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ローストビーフの作り方!低温調理と失敗しない火入れを料理人が完全解説

ローストビーフの作り方
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料理研究家、料理大好きフッくんです。

切り分けた瞬間の、あのロゼ色。ローストビーフは、食卓に出すだけで拍手の起きる、ハレの日のごちそうですよね。クリスマスに、お正月に、記念日に。

でも先に、いちばん大事なことからお伝えします。ローストビーフのロゼ色は、勘ではなく温度計が作ります。低温調理器なら中心63℃に達してから30分以上、オーブンなら中心温度計での確認。この物差しさえ持てば、生焼けの不安なく、店のロゼが家で切れます。

こんなお悩み、ありませんか?

  • 切ったら中が生っぽくて不安になった
    不安の正体は「温度が分からない」こと。物差しの持ち方から解説します。
  • 固くパサパサになってしまう
    高温で火を入れすぎです。低温でゆっくりが、やわらかさの理屈です。
  • 切ると肉汁が流れ出てしまう
    熱いまま切るのが原因。冷やしてから切る、が板場の順番です。
  • 家族の誰まで食べていいのか分からない
    ロゼは元気な大人の楽しみ。区分けをはっきりお伝えします。

現役料理人20年、宴会場で何百本と焼いてきた経験で「ローストビーフの作り方」を完全解説します。最後まで読めば、温度計があなたの味方になりますよ🍳

ローストビーフのロゼ色の断面のイメージ

いちばん大事な話(安全の土台3つ)

ローストビーフの安全の土台3つの図解(一枚ものの塊肉・表面全面を焼く・ロゼは元気な大人の楽しみ)

おいしさの前に、ローストビーフの安全の土台を3つ。ここだけは読み飛ばさないでください。

  • ①使うのは「一枚ものの塊肉」だけ
    結着肉・成形肉・タレ漬け加工肉は、ローストビーフにしないでください

    牛の塊肉は、菌が付くのは基本的に表面だけ。だから表面を焼けば中はロゼでも楽しめる、というのがローストビーフの理屈です。ところが結着肉や成形肉は、加工の工程で中まで菌が入り込む可能性があるため、この理屈が成り立ちません。ラベルに「成形肉」「結着」とあるものは、中までしっかり火を通す料理へ。
  • ②表面の全面を、しっかり焼く
    6つの面すべてに焼き色をつけるのが、表面の殺菌と香ばしさの一石二鳥です

    側面も端も忘れずに。トングで立てて、全部の面に1〜2分ずつです。
  • ③ロゼは「元気な大人」の楽しみ
    妊娠中の方・小さなお子さん・高齢の方・体調の優れない方は、しっかり火の通った部分を

    お子さんは、小学校に上がるくらいまではロゼの部分を避けてください。菌に対する抵抗力がまだ育っている途中だからです。塊の端の部分はよく火が通っています。取り分けで区分けすれば、同じ一本を家族全員で囲めます。ロゼの中心は、元気な大人のグラスの隣へ。

ちなみに、表面だけ焼いて中は生のままの「牛たたき」も、同じ「一枚ものの塊肉+全面焼き」の理屈の上に立つ料理です。ローストビーフはそこから中心までじんわり火を入れた姿。似た顔の兄弟ですが、火の入り方は別物と覚えてください。

ローストビーフの故郷はイギリス。日曜に家族で塊肉を焼いて囲む「サンデーロースト」の主役として育った料理と言われています。ごちそうでありながら、家庭の料理。だからこそ、家の台所で作る価値があるんです。

失敗の原因は3つだけ

ローストビーフの失敗の原因3つと対策の図解

失敗 本当の原因 対策
中心が生・不安が残る 常温戻し不足・温度の物差しがない 常温に戻す・温度計で確認
固い・パサつく 高温で火を入れすぎ 低温でゆっくり(63℃または130℃オーブン)
切ると肉汁が流出 熱いまま切る 休ませて冷やしてから切る

ローストビーフの失敗は、火加減の腕ではなく「温度の見える化」で全部解決します。温度計は、この料理のいちばん安い保険ですよ。

下ごしらえ(常温戻しが半分を決める)

