料理研究家、料理大好きフッくんです。
ひな祭りのお吸い物に、焼きはまぐりに、酒蒸しに。
ふっくらと大きな身のはまぐりは、食卓を華やかにしてくれるごちそうの貝ですよね。
でも、いざ買ってくると「砂抜きのあと、いつまでもつの?」と迷いませんか?
こんなお悩み、よく聞きます。
- 砂抜き後、いつまで冷蔵できるか分からない
お祝いの日の前日に買っておいても大丈夫か心配。 - 冷凍したら口が開かなかった
冷凍のやり方や、解凍の仕方が合っているか不安。 - 傷んでいるかの見分け方が分からない
口が開いたままの貝を、使っていいのか迷ってしまう。
この記事では、寿司職人20年の私が、はまぐりの保存方法をまとめてお伝えします。
砂抜きから、砂抜き後の冷蔵、冷凍のコツ、傷んだサインまで、順番に見ていきましょう。

はまぐりの保存——砂抜きしてから
先に結論をお伝えしますね。
はまぐりは、砂抜きをしてから、冷蔵なら2〜3日、冷凍なら殻ごと約1か月が目安です。
おいしく食べるなら、冷蔵は翌日までに使い切るのがオススメです。
- まず砂抜き
3%の塩水で、暗く涼しい場所に2〜3時間おきます。 - 冷蔵は2〜3日
濡らした新聞紙で包んで野菜室へ。密閉はしません。 - 冷凍は殻ごと約1か月
使うときは凍ったまま、熱した鍋に入れます。
はまぐりは生きている貝なので、買ってきたらできるだけ早く下ごしらえするのが基本です。
市販のはまぐりは、パッケージの表示を優先してくださいね。
保存期間の早見表——冷凍で約1か月

保存場所ごとの目安を、表にまとめました。
あさりやしじみの保存と同じ考え方で、はまぐりも「砂抜き→冷蔵か冷凍」が基本です。
貝の大きさや鮮度で変わるので、慎重な側の目安にしています。
| 保存の状態 | 保存のしかた | 日持ちの目安 |
|---|---|---|
| 砂抜き後・冷蔵 | 濡らした新聞紙で包んで野菜室・密閉しない | 2〜3日(おいしいのは翌日まで) |
| 殻ごと冷凍 | 水気を拭いて保存袋に平らに並べる | 約1か月 |
| 冷凍後の調理 | 凍ったまま熱した鍋に入れる | 再冷凍しない |
はまぐりの砂抜き——3%の塩水で

はまぐりは海で育つ貝なので、砂抜きの塩水は、あさりと同じ3%です。
水500mlに塩大さじ1が目安で、海水と同じくらいの濃さになります。
砂抜き済みで売られていることも多いですが、念のため一度しておくと安心です。
重ならないように並べる
バットにはまぐりを重ならないように並べ、貝がひたひたにつかるくらい塩水を入れます。
重なっていると、上の貝が吐いた砂を下の貝が吸い込んでしまいます。
暗く涼しい場所で2〜3時間
新聞紙をかぶせて暗くし、涼しい場所に2〜3時間おきます。
暑い時期は、室温ではなく野菜室に入れてください。
砂抜きのしすぎに気をつける
砂を吐かせようと、何時間も塩水に浸けたままにすると、はまぐりが弱ってしまいます。
2〜3時間を目安に、砂を吐かなくなったら引き上げてください。
殻をこすり合わせて洗う
砂抜きが終わったら、ざるにあげ、殻と殻をこすり合わせるようにして流水で洗います。
殻の表面のぬめりや汚れが落ちて、料理に使ったときの臭みがなくなります。
寿司屋では、はまぐりを2つ持って、殻どうしを軽く打ち合わせて音を確かめます。
生きている貝は「カチッ」と澄んだ高い音、身のない貝や死んだ貝は「ゴツッ」と鈍い音がします。
音の違う貝を1つ入れるだけで、鍋全体がにおうので、ここで取り除いておくのが寿司屋の仕事です。
砂抜き後の冷蔵——いつまで?

砂抜きしたはまぐりは、冷蔵で2〜3日が目安です。
ただ、はまぐりは生きている貝なので、日がたつほど弱っていきます。
お吸い物や焼きはまぐりでおいしく食べるなら、翌日までに使い切ってください。
濡らした新聞紙でふんわり包む
砂抜きしたはまぐりの水気をきり、濡らした新聞紙でふんわり包みます。
しじみの保存の記事と同じく、貝は呼吸しているので、密閉した袋でぴっちり包むのは避けてください。
野菜室で保存する
新聞紙で包んだはまぐりを、穴をあけた袋やざるに入れて、野菜室で保存します。
水に浸けたまま冷蔵庫に入れると、弱りやすくなるので気をつけましょう。
お祝いの前日に買うなら
ひな祭りなどで前日に買っておくときは、買ってきた日に砂抜きまで済ませ、冷蔵庫に入れておきます。
当日は、打ち合わせて音を確かめてから使えば、安心して料理に使えます。
はまぐりの冷凍——殻ごと約1か月

