料理研究家、料理大好きフッくんです。
玉ねぎをじっくり炒めて、飴色のスープに仕上げるオニオンスープ。
材料は玉ねぎとバターとコンソメだけなのに、洋食屋さんのような深い味になる一杯ですよね。
でも、家で作ろうとすると、ここでつまずきませんか?
こんなお悩み、よく聞きます。
- 飴色まで30分も炒められない
鍋の前に立ちっぱなしで、途中であきらめてしまう。 - 焦がして苦くなる
鍋底が黒くなって、スープまで苦くなってしまった。 - 味がぼんやりする
コンソメを足しても、お店のこくが出ない。
この記事では、現役料理人20年の私が、洋食の厨房で作ってきたオニオンスープの作り方をお伝えします。
玉ねぎを飴色にする時短と黄金比から、飴色の見極め方、保存と温め直しまで、順番に見ていきましょう。

オニオンスープとは——玉ねぎが主役
オニオンスープは、薄切りの玉ねぎをバターで飴色になるまで炒め、コンソメのスープで煮た、フランス生まれのスープです。
具は、玉ねぎだけ。
だからこそ、玉ねぎをどこまで炒めるかで、味のほとんどが決まります。
パリの市場で夜明けまで働いた人たちが、仕事終わりに飲んだ一杯とも言われています。
そこにパンとチーズをのせて焼いたものが、オニオングラタンスープです。
この記事では、ふだんの食卓のオニオンスープを基本に、グラタンにする方法もあとでお伝えしますね。
玉ねぎを飴色に炒める技術は、ハヤシライスの作り方の記事でもお伝えしている、洋食の入り口です。
実は私も、新人のころの最初の仕事は、厨房で玉ねぎを飴色にする「玉ねぎ番」でした。
そのとき覚えた、家でもできる時短と見極め方を、この記事にまとめました。
オニオンスープの黄金比——玉ねぎ1個

オニオンスープの黄金比は、1人分に玉ねぎ1個(約200g)です。
そこに水200ml、固形コンソメ1/2個、バター5gを合わせます。
「玉ねぎが多すぎるかな」と思うくらいが、ちょうどいい量です。
玉ねぎは炒めると、かさが4分の1ほどに減ります。
1人1個入れて、ようやくスプーンですくうたびに玉ねぎがからむ、お店のスープになります。
| 材料 | 2人分 | 入れるタイミング |
|---|---|---|
| 玉ねぎ | 2個(約400g) | 薄切りにして、できれば前夜に冷凍 |
| バター | 10g | 最初に弱火で溶かす |
| 塩 | ひとつまみ | 炒め始めに |
| 差し水 | 大さじ1〜2 | 鍋底に焼き色がついたら |
| 水 | 400ml | 飴色になってから |
| 固形コンソメ | 1個 | 水と一緒に |
| こしょう | 少々 | 仕上げに |
固形コンソメのキューブ1個(5.3g)の塩分や、顆粒との換算は、コンソメ小さじ1の記事でくわしく紹介しています。
顆粒のコンソメを使うときは、キューブ1個を小さじ約2杯弱に置き換えてください。
飴色玉ねぎの時短——前夜に冷凍

