料理研究家、料理大好きフッくんです。
鶏の出汁に、肉も魚介も野菜も。力士の鍋、ちゃんこ鍋 🥢
いざ作ろうとして「何を入れればいいのか」「寄せ鍋と何が違うのか」「魚と鶏を一緒に入れていいのか」ということ、ありませんか?
正直に言うと、ちゃんこ鍋は「鶏の出汁に、何でも入れていい鍋」です。寄せ鍋との違いは、土台が鶏であること。そこさえ守れば、魚介も豚も餃子も、全部がちゃんこになります。
こんなお悩み、ありませんか?
- 定番の具材が分からない
鶏もも、鶏団子、白菜、長ねぎ、豆腐。この5つで形になります。 - 魚介を鶏と一緒に入れていいのか迷う
入れてください。ちゃんこは、鶏の出汁に魚介を重ねる鍋です。 - 醤油・塩・味噌、どれに何が合うのか
味付けごとに向く具があります。早見表にしました。 - いつも同じで飽きる
変わり種を一つ足せば、別の顔になります。
現役料理人20年・栄養士。店で冬になると毎日仕込んでいたちゃんこ鍋の、具の選び方から書いていきますね。

ちゃんこ鍋の具材は「鶏の出汁に何でも」

結論から言いますね。ちゃんこ鍋の具材は、鶏の出汁を土台にして、魚介も肉も野菜も重ねるという考え方で選びます。
ちゃんこは、もともと相撲部屋で力士が食べる料理ぜんぶを指す言葉です。鍋に限らず、カレーもとんかつも「ちゃんこ」。その中で鍋が代表になったのは、大人数に一度に、たんぱく質と野菜をたっぷり出せるからです。力士の体を作る鍋。だから具は多く、量も多い。
相撲部屋のちゃんこで鶏が定番になったのには縁起の理由があり、その話と鶏団子の黄金比は献立の記事に詳しくまとめてあります。この記事で押さえたいのは、鶏が土台だからこそ、上に何を乗せても味がまとまるということ。鶏の出汁はくせがなく、魚介の出汁とも豚の脂とも喧嘩しません。寄せ鍋は魚介の出汁が土台なので、豚を入れると生臭さが立つことがあるんですが、ちゃんこにはそれがない。
だから具材選びの考え方は、まず鶏。次に、その日の気分で魚介か肉。最後に野菜を山ほど。この順番で選べば、何を入れても「ちゃんこ」になります。逆に鶏を外すと、それは寄せ鍋か水炊きになってしまう。鶏だけの鍋は水炊きの具材の記事にまとめてあるので、この記事は「鶏に何を重ねるか」に絞って書きますね。
具材選びの3つの考え方

店でちゃんこを仕込むとき、私は具材を3つの役割で見ていました。「鶏の出汁・その日の主役・野菜の山」。ちゃんこは具が多い鍋なので、役割を決めておかないと、鍋の中がごちゃごちゃになります。
①鶏で、出汁を作る
鶏もも・鶏団子・手羽先から、二つ。鶏ももか手羽先のどちらかは、最初から煮て出汁を取る。鶏団子は出汁が出てから入れます。ここが土台です。
②その日の主役を、一つ足す
たら・鮭・えびの魚介か、豚バラ・餃子の肉か。魚介の日か、肉の日か、どちらかに寄せると、鍋の顔が決まります。両方入れると力士の大鍋になりますが、家庭の鍋では濁ります。
③野菜を、山ほど・途中足しで
白菜・長ねぎ・春菊・きのこ。ちゃんこは野菜を一度に全部入れず、食べながら足していく鍋です。だから野菜は多めに用意して、最初は半分だけ。
味付け別・合う具の早見表
ちゃんこには醤油・塩・味噌の3つの味付けがあって、味付けで向く具が変わります。ここは他の鍋にない、ちゃんこだけの表です。
| 味付け | 向く主役 | 向く野菜 | ここが大事 |
|---|---|---|---|
| 醤油ちゃんこ | 鶏もも・鶏団子・豚バラ | 白菜・長ねぎ・しいたけ・油揚げ | いちばん基本。何でも受け止める |
| 塩ちゃんこ | 鶏団子・たら・えび・ほたて | 白菜・水菜・えのき・にんじん | 魚介の日に。鶏の出汁が透ける |
| 味噌ちゃんこ | 鶏もも・鮭・豚バラ・餃子 | キャベツ・もやし・にら・春菊 | 肉の日に。にんにくとバターが合う |
定番の具材10選

