理です。「グラタン」という名前は、フランス語の「gratter(グラッター=こそげ取る)」が語源。鍋底にこびりついた、香ばしいおこげをこそげ取って食べたことから、表面をこんがり焼いた料理を「グラタン」と呼ぶようになったと言われています。つまり、あの焦げ目こそが、グラタンの主役なんですね。
日本には、明治〜大正期に、ホテルの西洋料理として伝わりました。そこから、マカロニグラタンとして家庭に広まり、ごはんを使ったドリアとともに、日本の洋食として独自に発展。今では、給食でも、洋食屋さんでも、おうちでも愛される定番になりました。
ホワイトソースのコクと、チーズの香ばしさ。味がしっかりした「こってり系の主役」なので、献立づくりでは、ここが出発点になります。それでは、合わせ方を見ていきましょう。
グラタンに合う献立の考え方

グラタンの献立は、3つのポイントで考えると、失敗がありません。H3ごとに見ていきますね。
①酸味とシャキシャキで口直しする
グラタンは、ホワイトソースとチーズのこってり系。だから、合わせる副菜やサラダは、酸味のあるもの、シャキシャキした生野菜が正解です。マリネやピクルス、ラペのような酢を使う一皿があると、口の中がさっぱりリセットされて、グラタンのひと口目のおいしさが、最後まで続きます。
②野菜の汁物でバランスをとる
グラタンだけだと、野菜が不足しがち。そこで、汁物を野菜の受け皿にします。トマトのミネストローネや、玉ねぎのオニオンスープなど、野菜のうまみが出るスープがぴったり。クリーム系のポタージュを合わせるなら、グラタンとこってりが重なるので、量を控えめにするのがコツですよ。
③彩りは「赤と緑」を足す
グラタンは、白と茶色の料理です。だから、食卓に赤と緑を足すと、ぐっとおいしそうに見えます。トマトの赤、ほうれん草やブロッコリーの緑。彩りを足すことは、そのまま野菜を足すことでもあるので、見た目と栄養、両方が整います。
グラタン献立の早見表
15選の全体像を、先にひと目でどうぞ。気分と時間で選んでくださいね。
| 種類 | おすすめ | ポイント |
|---|---|---|
| 副菜5選 | ほうれん草ソテー・きのこマリネなど | 酸味と彩りで口直し |
| サラダ5選 | グリーンサラダ・ラペなど | シャキシャキの生野菜 |
| 汁物5選 | ミネストローネ・オニオンスープなど | 野菜の受け皿に |
グラタンに合うおかず15選
ここからが本題です。副菜5選・サラダ5選・汁物5選、主素材が重ならないように選びました。組み合わせは自由自在ですよ。

グラタンに合う副菜5選
- ①ほうれん草のガーリックソテー
緑の彩りをプラス。にんにくの香りが、クリーミーなグラタンのよいアクセントになります。 - ②きのこのマリネ
酸味で口直しできる、作り置きもできる名脇役。冷たいまま出せるのも助かります。 - ③アスパラのグリル
焼いただけの潔さがごちそう。塩とオリーブオイルで、素材の甘みを楽しみます。 - ④ラタトゥイユ
なすとズッキーニ、パプリカのトマト煮。赤の彩りと野菜がたっぷりとれて、冷製でも合います。 - ⑤カリフラワーのピクルス
コリコリした食感と酸味が、こってりの合間のリセット役にぴったりです。

グラタンに合うサラダ5選
- ⑥グリーンサラダ
レタスのシャキシャキが一番の口直し。ドレッシングは酸味のあるフレンチが好相性です。 - ⑦キャロットラペ
にんじんの千切りを酢とオイルで。彩りのオレンジと酸味で、洋食屋さんの定番の付け合わせです。 - ⑧大根とツナのサラダ
大根のみずみずしさとツナのコク。さっぱり系とうまみ系のいいとこ取りです。 - ⑨ブロッコリーとゆで卵のサラダ
緑と黄色で彩りがぐっと華やか。食べごたえもあって、育ちざかりのお子さんにも人気です。 - ⑩ビーンズサラダ
ミックスビーンズとハムをさっと和えて。豆のほくほく感が、献立に変化をつけてくれます。