すぐに使わないはまぐりは、殻ごと冷凍しておくと便利です。
砂抜きしてから冷凍すれば、使いたいときにそのまま料理に使えます。
冷凍庫で約1か月を目安に使い切ってください。
冷凍のしかた
砂抜きして洗ったはまぐりの水気を、キッチンペーパーでしっかり拭きます。
保存袋に重ならないように平らに並べ、空気を抜いて冷凍庫へ入れます。
袋に冷凍した日を書いておくと、使い切る目安が分かりやすくなります。
冷凍のまま使いやすい料理
冷凍したはまぐりは、お吸い物や酒蒸し、パスタ、炊き込みご飯など、汁ごと味わう料理に向いています。
焼きはまぐりにするなら、冷凍より、砂抜きして冷蔵したものを翌日までに焼くほうが、身がふっくら仕上がります。
料理に合わせて、冷蔵と冷凍を使い分けてみてください。
解凍せずに使う——凍ったまま

冷凍したはまぐりは、解凍せずに、凍ったまま使うのが正解です。
あさりやしじみと同じく、解凍してから加熱すると、口が開かなくなってしまうからです。
煮立っただしや、熱したフライパンに、凍ったまま入れてください。
二枚貝は、中心部85〜90℃で90秒以上を目安に、しっかり加熱してください。
口が開いたら、それが火が通った合図です。
加熱しても口が開かない貝は、無理にこじ開けずに取り除きましょう。
一度解凍したものの再冷凍は避けてください。
むき身の保存——加熱してから

殻ごとの保存のほかに、加熱してからむき身にして保存する方法もあります。
あさりの保存の記事でも紹介しているとおり、加熱したあとにむいて保存しておくと、料理にすぐ使えて便利です。
炊き込みご飯やパスタに使いたいときは、この方法がオススメです。
酒蒸しにしてから身を外す
はまぐりを酒蒸しか水蒸しにして、口が開いたら火を止め、身を殻から外します。
うま味の出た蒸し汁は、身と一緒に保存容器に入れてください。
冷蔵は翌日まで、冷凍は約1か月
むき身は、蒸し汁ごと冷蔵して翌日までに使い切ります。
すぐに使わないときは、蒸し汁ごと冷凍して、約1か月を目安にしてください。
使うときは、凍ったまま料理に加えて、中までしっかり温めます。
新鮮なはまぐりと傷んだサイン

はまぐりを買うときと、使う前に、状態を確かめておきましょう。
生きている貝かどうかは、殻と音とにおいで見分けられます。
お店で選ぶときは、殻にしっかりつやがあり、持ったときにずっしり重いものを選んでください。
- 口が開いたまま閉じない
生の状態で、触っても口を閉じない貝は死んでいます。使わずに取り除きます。 - 打ち合わせると鈍い音がする
身がなかったり、死んでいたりする貝は、「ゴツッ」と鈍い音がします。 - いやなにおいがする
磯の香りではなく、つんとした生ぐさいにおいがするものは使いません。 - 殻が割れている
割れた貝は、中に砂や汚れが入りやすく、傷みやすくなっています。
ひとつでも当てはまったら、もったいなくても使わないでください。
新鮮なはまぐりは、殻につやがあり、触るとぎゅっと口を閉じます。
はまぐりの使い切り——お吸い物や酒蒸し

はまぐりは、大きな身とうま味たっぷりのだしが魅力です。
シンプルな料理ほど、はまぐりのおいしさが引き立ちます。
私がよく作る料理を紹介しますね。
- はまぐりのお吸い物
ひな祭りの定番。はまぐりのうま味だけで、上品なお吸い物になります。 - 焼きはまぐり
網や魚焼きグリルで焼き、口が開いたらしょうゆを少したらします。 - 酒蒸し
フライパンにはまぐりと酒を入れてふたをし、口が開くまで蒸し焼きにします。 - はまぐりの炊き込みご飯
酒蒸しの蒸し汁でご飯を炊き、身を最後に混ぜると、身がかたくなりません。 - 煮はまぐり
江戸前寿司の仕事のひとつ。口が開いたらすぐ引き上げ、煮汁を煮詰めて甘いたれにします。
ひな祭りのはまぐりのお吸い物は、子供と一緒に祝うひな祭りの献立の記事や、ちらし寿司に合う献立の記事でも紹介しています。
酒蒸しの酒は、加熱してもアルコールがすべてなくなるわけではないので、お子さんや妊娠中・授乳中の方、お酒に弱い方と食べる日は、水で蒸してください。
はまぐりをそのまま焼くと、口が開いた勢いで身が片側に寄り、汁がこぼれてしまいます。
寿司屋では、殻をつないでいる蝶番(ちょうつがい)の部分を、包丁の先で少し切っておきます。
こうすると、殻が平らに開いて、うま味の汁をこぼさずに焼き上げられます。
はまぐりの栄養——100gで35kcal