まずは土台になる10です。この10には、どれも鶏の出汁と喧嘩せず、煮るほど出汁を吸って甘みを返すという共通点があります。相撲部屋のちゃんこで、部屋を問わず入っている顔ぶれですね。
全部そろえる必要はありません。この中から5〜6つ選べば、ちゃんこの顔になります。
鶏もも肉——出汁の土台
ちゃんこの主役です。皮つきのもも肉を3cm角に切って、水から煮て、出汁を取りながら火を通す。皮の脂がスープに溶けて、鶏のコクになります。
鶏は、中心まで75℃で1分以上、しっかり火を通してください。新鮮な鶏でも、生焼けで食べると、カンピロバクターという細菌でお腹を壊すことがあり、まれにギラン・バレー症候群という重い病気につながることもあります。鍋だから安心、ではなく、塊を一つ割って、中心まで白くなっているかを確かめてから取り分けてください。
鶏団子——ちゃんこの顔
鶏ひき肉に卵・片栗粉・しょうがを混ぜた団子は、ちゃんこの顔です。ふわふわに仕上げる黄金比は献立の記事に詳しく書いたので、ここでは具としての扱いだけ。鶏の出汁が出てから、スプーンで落とし入れる。浮いてきてから3分、鶏団子は一つ割って中心まで火が通ったかを確かめます。
そして鶏団子は丸い形です。5歳ごろまでのお子さんには、小さく割ってから。消費者庁が示している「丸くてつるんとしたもの」の線です。
白菜——出汁を吸う土台
ちゃんこでいちばん量が多い野菜です。芯は薄くそぎ切りにして先に、葉はあとから。芯と葉で火の通りが違うので、分けて入れると両方ちょうどよくなります。白菜の保存はこちらの記事に。
長ねぎ——香りの担当
斜め切りにして、鶏と一緒に最初から。長ねぎの甘みが鶏の出汁に溶けて、ちゃんこの「和の鍋」の輪郭を作ります。青い部分も刻んで。
木綿豆腐——崩れにくく、出汁を含む
ちゃんこは長く煮る鍋なので、絹より木綿。大きめに切って、鶏の出汁が出てから。木綿は煮るほど出汁を含んで、鶏の味になります。
しいたけ——出汁の二段目
軸を取って、笠に十字の切り込みを。鶏の出汁にしいたけの出汁が重なって、スープの奥行きが一段深くなります。干ししいたけの戻し汁を足すと、店の味に近づきます。
えのき——とろみを返す
根元を落としてほぐし、最後の5分で。えのきの粘りがスープに移って、口当たりがやさしくなります。高齢のご家族には、3cmに切ってから。
油揚げ——出汁を吸って、じゅわっと
熱湯をかけて油抜きしてから、短冊に。鶏の出汁を吸って、ひと口ごとにスープが出る具になります。醤油ちゃんこにとくに合います。
にんじん——彩り
薄い輪切りか、ピーラーで薄く。醤油色の鍋に、オレンジが一つあるだけで印象が変わります。薄くすれば、最初から煮なくても5分で火が通ります。
春菊——最後の30秒
火を止める直前に入れて、しんなりしたら食べどき。春菊の香りが、鶏の脂をすっきりさせます。長く煮ると苦みが出るので、短く。
魚介の具材5選

