料理研究家、料理大好きフッくんです。
かじった瞬間のパリッという音と、中からあふれる熱々の餡。
揚げたての春巻きは、家で作るからこそ味わえるごちそうですよね。
でも、春巻きは失敗しやすい料理でもあります。
こんなお悩み、ありませんか?
- 皮がベチャッとしてパリパリにならない
揚げたてはよくても、すぐにしんなりしてしまう。 - 揚げている途中で破れて餡が飛び出す
油がはねて怖いし、見た目もくずれてしまう。 - 外は焦げたのに中が冷たい
とくに冷凍しておいた春巻きで、よく起こる。
この記事では、現役料理人20年の私が、お店で作っている春巻きの作り方をお伝えします。
具の水切り、餡のとろみ、巻き方、揚げ方から、冷凍や家族への出し方まで、順番に見ていきましょう。

春巻きとは——餡を包んで揚げる点心
春巻きは、とろみをつけた餡を薄い皮で包み、油で揚げる中華の点心です。
中国では春の訪れを祝う料理として親しまれてきた、と言われています。
日本では、お弁当にも夕食にもなる定番のおかずになりましたよね。
揚げ春巻きと生春巻きは別の料理
同じ「春巻き」でも、ライスペーパーで生の野菜やえびを巻く生春巻きは、ベトナムの料理です。
この記事で作るのは、小麦粉の皮で包んで揚げる中華の春巻きです。
春巻きの具材は具材の記事で
豚肉やたけのこ、春雨などの定番から、チーズや大葉の変わり種までの具材選びは、春巻きの具材の記事で20選を紹介しています。
この記事では、その具材をパリパリの春巻きに仕上げる技術に集中してお伝えします。
春巻きの具の水切り——水分を先に抜く

春巻きがベチャッとする原因は、ほとんどが餡の水分です。
揚げているあいだに、餡から出た水分が皮の内側を湿らせてしまうんです。
だから、包む前に具の水分を抜いておくことが、パリパリへのいちばんの近道です。
春雨は水気をきって短く切る
春雨は、表示どおりに戻したら、ざるにあげてしっかり水気をきります。
長いままだと餡がまとまりにくいので、キッチンばさみで3〜4cmに切ってください。
たけのこの水煮はゆでて拭く
たけのこの水煮は、細切りにしてさっとゆでこぼし、キッチンペーパーで水気を拭きます。
水煮特有のにおいも抜けて、餡の味がすっきりします。
しいたけは炒めて水分を飛ばす
しいたけは、細切りにしてから炒めて、しんなりするまで水分を飛ばします。
きのこは水分が多いので、ここでしっかり炒めておくと、揚げたあとも皮が湿りにくくなります。
とろみの黄金比——100mlに片栗粉大さじ1

水分を抜いた具は、とろみでまとめます。
私の店の目安は、8本分の餡でスープ100mlに片栗粉大さじ1です。
片栗粉は同じ量の倍の水、大さじ2で溶いてから加えます。
このとろみで、餡がまとまって包みやすくなり、揚げても水分が出にくくなります。
とろみをつけたら、バットに広げてよく冷ましてください。
熱い餡のまま包むと、皮が蒸れて破れやすくなります。
春巻きの巻き方——空気を抜いてぴっちり

春巻きの皮には、表と裏があります。
つるつるした面が表、ざらざらした面が裏です。
餡はざらざらの面にのせて、つるつるの面が外側になるように巻きます。
角を手前にして、ひと巻き
皮の角を手前に向けて置き、手前寄りに餡を横長にのせます。
手前の角をかぶせて、餡を包むようにひと巻きします。
左右を折り、空気を抜きながら巻く
左右の角を内側に折り込み、空気を抜きながら奥へ巻いていきます。
中に空気が残ると、揚げたときにふくらんで破裂の原因になるので、ぴっちり巻くのがコツです。
巻き終わりは水溶き小麦粉でとめる
巻き終わりの角に、水溶き小麦粉を薄くぬってとめます。
しっかりとめておくと、揚げているあいだにほどけません。
餡を多くのせすぎると、巻くときに皮が張って破れやすくなります。
1本分の餡は、皮の手前3分の1ほどに収まる量が目安です。
少なめに感じるくらいのほうが、揚げたときに皮と餡の一体感が出て、パリッとした口あたりになります。
春巻きの作り方——6工程で8本

