料理研究家、料理大好きフッくんです。
春になると店先に並ぶ、皮つきの立派なたけのこ。
買ってきたものの、アク抜きのやり方に迷って、台所に置いたままになっていませんか?🥹
こんなお悩み、よく聞きます。
- 米ぬかがないときはどうする?
米ぬかがついていなかったけれど、ほかの方法で茹でられるのか知りたい。 - 圧力鍋で早くできる?
大きな鍋で1時間も茹でるのは大変なので、圧力鍋を使いたい。 - 翌日まで置いていい?
夕方に買ってきたので、今日は茹でる時間がない。
この記事では、現役料理人20年の私が、たけのこの下処理(アク抜き)をお伝えします。
米ぬかで茹でる基本の6工程から、茹で上がりの見極め、米ぬかがない日のやり方、圧力鍋、翌日まで置くときのことまで、順番に見ていきましょう。

たけのこの下処理——米ぬかで茹でる
たけのこの下処理は、買ってきたその日のうちに、米ぬかと赤唐辛子を入れたたっぷりの水で茹でるのが基本です。
根元に竹串がすっと通るまで茹でたら、火を止めて、茹で汁のまま冷ますところまでが下処理です。
米ぬかがないときは、米のとぎ汁や生米でも茹でられます。
たけのこは、掘ってから時間がたつほど、えぐみが強くなり、固くなっていきます。
「買ったら、その日のうちに茹でる」が、おいしいたけのこの合言葉です。
茹でるのに時間はかかりますが、手順はとてもシンプルなので、安心してくださいね。
アク抜きが必要な理由

生のたけのこには、舌がぴりっとするようなえぐみがあります。
野菜の下ごしらえの記事では、「アク抜きは、えぐみや変色を防いで、料理をおいしく仕上げる下ごしらえです」とお伝えしています。
たけのこは、そのアク抜きがとくに大切な野菜なんですよね。
米ぬかを入れて茹でると、えぐみが抜けやすくなり、たけのこがやわらかく、色も白っぽくきれいに仕上がります。
赤唐辛子は、昔から米ぬかと一緒に入れられてきたものです。
どちらも、なければ下処理ができないものではないので、手元にあるもので始めてください。
材料と道具——基本の分量

たけのこの下処理に使う材料と道具を、表にまとめました。
たけのこの大きさや本数で、水と米ぬかの量は変わるので、目安にしてください。
| 材料・道具 | 分量の目安 | ポイント |
|---|---|---|
| 皮つきのたけのこ | 1〜2本 | その日のうちに茹でる |
| 水 | たけのこがかぶるくらい | 大きな鍋にたっぷり |
| 米ぬか | ひとつかみ | ないときは米のとぎ汁か生米で |
| 赤唐辛子 | 1〜2本 | なくても茹でられる |
| 落としぶた | 1枚 | たけのこが浮かないように |
| 竹串 | 1本 | 茹で上がりの見極めに |
たけのこが鍋に入りきらないときは、皮つきのまま縦半分に切ってから茹でてください。
火の通りもそろいやすくなります。
たけのこの下処理——6工程

たけのこの下処理は、6つの工程に分けると、迷わずに進められます。
大きな鍋で長く茹でるので、吹きこぼれとやけどに気をつけながら進めてください。
工程1 洗って外の皮をむく
たけのこの表面の土を、たわしで洗い流します。
外側のかたい皮を、2〜3枚むいておきます。
工程2 穂先を切り、切れ目を
穂先を斜めに切り落とし、縦に1本、身に届かない深さの切れ目を入れます。
切れ目を入れておくと、火が通りやすく、あとで皮もむきやすくなります。
工程3 鍋に入れる
大きな鍋にたけのこを入れ、たけのこがかぶるくらいの水を注ぎます。
米ぬかひとつかみと、赤唐辛子1〜2本を加えてください。
工程4 落としぶたで茹でる
落としぶたをして強火にかけ、沸いたら、吹きこぼれない程度の弱火にします。
たけのこが湯から出ないように、途中で水を足しながら、大きさによって40分〜1時間ほど茹でます。
工程5 竹串で見極める
根元の太いところに竹串を刺して、すっと通れば茹で上がりです。
まだ固いときは、10分ずつ茹で時間をのばしてください。
工程6 茹で汁のまま冷ます
火を止めたら、たけのこを茹で汁に浸けたまま、ゆっくり冷まします。
冷めたら皮をむき、表面の米ぬかを水できれいに洗い流してください。
茹で汁のまま冷ます間にも、えぐみは抜けていきます。
急いで水にとらず、鍋ごとゆっくり冷ましてください。
熱湯の入った大きな鍋は重く、こぼすと大やけどにつながります。
茹でている間と冷ましている間は、小さなお子さんを台所から離してください。
冷めた鍋を動かすときも、鍋つかみを使って、両手でしっかり持ってくださいね。
茹で上がりの見極め——竹串の合図