「鶏の鍋に魚を入れていいのか」と迷う方が多いのですが、ちゃんこは鶏の出汁に魚介を重ねる鍋です。相撲部屋でも、鶏の出汁にたらや鮭を入れるのは普通のこと。鶏の出汁はくせがないので、魚介の出汁と喧嘩しません。
ただし魚介は、加熱の合図がそれぞれ違います。具ごとに書いておきます。
たら——塩ちゃんこの主役
たらは淡白ですが、鶏の出汁の中で身がほぐれて、全体のうま味になります。切り身を3等分にして、根菜が煮えてから5分。骨を確かめてから取り分けてください。たらを入れた日は、鍋をその日のうちに食べきります。
鮭——味噌ちゃんこの主役
鮭の脂と味噌は、石狩鍋の組み合わせです。味噌ちゃんこに鮭を入れると、石狩鍋に鶏の出汁を足した鍋になります。切り身を3等分にして、最後の5分で。骨を確かめて。
えび——殻つきで、出汁ごと
殻つきのまま入れると、殻から出汁が出ます。背わたは取って。白く不透明になって、身が丸まったら火が通っています。最後の3分で。
ほたて——貝の出汁が鶏に重なる
ボイルほたてなら、最後に2分温めるだけ。貝の出汁と鶏の出汁は相性がよく、塩ちゃんこがいちばん映えます。生の貝柱なら、白く不透明になるまで。
いわしのつみれ——「二色団子」に
市販のつみれでも、いわしのすり身を丸めても。鶏団子といわしのつみれを並べると、ちゃんこらしい「何でも」の顔になります。浮いてきてから3分。つみれも丸い形なので、お子さんには小さく割ってから。
変わり種の具材7選

「いつも同じ」を抜けるための7つです。ただし、ここで一つ線を引かせてください。変わり種は、鶏の土台に一つ足すつもりで選ぶこと。ちゃんこは何でも受け止める鍋ですが、変わり種を三つ入れると「何の鍋か分からない鍋」になります。
豚バラ薄切り——鶏と豚の「二本立て」
鶏の出汁に豚バラを重ねると、脂が二段になってコクが出ます。味噌ちゃんこの、いちばんの変わり種です。4〜5cm幅に切って、鶏の出汁が出てから。色が変わって透明な汁が出るまで煮てください。
手羽先——出汁が一段濃くなる
鶏ももの代わりに、または一緒に。骨から出汁が出るので、手羽先を入れた日はスープが白っぽく濃くなります。水から30分煮て、それから他の具を。高齢のご家族には、骨は外して身だけを。
市販の餃子——〆の前の腹ごしらえ
冷凍餃子をそのまま、鶏の出汁が出てから5分。皮がもちっとして出汁を吸います。味噌ちゃんこに合います。中まで熱くなるまで。
さつま揚げ——練り物の出汁
ひと口大に切って、最初から。練り物の出汁が鶏に重なって、おでんのような深さが出ます。塩気があるので、醤油は控えめに。
キャベツ——味噌ちゃんこの白菜代わり
味噌とキャベツは、回鍋肉と同じ組み合わせです。味噌ちゃんこの日は、白菜をキャベツに替えると、甘みが立ちます。ざく切りで、芯は薄く。
トマト——酸で鶏をさっぱり
くし切りにして、最後の3分。鶏の脂をトマトの酸がすっきりさせます。塩ちゃんこに一つ入れると、洋風の顔になります。ミニトマトを使うなら、丸いので4つに切って。
キムチ——鍋には入れず、取り皿で
味噌ちゃんこにキムチを合わせる方は多いのですが、鍋に入れると全部が辛くなって、子どもや高齢のご家族が食べられません。取り皿にキムチを置いて、鍋の具をつけて食べる。この形なら、辛い人と辛くない人が同じ鍋を囲めますよ。
店で親方に言われたのが、「ちゃんこは何でも入る。せやから、何でも入れたらあかん」という一言でした。足す楽しみは、一つずつがちょうどいいんですよね。
〆の3選——鶏の出汁がいちばん活きる

