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紅白なますのレシピ!酢の黄金比と日持ちを寿司職人が完全解説

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料理研究家、料理大好きフッくんです。

おせちの中で、いちばん簡単そうで、いちばん差が出るのが紅白なますです。

切って、塩をして、甘酢で和えるだけ。なのに、食べたときに水っぽかったり、酸っぱすぎたり、にんじんの匂いが勝っていたり。

寿司屋では、なますは「箸休め」の要。実は、握りの合間に出す小鉢の中で、いちばん作り方を厳しく教わったのが、このなますでした。

元旦の朝の白木のつけ台に砥部焼の小鉢の紅白なますと大根とにんじんと甘酢が並ぶイメージ

  • 水っぽくなって、味がぼやける
    塩もみの塩の量と「絞らず押さえる」水切りで直ります。
  • 甘酢の比率が毎年決まらない
    酢2:砂糖1に塩ひとつまみ。大根の量別の早見表を出します。
  • 大根の千切りが太くて食べにくい
    繊維に沿って切ると、細くてもシャキッとします。
  • 日持ちはどれくらい?いつ作ればいい?
    冷蔵4〜5日。29日に作って、31日に詰めるのがお店の型です。
  • 子どもや高齢の家族にも出したい
    短く細く・酢は薄めに。栄養士×現役介護士の視点で添えました。

紅白なますはどこ生まれ?「膾」から祝い肴になるまで

紅白なますの由来のインフォグラフィック(平安の膾から江戸の大根とにんじん、紅白水引の祝い肴へ)

レシピの前に、ルーツを少しだけ。

「なます」は漢字で「膾」と書きます。もともとは生の魚や肉を細く切って酢で和えた料理のことで、平安時代の貴族の食卓にもあったと言われています。

それが時代とともに、魚から野菜へ。江戸のころには、大根とにんじんを細く切って甘酢で和える形が広まりました。

紅白の色合いを、お祝いの水引に見立てて正月の祝い肴に。根菜を使うのは「根を張るように」という願かけでもあります。寿司屋で言う「膾」が魚の酢の物を指すのは、この古い意味の名残なんですよね🥢

紅白なますの材料と比率:大根10に、にんじん1

紅白なますの大根とにんじんの比率の図解(お店の10対1と家庭の5対1の見た目比較)

最初に決めるのは、大根とにんじんの比率です。

お店では大根10:にんじん1。にんじんは「紅」を差す程度で、多く入れると匂いが勝ち、色が大根に移ってピンクのなますになります。

家庭では5:1くらいまでなら大丈夫。それより増やすなら、にんじんは別に塩もみして、和える直前に混ぜてください。

大根は真ん中を使う

大根は部位で味が違います。葉に近い上のほうは甘く、先端は辛い。なますには真ん中の、甘みと水分のバランスがいい部分を使うのがオススメです。

皮は厚めにむいてください。皮のすぐ下は筋が多く、千切りにすると口に残ります。むいた皮は、きんぴらや漬物に回せば無駄になりません。

にんじんは細く、大根より一段細く

にんじんは大根よりかたいので、同じ太さに切ると食感がそろいません。大根より一段細く切ると、口の中で一緒になります。

寿司職人の千切り:繊維に沿って切ると、水が出ない

寿司職人の大根の千切り3ステップ工程図(皮を厚めにむく・繊維に沿って薄切り・重ねて千切り)

なますの水っぽさは、半分が切り方で決まります。

大根の繊維は縦(葉から根の方向)に走っています。繊維に沿って切ると、細胞が壊れにくく、水が出にくい。繊維を断つように輪切りから千切りにすると、切り口から水がどんどん出て、和えたあとにたまります。

①4〜5cmの長さに切り、皮を厚めにむく

長さは箸でつまみやすい4〜5cm。ここで皮を厚めに。

②縦に薄切りにする

繊維に沿って、縦に1〜2mmの薄切り。ここが薄いほど、仕上がりが細くなります。

③少しずつ重ねて、縦に千切り

薄切りを3〜4枚ずつ重ねて、繊維に沿って千切り。お店では「マッチ棒より細く」と教わりました。スライサーを使うなら、縦方向に当ててください。

★寿司職人20年のコツ:なますは「絞るな、押さえろ」
塩もみした大根を、ぎゅっと絞りたくなりますよね🥢
若い頃、両手で絞った大根を親方に見せたら「絞るな、押さえろ」と言われました。ぎゅっと絞ると、大根の中の水分まで抜けて、甘酢を吸いすぎて味が濃く、食感はくたっとします。
正しくは、ざるに広げて手のひらで上から押さえ、出てきた水が止まるところで手を止める。八分絞りです。大根の中に少し水が残っているから、和えたあとも歯ざわりがシャキッと生きます。
にんじんも同じ。ただし大根とは別に押さえてください。一緒にすると色が移ります。

