料理研究家、料理大好きフッくんです。
甘辛いたれと、ぴりっとしたこしょうの手羽先。
骨のまわりの身をかじるのが楽しくて、家族みんなが手を汚しながら食べる、にぎやかなおかずですよね。
でも、手羽先を夕ごはんのおかずにすると、こんなことで迷いませんか?🥹
- 手羽先の日の副菜は何がいい?
こってりした手羽先に、どんな野菜を合わせればいいか分からない。 - 汁物は味噌汁かスープか
和にするか中華にするか、決めきれない。 - 手羽先だけだと物足りない
骨が多いぶん、食べる身は意外と少なく感じる。
この記事では、現役料理人20年の私が、手羽先に合う献立を15選でお伝えします。
副菜・汁物・もう一品の選び方から、献立例と栄養、骨のある肉を家族に出す工夫まで、順番に見ていきましょう。

手羽先の日の副菜は何がいい?
手羽先に合う副菜は、きゅうりの酢の物やオクラとろろのような、酸味のあるものや、さっぱりした野菜の小鉢です。
手羽先は、皮の脂と甘辛いたれで、こってりした味のおかずですよね。
だから副菜は、口の中をさっぱりさせてくれるものを選ぶと、最後まで飽きずに食べられます。
汁物は、白菜とわかめの味噌汁や中華スープのような、具の軽いものが合います。
そして手羽先は骨が多いので、身の量は見た目より少なめです。
この記事では、ご飯や麺の「もう一品」も含めて、5つずつ選んでいます。
手羽先ってどんな料理?発祥と由来

甘辛いたれとこしょうをきかせた手羽先の唐揚げは、名古屋で生まれた料理だと言われています。
手羽先の唐揚げで知られる名古屋のお店の話では、創業者が北九州の小倉から名古屋に来て、お店を始めたのは、昭和38年(1963年)。
店で焼く丸鶏の注文が入っていなかった日に、目にとまった手羽先を代わりに使い、たれをつけて出したところ、評判になったと伝えられています。
名古屋市の広報誌でも、昭和30年代に、いつもの鶏肉の代わりに仕入れた手羽先が評判になったのがきっかけと紹介されています。
それまで手羽先は、スープのだしを取るくらいにしか使われていなかった部位なんですよね。
生まれた正確な年は諸説ありますが、今では名古屋の名物として、全国で知られています。
手羽先は、鶏の羽の先のほうの部位です。
皮が多く、骨のまわりの身はうま味が濃くて、焼いたり揚げたりすると、皮がぱりっと香ばしくなります。
その一方で、骨と皮が多いぶん、食べられる身の量は少なめで、脂も多めの部位です。
この「こってり」と「身が少なめ」の2つが、献立を考えるときの手がかりになります。
献立の考え方——3つのポイント

手羽先の献立を組むとき、私は3つのことを見ています。
どれも、手羽先の「こってり」と「身が少なめ」を、ほかの料理で上手に整えるための考え方です。
この3つを押さえておけば、どの日の献立でも迷わなくなります。
①副菜は酸味とさっぱり
酢の物やおろし和え、とろろなど、口の中をさっぱりさせる副菜を合わせます。
甘辛いたれのあとに、酸味のひと口がよく合います。
②汁物は具の軽いもの
手羽先にこくがあるので、汁物は白菜やわかめ、卵など、軽い具にします。
豚汁のような具だくさんの汁物は、手羽先の日には重くなりがちです。
③ご飯や麺でもう一品
手羽先は身が少なめなので、焼きおにぎりやきしめんなど、ご飯や麺を一品足すと満足できます。
食べざかりのお子さんがいる日は、ここで量を調整します。
献立例——A・B