ちゃんこの〆は、鶏の出汁がいちばん活きる場面です。肉も魚介も野菜も溶けたスープは、それだけで一品。ここでは3つだけ挙げておきます。
雑炊——卵でとじて
残ったスープにごはんを入れて、溶き卵を回し入れる。相撲部屋でもいちばんの定番です。ごはんは洗ってぬめりを取ってから。
うどん——別ゆでして
ゆでうどんを別鍋で温めて、スープに入れて1分。醤油ちゃんこに合います。鍋に直接入れると、スープがうどんの粉で濁ります。
ラーメン——塩ちゃんこに
中華麺を別ゆでして、塩ちゃんこのスープに。鶏の出汁の塩ラーメンになります。こしょうをたっぷり。
具材ごとの下ごしらえと、入れる順番

ちゃんこでいちばん大事なのは、鶏を水から煮て、出汁を先に作ることです。鶏ももや手羽先を、水とだし昆布と一緒に火にかけて、沸いたらアクを取って15分。ここで鶏の出汁ができてから、他の具を入れます。最初から全部入れると、鶏の出汁が出る前に野菜が煮えすぎてしまう。
そしてもう一つ、野菜は途中足し。ちゃんこは食べながら野菜を足していく鍋なので、白菜も春菊も、最初は半分だけ。減ってきたら足す。こうすると最後まで野菜がくたっとせず、スープも濃くなりすぎません。
| 入れるタイミング | 具材 | 下ごしらえ |
|---|---|---|
| 水から(出汁を取る) | 鶏もも・手羽先・長ねぎ・白菜の芯・にんじん・さつま揚げ | 鶏は3cm角。沸いたらアクを取る |
| 出汁が出てから(15分後) | 鶏団子・いわしのつみれ・木綿豆腐・しいたけ・油揚げ・豚バラ・餃子・たら・鮭 | 団子は落とし入れて浮くまで。魚は骨を確かめて |
| 最後の3〜5分 | えび・ほたて・えのき・トマト・白菜の葉・キャベツ | えびは背わた、えのきは根元を落とす |
| 火を止めてから | 春菊・水菜 | しんなりしたら食べどき |
ちゃんこの出汁が薄い原因は、沸いた湯に鶏を入れていることです。表面が先に固まって、出汁が出ません。
水と昆布と鶏を一緒に火にかけて、沸いたらアクを取って15分。これで鶏の出汁ができます。
親方の言葉は「出汁は、鶏と水を一緒に育てるもんや」でした。
私のお店の組み合わせ例

店で実際に出していた組み合わせを、味付け別に3つご紹介します。鶏2種+その日の主役1+野菜4〜5種、という形は同じで、味付けと主役だけ変えています。
醤油ちゃんこ——普段の晩ごはん
鶏もも・鶏団子・白菜・長ねぎ・木綿豆腐・しいたけ・油揚げ・春菊。いちばん基本の形です。醤油とみりんで味を決めて、油揚げが出汁を吸う。
塩ちゃんこ——魚介の日
鶏もも・鶏団子・たら・えび・白菜・水菜・えのき・にんじん。鶏の出汁に魚介を重ねて、塩だけで味を決める。鶏の出汁が透けて見える鍋です。魚介を入れた鍋は、その日のうちに食べきってください。
味噌ちゃんこ——肉の日
鶏もも・鶏団子・豚バラ・キャベツ・もやし・にら・餃子。味噌ににんにくを少し、仕上げにバターをひとかけ。力士の大鍋にいちばん近い、食べごたえの形です。
何でも入る鍋だからこそ、つい何でも入れたくなります。でも8種を超えると、鶏の出汁が消えて、何の鍋か分からなくなります。
鶏2・主役1・野菜4〜5。合計7〜8種。
迷ったら減らしてください。鶏もも・鶏団子・白菜・長ねぎだけでも、立派なちゃんこです。
基本のちゃんこ鍋の作り方(4人分)
具材が決まったら、作り方は一つです。ちゃんこ鍋の作り方の記事はまだないので、この記事の具材でそのまま作れる手順を、醤油ちゃんこで短くまとめておきますね。ポイントは、鶏を水から煮ることと、野菜の途中足しだけです。
材料(4人分)
鶏もも肉 300g/鶏ひき肉 200g(鶏団子用・卵・片栗粉・しょうが・味噌は献立の記事の黄金比で)/白菜 400g/長ねぎ 1本/木綿豆腐 1丁/しいたけ 4枚/えのき 1袋/油揚げ 1枚/にんじん 1/3本/春菊 1/2束
水 1.2L/だし昆布 10cm/醤油 大さじ2/みりん 大さじ1/塩 小さじ1/2
手順
①鍋に水・昆布・3cm角の鶏もも・長ねぎ・白菜の芯・にんじんを入れて火にかける。沸いたらアクを取って15分
②醤油・みりん・塩で味を決め、鶏団子をスプーンで落とし入れる。豆腐・しいたけ・油揚げも。浮いてから3分
③白菜の葉の半分・えのきを加えて5分。減ってきたら残りの白菜を足す
④春菊を入れて火を止める
⑤鶏団子を一つ割って、中心まで火が通っているか確かめる(75℃で1分以上)
※熱い鍋です。お子さんや高齢の方には、器に取って少し冷ましてからお出しください。
ちゃんこ鍋の具材選びで避けたいこと3つ