グラタンに合う汁物5選
- ⑪ミネストローネ
トマトの酸味と野菜のうまみ。グラタン献立の汁物の王道で、彩りの赤も足せます。 - ⑫オニオンスープ
玉ねぎの甘みのシンプルなスープ。コンソメ仕立てで、こってりの主役を軽やかに支えます。 - ⑬かぼちゃのポタージュ
甘くやさしい味わいで、お子さんが大喜び。こってり同士になるので、量は控えめが合言葉です。 - ⑭さつまいもとベーコンのスープ
さつまいもの甘みと、ベーコンの塩けとうまみ。ほっこりやさしい味わいで、お店でも人気だった一杯です。 - ⑮コーンスープ
甘い定番の人気者。パンとの相性も抜群で、朝グラタンにも合いますよ。
15選を組み合わせるとき、私がお店で大事にしていたのは「温度と食感の対比」です。
熱々でとろとろのグラタンに、冷たくてシャキシャキのサラダ。この対比があるだけで、献立全体の満足度がまるで違ってきます。
主食は、バゲットでもごはんでも合います。ソースまで楽しむならバゲット、おかずとして食べるならごはん、と考えると選びやすいですよ。バゲットを軽くトーストして、残ったホワイトソースをぬぐって食べるのが、まかない流のいちばんおいしい食べ方です。
グラタン献立の合言葉は「温度と食感の対比」。
熱々のグラタンには、冷たいシャキシャキの一皿を必ず添える。
お店の献立づくりで、私がいちばん守っていたポイントですよ。
私のお店のグラタン献立例A・B(栄養成分付き)
実際に私のお店で出していた、グラタンの献立を2パターンご紹介します。

①チキンマカロニグラタン
②キャロットラペ
③ミネストローネ
④バゲット
鶏肉と玉ねぎ、マッシュルームの定番グラタンを主役に、酸味のラペと、野菜たっぷりのミネストローネ。彩りも栄養も、王道のバランスです。

①えびグラタン
②グリーンサラダ
③オニオンスープ
④ロールパン
ぷりぷりのえびグラタンに、シャキシャキのグリーンサラダと、すっきりしたオニオンスープ。軽めにまとめたい日の組み合わせです。
2つの献立の栄養成分を比べてみますね(1人分の概算)。
| 栄養価 | 献立A(お店の定番型) | 献立B(さっぱり軽め型) |
|---|---|---|
| メニュー | ①チキンマカロニグラタン②キャロットラペ③ミネストローネ④バゲット | ①えびグラタン②グリーンサラダ③オニオンスープ④ロールパン |
| エネルギー | 約760kcal | 約650kcal |
| たんぱく質 | 約29g | 約25g |
| 脂質 | 約31g | 約24g |
| 炭水化物 | 約90g | 約80g |
| 食物繊維 | 約7.0g | 約5.5g |
| カルシウム | 約290mg | 約310mg |
| ビタミンC | 約38mg | 約28mg |
| 食塩相当量 | 約3.5g | 約3.2g |
文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)」を参考に算出した概算値です。
数字を見比べると、献立づくりのヒントが見えてきます。
グラタン献立は、こってりの主役に、野菜の脇役をどれだけ添えられるかが鍵です。献立Aのように、酸味のサラダと野菜の汁物を組めば、脂質のあるグラタンでも、全体ではバランスのよい一食になります。
かぼちゃのポタージュなど、クリーム系の汁物を合わせる日は、グラタンを少し小さめにすると、ちょうどよくなりますよ。
グラタンの日は「野菜をどれだけ添えられるか」が献立の分かれ道。
酸味のサラダ+野菜の汁物の組み合わせがおすすめです(厚労省の日本人の食事摂取基準(2025年版)を目安に)。
この献立には★★特定原材料8品目「乳(ソース・チーズ)」「小麦(マカロニ・パン粉・バゲット)」「えび」「卵」の4つ★★が使われることが多いです。消費者庁の特定原材料8品目を必ずご家族やお客様に出すときは確かめてくださいね。
基本のマカロニグラタンのレシピ