ここからは、手羽先の献立を2つご紹介します。
副菜と汁物は私のお店の献立から選び、手羽先は、家で作りやすい塩焼きと甘辛焼きの2つにしました。
献立A——塩焼きの日
①ご飯
②手羽先の塩焼き
③カニカマときゅうりの酢の物
④味噌汁(白菜、わかめ、ねぎ)
塩とこしょうで香ばしく焼いた手羽先に、さっぱりした酢の物を合わせた献立です。
味噌汁は白菜とわかめの軽い具にして、手羽先の皮の香ばしさを引き立てます。
こしょうは焼き上がってから最後にふるので、小さなお子さんの分は、こしょうをふる前に取り分けてください。
献立B——甘辛焼きの日
①ご飯
②手羽先の甘辛焼き
③オクラとろろ
④中華スープ
しょうゆとみりん、砂糖のたれをからめた、名古屋風の甘辛い手羽先の献立です。
たれは、フライパンで煮立てながら手羽先にからめて、みりんのアルコールを飛ばしてください。
オクラとろろのつるんとした口当たりが、甘辛いたれのあとにほっとさせてくれます。
仕上げのこしょうと白ごまも最後にふるので、お子さんの分は、その前に取り分けましょう。
| 栄養価(1人前) | 献立A(塩焼きの日) | 献立B(甘辛焼きの日) |
|---|---|---|
| メニュー | ①ご飯 ②手羽先の塩焼き ③カニカマときゅうりの酢の物 ④味噌汁 | ①ご飯 ②手羽先の甘辛焼き ③オクラとろろ ④中華スープ |
| エネルギー | 約540kcal | 約620kcal |
| たんぱく質 | 約27.3g | 約29.3g |
| 脂質 | 約20.4g | 約26.6g |
| 炭水化物 | 約66.7g | 約69.0g |
| 食物繊維 | 約3.3g | 約4.1g |
| カルシウム | 約60mg | 約85mg |
| ビタミンC | 約5mg | 約5mg |
| 食塩相当量 | 約2.5g | 約3.6g |
文部科学省『日本食品標準成分表(八訂)』を参考に算出した概算値です。
ご飯は150g、手羽先は1人前4本、副菜と汁物は私のお店の献立の分量で計算しています。
手羽先は骨つき1本50gとし、骨を除いた食べられる部分(6割)で計算しています。
甘辛焼きは、たれを全部からめた量で計算しています。
手羽先の塩やたれ、味噌汁やスープにも、塩と調味料で味がついています。
汁物は少し残すと、献立全体の塩分をちょうどよく調整できます。
副菜5選——酸味とさっぱりを

まずは、手羽先に合う副菜の5品です。
どれも、手羽先のこってりした味のあとに、口の中をさっぱりさせてくれる小鉢です。
手羽先を焼いている間に、手早く用意できるものを選んでいます。
①カニカマときゅうりの酢の物
甘酢のさっぱりした味が、手羽先の甘辛いたれとよく合います。
3歳ごろまでのお子さんの分は、きゅうりをさっと湯通ししてから和えてください。
②オクラとろろ——つるんと
刻んだオクラと、すりおろした山いもを合わせた小鉢です。
つるんとした口当たりで、こってりした手羽先の合間にほっとします。
③なすのおろし煮——やさしく
なすを大根おろしと一緒にだしで煮た、やさしい味の一品です。
秋のなすと大根おろしが、手羽先の脂をさっぱりと受け止めます。
④ほうれん草のおひたし
緑の野菜を手軽に足せる、定番の小鉢です。
かつお節をのせると、香りもよくなります。
⑤ブロッコリーのごま和え
ゆでたブロッコリーを、すりごまとしょうゆで和えます。
彩りがよく、手羽先のこげ茶色の横で、食卓がぱっと明るくなります。
手羽先を焼くときは、皮を下にしてフライパンに並べ、動かさずにじっくり焼きます。
皮から脂が出てきたら、その脂で焼くように返すと、油を足さなくてもぱりっと香ばしく仕上がります。
出てきた脂はペーパーで拭き取ると、たれもよくからみます。
汁物5選——具の軽いもの

次は、手羽先に合う汁物の5品です。
どれも、手羽先のこくを受け止める、具の軽い汁物を選んでいます。
塩焼きの日は味噌汁やすまし汁、甘辛焼きの日は中華スープやかき卵汁を合わせると、献立の向きがそろいます。
①白菜とわかめの味噌汁
白菜のやさしい甘みと、わかめの香りの味噌汁です。
塩焼きの手羽先の日に合う、いつもの一杯です。
②中華スープ——卵とごまで
中華だしに溶き卵を流して、ごまの香りを足したスープです。
甘辛い手羽先と、中華の香りがよく合います。
③かき卵汁——ふんわりと
だしに溶き卵をふんわり流した、やさしい汁物です。
卵は、汁がしっかり煮立ったところに流し入れて、火を通してください。
④舞茸のすまし汁——香りよく
舞茸とわかめ、ねぎの、すっきりしたすまし汁です。
秋の舞茸の香りが、手羽先の香ばしさと重なります。
⑤しょうがの野菜スープ
白菜やにんじん、ごぼうなどの野菜に、しょうがをきかせた和風のスープです。
野菜をたっぷりとれるので、副菜が少ない日にも合います。
手羽先のこしょうは、焼く前にふると焦げて苦くなりやすいので、焼き上がってから最後にたっぷりふります。
こしょうの香りがぱっと立って、皮の香ばしさとよく合います。
最後にふる形にしておくと、お子さんの分を、こしょうをふる前に取り分けられます。
もう一品5選——ご飯と麺