選び方の話をしてきましたが、やってしまいがちなことも3つだけ書いておきます。どれも私が店で一度はやって、親方に直された失敗です。
- 沸いた湯に鶏を入れる
表面が固まって出汁が出ません。鶏は水から、昆布と一緒に。 - 魚介も豚も餃子も、全部入れる
鶏の出汁が消えます。魚介の日か、肉の日か。どちらかに寄せてください。 - 野菜を最初に全部入れる
くたくたになって、スープが薄まります。野菜は半分ずつ、食べながら足す。
ちゃんこ鍋の栄養と、家族への出し方

ちゃんこ鍋のいいところは、鶏もも・鶏団子・豆腐・油揚げと、たんぱく質が一度にたくさんとれることです。力士の体を作ってきた鍋なので、当然といえば当然ですね。しかも野菜が山ほど一緒に入る。
1人前を計算すると、1人前で約370kcalです。内訳はこうなります。
- 鶏もも(皮つき)75gが約143kcal
- 鶏団子(鶏ひき肉50g)が約86kcal
- 木綿豆腐75gが約55kcal
- 油揚げ7.5gが約28kcal
- 白菜100g・長ねぎ25g・しいたけ15g・えのき25g・にんじん15g・春菊20gを合わせて約44kcal
- 醤油とみりんで約18kcal
意外なのは、数字の6割が鶏もも・鶏団子だということ。野菜は山ほど入れても45kcal足らず。軽くしたいなら、鶏ももを皮なしにするか、鶏団子の量を減らして豆腐を増やすのが効きます。
塩分は、1人前で約2.4gです。内訳はこうなります。
- 醤油大さじ2を4人で分けて約1.3g
- 塩小さじ1/2を4人で分けて約0.8g
- だし昆布で約0.3g
醤油ちゃんこは醤油に塩分が集まるので、さつま揚げや油揚げを入れる日は、醤油を大さじ1半に減らしてください。塩ちゃんこのほうが、意外と塩分は控えやすいです。
食塩相当量の目標量は、厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」で成人男性7.5g未満・成人女性6.5g未満/日です。塩分や糖分の指示を受けている方は、かかりつけの先生の指示を優先してくださいね。
出す前に確かめておきたいのが特定原材料です。ちゃんこ鍋には、特定原材料8品目(2025年4月くるみ追加・現在えび/かに/小麦/そば/卵/乳/落花生/くるみ)のうち卵(鶏団子)・小麦(醤油・餃子・うどん・さつま揚げ)・えび(入れる場合)・乳(味噌ちゃんこのバター)、また特定原材料に準ずる鶏肉・豚肉・さけ・大豆(豆腐・油揚げ・醤油・味噌)を使うことがあります。さつま揚げ・餃子・つみれは、製品によって原材料が大きく変わるので、パッケージの表示を見てくださいね。
軽くするなら、鶏ももを皮なしに。鶏団子を減らして豆腐を増やす。
練り物を入れる日は、醤油を大さじ1半に。塩ちゃんこのほうが塩分は控えやすい。
※文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」を参考にした概算値です。
高齢者や子供にやさしいちゃんこ鍋の具材