ここからは、8本分の作り方を順番に見ていきます。
餡を冷ます時間があるので、揚げる30分ほど前から始めるとちょうどいいです。
材料は8本分で、次のとおりです。
- 春巻きの皮 8枚
- 豚肉(細切り) 100g
- たけのこ(水煮) 50g
- しいたけ 2枚
- 春雨(乾燥) 30g
- しょうゆ 小さじ2
- オイスターソース 小さじ2
- 鶏がらスープ 100ml
- 片栗粉 大さじ1(水大さじ2で溶く)
- ごま油 小さじ1
- 水溶き小麦粉(とめ用)と揚げ油 適量
工程1 具を切って水切りする
豚肉とたけのこ、しいたけを細切りにし、春雨は戻して短く切ります。
たけのこはゆでて拭き、春雨はしっかり水気をきっておきます。
工程2 豚肉と具を炒める
フライパンにごま油を熱し、豚肉を炒めます。
豚肉は中心75℃1分以上を目安に、色が変わるまでしっかり火を通してください。
続けて、たけのことしいたけを加え、水分を飛ばすように炒めます。
工程3 味をつけてとろみをつける
しょうゆとオイスターソース、鶏がらスープ、春雨を加えて煮立てます。
春雨がスープを吸ったら、水溶き片栗粉を回し入れて、しっかりとろみをつけます。
工程4 バットに広げて冷ます
餡をバットに広げて、手でさわれるくらいまでよく冷まします。
急ぐときは、バットの下に保冷剤をあてると早く冷めます。
工程5 皮で巻く
餡を8等分して、皮のざらざらの面にのせて巻きます。
巻き終わりは水溶き小麦粉でとめて、巻き終わりを下にしてバットに並べます。
工程6 160〜170℃の油で揚げる
揚げ油を160〜170℃に温め、巻き終わりを下にして春巻きを入れます。
揚げ方のくわしいポイントは、次の見出しでお伝えします。
春巻きの揚げ方——160〜170℃でパリッと

春巻きの餡は、炒める段階で火が通っています。
だから揚げるのは、皮をきつね色にして、中まで熱くするためと考えてください。
低めの温度でじっくり揚げて、最後に温度を上げるのがパリパリのコツです。
160〜170℃で4〜5分
巻き終わりを下にして油に入れ、はじめの30秒ほどは触らずに待ちます。
皮が固まってきたら、ときどき返しながら4〜5分揚げます。
一度にたくさん入れると油の温度が下がるので、鍋の広さに合わせて2回に分けてください。
最後に180℃に上げて1分
全体がうすいきつね色になったら、火を強めて180℃ほどに上げ、1分ほどで取り出します。
最後に温度を上げると、皮の油が切れて、冷めてもパリッとした食感が残ります。
揚げたら、網の上に立てかけるようにして油をきってください。
揚げている間は、鍋から離れないでください。
その場を離れるときは、必ず火を止めてからにしましょう。
油がはねることがあるので、揚げている間はお子さんを台所から離してくださいね。
揚げ油の温度の見分け方は、揚げ物のコツの記事でくわしく紹介しています。
揚げた春巻きをお皿に寝かせて置くと、下になった面に湯気がこもって、せっかくの皮がしんなりします。
網やざるの上に立てかけるように並べると、湯気と油が下に抜けて、パリパリが長持ちします。
お弁当に入れる日も、よく冷ましてから詰めてくださいね。
春巻きの火の通り——竹串を中心に刺す