最後は、手羽先の献立にもう一品足したいときの、ご飯と麺の5品です。
手羽先は身が少なめなので、ご飯や麺で満足感を足すと、献立がしっかりまとまります。
その日の食べる量に合わせて選んでください。
①白ご飯——たれと一緒に
甘辛いたれは、白ご飯とよく合います。
いつもの量で、手羽先と一緒にどうぞ。
②焼きおにぎり——香ばしく
しょうゆを塗って焼いた焼きおにぎりは、手羽先の香ばしさとよく合います。
居酒屋のように、手羽先と並べて出すのもオススメです。
③きのこの炊き込みご飯
秋のきのこをたっぷり入れた炊き込みご飯です。
手羽先の日は、具を控えめにして、きのこの香りを楽しみます。
④きしめん——名古屋つながり
平たい麺のきしめんは、手羽先と同じ名古屋の味です。
だしのきいた温かいつゆで、手羽先のこってりした味のあとにやさしく合います。
⑤にゅうめん——軽く〆に
そうめんを温かいだしで煮た、軽い一品です。
ご飯ほど重くしたくない日の〆にぴったりです。
避けたい組み合わせ3つ

手羽先の献立で、やってしまいがちな組み合わせを3つ挙げておきます。
どれも、少し入れ替えるだけで、手羽先がぐっと引き立つ献立になります。
- 揚げ物を重ねる
唐揚げやフライと並べると、脂が重なります。副菜は酢の物やおひたしにします。 - 甘辛を重ねる
甘辛い煮物や甘い卵焼きと並べると、同じ味が続きます。酸味のある副菜を合わせます。 - 具だくさんの汁物を重ねる
豚汁のような汁物は、手羽先の日には重くなります。具の軽い汁物にします。
3つに共通するのは、「手羽先のこってりを、まわりの料理で重ねない」ということです。
まわりの料理がさっぱりしていることで、手羽先の香ばしさがまっすぐ伝わります。
栄養と家族への出し方

栄養士として見ると、手羽先は、たんぱく質がとれる一方で、皮の脂も多い部位です。
そこに酢の物やおひたしで野菜を、ご飯や麺で満足感を足すと、1食のバランスがきれいに整います。
鶏肉は、中心75℃1分以上を目安に、骨のまわりまでしっかり火を通してください。
新鮮な鶏肉でも、生焼けはカンピロバクターによる食中毒の原因になり、まれに手足のまひが起こるギラン・バレー症候群につながることもあると言われています。
手羽先は骨のまわりが最後に火が通るので、いちど骨に沿って切ってみて、赤いところがないか確かめると安心です。
名古屋風に揚げて作るときは、揚げている間は揚げ油のそばを離れず、小さなお子さんは台所から離してくださいね。
買ってきた手羽先は、鶏肉の保存の記事のとおり、ドリップを拭いてチルド室で2〜3日が目安です。
この記事の献立に使う特定原材料は、しょうゆ・きしめん・そうめんの小麦、中華スープとかき卵汁の卵です。
カニカマは、商品によってかにや卵が入ります。
準ずる品目では、鶏肉・ごま・やまいも(オクラとろろ)・大豆(味噌・しょうゆ)が入ります。
食物アレルギーのあるご家族がいるときは、表示を確かめてください。
甘辛いたれは、手羽先にたっぷりからめると、塩分も砂糖も多くなります。
たれは少なめにからめて、残りは小皿に添えておくと、食べる人が量を選べます。
食事の指示を受けている方は、かかりつけの先生の指示を優先してください。
高齢者や子供にやさしい手羽先献立

