料理研究家、料理大好きフッくんです。
春になると店先に並ぶ、葉のついた長いふき。
ほろ苦さと香りがうれしい山菜ですが、たくさん手に入ると、保存に迷いますよね。
こんなお悩み、よく聞きます。🥹
- 下茹でしたふきはいつまでもつ?
まとめて下茹でしたけれど、何日で食べきればいいか分からない。 - ふきは冷凍できる?
冷凍したら、筋っぽくなったり、やわらかくなりすぎたりした。 - 塩漬けにしてみたい
たくさんもらったので、長く保存できる方法を知りたい。
この記事では、現役料理人20年の私が、ふきの保存方法をお伝えします。
下茹でしたふきの冷蔵・冷凍から、塩漬けと塩抜き、傷んだサイン、家族への出し方まで、順番に見ていきましょう。

ふきの保存——その日に下茹で
生のふきは、その日のうちに下茹ですることが、保存の第一歩です。
下茹でして皮をむいたふきは、保存容器に入れてたっぷりの水に浸け、水に浸けて冷蔵で3〜4日が目安です。
水は毎日替えてください。すぐに食べきれないときは、切って小分けにすれば、冷凍で約1か月持ちます。
ふきの保存でまず覚えておきたいのは、生のまま長く置かないことです。
ふきは、とってから時間がたつほど、アクが強くなり、筋もかたくなっていきます。
「買ったら、その日のうちに下茹で」が、おいしく保存するための合言葉です。
ふきとは——春の山菜の茎

ふきは、日本の山野に自生する山菜で、春に出回る長い茎を食べる野菜です。
お店に並ぶのは、畑で育てた太くて長いものが多く、葉がついたまま売られていることもあります。
ほろ苦さと、すっとした香りが、春の味なんですよね。
ふきにはアクがあるので、下茹でしてアクを抜き、皮と筋をむいてから使います。
茹でる手間がかかるぶん、一度にまとめて下茹でして、上手に保存して使いきりたいですよね。
この記事では、下茹でしたふきから、冷凍、塩漬けまで、保存の仕方を順番に見ていきます。
ふきの保存期間の早見表

ふきの保存期間の目安を、保存の形ごとにまとめました。
どれも、においやぬめりが出たら、日数の前でも処分してください。
市販の水煮は、パッケージの表示を優先してください。
| 保存の形 | 冷蔵 | 冷凍 |
|---|---|---|
| 生のふき | その日のうちに下茹で(置くなら野菜室で1〜2日) | 生のまま冷凍しない |
| 下茹でしたふき | 水に浸けて冷蔵で3〜4日 | 冷凍で約1か月 |
| ふきの煮物 | 煮物は冷蔵2〜3日 | 冷凍で約1か月 |
| ふきの塩漬け | 塩漬けは冷蔵で数か月 | — |
水に浸けて保存する形は、どれも水は毎日替えてください。
水が濁ったままにしておくと、ふきが早く傷みます。
下茹でしてから保存——3つの流れ

ふきは、下茹でしてから保存するのが基本です。
ここでは、保存のための下茹での流れを3つに分けて、短くお伝えします。
どの保存の仕方でも、この流れは同じです。
葉と茎を分ける
買ってきたら、まず葉を切り落として、茎と分けます。
茎は、手持ちの鍋に入る長さに切りそろえてください。
板ずりして茹でる
まな板の上で茎に塩をまぶし、手のひらで転がす板ずりをしてから、たっぷりの湯で茹でます。
板ずりをすると、色が鮮やかになり、アクも抜けやすくなります。
冷水にとって皮をむく
茹で上がったら、すぐに冷水にとって冷まします。
冷めたら、切り口の端から皮と筋をつまんで、ひと回りぐるっとむいてください。
葉は茎より早く傷むので、捨てない場合は、その日のうちに茹でて水にさらしておきます。
苦みが強いので、佃煮などしっかり味をつける料理に向いています。
冷蔵保存——水に浸けて毎日替える

下茹でしたふきを冷蔵で保存するときは、「水に浸ける」と「水を毎日替える」の2つが大切です。
どちらも、ふきの乾きと傷みを防いで、おいしく食べきるためのひと手間です。
順番に見ていきましょう。
水に浸けて冷蔵庫へ
皮をむいたふきを保存容器に入れ、ふきがかぶるくらいの水を張って、冷蔵庫で保存します。
水に浸けて冷蔵で3〜4日が目安です。
水は毎日替えてください。
生のまま置くときは
その日のうちに下茹でできないときは、湿らせた新聞紙で包んでポリ袋に入れ、野菜室に入れてください。
置くなら野菜室で1〜2日が目安ですが、できるだけ早く下茹でしましょう。
保存容器は、ふきが全部水に沈む深さのものを選んでください。
水から出た部分は乾いて、色も変わりやすくなります。
毎日水を替えるときに、においとぬめりがないかも一緒に確かめておくと、傷みに早く気づけます。
下茹でしたふきは、使う長さに切ってしまうより、鍋に入れた長さのまま保存するほうが、切り口からの傷みが少なく、日持ちします。
冷凍保存——切って小分けに

