料理研究家、料理大好きフッくんです。
「鬼は外、福は内」の声が響く、2月の節分。
小さな子どもがいる家では、豆まきも恵方巻も、とびきりにぎやかな夜になりますよね。
でも、子どもと一緒に祝う節分の献立には、こんな迷いがありませんか?🥹
- 恵方巻を子どもにどう出す?
太巻きの丸かぶりを、小さな子にさせても大丈夫なのか心配。 - 福豆は何歳から?
「年の数だけ食べる」を、小さな子にも当てはめていいのか分からない。 - 恵方巻のほかに何を出す?
子どもも食べられる、節分らしいおかずと汁物を知りたい。
この記事では、寿司職人20年で栄養士の私が、子どもと一緒に祝う節分の献立を7選でお伝えします。
子ども用の恵方巻の出し方から、私のお店の献立例と栄養、福豆の見守りまで、順番に見ていきましょう。

子供と祝う節分の献立は?
子どもと一緒に祝う節分の献立は、細巻きにして切った恵方巻と、骨のないいわしのつみれ汁、形を変えた大豆のおかずの組み合わせがオススメです。
恵方巻・いわし・大豆という節分の縁起物はそのままに、小さな子どもにも食べやすい形に変えるのがコツです。
そして福豆は、5歳ごろまでのお子さんには出しません。
大人の節分の献立は、節分の献立7選の記事で、恵方巻といわしの塩焼き、けんちん汁などを紹介しています。
この記事は、小さな子どもがいる家の節分の膳です。
縁起の意味は残したまま、安心して囲める形を考えていきましょう。
節分ってどんな行事?発祥と由来

節分は、もともと季節を分ける日のことで、立春・立夏・立秋・立冬の前の日は、どれも節分でした。
今は、立春の前の日だけを節分と呼ぶようになり、季節の変わり目の邪気を払う行事になっています。
ルーツのひとつは、平安時代の宮中で大晦日に行われていた、鬼を払う追儺(ついな)という行事だと言われています。
この追儺が、室町時代ごろから節分の行事になり、豆まきもこのころに始まったとされています。
室町時代の文安4年(1447年)の日記には、豆をまいて、鬼外福内(おにはそと、ふくはうち)と唱えた記録が残っているんですよね。
大人の節分の献立の記事でもお伝えしているとおり、豆をまくのは「魔を滅する」に通じる「まめ」で鬼を払うという、言葉の縁起からとも言われています。
玄関に飾る柊鰯(ひいらぎいわし)は、鬼がいわしを焼いた匂いを苦手とすることから生まれたお守りです。
そして恵方巻は、福を巻き込んだ太巻きを、その年の恵方を向いて食べる風習です。
豆・いわし・恵方巻の3つが、節分の食卓の縁起物です。
子どもと祝う日は、この3つを、小さな口でも安心して食べられる形に変えて届けます。
献立の考え方——3つのポイント

子どもと祝う節分の献立を組むとき、私は3つのことを見ています。
どれも、節分の縁起物を、小さな子どもにも安心して届けるための考え方です。
この3つを押さえておけば、縁起も安全も両方守れます。
①恵方巻は細巻きで切って
恵方巻の作り方の記事でも、子ども用は細巻きで作ってあげてください、とお伝えしています。
太巻きを丸かぶりさせず、細巻きにしてひと口の大きさに切ってから出します。
②いわしは骨のないつみれで
いわしの塩焼きは、小さな骨が多く、子どもには食べにくい魚です。
すり身にしたつみれなら、いわしの縁起はそのままに、骨を気にせず食べられます。
③大豆は形を変えて
炒った大豆は、小さな子どもののどに詰まりやすい食べものです。
豆腐や豆乳、やわらかく煮た豆をつぶして、大豆の福を形を変えて届けます。
私のお店の献立例——A・B