春巻きの餡の豚肉は、炒める段階で中心75℃1分以上を目安に火を通しておきます。
それでも、揚げるときに中まで熱くなっていないと、餡が冷たいままになってしまいます。
とくに冷凍した春巻きは、外だけ色づいて中が冷たいことがあるので、次の3つで確かめましょう。
- 皮:全体がきつね色になっている
白っぽい部分が残っていないかを、裏返して見ます。 - 音:揚げる音が小さく軽くなる
入れた直後の大きな音が、パチパチと軽い音に変わってきます。 - 中:竹串を中心に刺して熱い
竹串を中心に5秒刺し、抜いた串を少し待ってから指先で触って熱ければ合図です。
揚げたての餡はとても熱くなっています。
食べるときは、ひと呼吸おいてからにしてくださいね。
春巻きの失敗——ベチャッ・破裂・冷たい

春巻きの失敗は、だいたい4つのパターンに分かれます。
どれも原因がはっきりしているので、ひとつずつ直していけば、次からは失敗しにくくなります。
- 皮がベチャッとする
具の水分と熱い餡が原因です。水切りしてとろみをつけ、よく冷ましてから包みます。 - 揚げている途中で破裂する
中の空気や餡の入れすぎが原因です。空気を抜いてぴっちり巻き、餡は皮の手前3分の1にします。 - 外は焦げたのに中が冷たい
油の温度が高すぎます。160〜170℃でじっくり揚げ、最後だけ温度を上げます。 - 巻き終わりがほどける
とめが弱いのが原因です。水溶き小麦粉でとめ、巻き終わりを下にして油に入れます。
4つに共通するのは、「包む前の準備で、揚げる前に勝負が決まる」ということです。
水切りと冷ますひと手間が、パリパリの春巻きをつくります。
春巻きの保存——揚げる前に冷凍

春巻きは、多めに巻いて冷凍しておくと、食べたい日にすぐ揚げられて便利です。
保存のコツは、揚げる前に冷凍することです。
揚げてから冷凍すると、温め直したときに皮がパリッと戻りにくくなります。
揚げる前に1本ずつ冷凍する
巻いた春巻きを1本ずつラップで包み、保存袋に入れて冷凍します。
くっつかないように平らに並べて凍らせ、2〜3週間を目安に使い切ってください。
冷凍のまま、低温でじっくり揚げる
冷凍した春巻きは、解凍せずに凍ったまま揚げます。
解凍すると皮が水分を吸って、破れやすくなるからです。
凍ったまま入れると表面の霜で油がはねやすいので、霜を軽く払ってから、1本ずつそっと入れてください。
160℃ほどの低めの油で、いつもより長めにじっくり揚げ、竹串を中心に刺して熱いかを必ず確かめてください。
揚げたあとは冷蔵で翌日まで
揚げた春巻きが残ったら、よく冷まして冷蔵庫に入れ、冷蔵で翌日までに食べきります。
温め直すときは、電子レンジより、オーブントースターで中まで熱くなるように温めると皮がパリッと戻ります。
一度解凍したものの再冷凍は避けてください。
春巻きの栄養——揚げ焼きで油を控える

栄養士として、春巻きの出し方も押さえておきますね。
春巻きは皮で包んで揚げるので、揚げ油を吸った分だけエネルギーが高くなる料理です。
油を控えたい日は、調理法を変えるのがいちばんの近道です。
揚げ焼きと焼き春巻き
フライパンに1cmほどの油を入れて、転がしながら焼く揚げ焼きなら、使う油がぐっと減ります。
皮の表面に油を薄くぬって、オーブントースターで焼く焼き春巻きも、手軽でオススメです。
どちらも、竹串で中まで熱いかを確かめてから出してください。
塩分は餡とたれに分かれる
春巻きの餡にはしょうゆとオイスターソースで味がついています。
酢じょうゆやからしをつけるときは、少しずつにすると塩分をおさえられます。
野菜の副菜やスープを添えると、食卓のバランスが整います。
この作り方に使う特定原材料は、皮と水溶き小麦粉としょうゆの小麦です。
準ずる品目では、豚肉、鶏がらスープの鶏肉、しょうゆの大豆、ごま油のごまが入ります。
オイスターソースや鶏がらスープは商品によって原材料が違うので、食物アレルギーのあるご家族がいるときは表示を確かめてください。
春巻きは食べ始めると手が伸びやすいおかずです。
1人2本を目安にして、野菜の副菜やスープを添えると、揚げ物の日でも献立のバランスが整います。
脂質や塩分の指示を受けている方は、かかりつけの先生の指示を優先してください。
高齢者や子供にやさしい春巻き