栄養士として、はまぐりの栄養も押さえておきますね。
日本食品標準成分表(八訂)では、はまぐり(生)は100gあたり35kcal、たんぱく質6.1gです。
エネルギーは少なめで、うま味の多い貝です。
一方で、はまぐりは海の貝なので、100gあたり食塩相当量2.0gと、それ自体に塩分を含んでいます。
お吸い物や酒蒸しにするときは、しょうゆや塩を控えめにして、はまぐりのうま味と塩気を生かしてください。
はまぐりは貝類で、まれにアレルギーが出ることがあります。
食物アレルギーのあるご家族がいるときは、はじめて食べるときに気をつけてくださいね。
はまぐりのお吸い物は、はまぐり自体の塩気がだしに溶け出します。
塩やしょうゆは、はまぐりの口が開いてから味見をして、足りない分だけ加えると、塩分をおさえられます。
塩分の指示を受けている方は、かかりつけの先生の指示を優先してください。
高齢者や子供にやさしいはまぐり

はまぐりの身は大きくてやわらかく見えますが、弾力があって、噛み切りにくいところがあります。
家族みんなで楽しむために、食べる人に合わせて工夫してください。
高齢の家族に出すとき
身は殻から外して、小さく刻んでから出します。
噛む力が弱い方には、身は取り出して、うま味の溶けたお吸い物のだしとして味わってもらうのもオススメです。
飲み込む力に不安がある方には、日本摂食嚥下リハビリテーション学会の嚥下調整食学会分類2013を目安に、汁物のとろみは市販のとろみ剤(とろみ調整食品)でつけてくださいね。
小さなお子さんに出すとき
2歳以下のお子さんには、身を細かく刻んで、少しだけ取り分けてください。
熱いお吸い物は、少し冷ましてから出しましょう。
はまぐりは弾力があって噛み切りにくく、塩分もあるので、1歳未満のお子さんにははまぐりの身は出さないようにしましょう。
貝を離乳食に使うときの始める時期や量は、月齢で変わるので、かかりつけの先生や自治体の相談窓口で確かめてくださいね。
私は現役介護士でもあります。
ひな祭りのはまぐりのお吸い物は、季節を感じる一品として、とても喜ばれます。
その日は、身を小さく刻んで椀に入れ、うま味の溶けただしをゆっくり味わってもらっています。
はまぐりの身を食べる日を、はまぐりのだしを味わう日に置き換える日があっていい。
はまぐりの保存でよくある質問
最後に、はまぐりの保存についてよくいただく質問にお答えします。
Q1. 砂抜き済みでも砂抜きする?
念のため、1時間ほど3%の塩水に浸けておくと安心です。
殻の表面は、こすり合わせて洗ってから使ってください。
Q2. 冷凍したら口が開かない?
解凍してから加熱すると、口が開かなくなります。
冷凍したはまぐりは、凍ったまま熱した鍋に入れてください。
Q3. 砂抜き後、常温で置いていい?
常温に長く置くと弱ってしまうので、砂抜きが終わったらすぐに冷蔵か冷凍にしてください。
暑い時期は、砂抜きそのものも野菜室でします。
Q4. 焼くと口が開かない貝は?
しっかり加熱しても口が開かない貝は、死んでから時間がたっている可能性があります。
無理にこじ開けずに取り除いてください。
Q5. むき身で売っているものは?
むき身のはまぐりは、砂抜きの必要はありませんが、傷みやすいので買った日のうちに使い切ってください。
パッケージの保存方法と期限を優先してくださいね。
まとめ。。。

はまぐりの保存方法を、砂抜きから冷蔵、冷凍、傷んだサイン、使い切りまでまとめました。
- 砂抜きは3%の塩水で2〜3時間
重ならないように並べ、暗く涼しい場所で。 - 砂抜き後の冷蔵は2〜3日
おいしく食べるなら翌日まで。密閉しません。 - 冷凍は殻ごと約1か月
水気を拭いて、保存袋に平らに並べます。 - 冷凍したら凍ったまま加熱
中心部85〜90℃で90秒以上が目安です。 - 口が開かない貝は食べない
無理にこじ開けずに取り除きます。 - 焼くなら蝶番を切る
殻が平らに開いて、汁がこぼれません。 - 家族に合わせて刻む
高齢の方にはだしとして味わう日も。
はまぐりは、対になった殻しか合わないことから、良い縁の願いが込められてきた貝です。
だからこそ、お祝いの日には、いちばんおいしい状態で食卓に並べたいですよね。
今年のひな祭りは、ぜひ砂抜きから寿司屋の手順で準備してみてくださいね。
ふっくらとしたはまぐりに、家族の笑顔が重なるはずだよ。
フッくんでした!
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