ここからは、私のお店の献立から組んだ、節分の献立を2つご紹介します。
お店の献立にある巻き寿司といなり寿司を主役にした日と、大豆の福を重ねた日の2つです。
お子さんの分は、量とやわらかさを加減してください。
献立A——恵方巻の夕べ
①巻き寿司といなり寿司
②いわしのだんご汁
③南瓜のそぼろ煮
切った巻き寿司といなり寿司に、いわしのつみれのだんご汁と、甘い南瓜のそぼろ煮を合わせた献立です。
いわしのだんご汁は、千葉の郷土料理で、つみれのやさしい味が子どもにも食べやすい一杯です。
南瓜の黄色が、節分の膳を明るくしてくれます。
献立B——大豆の福の膳
①ご飯
②肉豆腐
③五目豆
④豆乳味噌汁
豆腐・煮豆・豆乳と、大豆を形を変えて重ねた献立です。
炒った福豆の代わりに、やわらかい大豆の料理で福をいただきます。
五目豆は、5歳ごろまでのお子さんの分は、大豆をつぶすか刻んでください。
| 栄養価(1人前) | 献立A(恵方巻の夕べ) | 献立B(大豆の福の膳) |
|---|---|---|
| メニュー | ①巻き寿司といなり寿司 ②いわしのだんご汁 ③南瓜のそぼろ煮 | ①ご飯 ②肉豆腐 ③五目豆 ④豆乳味噌汁 |
| エネルギー | 約390kcal | 約410kcal |
| たんぱく質 | 約16.9g | 約15.9g |
| 脂質 | 約8.1g | 約9.7g |
| 炭水化物 | 約67.6g | 約69.8g |
| 食物繊維 | 約5.2g | 約7.3g |
| カルシウム | 約125mg | 約145mg |
| ビタミンC | 約25mg | 約5mg |
| 食塩相当量 | 約2.8g | 約2.2g |
文部科学省『日本食品標準成分表(八訂)』を参考に算出した概算値です。
大人1人前で、ご飯は150g、ほかの料理は私のお店の献立の分量で計算しています。
お子さんの分は、年齢と食べる量に合わせて減らしてください。
恵方巻といわし——主役の2品

まずは、節分の主役の2品です。
恵方巻といわしは、節分の縁起の柱になる料理です。
どちらも、子どもが安心して食べられる形に整えます。
①巻き寿司——細巻きで切って
子ども用の恵方巻は、細巻きにしてひと口の大きさに切ります。
恵方巻の作り方の記事のとおり、高齢のご家族と小さいお子さんには、切って食べていただいてください。
卵焼きと桜でんぶ、きゅうりで、断面に色を並べると、子どもも喜びます。
②いわしのだんご汁
いわしのすり身を丸めたつみれを、だしで煮た汁物です。
いわしをすり身にするときは、骨を2回確かめて、小さな骨のかけらまで取り除いてください。
つみれは、中心75℃1分以上を目安に、中までしっかり火を通します。
子ども用の細巻きは、焼き海苔を半分に切って、酢飯を薄く広げて巻きます。
具は卵焼きときゅうりの2つくらいにしぼると、小さな口でも食べやすい太さに仕上がります。
切るときは、濡れ布巾で包丁を拭きながら切ると、断面がきれいに出ます。
大豆とかぼちゃ——福の5品

次は、恵方巻といわしに合わせる、福の5品です。
大豆の福は、炒った豆のかわりに、豆腐や豆乳、やわらかく煮た豆で届けます。
甘いかぼちゃも、子どもが食べやすい一品です。
③南瓜のそぼろ煮
かぼちゃを、ひき肉のそぼろと甘辛く煮た一品です。
ひき肉は、中心75℃で1分以上を目安に、中までしっかり火を通してください。
④肉豆腐——大豆の福
豆腐と牛肉、玉ねぎを、だしで煮た主菜です。
小さなお子さんの分は、しらたきを外して、牛肉と豆腐、玉ねぎを小さく切ってください。
⑤五目豆——福豆の代わりに
大豆とにんじん、昆布を甘く煮た、福豆の代わりの一品です。
5歳ごろまでのお子さんの分は、大豆をつぶすか刻み、こんにゃくは外してください。
⑥豆乳味噌汁
豆乳を加えた、まろやかな味噌汁です。
豆腐と豆乳で、大豆の福を汁物でもいただけます。
⑦高野豆腐の玉子とじ
高野豆腐を卵でふんわりとじた、やさしい一品です。
卵は、中までしっかり火を通してください。
彩りにグリンピースを入れるときは、5歳ごろまでのお子さんの分はつぶすか刻んでください。
子どもと食べる五目豆は、大豆を指でつぶせるくらいまで、やわらかく煮ます。
煮汁ごとひと晩おくと、味がしみて、豆がさらにふっくらします。
小さなお子さんの分は、取り分けてからつぶすと、大人の分の形はそのまま残せます。
5品のうち、南瓜のそぼろ煮・肉豆腐・五目豆は、前の日に煮ておけるおかずです。
節分の夕方は豆まきの準備で忙しくなるので、煮物は前日に、恵方巻は食べる1時間前までに巻くと、慌てずに膳がそろいます。
作り置きした煮物は、浅い容器に移して粗熱を30分以内に取り、冷蔵庫で保存してください。
豆の見守り——5歳ごろまで