パリパリの皮は春巻きのいちばんの魅力ですが、食べる人によっては食べにくさにもなります。
少しの工夫で、家族みんなで同じ春巻きを囲めるようになります。
高齢の家族に出すとき
揚げた皮は鋭く、上あごやのどに刺さったり、飲み込みにくかったりすることがあります。
食べやすい大きさに切ってから出すか、あんかけをかけて皮をやわらかくすると安心です。
春雨は短く切っておくと、のどにからみにくくなります。
飲み込む力に不安がある方は、日本摂食嚥下リハビリテーション学会の嚥下調整食学会分類2013を目安に、かたさやとろみを調整してくださいね。
子どもや高齢の方への工夫は、春巻きの具材の記事でも紹介しています。
小さなお子さんに出すとき
揚げたての餡は中がとても熱いので、少し冷ましてから出してください。
2歳以下のお子さんには、固い皮を外して、やわらかい餡を小さく取り分けると食べやすくなります。
揚げ物の春巻きは皮が固く油も多いので、1歳未満のお子さんには出さないようにしましょう。
私は現役介護士でもあります。
パリパリの皮は、噛む力や飲み込む力が弱い方には、口の中で散らばってむせやすいことがあります。
その日は、焼き春巻きを小さく切って、とろみのあるあんをたっぷりかけてお出ししています。
揚げ春巻きを、あんかけ春巻きに置き換える日があっていい。
春巻きでよくある質問
最後に、春巻きを作るときによくいただく質問にお答えします。
Q1. 餡は前日に作っておけますか?
作れます。
よく冷ました餡を保存容器に入れて冷蔵庫で保存し、冷蔵で翌日までに巻いて揚げてください。
冷えた餡はとろみが固まって、かえって包みやすくなります。
Q2. 余った春巻きの皮の使い道は?
乾かないようにラップでぴったり包み、保存袋に入れて保存します。
皮の日持ちは商品によって違うので、パッケージの表示を確かめてください。
チーズと大葉を巻いて揚げれば、手軽なおつまみになります。
Q3. 揚げずに作ることはできますか?
できます。
皮に油を薄くぬってオーブントースターで焼く焼き春巻きや、少ない油で転がして焼く揚げ焼きがオススメです。
どちらも、竹串で中まで熱いかを確かめてください。
Q4. 揚げ油は何回使えますか?
春巻きを揚げた油は、こして冷暗所で保存すれば、次の揚げ物に使えます。
色が濃くなったり、においが強くなったり、泡が消えにくくなったりしたら替えどきです。
揚げ油の保存と処理は、揚げ物のコツの記事にまとめています。
まとめ。。。

春巻きの作り方を、具の水切りから巻き方、揚げ方、冷凍、家族への出し方までまとめました。
- 具は水切りして、餡はよく冷ます
春雨・たけのこ・しいたけの水分を先に抜きます。 - とろみはスープ100mlに片栗粉大さじ1
8本分の目安で、餡がまとまって包みやすくなります。 - ざらざらの面に餡をのせる
つるつるの面を外側にして巻きます。 - 空気を抜いてぴっちり巻く
巻き終わりは水溶き小麦粉でとめます。 - 160〜170℃で揚げ、最後に温度を上げる
揚げている間は鍋から離れません。 - 揚げたては網に立てかける
湯気が抜けて、パリパリが長持ちします。 - 冷凍は揚げる前に
凍ったまま低めの温度で揚げ、竹串で確かめます。 - 家族に合わせて切り方と調理法を変える
高齢の方には小さく、あんかけや焼き春巻きも。
春巻きは、包む前の準備で仕上がりが決まる料理です。
だからこそ、水切りと冷ますひと手間が、パリッという音に変わります。
今度の春巻きは、ぜひ「具の水切り」から試してみてくださいね。
きっと、揚げたての音が変わるはずだよ。
フッくんでした!
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