料理研究家、料理大好きフッくんです。
しっとりやわらかく仕上がった、手作りの鶏ハム。
薄く切って並べるだけで、ちょっとおしゃれなおかずになりますよね。
でも、鶏ハムを夕ごはんの主菜にすると、こんなことで迷いませんか?🥹
- 鶏ハムの日の副菜は何がいい?
あっさりした鶏ハムに、どんな小鉢を合わせればいいか分からない。 - スープは洋風か和風か
ミネストローネにするか、味噌汁にするか決めきれない。 - 主食はパンかご飯か
鶏ハムだけだと、なんだかお腹が物足りない。
この記事では、栄養士で現役料理人20年の私が、鶏ハムに合う献立を15選でお伝えします。
副菜・スープ・主食の選び方から、献立例と栄養、安全な火入れと家族への出し方まで、順番に見ていきましょう。

鶏ハムの日の副菜は何がいい?
鶏ハムに合う副菜は、かぼちゃのサラダや厚揚げの煮びたしのような、こくのあるものや、食べごたえのある小鉢です。
鶏ハムは、脂の少ないむね肉で作る、あっさりした味のおかずですよね。
だから副菜は、少しこくのあるものを選ぶと、献立全体の満足感がぐっと上がります。
スープは、ミネストローネや具だくさんの味噌汁のような、野菜をたっぷりとれるものが合います。
そして鶏ハムは、ご飯にもパンにも合わせやすい主菜です。
この記事では、主食も含めて、副菜・スープ・主食を5つずつ選んでいます。
鶏ハムってどんな料理?発祥と由来

鶏ハムは、2000年代の初めに、インターネットの料理の掲示板から広まった家庭料理だと言われています。
2002年の料理の記事にも、掲示板で話題の作り方として紹介されていて、そのころには名前が知られていたことが分かります。
最初に誰がどこに書いたのかは、はっきりとは分かっていません。
ハムといっても、豚肉を加工したハムとは違い、鶏のむね肉に塩と砂糖をすり込んで寝かせ、棒状に巻いて火を通した料理です。
脂が少なくあっさりしていて、たんぱく質の多いむね肉を、しっとり食べられるのが魅力なんですよね。
作り方の記事では、1枚300gで作ると、5等分して1切れ約60gとお伝えしています。
鶏ハムは、作るときの火入れが何より大切な料理です。
作り方の記事のとおり、鶏肉の加熱の目安は中心温度75℃で1分以上です。
「63℃で30分以上」という基準は、温度を保てる機器を使うときだけの話なので、気をつけてくださいね。
献立の考え方——3つのポイント

鶏ハムの献立を組むとき、私は3つのことを見ています。
どれも、鶏ハムの「あっさり」を、ほかの料理で上手に補うための考え方です。
この3つを押さえておけば、どの日の献立でも迷わなくなります。
①副菜はこくのあるもの
かぼちゃのサラダや、厚揚げの煮びたしなど、少しこくのある副菜を合わせます。
鶏ハムのあっさりした味が、副菜のこくで引き立ちます。
②スープは野菜たっぷり
ミネストローネや、具だくさんの味噌汁で、野菜をたっぷり足します。
温かいスープがあると、冷たく切った鶏ハムとの組み合わせにめりはりがつきます。
③主食をしっかり
鶏ハムには炭水化物がほとんどないので、パンやご飯をしっかり合わせます。
洋の日はパン、和の日はご飯と、献立の向きに合わせて選びます。
献立例——A・B