子どもと祝う節分で、何より大事なのが豆の見守りです。
炒った大豆はかたく、噛み砕いても細かいかけらになって、のどや気管に入りやすい食べものです。
楽しい豆まきの夜こそ、次の4つを家族の約束にしてください。
- 福豆は5歳ごろまで出さない
炒った大豆やナッツは、5歳ごろまでのお子さんには食べさせません。 - 年の数は当てはめない
「年の数だけ」は、5歳ごろまでの子には、たまごボーロなどのお楽しみに置き換えます。 - 豆は個包装でまく
まいたあとは、家具の下まで拾い切って、小さな子が拾って口に入れないようにします。 - 口に入れたまま動かない
豆を口に入れたまま、走る・笑う・泣く・大声を出す、をさせないようにします。
大人の節分の献立の記事でもお伝えしているとおり、気をつけたいのが、お兄ちゃんお姉ちゃんが食べている豆を、小さな子が欲しがる場面です。
「兄姉から」の豆が、小さな子の口に入らないよう、豆を食べる時間は座ってから、大人の目の届くところでにしてください。
避けたい組み合わせ3つ

子どもと祝う節分の献立で、やってしまいがちな組み合わせを3つ挙げておきます。
どれも、形を少し変えるだけで、縁起はそのまま、安心して囲める膳になります。
- 太巻きの丸かぶり
太い恵方巻を無言で急いで食べるのは、のどに詰まりやすい食べ方です。細巻きにして切ります。 - 骨つきのいわし
いわしの塩焼きは小さな骨が多く、子どもには食べにくい魚です。骨のないつみれにします。 - 炒った福豆を年の数
5歳ごろまでのお子さんには出しません。豆腐や煮豆で大豆の福をいただきます。
3つに共通するのは、「縁起物は、形を変えて届ける」ということです。
恵方巻もいわしも大豆も、食べやすい形にするだけで、子どもと一緒にまっすぐ福を祝えます。
恵方巻の作り方の記事にもあるとおり、急がせない・笑わせない、を合言葉にしてください。
栄養と家族への出し方

栄養士として見ると、節分の献立は、いわしと大豆、卵で、たんぱく質がしっかりとれる膳です。
巻き寿司の酢飯で主食を、かぼちゃや根菜で彩りを足すと、1食のバランスがきれいに整います。
この記事の献立に使う特定原材料は、巻き寿司と玉子とじの卵と、しょうゆの小麦です。
準ずる品目では、大豆(豆腐・高野豆腐・いなり寿司の油揚げ・五目豆・豆乳・味噌・しょうゆ)・牛肉(肉豆腐)・ごま(巻き寿司といなり寿司)が入ります。
南瓜のそぼろ煮のひき肉は、豚肉や鶏肉など、使うひき肉によって準ずる品目が変わります。
年の数の代わりのたまごボーロにも、卵が入ります。
食物アレルギーのあるご家族がいるときは、表示を確かめてください。
巻き寿司の酢飯は、塩と砂糖を合わせているので、白いご飯より塩気があります。
お子さんの分は、細巻きを少なめにして、南瓜のそぼろ煮でお腹を満たし、いわしのだんご汁は具を多めに、汁を少なめによそうと、塩分を控えめにできます。
食事の指示を受けている方は、かかりつけの先生の指示を優先してください。
高齢者や子供にやさしい節分献立