飴色玉ねぎは、ふつうに炒めると、玉ねぎ2個で30分ほどかかります。
火を強くしすぎると焦げ、弱すぎると水っぽいまま、なかなか色がつきません。
家で作るときは、次の時短を組み合わせてください。
前夜に冷凍して15分に
薄切りにした玉ねぎを、できれば前の晩に冷凍しておきます。
冷凍で細胞がこわれた玉ねぎは水分が抜けやすく、飴色までの時間が30分から15分ほどに縮みます。
ハヤシライスの作り方の記事でお伝えしている時短と同じ考え方です。
保存袋に平らに入れて冷凍しておくと、凍ったままほぐして使えます。
凍ったまま強火、塩ひとつまみ
鍋にバターを入れて弱火で溶かし、凍ったままの玉ねぎを入れてから火を強めます。
凍った玉ねぎを熱した鍋に入れると油がはねるので、火は入れてから強めるのが安全です。
塩ひとつまみをふると、玉ねぎの水分が早く出てきます。
じゅわっと出た水分が飛ぶまでは、強火でかまいません。
広げて放置、焼き色で混ぜる
ずっと混ぜ続けるのは、実は逆効果です。
鍋肌に広げて1〜2分さわらず、焼き色がついたら混ぜる、をくり返します。
水分が飛んだら中火に落とし、鍋底の焼き色が濃くなってきたら、水大さじ1を差して木べらでこそげてください。
飴色玉ねぎを冷凍しておく
さらに大きな時短は、飴色玉ねぎをまとめて作って、冷凍しておくことです。
完全に冷ましてから大さじ2ずつラップで包み、保存袋に入れて冷凍すれば、1か月ほど使えます。
飴色玉ねぎの冷凍は、玉ねぎの保存の記事でも紹介しています。
この「飴色の貯金」があれば、1人分に2個(大さじ4)を、コンソメと水で煮るだけ。
5分ほどで、一杯のオニオンスープができあがります。
鍋底にこびりついた茶色い焼き色は、焦げではなく、うまみのかたまりです。
お店では、焼き色がつくたびに水を少し差してこそげ、玉ねぎにからめ直していました。
これをくり返すと、炒める時間が短くても、長く炒めたような深い色とこくになりますよ。
飴色の見極め——3つの合図

飴色玉ねぎは、どこで火を止めるかで、スープの味が変わります。
目と鼻と、鍋の中のかさで確かめるのが確実です。
私が厨房で先輩に教わったのも、色より先に香りでした。
合図1 色はべっこう色
家庭のオニオンスープは、べっこう色で止めても十分おいしく仕上がります。
こげ茶に近い濃い飴色は、こくが欲しい大人の日にどうぞ。
合図2 甘い香りに香ばしさ
玉ねぎの甘い香りに、香ばしさが一枚重なったら合格です。
つんとする辛みのにおいが残っているうちは、まだ炒め足りません。
合図3 かさが4分の1に
山盛りだった玉ねぎが4分の1ほどのかさになり、木べらでまとめると、ねっとりひとかたまりになります。
ここまで来れば、スープにしたときに甘みとこくがしっかり出ます。
色の進みは後半ほど速いので、べっこう色から先は鍋の前を離れないでください。
黒く焦げたところは苦みが出るので、取り除いてから先へ進みます。
オニオンスープの作り方——6工程

ここからは、2人分の作り方を順番に見ていきます。
材料は、上の黄金比の表の2人分です。
玉ねぎを炒める時間さえ乗り切れば、あとは煮るだけですよ。
工程1 玉ねぎを薄切りにする
玉ねぎは縦半分に切り、繊維に沿って薄切りにします。
できれば保存袋に平らに入れて、前の晩に冷凍しておきます。
工程2 バターで炒め始める
鍋にバター10gを入れて弱火で溶かし、玉ねぎを入れてから強火にして、塩ひとつまみをふります。
工程3 べっこう色まで炒める
広げて1〜2分おき、混ぜる、をくり返します。
水分が飛んだら中火にして、鍋底の焼き色を差し水大さじ1〜2でこそげながら、べっこう色まで炒めます。
冷凍した玉ねぎなら、約15分が目安です。
工程4 水とコンソメを加える
水400mlと固形コンソメ1個を加え、鍋底をこそげながら煮立てます。
工程5 弱火で10分煮る
アクを取り、ふたをせずに弱火で10分煮ます。
玉ねぎの甘みがスープに溶け出して、味がまとまります。
工程6 味をととのえる
味を見て、こしょうでととのえます。
コンソメの塩気があるので、塩は足さずに、まず味を見てください。
洋食屋のまかないでは、仕上げにしょうゆを2〜3滴たらしていました。
玉ねぎの甘みがきゅっと引き締まり、ご飯の日にも合う、和の香りのオニオンスープになります。
入れすぎると洋食の顔が消えるので、ほんの数滴にしてくださいね。
できあがったら、温めておいたスープカップに注いでどうぞ。
小さなお子さんや高齢の方の分は、取り分けて少し冷ましてから出してくださいね。
グラタンスープ——パンとチーズで