ここからは、鶏ハムを主菜にした献立を2つご紹介します。
副菜とスープは私のお店の献立から選び、ご飯に合わせる和の日と、パンに合わせる洋の日の2つにしました。
献立A——和の日
①ご飯
②鶏ハム
③小松菜と厚揚げの煮びたし
④味噌汁(大根、油揚げ、ねぎ)
あっさりした鶏ハムに、だしのしみた厚揚げの煮びたしを合わせた献立です。
味噌汁は大根と油揚げで、こくのある一杯にしています。
鶏ハムは、からしじょうゆやポン酢を少し添えても、和の献立によく合います。
献立B——洋の日
①ロールパン
②鶏ハム
③チーズ入りパンプキンサラダ
④ミネストローネ
鶏ハムに、チーズ入りのかぼちゃのサラダと、野菜たっぷりのミネストローネを合わせた献立です。
かぼちゃの甘みとチーズのこくが、鶏ハムのあっさりした味を引き立てます。
ロールパンに鶏ハムをはさんで食べるのも、楽しい食べ方です。
| 栄養価(1人前) | 献立A(和の日) | 献立B(洋の日) |
|---|---|---|
| メニュー | ①ご飯 ②鶏ハム ③小松菜と厚揚げの煮びたし ④味噌汁 | ①ロールパン ②鶏ハム ③チーズ入りパンプキンサラダ ④ミネストローネ |
| エネルギー | 約500kcal | 約460kcal |
| たんぱく質 | 約40.8g | 約38.8g |
| 脂質 | 約10.0g | 約15.3g |
| 炭水化物 | 約65.6g | 約46.8g |
| 食物繊維 | 約4.0g | 約4.7g |
| カルシウム | 約170mg | 約85mg |
| ビタミンC | 約10mg | 約35mg |
| 食塩相当量 | 約4.8g | 約4.3g |
文部科学省『日本食品標準成分表(八訂)』を参考に算出した概算値です。
ご飯は150g、ロールパンは2個、鶏ハムは作り方の記事の1切れ約60gを2切れ、副菜とスープは私のお店の献立の分量で計算しています。
鶏ハムの食塩相当量は、作り方の記事の1切れ約0.9gをもとにしています。
鶏ハムは塩をすり込んで作るので、塩気がしっかりあります。
スープは少し残すと、献立全体の塩分をちょうどよく調整できます。
副菜5選——こくのあるものを

まずは、鶏ハムに合う副菜の5品です。
どれも、鶏ハムのあっさりした味の横で、こくや食べごたえを足してくれる小鉢です。
和の日にも洋の日にも合わせやすいものを選んでいます。
①チーズ入りパンプキンサラダ
やわらかく火を通したかぼちゃを、チーズとマヨネーズでまろやかに和えたサラダです。
秋のかぼちゃの甘みが、鶏ハムによく合います。
②小松菜と厚揚げの煮びたし
厚揚げと小松菜を、だしでやさしく煮た温かい一品です。
煮汁の酒とみりんは、先に煮立ててアルコールを飛ばしてから、だしと合わせてください。
③お豆の10品目サラダ
ブロッコリーと数種類の豆を合わせた、彩りのよいサラダです。
豆の食べごたえが、あっさりした鶏ハムの献立に満足感を足してくれます。
④ひじき大豆——こくを足す
ひじきと大豆、油揚げを甘辛く煮た、作り置きにも向く小鉢です。
油揚げのこくと大豆の歯ごたえが、鶏ハムの横でよく合います。
⑤なすの肉みそ炒め
なすをひき肉と味噌で炒めた、こくのある一品です。
ひき肉は、中心75℃で1分以上を目安に、中までしっかり火を通してください。
鶏ハムは、冷蔵庫で冷やしてから切ると、断面がきれいに出ます。
ただ、切ってから長く置くと、表面が乾いてしっとり感が落ちてしまいます。
食べる直前に、繊維に対して直角に薄く切って並べると、ぐっとおいしく食べられます。
スープ5選——野菜をたっぷり

次は、鶏ハムに合うスープの5品です。
どれも、野菜をたっぷりとれるか、こくのある温かいスープを選んでいます。
洋の日はミネストローネやポタージュ、和の日は味噌汁やかき卵汁を合わせると、献立の向きがそろいます。
①ミネストローネ——野菜たっぷり
トマトと野菜、豆をたっぷり煮込んだスープです。
冷たい鶏ハムと、温かいスープの組み合わせが楽しめます。
②大根と油揚げの味噌汁
大根と油揚げの、こくのある味噌汁です。
和の日の鶏ハムに合う、いつもの一杯です。
③コーンポタージュ——まろやか
クリームコーンと牛乳で作る、まろやかなスープです。
パンの日の鶏ハムに、やさしい甘みを足してくれます。
④かき卵汁——ふんわりと
だしに溶き卵をふんわり流した、やさしい汁物です。
卵は、汁がしっかり煮立ったところに流し入れて、火を通してください。
⑤しょうがの野菜スープ
白菜やにんじん、ごぼうなどの野菜に、しょうがをきかせた和風のスープです。
野菜をたっぷりとれるので、副菜が少ない日にも合います。
主食5選——パンかご飯か