ふきは、下茹でしたものを冷凍できます。
解凍すると、下茹でしたときのしゃきっとした歯ごたえが少しやわらかくなるので、煮物や炒め物に使うのがコツです。
切って冷凍する方法と、煮てから冷凍する方法があります。
切って冷凍する
下茹でして皮をむいたふきの水気をよく拭き、4〜5cmに切って、一回分ずつ保存袋に入れます。
空気を抜いて平らにし、日付を書いて冷凍庫へ入れてください。
冷凍で約1か月を目安に使いきります。
煮てから冷凍する
だしで薄味に煮含めてから冷凍する方法もあります。
煮物を多めに作った日は、煮汁ごと浅い容器に移して粗熱を30分以内に取り、小分けにして冷凍してください。
冷蔵で食べきるなら、煮物は冷蔵2〜3日が目安です。
こちらも冷凍で約1か月が目安です。
解凍は凍ったまま料理へ
切って冷凍したふきは、凍ったまま煮物や炒め物、炊き込みご飯に加えて使えます。
煮てから冷凍したものは、前夜に冷蔵庫へ移して解凍してください。
一度解凍したふきは、もう一度冷凍しないでください。
ふきご飯の分は、米2合に合わせた量を小口切りにして、ひとまとめに冷凍しておきます。
炊き上がったご飯に、だしでさっと煮たふきを混ぜれば、春の香りのご飯がすぐにできますよ。
冷凍したふきは、時間がたつほど香りが少しずつ抜けていきます。
香りを楽しみたい料理は、冷蔵の3〜4日のうちに作り、冷凍した分は、味をしっかり含ませる煮物に回してください。
塩漬け——長く保存したいとき

たくさんのふきを長く保存したいときは、塩漬けにする方法もあります。
塩の力で日持ちがぐっと長くなり、季節が過ぎても、ふきの煮物を楽しめます。
漬け方と、使う前の塩抜きを見ていきましょう。
漬け方——塩と交互に重ねる
葉を落としたふきをさっと茹で、水気をよく拭きます。
保存容器の底に粗塩をふり、ふきと塩を交互に重ねて、最後に表面を塩でおおいます。
塩の量は、ふきの重さの2割ほどが目安です。重しをのせて、冷蔵庫に入れてください。
塩抜き——水を替えながら
塩漬けのふきは、そのままではとても塩辛いので、使う前に必ず塩抜きします。
たっぷりの水に浸けて、水を何度か替えながら、半日ほどおいてください。
端を少しかじって、ほんのり塩気が残るくらいになったら、塩抜きのできあがりです。
日持ちと気をつけること
塩漬けは冷蔵で数か月が目安です。
ご家庭では量を少なめに漬けて、ときどきにおいやカビがないか確かめながら、早めに使いきってください。
塩抜きしたふきは、下茹でしたふきと同じように、水に浸けて冷蔵で3〜4日のうちに使います。
新鮮なふきの選び方・傷んだサイン

ふきは、生のものの選び方と、下茹でした後の傷んだサインの両方を知っておくと安心です。
生のふきは葉と切り口で鮮度が分かり、下茹でしたものは表面と水の様子に傷みが出ます。
選ぶときと、保存しているときに見てほしいところをまとめますね。
選び方
生のふきは、葉がみずみずしく、しおれていないものを選びましょう。
茎の太さがそろっていて、まっすぐ伸びているものが、筋が少なく食べやすくなります。
切り口がみずみずしく、乾いていないものほど、とってから時間がたっていない目安になります。
傷んだサイン
保存していた下茹でのふきや塩漬けに、次のようなサインがあるときは、食べずに処分してください。
- 表面にぬめりが出た
ぬめりが出るのは、傷みが進んでいるサインです。 - すっぱいにおいがする
浸けていた水が白く濁り、つんとしたにおいがしたら処分します。 - カビが生えた
カビの部分だけ削って使わないでください。まるごと処分します。 - 茶色くくすむ
色が茶色くくすみ、指で押すと崩れるほどやわらかくなっていたら処分します。
どれか1つでも当てはまれば、無理に食べないのが安心です。
下茹でしたふきの緑が少し淡くなるのは、時間がたった色の変わり方なので、においとぬめりがなければ使えます。
迷うときは、においとぬめりを確かめて、どちらかがあれば処分しましょう。
ふきの栄養——春の香りの山菜