塩もみと水切りの科学:塩は野菜の重さの1%

紅白なますの塩もみと水切りの図解(塩は野菜の重さの1パーセント・10分置く・絞らず押さえる)

塩もみは「味をつける」ためではなく、「水を出す」ためです。

塩の量は大根とにんじんを合わせた重さの1%。300gなら3g(小さじ1/2)。これで10分置くと、大根の水分が引き出されて、しんなりします。

なぜ1%なのか

塩が少ないと水が出ず、甘酢で和えたときに薄まります。多いと塩辛くなり、洗い流す手間が増えて、味も抜けます。1%は、洗わずにそのまま押さえて甘酢に入れられる、ちょうどの量です。

お店では、塩もみのあとに一度も水で洗いません。洗うと大根の甘みまで流れるからです。1%を守っていれば、洗う必要はありませんよ。

置く時間は10分・長くても20分

10分でしんなり、20分でくたっとします。なますはシャキッとが命なので、10分で押さえるのがオススメです。

甘酢の黄金比:酢2:砂糖1に、塩ひとつまみ

紅白なますの甘酢の黄金比早見表(酢2対砂糖1・大根の量別の分量)

なますの甘酢は、酢2:砂糖1(容量)に塩ひとつまみ。これだけ覚えておけば、大根の量が変わっても対応できます。

大根+にんじん 塩もみの塩(1%) 砂糖
300g(大根270g・にんじん30g) 3g(小さじ1/2) 大さじ3 大さじ1と1/2 ひとつまみ
500g(大根450g・にんじん50g) 5g(小さじ1弱) 大さじ5 大さじ2と1/2 ふたつまみ
1kg(大根900g・にんじん100g) 10g(小さじ2) 大さじ10(150ml) 大さじ5 小さじ1/4

※砂糖はキビ糖でも同量です。私はお店でもキビ糖派で、色がほんのり琥珀になります。

砂糖は先に溶かす

酢に砂糖を入れて、よく混ぜて完全に溶かしてから和えてください。溶けきらない砂糖が底に沈むと、上は酸っぱく、下は甘い、というなますになります。溶けにくければ、耐熱容器で20秒ほど温めると早いです。

酸味をやわらげたいなら、だしを足す

酢の角が気になるなら、酢の1/3量をだし(昆布だし)に置き換えます。酢大さじ3なら、酢大さじ2+だし大さじ1。お店のなますはこの配合で、子どもや高齢の方にも食べやすい味になります。

逆に、寿司屋らしいキリッとした味にしたい日は、だしなしで。同じ黄金比で、酸味の立ち方が変わります。

お店の紅白なますのレシピ

紅白なますの作り方6ステップ工程図(切る・塩もみ・押さえる・甘酢を溶かす・和える・半日なじませる)


~材料(6人分・作りやすい量)~

・大根…450g(真ん中の部分・皮を厚めにむいて)
・にんじん…50g
・塩(塩もみ用)…5g(小さじ1弱)
【甘酢】
・酢…大さじ5
・キビ糖(または砂糖)…大さじ2と1/2
・塩…ふたつまみ
・ゆずの皮(あれば)…少々

~作り方~

①大根は4〜5cm長さに切り、皮を厚めにむき、繊維に沿って縦に薄切りにしてから千切りにする
②にんじんは大根より一段細く千切りにする
③大根とにんじんを別々のボウルに入れ、それぞれに塩をふって軽く混ぜ、10分置く
④ざるに広げ、手のひらで上から押さえて水気を切る(絞らない・八分絞り)
⑤甘酢の材料を混ぜ、砂糖が完全に溶けるまでよく混ぜる
⑥大根とにんじんを甘酢で和え、清潔な保存容器に汁ごと入れる
⑦冷蔵庫で半日なじませて完成。盛るときにゆずの皮のせん切りを散らす

ポイントは⑦の「半日」です。和えた直後は酢が立って酸っぱく感じますが、半日で大根に甘酢がなじんで、角が取れます。おせちに詰める前日に作るのが、味の面でもちょうどいいんですよね。