最後は、鶏ハムの献立に合わせる主食の5品です。
鶏ハムには炭水化物がほとんどないので、主食をしっかり合わせると、献立がまとまります。
その日の副菜とスープに合わせて選んでください。
①ご飯——和の日に
白いご飯は、和の日の鶏ハムによく合います。
からしじょうゆやポン酢を添えると、ご飯のおかずになります。
②ロールパン——洋の日に
やわらかいロールパンは、洋の日の鶏ハムに合います。
鶏ハムとかぼちゃのサラダをはさんでも楽しめます。
③雑穀ご飯——食べごたえを
白米に雑穀を混ぜて炊くと、ぷちぷちした食べごたえが加わります。
あっさりした鶏ハムの献立に、満足感を足してくれます。
④サンドイッチ——はさんで
薄く切った鶏ハムと野菜を、パンにはさんだサンドイッチです。
休日のお昼や、お弁当にも向いています。
⑤温かいうどん——やさしく
だしのきいた温かいうどんに、鶏ハムをのせる食べ方もあります。
高齢の方やお子さんの分は、うどんを短く切ってください。
鶏ハムのサンドイッチは、はさむ野菜の水気をキッチンペーパーでしっかり拭いてからはさみます。
パンの内側にバターを薄く塗っておくと、野菜の水気がパンにしみず、時間がたってもべちゃっとしません。
鶏ハムは薄く切って重ねると、パンとなじんで食べやすくなります。
避けたい組み合わせ3つ

鶏ハムの献立で、やってしまいがちな組み合わせを3つ挙げておきます。
どれも、少し入れ替えるだけで、鶏ハムがぐっと引き立つ献立になります。
- 鶏を重ねる
蒸し鶏やサラダチキンと並べると、同じ味が続きます。副菜は豆や野菜の一品にします。 - あっさりを重ねる
生野菜のサラダだけだと、献立が物足りなくなります。こくのある副菜を合わせます。 - 主食を抜く
鶏ハムには炭水化物がほとんどありません。パンかご飯をしっかり合わせます。
3つに共通するのは、「鶏ハムのあっさりを、まわりの料理で補う」ということです。
まわりの料理がこくと満足感を足すことで、鶏ハムのしっとりしたおいしさがまっすぐ伝わります。
栄養と家族への出し方

栄養士として見ると、鶏ハムは、たんぱく質が多く、脂の少ない主菜です。
そこに、こくのある副菜と野菜たっぷりのスープ、主食を合わせると、1食のバランスがきれいに整います。
鶏ハムを家で作るときは、作り方の記事のとおり、中心温度75℃で1分以上を目安に、中までしっかり火を通してください。
新鮮な鶏肉でも、生焼けはカンピロバクターによる食中毒の原因になり、まれに手足のまひが起こるギラン・バレー症候群につながることもあると言われています。
「63℃で30分以上」は、温度を保てる機器を使うときだけで、炊飯器の保温での火入れは作り方の記事でもすすめていません。
作り方の記事のとおり、鶏ハムは冷蔵で3日、冷凍で3週間が目安です。
切らずに棒のまま保存すると、乾きにくくなります。
この記事の献立に使う特定原材料は、パンとしょうゆ・うどんの小麦、パンプキンサラダのチーズ・コーンポタージュの牛乳・サンドイッチのバターとパンの乳、マヨネーズ・かき卵汁とパンの卵です。
パンは、商品によって入っているものが違います。
準ずる品目では、鶏肉・豚肉(ベーコン・ひき肉)・大豆(厚揚げ・油揚げ・ひじき大豆・豆のサラダ・ミネストローネの大豆・味噌・しょうゆ)・ごま(肉みそ炒め)が入ります。
食物アレルギーのあるご家族がいるときは、表示を確かめてください。
鶏ハムは、たんぱく質が多くて脂の少ない主菜なので、つい軽い献立にしたくなります。
でも、主食を減らしすぎると、食べたあとすぐにお腹がすいてしまいます。
パンかご飯をいつもの量で合わせると、献立全体のバランスがちょうどよくなります。
食事の指示を受けている方は、かかりつけの先生の指示を優先してください。
高齢者や子供にやさしい鶏ハム献立