手羽先は、骨と皮が多い部位なので、家族に出すときは少しひと手間が必要です。
食べる人に合わせて、骨の外し方と切り方を変えてあげましょう。
高齢の家族に出すとき
手羽先は、骨から外して、身を小さくほぐしてからお出しします。
骨から外すときは、小さな骨のかけらが残っていないか確かめてください。
皮は噛み切りにくく、口の中に残りやすいので、外すか細かく刻みます。
きしめんやにゅうめんは、むせないように短く切ってからお出しします。
汁物はさらさらでむせやすいことがあるので、飲み込む力に不安がある方には、市販のとろみ剤(とろみ調整食品)でとろみをつけてからお出しします。
形ややわらかさは、日本摂食嚥下リハビリテーション学会の嚥下調整食学会分類2013を目安に調整してくださいね。
小さなお子さんに出すとき
小さなお子さんの分は、こしょうをふる前に取り分けて、たれも薄めにしてあげましょう。
手羽先は骨から外して身をほぐし、小さな骨のかけらが残っていないか確かめてください。
2歳以下のお子さんには、身をさらに細かくして、汁物はお湯で薄めて取り分けます。
舞茸などのきのこやごぼうは噛み切りにくいので、3歳ごろまでのお子さんの分は外してください。
焼きたての手羽先や汁物は熱いので、器に取り分けて少し冷ましてから渡してください。
味つけした大人と同じ手羽先なので、1歳未満のお子さんには出さないようにしましょう。
鶏肉を離乳食に使うときの始める時期や量は、月齢で変わるので、かかりつけの先生や自治体の相談窓口で確かめてくださいね。
私は現役介護士でもあります。
骨つきの手羽先は、噛む力が弱い方には、身を骨から外すこと自体がむずかしいことがあります。
そんな日は、骨と皮を外した身を細かくほぐし、とろみ剤でとろみをつけただしのあんにからめてお出ししています。
甘辛い香りはそのままなので、「手羽先の味がするね」と言っていただけます。
骨つきの手羽先を、ほぐした身のあんかけに置き換える日があっていい。
手羽先の献立でよくある質問
最後に、手羽先の献立について、よくいただく質問にお答えします。
Q1. 手羽先は何本あればいい?
大人なら、1人前4本ほどが目安です。
手羽先は骨が多く身が少なめなので、ご飯や麺のもう一品で量を調整してください。
Q2. 揚げ物と合わせてもいい?
手羽先を揚げて作る日は、ほかに揚げ物は合わせず、副菜は酢の物やおひたしにしてください。
焼いて作る日でも、揚げ物は一品までにすると、献立が重くなりません。
Q3. 手羽元でも同じ献立でいい?
手羽元でも、同じ考え方で合わせられます。
手羽元は身が多いので、ご飯や麺のもう一品は少し控えめにしてください。
骨のまわりまで、しっかり火を通すのは同じです。
Q4. 残ったら次の日も食べられる?
焼いた手羽先は、粗熱を30分以内に取って冷蔵し、翌日までに食べきってください。
温め直すときは、骨のまわりまで熱くなるように、中心まで加熱してから食べます。
“おいしい”は、全部が重なること
手羽先の献立を考えるとき、私は四つの軸で見ています。
手羽先の香ばしさ、副菜の酸味、汁物のやさしさ、そしてご飯や麺の満足感です。
手羽先は、それだけで完成するおかずではありません。
手羽先だけでは口が休まらず、副菜だけではお腹が満たされない。
それぞれの料理が、同じ食卓の上で別の役割を持っているから、最後のひと口までおいしいんです。
香ばしさと、酸味と、やさしさと、満足感。
その全部が重なったとき、いつもの手羽先が、家族のにぎやかなごちそうになります。
まとめ。。。

手羽先の献立を、最後にもう一度まとめますね。
- 副菜は酸味とさっぱり
酢の物・オクラとろろ・おろし煮で、口の中をさっぱりと。 - 汁物は具の軽いもの
白菜とわかめの味噌汁や、中華スープを。 - ご飯や麺でもう一品
身が少なめなので、焼きおにぎりやきしめんで満足感を。 - 揚げ物・甘辛・具だくさんを重ねない
手羽先のこってりは、手羽先だけに。 - 骨のまわりまで火を通す
中心75℃1分以上を目安に。 - こしょうをふる前に取り分け
お子さんの分は、骨から外してほぐします。 - 高齢の方には骨と皮を外して
小さな骨のかけらまで確かめます。
手羽先は、骨のまわりまで楽しめる、家族がにぎやかになるおかずです。
こってりした手羽先のまわりに、さっぱりした副菜と軽い汁物を並べるだけで、献立がぐっと引き締まります。
秋の夜に、焼きたての手羽先を囲んで、家族で楽しんでみてくださいね。
いつもの夕ごはんが、ちょっとした居酒屋気分になるはずだよ。
フッくんでした!
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