ローストビーフの下ごしらえの図解(常温戻しが半分を決める)

  • ①肉は「もも」か「肩」の赤身塊500g前後
    脂の少ない赤身が、ロゼの美しさと噛み心地の主役です。太さが均一な形を選ぶと火の通りがそろいます。ブロック肉の見分け方と保存は、牛肉の保存記事が本家です。
  • ②常温に30分〜1時間戻す
    冷蔵庫から出したての冷たい中心は、生焼けの最大の犯人です。夏場は30分、冬場は1時間を目安に。ここをさぼると、どの方式でも失敗します。
  • ③塩こしょうを全面にすり込む
    塩は肉の重さの約1%(500gで小さじ1)。にんにくを擦り付けると香りの下地になります。形がいびつならタコ糸で整えると、火の通りと切り姿がそろいます。

方式①低温調理器(いちばん確実な物差し)

低温調理器でローストビーフを作る図解(中心温度63度に達してから30分以上)

失敗したくない方への、いちばんの答えがこれです。

  • ①フライパンで全面を1〜2分ずつ焼く
    強めの中火で6面すべてに焼き色を。表面の殺菌と香ばしさの工程です。
  • ②袋に入れて、空気をしっかり抜く
    湯せん用の袋に入れ、水圧を使って空気を抜きます。空気が残ると浮いて、火の通りにムラが出ます。
  • ③63℃の湯で2時間
    安全の物差しは「中心温度が63℃に達してから30分以上」。湯の温度ではなく、肉の中心の温度です。500gの塊なら、63℃の湯で2時間おけば、中心到達と30分の両方をしっかり確保できます。
  • ④氷水で冷やす
    袋のまま氷水へ。肉汁が落ち着き、切り口の美しさとしっとりが決まります。冷やしてから切るのが板場の順番です。
★現役料理人20年のコツ:低温調理の「2時間」は保険込みの時間割!🍳
中心がゆっくり63℃に届くまでの時間+そこから30分以上、を余裕を持って包んだのが2時間です。宴会場の仕込みでも、塊の低温調理は「早めに入れて、時間を疑わない」が鉄則でした。
炊飯器の保温などの温度が管理できない方法は、この物差しが持てないのでおすすめしません。道具に迷ったら、低温調理器か中心温度計。どちらもロゼ色の頼れる相棒ですよ。

方式②オーブン(中心温度計とセットで)

オーブンでローストビーフを作る図解(中心温度計とセットで)

  • ①フライパンで全面を焼く
    低温調理方式と同じ、6面の焼き色から始まります。
  • ②130℃のオーブンで40〜50分
    低めの温度でゆっくり。高温で短くより、低温で長くが、パサつかせない理屈です。
  • ③中心温度計で確認する
    いちばん厚い部分に刺して測ります。ここが、この方式の物差しです。数字で確かめれば、切ってからの不安がなくなります。
  • ④アルミで包んで15分休ませる
    この休ませは、肉汁を全体に落ち着かせるための時間です。火入れはオーブンの中で終わらせておくのが、この記事の設計。休ませに火入れの仕事をさせないでください。
★現役料理人20年のコツ:切るのは「完全に冷めてから・食べる直前」!🍳
熱いまま切ると肉汁が皿に逃げ、早く切りすぎると切り口から乾きと劣化が始まります。ベストは、粗熱後に冷蔵庫で冷やし、食べる直前に切ること。前日に作って当日切る、がいちばん理にかなった段取りです。
切り方は、繊維を断つ向きに、できるだけ薄く。よく切れる包丁を、一度お湯で温めて水気を拭いてから引くと、断面のロゼがつやっと立ちますよ。

グレイビーソースと、盛り付け

グレイビーソースの作り方と盛り付けの図解

焼いたフライパンに残ったうま味が、ソースの素です。すりおろし玉ねぎ2分の1個・醤油大さじ2・みりん大さじ2・酒大さじ1を入れて中火で2〜3分、とろりとするまで煮詰めれば、和風グレイビーの完成。わさびを添えると、大人の一皿らしい味わいになります。