鶏ハムはやわらかく見えますが、作り方の記事でもお伝えしているとおり、むね肉は繊維がはっきりした部位です。
食べる人に合わせて、切り方を少し変えてあげましょう。
高齢の家族に出すとき
鶏ハムは、繊維に対して直角に、できるだけ薄く切ってからお出しします。
棒の両端は乾いて硬くなりやすいので、外しておくと安心です。
主食のうどんは、むせないように短く切ってください。
スープはさらさらでむせやすいことがあるので、飲み込む力に不安がある方には、市販のとろみ剤(とろみ調整食品)でとろみをつけてからお出しします。
形ややわらかさは、日本摂食嚥下リハビリテーション学会の嚥下調整食学会分類2013を目安に調整してくださいね。
小さなお子さんに出すとき
鶏ハムは塩をすり込んだ料理なので、お子さんの分は薄く切って少量から、量を控えめにしてください。
からしじょうゆを添える日も、お子さんの分はからしを入れずに取り分けてください。
ミネストローネやひじき大豆の大豆、10品目サラダの豆は、5歳ごろまでのお子さんの分は、つぶすか刻んでください。
煮びたしのしめじなどのきのこや、野菜スープのごぼうは噛み切りにくいので、3歳ごろまでのお子さんの分は外してください。
2歳以下のお子さんには、おかずをさらに細かく切って、スープはお湯で薄めて取り分けます。
温かいスープは熱いので、器に取り分けて少し冷ましてから渡してください。
作り方の記事のとおり、1歳未満のお子さんには鶏ハムは出しません。
鶏肉を離乳食に使うときの始める時期や量は、月齢で変わるので、かかりつけの先生や自治体の相談窓口で確かめてくださいね。
私は現役介護士でもあります。
薄く切っても、むね肉の繊維は、噛む力が弱い方には口の中でぱさついてまとまりにくいことがあります。
そんな日は、鶏ハムを細かく刻んで、とろみ剤でとろみをつけた温かいスープに入れてお出ししています。
鶏のうま味がスープに広がって、「やさしい味がするね」と言っていただけます。
薄切りの鶏ハムを、刻んでスープに入れる形に置き換える日があっていい。
鶏ハムの献立でよくある質問
最後に、鶏ハムの献立について、よくいただく質問にお答えします。
Q1. 1人前はどのくらい?
作り方の記事では、1枚300gで作ると、5等分して1切れ約60gとしています。
主菜にするなら、2切れほどを目安に、副菜と主食で量を調整してください。
Q2. 市販のサラダチキンでもいい?
市販のサラダチキンでも、同じ考え方で献立を組めます。
市販品は味がついていることが多いので、副菜とスープの味つけを控えめにしてください。
Q3. お弁当に入れてもいい?
入れられます。
棒のまま冷蔵しておいた鶏ハムを、朝に切って詰め、保冷剤を添えてください。
Q4. 温めて食べてもいい?
温めても食べられます。
温めすぎるとぱさつくので、スープに入れて軽く温めるか、薄切りを温かいご飯にのせるくらいがオススメです。
“おいしい”は、全部が重なること
鶏ハムの献立を考えるとき、私は四つの軸で見ています。
鶏ハムのしっとりしたうま味、副菜のこく、スープの野菜、そして主食の満足感です。
鶏ハムは、それだけで完成するおかずではありません。
鶏ハムだけではあっさりしすぎて、副菜だけではお腹が満たされない。
それぞれの料理が、同じ食卓の上で別の役割を持っているから、最後のひと口までおいしいんです。
うま味と、こくと、野菜と、満足感。
その全部が重なったとき、いつもの鶏ハムが、家族のごちそうになります。
まとめ。。。

鶏ハムの献立を、最後にもう一度まとめますね。
- 副菜はこくのあるもの
かぼちゃのサラダや厚揚げの煮びたしで、満足感を。 - スープは野菜たっぷり
ミネストローネや、大根と油揚げの味噌汁を。 - 主食をしっかり
洋の日はパン、和の日はご飯をいつもの量で。 - 鶏・あっさりを重ねない
主食も抜かずに合わせます。 - 中心温度75℃で1分以上
63℃で30分以上は、温度を保てる機器を使うときだけ。 - 冷蔵で3日、冷凍で3週間
切らずに棒のまま保存して。 - 繊維に対して直角に薄く
高齢の方やお子さんには、さらに食べやすく。
鶏ハムは、薄く切って並べるだけで、食卓がぐっと明るくなる主菜です。
あっさりした鶏ハムのまわりに、こくのある副菜と野菜たっぷりのスープ、主食を並べるだけで、献立がしっかりまとまります。
秋の朝ごはんや夕ごはんに、しっとりの鶏ハムを家族で楽しんでみてくださいね。
冷蔵庫に鶏ハムがあると、毎日の献立がぐっと楽になるはずだよ。
フッくんでした!
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