半日なじませて紅と白がきれいに分かれた紅白なますの一本ずつの寄り

失敗と対策:紅白なますでよくある3つ

紅白なますの失敗と対策3つの図解(水っぽい・酸っぱすぎる・にんじんの色が移る)

お店で新人に教えるときも、失敗はこの3つに集まります。

  • 水っぽくて味がぼやける
    原因は繊維を断って切ったか、塩が1%に足りないか、押さえ不足か
    繊維に沿った千切り、1%の塩、10分、押さえる。この4つのどれかが抜けています。できてしまった分は、汁を捨てて、甘酢を少量だけ足して和え直すと戻ります。
  • 酸っぱすぎる
    原因は砂糖が溶けていないか、和えてすぐ食べたか
    砂糖を先に完全に溶かす。和えたら半日待つ。それでも強ければ、だしを少し足して薄めます。酢を煮切る(ひと煮立ちさせてから冷ます)と、ツンとした角が取れて、子どもにも食べやすくなります。
  • 全体がピンクになって、にんじんの匂いが勝つ
    原因はにんじんが多いか、大根と一緒に塩もみしたか
    比率は10:1(多くて5:1)。塩もみと押さえは別々に。和える直前に合わせれば、紅と白がきれいに分かれたまま仕上がります。

日持ちと保存:冷蔵4〜5日、29日に作って31日に詰める

29日に作って30日になじませ31日に詰める紅白なますの日持ちと冷蔵4から5日の保存の図解

紅白なますは、酢と砂糖のおかげで、おせちの中では日持ちがする部類です。

清潔な保存容器に汁ごと入れ、冷蔵庫で4〜5日が目安。取り分けるときは、そのつど清潔な箸を使ってください。一度口をつけた箸を戻すと、日持ちは一気に短くなります。

お店の型は「29日に作って、30日になじませ、31日に詰める」。三が日に、ちょうど味が落ち着いた状態で食べられます。

重箱に詰めたあとにも線があります。暖房の効いた部屋に重箱を出しっぱなしにすると、なますも例外なく傷みやすくなるので、食事のあいだだけ出して、残りは重箱ごと冷蔵庫へ。三が日は「出す・戻す」を繰り返すのが、お店でも家でも同じ作法です。汁が減ってきたら、残しておいた甘酢を少し足すと、最後まで味が保てますよ。

冷凍はオススメしません

千切りの大根は冷凍すると細胞が壊れ、解凍で水が出て、シャキッと感がなくなります。どうしても残るなら、汁ごと袋に入れて2週間を目安に。解凍したものは、なますとしてではなく、刻んで炒め物や酢豚の甘酢代わりに使うと無駄になりません。

だしを足した甘酢は、日持ちが短くなる

だしを加えた分は、酢の割合が下がるので、冷蔵3日を目安にしてください。だし入りにするなら、食べる分だけ作るのがオススメです。

★寿司職人20年のコツ:ゆず釜に盛ると、皮の香りが最後まで続く
おせちに詰めるとき、お店ではゆずの実をくり抜いて「ゆず釜」にして、そこになますを盛ります🥢
ゆずの皮のせん切りを混ぜ込むより、器から香りが立ち続けるので、三が日の最後まで香りが飛びません。
くり抜いた果汁は、甘酢の酢の一部に置き換えて。酢大さじ5のうち大さじ1をゆず果汁にすると、寿司屋のなますの香りになります。
ゆず釜がなければ、ゆずの皮を1cm角に切って2〜3枚のせるだけでも十分ですよ。

栄養士から見た紅白なます:おせちの中の、いちばん軽い一品

なます1人前は大根50gとにんじん5gで約20kcalと食塩相当量0.4g前後の数字の図解

★栄養士のワンポイント:1人前約20kcalで、口直しの役目を果たす
八訂の成分表では、大根(皮つき・生)は100gで約15kcal・食物繊維1.4g。にんじんは100gで30kcal台です🥢
なます1人前(大根50g・にんじん5g・甘酢)で約20kcal、食塩相当量は塩もみを洗い流さない作り方でも0.4g前後が目安。栗きんとんや黒豆と並ぶと、おせちの中でいちばん軽い一品です。
砂糖はキビ糖に替えても量は同じなので、甘さを控えたい日は、砂糖を2割減らして、だしで補うと味が立ちます。
厚生労働省の食塩目標量(2025年版・成人男性7.5g・女性6.5g未満/日)から見ても、おせちの箸休めとして安心して量を食べられる位置にあります。
★栄養士のワンポイント:アレルギーの先回り
紅白なますの基本材料は大根・にんじん・酢・砂糖・塩で、特定原材料は含みません🥢
ただし、だしを足す場合は昆布やかつお(さば節を含む製品があります)、いくらや柿をのせるアレンジでは魚卵や果物が加わります。ご家族やお客様に出すときは、この料理に使う材料を確かめておくと安心です。