献立が決まったら、主役のグラタンです。基本のマカロニグラタンのレシピを置いておきますね。
【材料(2人分)】
マカロニ…80g
鶏もも肉…150g
玉ねぎ…1/2個
マッシュルーム…4個
バター…20g
薄力粉…20g
牛乳…400ml
塩・こしょう…少々
ピザ用チーズ…60g
パン粉…大さじ1
【作り方】
①マカロニを表示どおりゆでる。鶏肉・玉ねぎ・マッシュルームを食べやすく切る
②フライパンでバターを溶かし、鶏肉・玉ねぎ・マッシュルームを炒める。鶏肉は中心75℃で1分以上を目安に、しっかり火を通す
③薄力粉を加えて炒め、火を止めて、冷たい牛乳を少しずつ加えて混ぜる
④再び弱火にかけ、とろみがつくまで混ぜ、塩こしょうで味をととのえる
⑤マカロニを加えて混ぜ、グラタン皿に入れ、チーズとパン粉をのせる
⑥オーブンやトースターで、表面にこんがり焦げ目がつくまで焼いて完成
ポイントは③です。火を止めて、冷たい牛乳を少しずつ加えると、ダマになりません。ホワイトソースをじっくり学びたい方は、ホワイトソースの作り方の記事もどうぞ。
忙しい日は、市販のホワイトソース缶を使えば、②の炒めた具材とマカロニに混ぜて焼くだけ。手作りと市販、平日と週末で使い分けてくださいね。
市販のホワイトソース缶をストックしておくと、思い立った日にグラタン献立が実現します。炒めた具材と混ぜて焼くだけで、平日の夜でもごちそうに。余ったぶんは冷凍もできるので、無駄になりませんよ。
グラタンをもっとおいしくする仕上げのコツ
献立の主役ですから、グラタンそのものも、ワンランクおいしく仕上げましょう。ポイントは、表面の焦げ目です。チーズの上に、パン粉をひとつまみ散らしてから焼くと、カリッと香ばしい焦げ目がつきます。グラタンの語源が「おこげ」だったように、あの香ばしさこそがごちそうなんです。
粉チーズやバターのかけらを少しのせるのも、コクと焼き色の両方に効きます。トースターで焼く場合は、最後の数分で一気に色づくので、焦がしすぎないよう見ていてくださいね。具材のアレンジや、子どもが好きな具材は、グラタンの具材15選の記事にたっぷりまとめていますよ。
グラタンの香ばしい焦げ目づくりには、きめの細かいパン粉が活躍します。チーズの上にひとつまみ散らして焼くだけで、カリッとした食感がプラス。フライやハンバーグのつなぎにも使えるので、常備しておくと重宝しますよ。
とろけるスライスチーズがあると、グラタンのチーズが足りない日も安心です。ピザ用チーズと違って計量いらずで、1〜2枚のせるだけ。トーストやチーズソースにも使えて、冷蔵庫にあると頼れる存在ですよ。
高齢者や子供にやさしいグラタン献立