ふきは、水分が多く、香りとほろ苦さを楽しむ春の山菜です。
栄養士として見ると、量をたくさん食べる野菜というより、季節の香りで食卓に変化をつけてくれる一品です。
煮物にするときは、だしを効かせて薄味に仕上げると、ふきの香りが引き立ちます。
塩抜きが足りないと、煮物の塩気がとても強くなります。
味見をしながら塩抜きしてください。
塩分の指示を受けている方は、かかりつけの先生の指示を優先してください。
ふきの煮物は、油揚げやしょうゆと合わせることが多い料理です。
家族に出す前に、一緒に使う食材の表示を見ておくと安心です。
ふきそのものは、特定原材料にも、準ずる品目にも入っていません。
煮物のしょうゆには、特定原材料の小麦と、準ずる品目の大豆が入ります。
一緒に煮る油揚げも大豆です。
市販の水煮や味つきのふきは、パッケージの表示を確かめてください。
高齢者や子供にやさしいふき

ふきは、下茹でしてやわらかく煮ても、筋と繊維がしっかりした野菜です。
食べる人に合わせて、切り方と煮方を少し変えてあげましょう。
高齢の家族に出すとき
高齢の方には、皮と筋をしっかりむいてから使ってください。
野菜の下ごしらえの記事でお伝えしているとおり、繊維に対して直角に切り、短く薄くしてから、やわらかく煮含めます。
筋が残っていると噛み切りにくいので、むき残しがないか、もう一度確かめてください。
煮汁はさらさらでむせやすいので、飲み込む力に不安がある方には、市販のとろみ剤(とろみ調整食品)でとろみをつけてください。
形ややわらかさは、日本摂食嚥下リハビリテーション学会の嚥下調整食学会分類2013を目安に調整してくださいね。
小さなお子さんに出すとき
ふきは筋と繊維がかたく、ほろ苦さもあるので、3歳ごろまでのお子さんの分は外してください。
それより大きなお子さんにも、細かく刻んでやわらかく煮てから、少しだけにします。
煮物を温めて出すときは、少し冷ましてから渡してください。
1歳未満のお子さんには、ふきは出しません。
野菜を離乳食に使うときの始める時期や量は、月齢で変わるので、かかりつけの先生や自治体の相談窓口で確かめてくださいね。
私は現役介護士でもあります。
短く切って煮たふきでも、繊維が口に残る方がいます。
そんな日は、煮たふきを細かく刻み、とろみ剤でとろみをつけただしと合わせてお粥にかけています。
「春の匂いがするね」と言っていただけます。
ふきの煮物を、刻んだ春のあんに置き換える日があっていい。
ふきの保存でよくある質問
最後に、ふきの保存について、よくいただく質問にお答えします。
Q1. 下茹でせずに置いてもいい?
生のふきは、時間がたつほどアクが強くなり、筋もかたくなります。
その日のうちに下茹でできないときも、置くなら野菜室で1〜2日にしてください。
Q2. 下茹でした後、いつまでもつ?
水に浸けて冷蔵で3〜4日が目安です。
水は毎日替えて、においやぬめりがないかを確かめてください。
Q3. 冷凍したら筋っぽくなった
皮と筋のむき残しがあると、冷凍したあとに筋が目立ちます。
冷凍する前に、むき残しがないかを確かめて、4〜5cmに切ってから凍らせてください。
Q4. 葉は食べられる?
食べられますが、苦みが強いので、その日のうちに茹でて水にさらしてから使います。
細かく刻んで佃煮にすると、ご飯のお供になります。
Q5. 塩漬けは常温でいい?
ご家庭では、塩漬けも冷蔵庫に入れてください。
塩漬けは冷蔵で数か月が目安ですが、においやカビを確かめながら、早めに使いきってください。
まとめ。。。

ふきの保存方法を、最後にもう一度まとめますね。
- その日のうちに下茹で
生のまま置かず、生のまま冷凍しない。 - 水に浸けて冷蔵で3〜4日
長いまま、切らずに保存すると日持ちします。 - 水は毎日替える
濁った水のままにしない。 - 切って小分けに冷凍で約1か月
凍ったまま煮物や炒め物へ。 - 塩漬けは冷蔵で数か月
使う前に必ず塩抜きを。 - ぬめり・すっぱいにおい・カビは処分
カビは削って使わないでください。
ふきは、春のほんの短い間だけ楽しめる、香りの山菜です。
その日のうちに下茹でして、水に浸けて保存するだけで、春の味を何日も楽しめます。
たくさん手に入った日は、ふきご飯の分を刻んで冷凍して、春の香りを長く楽しんでみてくださいね。
冷凍庫にふきがあると、春の献立がぐっと楽しくなるはずだよ。
フッくんでした!
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