高齢者や子供にやさしい紅白なます

高齢の方には2から3cmに短く細く切り汁を切って2歳以下は酢を半量にする紅白なますの目安

★現役介護士のコツ:短く細く、酢は薄めに、汁は切って
私は栄養士で、現役の介護士でもあります。
千切りの大根は繊維が長く、噛む力が弱い方には口に残りやすい食材です。高齢の方には、長さを2〜3cmに短く、太さはいつもより細く切り、塩もみを15分に伸ばしてやわらかくしてください。
酢の物は、酸味の刺激でむせることがあります。汁をよく切って盛り、だしを足した甘酢でやわらげると安心です。ゆずの皮は口に残るので、入れないか、すりおろしで香りだけを。
2歳以下のお子さんには、酢を半量にしてだしで置き換え、大根を細かく刻んで、少量から。酸味に慣れていないので、最初は「ほんのり」で十分です。
飲み込みが弱い方には、細かく刻んだなますに、とろみをつけただしをかける形も。無理をせず、なますの甘酢で大根をやわらかく煮た「なます風の煮物」に置き換える日があっていいんです。

紅白なますのレシピでよくある質問

Q1.酢はどの酢を使えばいい?

米酢がオススメです。穀物酢よりまろやかで、大根の甘みとなじみます。寿司屋ではすし酢用の米酢を使いますが、家庭の米酢で十分。りんご酢でも作れますが、香りが少し洋風になります。

Q2.スライサーで切ってもいい?

大丈夫です。ただし、大根を縦方向に当てて、繊維に沿って切ってください。横に当てると繊維が切れて水が出ます。スライサーの千切りは太さがそろうので、初めての方にはむしろオススメです。

Q3.塩もみのあと、水で洗ったほうがいい?

塩が1%なら洗いません。洗うと大根の甘みも流れます。塩を入れすぎたときだけ、さっと水にくぐらせて、しっかり押さえてください。

Q4.いつ作るのがいい?

食べる前日です。和えてから半日で甘酢がなじみ、角が取れます。おせちなら29日か30日に作り、31日に詰めれば、三が日にちょうど食べごろになります。

Q5.アレンジは?

定番はゆず。ほかに、干し柿を細く切って混ぜると甘みが増して正月らしくなります。いくらを少しのせると、紅白に赤が差してごちそう感が出ます。柿もいくらも、のせるのは食べる直前に。

Q6.甘酢が余ったら?

清潔な瓶で冷蔵1週間ほど持ちます。きゅうりやかぶの浅漬け、焼き魚の南蛮酢、酢豚の甘酢の代わりに。おせちのあと、正月明けの箸休めに回してくださいね。

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まとめ。。。

黒い漆の重箱に詰めた紅白なますと砥部焼の小鉢に取り分けたなますが並ぶイメージ

  • 大根10:にんじん1
    にんじんは「紅」を差す程度。多いと匂いと色が勝つ。
  • 繊維に沿って千切り
    縦に薄切り→重ねて縦に千切り。水が出ない切り方。
  • 塩は野菜の重さの1%・10分
    洗わずそのまま甘酢へ。
  • 絞るな、押さえろ
    八分絞りで、シャキッとが残る。大根とにんじんは別々に。
  • 甘酢は酢2:砂糖1に塩ひとつまみ
    砂糖は先に完全に溶かす。酸味をやわらげるなら1/3をだしに。
  • 和えたら半日
    前日に作って、当日なじんだところを詰める。
  • 冷蔵4〜5日・清潔な箸
    29日に作って31日に詰める。冷凍は食感が落ちる。
  • 高齢の方と子どもは短く細く、酢は薄めに
    汁を切って出す。ゆず皮は入れないか、すりおろしで。

皆さん、紅白なます、今年は自信を持って作れそうですか?

切って、塩をして、押さえて、和える。手順は四つしかないのに、寿司屋で最初に厳しく教わったのがこの小鉢でした。理由は、隠れる場所がないから。素材と手の仕事が、そのまま味に出るんですよね。

おせちの重箱の隅に、あなたの手で作った紅白を🌸

最後までお読みいただきありがとうございました。フッくんでした!

作り方(極秘レシピ)
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