盛り付けは、薄切りを少しずつずらして花のように。中央にグレイビー、ローズマリーかクレソンの緑をひと枝。付け合わせと献立の広げ方は、ローストビーフの献立記事にたっぷりまとめています。

保存(塊のまま、が鉄則)

ローストビーフの保存の図解(塊のまま、が鉄則)

  • 塊のまま冷蔵…3日
    ラップでぴったり包んでチルド室へ。切るのは食べる分だけ、都度が鉄則です。
  • 塊のまま冷凍…約2週間
    ラップ+冷凍袋で。解凍は冷蔵庫でゆっくり一晩。薄切りにしてからの冷凍は、乾きと味落ちが早いのでおすすめしません。
  • 残りの薄切りは「アレンジの主役」に
    ローストビーフ丼、サンドイッチ、サラダのトッピング。冷たいままか、温かいご飯やソースの熱をまとわせる程度が、ロゼを固くしない食べ方です。

ハレの日の段取りは、こう組んでください。前日の夜に低温調理まで済ませて氷水→冷蔵庫。当日はソースを作って、食べる直前に切るだけ。オーブンが七面鳥やグラタンでふさがる日も、前日仕込みのローストビーフなら渋滞しません。クリスマス献立の記事には、同じごちそうの日の組み立てがまとまっています。

ローストビーフのアレンジと段取りの図解

ローストビーフの栄養と、家族への出し方

ローストビーフの栄養と量の目安の図解

★栄養士のコツ:赤身の塊は「高たんぱく・鉄を含む」ごちそう!🥢
もも赤身のローストビーフは、高たんぱくで脂質が控えめ、鉄を含む肉料理です(薄切り5枚・約80gでおよそ150kcal)。揚げ物のごちそうより軽やかに楽しめるのが、この料理の隠れた持ち味。
一人の目安は80〜100g。サラダと汁物を添えれば、ハレの日の一皿が、姿のいい一食になりますよ。
★栄養士のコツ:アレルギーの先回りをひとつ!🥢
牛肉のアレルギーの方に加え、グレイビーソースには小麦(醤油)・大豆を使います。市販のローストビーフやソースには乳成分や卵を含む商品もあります。
お招きの日は、ソースを別添えにしておくと、アレルギーにも好みにも一度に応えられます。取り分けの自由は、おもてなしの優しさです。
★現役介護士のコツ:高齢の方には「よく火の通った端を、さらに薄く小さく」
高齢の方の膳には、ロゼの中心ではなく、しっかり火の通った端の部分を選んでください。そのうえで、繊維を断った薄切りをさらに一口大に切り、とろみをつけたグレイビーをまとわせると、飲み込みの助けになります。
それでも赤身の塊は噛み応えのある料理です。噛み切りにくそうなら無理にすすめず、細かく刻んで温かいスープや雑炊に泳がせれば、香りとうま味はちゃんと届きます。
噛む力に合わせたやわらかい肉料理の作り方は、やわらか食レシピの記事で、かたい食材をやわらかくする5つの方法とレシピ3品まで解説しています。ごちそうの日の主役を、全員の膳に合う形でどうぞ。

高齢の方へのローストビーフの出し方の四段(端を選ぶ・繊維を断つ・とろみのグレイビー・無理にすすめない)

基本のローストビーフのレシピ(低温調理器・500g)


【材料(4人前)】
牛もも塊肉(一枚ものの塊・結着や成形でないもの)…500g
塩…小さじ1(肉の約1%)
黒こしょう…適量
にんにく…1片(擦り付け用)
サラダ油…小さじ2
(ソース)すりおろし玉ねぎ2分の1個・醤油大さじ2・みりん大さじ2・酒大さじ1

【作り方】
1. 肉を常温に30分〜1時間戻し、塩こしょうとにんにくを全面にすり込みます。
2. 強めの中火で、6つの面すべてに1〜2分ずつ焼き色をつけます(表面の殺菌と香ばしさの工程です)。
3. 湯せん用の袋に入れて空気を抜き、63℃の湯で2時間おきます(中心温度が63℃に達してから30分以上を確保する時間割です)。
4. 袋のまま氷水で冷やし、肉汁を落ち着かせます。
5. 同じフライパンでソースの材料を2〜3分煮詰めます。
6. 食べる直前に、繊維を断って薄く切り分けます。妊娠中の方・小学生になるくらいまでのお子さん・高齢の方には、よく火の通った端の部分をどうぞ。

ローストビーフのよくある質問

Q1. 温度計がありません。竹串の判定でもいいですか?