基本のオニオンスープができたら、パンとチーズをのせて焼くと、オニオングラタンスープになります。
パリの市場の食堂で親しまれてきたとも言われる、ごちそうの一杯です。
ふだんのスープに、ひと手間かけるだけで作れます。
耐熱の器に注いで焼く
耐熱のスープカップにスープを注ぎ、1cmほどに切って軽く焼いたバゲットをのせます。
その上にとろけるチーズをたっぷりのせ、オーブントースターで焼き色がつくまで焼きます。
器が熱いので気をつけて
焼き上がった器はとても熱いので、鍋つかみで取り出し、受け皿にのせて出してください。
小さなお子さんの手が届かないところに置き、取り分けて冷ましてから渡しましょう。
パンとチーズの分、エネルギーと塩分は、ふだんのオニオンスープより増えます。
ふだんは基本のスープ、休日はグラタン、と使い分けるのもオススメです。
よくある失敗——苦くなる

オニオンスープの失敗は、ほとんどが玉ねぎの炒め方から生まれます。
具が玉ねぎだけなので、炒め方のくせが、そのままスープの味に出てしまうんです。
原因が分かれば、次からはぐっと失敗しにくくなります。
- 苦くなる
黒く焦がしています。強火は水分が飛ぶまでにして、焦げたところは取り除きます。 - 甘みが出ない
炒めが浅く、辛みが残っています。甘い香りに香ばしさが重なるまで炒めます。 - 鍋底が焦げつく
焼き色をそのままにしています。水大さじ1を差してこそげ、玉ねぎにからめます。 - 味がぼんやりする
玉ねぎが少なすぎます。1人分に玉ねぎ1個を目安にします。
4つに共通するのは、「強火は最初だけ、焼き色は溶かす」ことです。
これを守るだけで、時短しても苦くならない飴色玉ねぎに近づきます。
保存と温め直し——冷蔵で2日

オニオンスープは、まとめて作っておくと、忙しい日の一品になる作り置きしやすいスープです。
ただし、冷まし方と温め直し方には、守ってほしい線があります。
冷蔵は2日まで
作ったスープは鍋のまま室温に置かず、浅い容器に移して、30分以内に粗熱を取ります。
ゆっくり冷めるあいだが、いちばん傷みやすい時間だからです。
粗熱が取れたら冷蔵庫に入れ、2日までに食べきってください。
冷凍は2週間を目安に
スープは冷凍もできます。
1回分ずつ保存容器や保存袋に分けて冷凍し、2週間ほどを目安に使いきってください。
グラタンにするパンとチーズは、食べる日にのせます。
温め直しは中心まで
温め直すときは、鍋で底から混ぜながら、全体から湯気が立つまで加熱します。
中心まで75℃で1分以上が目安です。
一度温め直したスープを、もう一度冷凍するのはやめましょう。
オニオンスープの栄養——約110kcal

栄養士として、この作り方のオニオンスープ1人分の栄養を計算してみました。
玉ねぎ1個(約200g)を使った、スープカップ1杯分です。
エネルギーは約110kcal、たんぱく質は約2gです。
玉ねぎをたっぷり食べられるので、食物繊維は約3gとれます。
塩分は約1.5gで、そのほとんどは固形コンソメの塩分です。
1日の塩分の目標量(男性7.5g未満・女性6.5g未満・食事摂取基準2025年版)の、およそ2割にあたります。
献立のほかの料理の味つけと合わせて、塩分を考えてみてくださいね。
この作り方に使う特定原材料は、バターの乳です。
固形コンソメは商品によって、小麦や乳のほか、準ずる品目の大豆・牛肉・鶏肉などが入ります。
グラタンにするときは、バゲットの小麦とチーズの乳も加わるので、食物アレルギーのあるご家族がいるときは表示を確かめてください。
玉ねぎをしっかり飴色にしておくと、甘みとこくで、コンソメを減らしても味がぼやけにくくなります。
固形コンソメを半分にすると、1人分の塩分は約0.9gになります。
塩分の指示を受けている方は、かかりつけの先生の指示を優先してください。
高齢者や子供にやさしいオニオンスープ