グラタンは、なめらかなホワイトソースが具材をまとめてくれるので、かむ力・飲み込む力が弱くなっている方にも、実は食べやすいメニューです。
介護の食卓に出すときは、具材を小さく、やわらかく煮て、マカロニもやわらかめにゆでてください。表面の焦げたチーズは、かたくて口に残ることがあるので、かたい部分を取り除くか、焼き色を控えめにすると安心です。
付け合わせの生野菜のサラダは、かみ切りにくいことがあるので、細かく刻むか、やわらかい温野菜のサラダに変えるとよいですよ。汁物は、とろみのあるポタージュ系が飲み込みやすくおすすめです。
小さなお子さんにも、グラタンは大人気のメニューですね。牛乳を加熱調理に使えるのは離乳中期(生後7〜8か月ごろ)からで、薄味の手作りグラタンなら、具をやわらかく小さくして、完了期(1歳〜)ごろから少しずつ楽しめます。
なお、グラタンの献立には、★★特定原材料8品目「乳(ソース・チーズ)」「小麦(マカロニ・パン粉・パン)」「えび」「卵」の4つ★★が含まれることが多く、アレルギーが出やすい食材が複数登場します。初めての食材は、ひとつずつ、ごく少量から、体調のよい平日の日中に試して、症状が出たら医療機関に相談してくださいね。
介護の現場でいちばん気をつけているのは、グラタンの温度です。
熱々のまま出すと、やけどと、むせの原因になります。
少し冷まして、人肌より温かいくらいでお出しするのが、安全でおいしい介護のグラタンです。
日本摂食嚥下リハビリテーション学会「嚥下調整食学会分類2013」を目安に、医師・管理栄養士・言語聴覚士と連携して形態を選んでください。
作り置きは冷蔵24時間以内、再加熱時は中心温度75℃以上を目安に(厚労省の食品衛生基準)。
グラタンの献立でよくある質問
Q1. グラタンの主食は、ごはんとパン、どちらが合いますか?
どちらも合います。選び方の目安は、ソースまで楽しむならバゲットなどのパン、おかずとして食べるならごはん、です。パンなら、残ったホワイトソースをぬぐって最後まで楽しめますし、ごはんなら、和の副菜とも合わせやすくなります。お子さんにはごはん、大人はバゲット、と分けても大丈夫。ちなみに、ごはんをグラタンの中に入れて焼けば、ドリアになりますよ。
Q2. グラタンに、もう一品だけ足すなら何がいいですか?
野菜の汁物を1つ、がおすすめです。ミネストローネかオニオンスープなら、野菜が足せて、こってりの主役をさっぱり支えられます。汁物を作る余裕がない日は、グリーンサラダかキャロットラペを。酸味とシャキシャキ食感が口直しになって、グラタンが最後までおいしく食べられます。「こってりの主役に、さっぱりの脇役」とだけ覚えておけば、間違いありませんよ。
Q3. グラタン献立の栄養バランスで、気をつけることはありますか?
グラタンは、たんぱく質と炭水化物、脂質はしっかりとれる一方、野菜が不足しがちです。だから、副菜・サラダ・汁物で野菜を補うのが、献立づくりの基本になります。彩りの「赤と緑」を足すと考えると、自然に野菜が増えますよ。かぼちゃのポタージュなど、クリーム系の汁物を合わせる日は、こってりが重なるので、グラタンを少し小さめにするとバランスがとれます。
Q4. グラタンの献立は、前日に準備できますか?
できます。グラタンは、焼く前の状態(具材とソースをグラタン皿に入れてチーズをのせる)まで作って、ラップをして冷蔵しておけば、当日は焼くだけです。マリネやラペ、ピクルスの副菜は、作り置きしておくとむしろ味がなじんでおいしくなります。汁物も、前日に作って冷蔵し、当日温め直せば大丈夫(煮立てず温める程度に)。当日の作業が「焼く・よそう」だけになるので、おもてなしにも便利ですよ。
“おいしい”は、全部が重なること
グラタンのおいしさは、こんがりチーズの香ばしさだけでは、完成しません。酸味のきいたラペで口の中がリセットされるから、次のひと口がまたおいしい。温かいスープが野菜を補ってくれるから、安心して楽しめる。シャキシャキのサラダとの温度の対比があるから、とろとろが際立つ。
主役のグラタン、脇役の副菜、支え役の汁物。それぞれは小さな一皿でも、食卓の上でひとつに重なったとき、「今夜はごちそうだね」の声になります。献立を考えるというのは、その重なりをデザインすることなんだと、私は思っています。
今夜のグラタンに、あなたはどの一皿を重ねますか?この記事の15選が、その答えのヒントになれたら、うれしいです🌸
まとめ。。。
グラタンに合う献立のポイントを、最後にまとめておきますね。
- グラタンはフランス生まれ・語源はおこげ
gratter(こそげ取る)が語源。焦げ目こそ主役です。 - こってりの主役にさっぱりの脇役
献立づくりの合言葉は、これだけで大丈夫です。 - 酸味とシャキシャキで口直し
マリネ・ピクルス・ラペ・生野菜のサラダが名脇役です。 - 野菜の汁物でバランスをとる
ミネストローネとオニオンスープが王道です。 - 彩りは赤と緑を足す
白と茶色のグラタンが、ぐっとおいしそうになります。 - 主食はパンでもごはんでも合う
ソースを楽しむならパン、おかずならごはんです。 - 高齢者・子供は具を小さくやわらかく
焦げたチーズは取り除き、少し冷まして出しましょう。

グラタンの献立は、「こってりの主役を、さっぱりの脇役で支える」だけで、誰でも上手に組めるようになります。15選の中から、今夜のわが家の組み合わせを見つけて、こんがり熱々のグラタンを、家族みんなで囲んでくださいね。困ったときは、またこの記事を見に来てください🌸
最後までお読みいただきありがとうございました。
フッくんでした!