たけのこの茹で上がりは、時間より、竹串の通り方で見極めます。
たけのこの大きさや、掘ってからの時間で、茹で時間は大きく変わるからです。
3つの合図を順番に見ていきましょう。
合図1 根元に竹串がすっと
根元の太いところに竹串を刺して、すっと抵抗なく通れば、茹で上がりの合図です。
途中で引っかかるときは、もう少し茹でてください。
合図2 穂先が白くやわらかい
穂先の色が白っぽくなり、竹串の先で軽く押すとやわらかく感じれば、火が通っています。
穂先は根元より早くやわらかくなるので、根元で見極めるのが大切です。
合図3 冷めてからかじる
茹で汁のまま冷めたら、根元を少しだけかじって、えぐみを確かめます。
舌がぴりっとするときは、新しい水で10分ほど茹で直してください。
米ぬかがないとき——とぎ汁・生米で

米ぬかが手元にないときも、たけのこは下処理できます。
台所にある米を使った、2つの方法をご紹介します。
どちらも、茹で方と見極めは米ぬかのときと同じです。
米のとぎ汁で茹でる
お米を研いだときの白く濁ったとぎ汁を、水の代わりに使います。
たけのこがかぶるくらいのとぎ汁を鍋に入れ、赤唐辛子を加えて、同じように茹でてください。
生米を入れて茹でる
とぎ汁もないときは、たけのこがかぶるくらいの水に、生米を大さじ2〜3ほど入れて茹でます。
茹でているうちに米から出るでんぷんが、米ぬかの代わりになってくれます。
米のとぎ汁や生米で茹でたたけのこも、茹で汁のまま冷ますところまでは同じです。
米ぬかで茹でたときより、白さや香りが少し違うことはありますが、ふだんの煮物や炊き込みご飯には十分です。
どの方法でも、最後は竹串と、冷めてからかじるえぐみの確かめで判断してください。
圧力鍋で茹でる——約束を守って

圧力鍋を使うと、たけのこの茹で時間をぐっと短くできます。
ただし、圧力鍋には守ってほしい約束があります。
圧力鍋の使い方の記事でお伝えしている約束を、たけのこに合わせてまとめました。
量は容量の2/3まで
圧力鍋の使い方の記事のとおり、「調理量は容量の2/3まで」です。
たけのこが大きいときは、縦半分や4つに切ってから入れてください。
米ぬかより、とぎ汁で
米ぬかは泡が立ちやすく、圧力鍋の蒸気の出口をふさいでしまうことがあります。
圧力鍋で茹でるときは、米のとぎ汁を使い、お使いの機種の取扱説明書で使ってよいか確かめてください。
生米は膨らんで蒸気の出口をふさぐことがあるので、圧力鍋では使わないでください。
火にかける前には、蒸気の吹き出し口が詰まっていないかも確かめてください。
ふたはピンが下がってから
加圧が終わって火を止めても、「圧力表示のピンが完全に下がるまで、絶対にふたを開けないでください」。
ピンが下がったら、ふたを開けて、茹で汁のまま冷まします。
加圧時間は、圧力鍋の機種とたけのこの大きさで変わります。
取扱説明書の目安どおりに加圧して、ふたを開けたら必ず竹串で根元を確かめてください。
竹串がすっと通らないときは、ふたをしないまま、ふつうの鍋として数分茹でて仕上げます。
圧力鍋の調理中は、蒸気が勢いよく出ることがあるので、小さなお子さんを近づけないでくださいね。
翌日まで置いていい?——2つの場合

「翌日まで置いていい?」には、生のたけのこの場合と、茹でたあとの場合の2つがあります。
それぞれの答えと、気をつけたいことを見ていきましょう。
生のたけのこを翌日まで
生のたけのこは、できればその日のうちに茹でてください。
どうしても茹でられないときは、穂先を切らずに皮つきのまま新聞紙で包み、野菜室に入れて、翌日には茹でます。
1日おいた分だけえぐみが強くなるので、茹で上がりは竹串とかじって確かめる見極めを、いつもより丁寧にしてください。
茹で汁のまま一晩
茹で上がったたけのこは、茹で汁に浸けたまま、鍋ごと一晩おいて冷ましてかまいません。
ゆっくり冷ます間にもえぐみが抜けていくので、夜に茹でて、翌朝に皮をむくという段取りでも大丈夫です。
台所が暖かい日は、冷めたらすぐに皮をむいて、次の保存に移ってください。
茹でたあとの保存
皮をむいたたけのこは、保存容器に入れてたっぷりの水に浸け、冷蔵庫で保存します。
水に浸けて冷蔵で約1週間が目安で、水は毎日替えてください。
すぐに食べきれないときは、刻むか煮てから冷凍すれば、冷凍で約1か月持ちます。一度解凍したものは、もう一度冷凍しないでください。
保存のくわしいやり方は、たけのこの保存方法の記事もあわせて読んでみてください。
下処理から保存までを続けて読むと、春のたけのこを最後までおいしく使いきれますよ。
たけのこの栄養——春の食物繊維