節分は、子どもも大人も、高齢のご家族も、同じ方角を向いて祝う行事です。
だからこそ、食べる人に合わせて、恵方巻の太さや具を少しずつ変えてあげましょう。
高齢の家族に出すとき
恵方巻は、必ず切って、ひと口で食べられる大きさにしてからお出しします。
恵方巻の作り方の記事のとおり、巻く前に海苔に細かい切れ目を入れておくと、噛み切りやすくなります。
かんぴょうは短く刻み、肉豆腐の牛肉は小さく切り、五目豆の大豆はつぶし、こんにゃくや肉豆腐のしらたきは外してください。
いわしのつみれは、骨を2回確かめて、小さな骨のかけらまで取り除いてからお出しします。
汁物はさらさらでむせやすいので、飲み込む力に不安がある方には、市販のとろみ剤(とろみ調整食品)でとろみをつけてください。
形ややわらかさは、日本摂食嚥下リハビリテーション学会の嚥下調整食学会分類2013を目安に調整してくださいね。
小さなお子さんに出すとき
恵方巻は細巻きにして、ひと口の大きさに切ります。
かんぴょうは短く切り、巻き寿司のしいたけや、五目豆・豆乳味噌汁のきのこは噛み切りにくいので、3歳ごろまでのお子さんの分は外してください。
きゅうりは、3歳ごろまでのお子さんの分はさっと湯通ししてから巻きます。
肉豆腐のしらたきと五目豆のこんにゃくも、小さなお子さんの分は外します。
2歳以下のお子さんには、おかずをさらに細かく切って、汁物はお湯で薄めて取り分けます。
温かい汁物は、器に取り分けて少し冷ましてから渡してください。
恵方巻の作り方の記事のとおり、1歳未満のお子さんには出しません。酢飯の塩分と、海苔や具の食べにくさの両方が理由です。
離乳食で大豆や魚を始める時期や量は、月齢で変わるので、かかりつけの先生や自治体の相談窓口で確かめてくださいね。
私は現役介護士でもあります。
丸かぶりの作法は、噛む力や飲み込む力が弱い方にも、小さな子どもにも、のどに詰まりやすい食べ方です。
そんな日は、切った恵方巻を小皿に盛って、みんなで恵方を指さしてから、ひと切れずつゆっくりいただくようにしています。
「今年はあっちだね」と、方角を当てる楽しさで、笑顔の節分になります。
丸かぶりの作法を、切った恵方巻の「方角あそび」に置き換える日があっていい。
子供と祝う節分献立でよくある質問
最後に、子どもと祝う節分の献立について、よくいただく質問にお答えします。
Q1. 福豆は何歳から?
炒った福豆は、5歳ごろまでのお子さんには出しません。
それより大きな子も、座って、ゆっくり、よく噛んで食べられるかを見守ってください。
Q2. 恵方巻は切ってもいい?
切って大丈夫です。
小さな子どもには細巻きにして切り、恵方を向いて食べれば、節分のお祝いとして十分です。
Q3. いわしが苦手な子には?
つみれにして汁物に入れると、いわしの味がやさしくなって食べやすくなります。
それでも苦手な子には、玄関の柊鰯で、いわしの縁起を一緒に楽しんでください。
Q4. 豆まきの豆はどうする?
小袋のまままける個包装の福豆を使い、まいたあとは家具の下まで拾い切ってください。
拾った豆は、大人と大きな子だけで、座っていただきます。
“おいしい”は、全部が重なること
子どもと祝う節分の献立を考えるとき、私は四つの軸で見ています。
恵方巻の福、いわしの魔除け、大豆の福、そして家族みんなの笑顔です。
節分の膳は、ひとつの料理だけで完成するものではありません。
恵方巻だけでは縁起が足りず、豆だけではお腹が満たされない。
それぞれの料理が、同じ食卓の上で別の役割を持っているから、最後のひと口までおいしいんです。
福と、魔除けと、大豆と、笑顔。
その全部が重なったとき、いつもの節分が、家族のごちそうの夜になります。
まとめ。。。

子どもと祝う節分の献立を、最後にもう一度まとめますね。
- 恵方巻は細巻きで切って
丸かぶりさせず、ひと口の大きさに。 - いわしは骨のないつみれで
骨を2回確かめて、中までしっかり火を通して。 - 大豆は形を変えて
豆腐・豆乳・煮豆で、大豆の福を。 - 福豆は5歳ごろまで出さない
年の数は、たまごボーロなどのお楽しみに。 - 豆は個包装でまいて拾い切る
口に入れたまま走らない・笑わない。 - 急がせない・笑わせない
食べている間は、そばで見守って。
節分は、家族みんなで福を呼び込む、冬の終わりの楽しい行事です。
縁起物を子どもが食べやすい形に変えるだけで、安心してにぎやかな夜を過ごせます。
今年の節分は、細巻きの恵方巻を家族で巻いて、同じ方角を向いてみてくださいね。
「鬼は外、福は内」の声が、いつもより明るく響くはずだよ。
フッくんでした!
関連記事