オニオンスープは、とろけるほど炒めた玉ねぎで、家族みんなが食べやすいスープです。
それでも、さらさらの汁と熱さには、食べる人に合わせた気づかいが必要です。
高齢の家族に出すとき
玉ねぎは、べっこう色よりさらに長めに炒めて、とろとろにしておきます。
長い薄切りが口に残りやすい方には、器に入れる前にキッチンばさみで短く切ってください。
さらさらの汁物は、むせやすいことがあります。
片栗粉のとろみは時間がたつとゆるみやすいので、飲み込む力に不安がある方には、市販のとろみ剤(とろみ調整食品)でとろみをつけてからお出しします。
グラタンにしたときのパンは、スープを吸ってやわらかくなっても、のどに貼りつきやすいことがあります。
チーズも長く伸びるので、飲み込む力に不安がある方には、パンとチーズはのせずにお出しするのが安心です。
形ややわらかさは、日本摂食嚥下リハビリテーション学会の嚥下調整食学会分類2013を目安に調整してくださいね。
小さなお子さんに出すとき
熱いスープは、取り分けて少し冷ましてから渡してください。
2歳以下のお子さんには、玉ねぎを短く切り、こしょうは入れずに取り分けます。
コンソメで味つけした大人と同じスープなので、1歳未満のお子さんには出さないようにしましょう。
玉ねぎを離乳食に使うときの始める時期や量は、月齢で変わるので、かかりつけの先生や自治体の相談窓口で確かめてくださいね。
私は現役介護士でもあります。
汁と具が分かれたスープは、飲み込む力が弱い方には、むせやすいことがあります。
その日は、飴色玉ねぎごとスープをミキサーにかけてなめらかにし、とろみ剤でとろみをととのえてお出ししています。
飴色玉ねぎの甘みはそのままなので、「いつものスープの味だね」と言っていただけます。
オニオンスープを、なめらかな玉ねぎのポタージュに置き換える日があっていい。
オニオンスープでよくある質問
最後に、オニオンスープを作るときによくいただく質問にお答えします。
Q1. 新玉ねぎでも作れる?
作れます。
新玉ねぎは水分が多いので、飴色になるまで少し時間がかかりますが、甘くてやさしいスープになります。
Q2. コンソメなしでも作れる?
作れます。
昆布とかつお節のだしで煮て、しょうゆを少し落とすと、和風のオニオンスープになります。
Q3. 玉ねぎの切り方は?
繊維に沿った薄切りにすると、煮ても形が残ります。
早く飴色にしたい日は、繊維を断つように切ると、早くやわらかくなります。
Q4. 焦がしてしまったら?
黒く焦げたところは苦みが出るので、取り除いてください。
鍋底の茶色い焼き色なら、水を少し差してこそげれば、うまみとして使えます。
Q5. 冷凍はできる?
できます。
スープは2週間ほど、飴色玉ねぎだけなら1か月ほどを目安に冷凍できます。
まとめ。。。

オニオンスープの作り方を、黄金比から、玉ねぎを飴色にする時短、飴色の見極め方、保存と温め直しまでまとめました。
- 黄金比は1人に玉ねぎ1個
水200ml・固形コンソメ1/2個・バター5gを合わせて。 - 前夜に冷凍して15分
飴色までの時間が、30分から半分に縮みます。 - 強火は水分が飛ぶまで
凍ったまま入れてから火を強め、塩ひとつまみ。 - 焼き色は差し水で溶かす
焦げではなく、うまみのかたまりです。 - べっこう色と甘い香りが合図
後半は色が速く進むので、鍋の前を離れずに。 - 飴色玉ねぎは大さじ2ずつ冷凍
1人分に2個で、5分の一杯に。 - 冷蔵2日・冷凍2週間
温め直しは、中心まで湯気が立つまで。
オニオンスープは、玉ねぎを炒めた時間が、そのままおいしさになるスープです。
前の晩に玉ねぎを冷凍しておくだけで、平日の夜でも、洋食屋さんのような一杯が作れます。
冷えた朝に、湯気の立つスープカップを両手で包んでみてくださいね。
フッくんでした!
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