竹串を中心に刺して10秒、唇に当てて温かければ火が入り始めているという昔ながらの目安はありますが、この料理に限っては温度計をおすすめします。ロゼと生の境目は、指先の感覚では分からないからです。中心温度計は千円台からあり、揚げ物や低温調理にも一生使えます。ごちそうの保険と思えば、安い相棒ですよ。

Q2. 切ったら思ったより赤い気がします。食べて大丈夫?

物差しに戻りましょう。「一枚ものの塊肉・全面を焼いた・中心63℃30分(または温度計で確認)」の3つがそろっていれば、ロゼ色は火の通った色です。逆に、どれかが欠けた状態の赤みなら、薄切りにしてフライパンでさっと火を通し、ロゼは次回の楽しみに。不安なまま食べないのが、いちばんの正解です。

Q3. もっと大きい塊(1kg)で作るときは?

低温調理の時間を3時間に延ばしてください。太さが増すほど、中心が63℃に届くまでの時間が伸びます。オーブン方式なら130℃で70〜80分+中心温度計の確認。大物ほど、温度計の出番です。

Q4. わさび以外のソースのおすすめは?

粒マスタード+はちみつ+醤油の甘辛マスタード、すりおろし玉ねぎ+ポン酢のさっぱり和風、ヨーグルト+わさびの軽いクリーム系。3種を小皿で並べると、取り分けの席が一気に華やぎます。献立の広げ方は、ローストビーフの献立記事へどうぞ。

Q5. 低温調理器もオーブンもありません。フライパンだけで作れますか?

作れますが、条件つきです。厚さ5cmまでの小さめの塊にして、全面を焼いた後、ふたをした弱火で転がしながら15分前後。そして中心温度計での確認だけは省略しないでください。道具の中でいちばん譲れないのは、調理器でもオーブンでもなく温度計。ここだけは、この記事の譲れない一線です。

Q6. ローストビーフ丼にするときの注意は?

温かいご飯の熱で肉が温まる程度がちょうどよく、卵黄をのせるなら新鮮な卵でその日のうちに。小さなお子さん・高齢の方・妊娠中の方の丼は、卵黄なし+よく火の通った部分で作ってください。ご飯・肉・グレイビーだけでも、十分に幸せな一杯です。

まとめ。。。

ローストビーフを食卓に並べたイメージ

  • ロゼ色は、勘でなく温度計が作る
    低温調理器か中心温度計。この料理のいちばん安い保険です。
  • 使うのは一枚ものの塊肉だけ
    結着肉・成形肉はローストビーフにしない。安全の土台の一番目です。
  • 全面をしっかり焼いてから、低温でゆっくり
    6面の焼き色は殺菌と香ばしさの一石二鳥。高温の火入れすぎがパサつきの犯人。
  • 物差しは「中心63℃に達してから30分以上」
    湯の温度でなく中心温度。500gなら63℃の湯で2時間が保険込みの時間割です。
  • 休ませは肉汁を落ち着かせる時間
    火入れは湯とオーブンの中で完了させる。冷やしてから、食べる直前に切る。
  • ロゼは元気な大人の楽しみ
    妊娠中の方・子供・高齢の方・体調の優れない方は、火の通った端の部分を。
  • 保存は塊のまま・切るのは都度
    冷蔵3日・冷凍2週間。丼とサンドの二日目も、ごちそうの続きです。
  • 献立・牛肉保存・やわらか食の記事とあわせて
    取り分けの区分けで、同じ一本を家族全員の膳へ。

今度のごちそうの日は、温度計を一本、台所に迎えてください。数字が見えた瞬間、ローストビーフは「不安な料理」から「待つだけの料理」に変わりますよ。

最後までお読みいただきありがとうございました。

フッくんでした!

作り方(極秘レシピ)
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