たけのこは、食物繊維を含む、春の野菜です。
栄養士として見ると、歯ごたえがあるので、よく噛んで食べる一品になります。
下処理したたけのこは、だしを効かせた薄味の煮物にすると、香りが引き立ちます。
えぐみを味の濃さで隠すと塩分が増えるので、茹で直して抜き、煮物はだしで薄味にしてください。
塩分の指示を受けている方は、かかりつけの先生の指示を優先してください。
下処理に使う米ぬかや生米、赤唐辛子は、茹で汁に入るだけで、たけのこと一緒には食べません。
ただ、そのあとの料理には、アレルギーの原因になる食品が入ることがあります。
たけのこそのものは、特定原材料にも、準ずる品目にも入っていません。
煮物のしょうゆには、特定原材料の小麦と、準ずる品目の大豆が入ります。
市販の水煮や味つきのたけのこは、パッケージの表示を確かめてください。
高齢者や子供にやさしいたけのこ

しっかり下処理したたけのこも、繊維のしっかりした野菜です。
食べる人に合わせて、使う部位と切り方を少し変えてあげましょう。
高齢の家族に出すとき
高齢の方には、やわらかい穂先を薄く切って使ってください。
野菜の下ごしらえの記事でお伝えしているとおり、繊維に対して直角に切り、薄くしてから、やわらかく煮含めます。
根元の固いところは、噛む力が弱い方の分は外してください。
煮汁はさらさらでむせやすいので、飲み込む力に不安がある方には、市販のとろみ剤(とろみ調整食品)でとろみをつけてください。
形ややわらかさは、日本摂食嚥下リハビリテーション学会の嚥下調整食学会分類2013を目安に調整してくださいね。
小さなお子さんに出すとき
小さなお子さんには、穂先を細かく刻んで、やわらかく煮てから出してください。
根元の固いところは噛み切りにくいので、3歳ごろまでのお子さんの分は外します。
煮物を温めて出すときは、少し冷ましてから渡してください。
たけのこは繊維が固くアクもあるので、1歳未満のお子さんには出しません。
野菜を離乳食に使うときの始める時期や量は、月齢で変わるので、かかりつけの先生や自治体の相談窓口で確かめてくださいね。
私は現役介護士でもあります。
薄く切っても、たけのこの繊維は口の中に残ることがあります。
そんな日は、下処理した穂先をすりおろし、とろみ剤でとろみをつけただしと合わせてお出ししています。
「春の味がするね」と言っていただけます。
薄切りのたけのこを、すりおろした春のあんに置き換える日があっていい。
たけのこの下処理でよくある質問
最後に、たけのこの下処理について、よくいただく質問にお答えします。
Q1. 茹でてもえぐみが残る
掘ってから時間がたったたけのこは、えぐみが強くなっています。
新しい水で10分ほど茹で直し、茹で汁のまま冷ましてから、もう一度かじって確かめてください。
Q2. 白い粒がついている
茹でたたけのこの節のあいだにつく白い粒は、傷みではありません。
気になるときは、水で洗い流してから使ってください。
Q3. 米ぬかと生米、どちらがいい?
手元にあれば、米ぬかで茹でるのが基本です。
米ぬかがない日は、米のとぎ汁か生米で、同じように茹でれば大丈夫です。
Q4. 赤唐辛子は入れないとだめ?
なくても下処理はできます。
小さなお子さんが食べる日は、入れずに茹でても問題ありません。
Q5. 皮はどこまでむく?
茹でて冷ましたあと、切れ目から皮を開いて、白い身が出るまでむきます。
穂先のやわらかい薄い皮は、刻んで吸い物や和え物に使えます。
まとめ。。。

たけのこの下処理を、最後にもう一度まとめますね。
- その日のうちに茹でる
米ぬかひとつかみと赤唐辛子1〜2本で。 - 根元に竹串がすっと通るまで
時間より、竹串で見極める。 - 茹で汁のまま冷ます
鍋ごと一晩おいてもいい。 - 米ぬかがない日は、とぎ汁か生米
茹で方と見極めは同じ。 - 圧力鍋は約束を守って
容量の2/3まで、ピンが下がるまでふたを開けない。 - 高齢の方には穂先を薄く
根元は3歳ごろまでのお子さんの分も外して。
たけのこの下処理は、時間はかかりますが、むずかしいことはひとつもありません。
その日のうちに茹でて、茹で汁のまま冷ますだけで、えぐみの少ない、春の香りのたけのこになります。
今年の春は、皮つきのたけのこを見かけたら、ぜひ一度、自分で茹でてみてくださいね。
茹でたてのたけのこの香りに、きっと驚くはずだよ。
フッくんでした!
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