ちゃんこは、相撲部屋の鍋だからこそ、家族の鍋に向いています。大人数で、年齢の違う人が同じ鍋を囲む前提で育った料理なんですね。具を選ぶだけで、誰にでも出せます。
ただしちゃんこには、気をつけどころが2つあります。丸い具が多いこと(鶏団子・つみれ・ミニトマト)と、骨のある具(手羽先・たら・鮭)です。
高齢のご家族に出すとき
手羽先は、骨を外して身だけを。たらと鮭は骨を確かめて。鶏団子は、献立の記事の黄金比に豆腐を少し混ぜると、やわらかくなります。えのきは3cmに切って、白菜の葉は芯を外して。
ちゃんこのスープは鶏の出汁がしっかりしているので、薄味でも満足感が出ます。塩を控えたいときは、醤油を減らして、しいたけと昆布の出汁を足す。うま味で塩分を補う、介護の現場でもいちばん使う手です。
お子さんに出すとき
鶏団子といわしのつみれは、5歳ごろまで小さく割ってから出してください。丸くてつるんとしたものは、のどに詰まりやすい形です。ミニトマトは4つに。キムチは鍋に入れず取り皿にすれば、辛くない鍋を子どもと一緒に囲めます。
熱い鍋なので、器に取ってから少し冷まして。1歳未満のお子さんには出しません。
私は現役介護士でもあります。
鶏団子・つみれ・ミニトマト。ちゃんこには丸い具が集まります。鍋に入れる前に全部割っておけば、取り分けのときに迷いません。
ちゃんこ鍋を、鶏団子と豆腐の煮物ひと椀に置き換える日があっていいと思っています。同じ鶏の出汁の味が届きます。
ちゃんこ鍋の具材でよくある質問
読者の方からよくいただく質問を、まとめておきますね。
Q1.寄せ鍋や水炊きと何が違う?
土台が鶏の出汁であること、そして魚介も肉も同居させていいことです。水炊きは鶏だけ、寄せ鍋は魚介の出汁が土台。ちゃんこは鶏の出汁に何でも重ねます。
Q2.魚と鶏を合わせても生臭くない?
なりません。鶏の出汁はくせがなく、魚介の出汁と喧嘩しないからです。ただし魚介を入れた鍋は、その日のうちに食べきってください。
Q3.醤油・塩・味噌、どれが基本?
醤油です。何でも受け止めます。魚介の日は塩、肉の日は味噌に寄せると、鍋の顔がはっきりします。
Q4.具材は何種類入れればいいですか?
7〜8種が目安です。鶏2、主役1、野菜4〜5。それ以上は鶏の出汁が消えます。
Q5.残ったら冷凍できますか?
魚介を入れた鍋は、その日のうちに。鶏と野菜だけなら、粗熱を30分以内に取って冷蔵2日。豆腐と白菜は冷凍に向かないので、冷凍するならスープと鶏団子だけ。再加熱は中心まで75℃で1分以上、再冷凍は避けてくださいね。
“おいしい”は、全部が重なること
ちゃんこ鍋の具材を考えるとき、私は四つの軸で見ています。鶏の出汁、その日の主役のうま味、白菜の甘み、そして最後に入れる春菊の香り。
ちゃんこは、一つの具で完成する鍋ではありません。鶏だけでは水炊きになり、魚介だけでは寄せ鍋になってしまう。鶏の出汁の上に、その日の主役が重なって、野菜が山ほど溶けるから、ひと口ごとに表情が変わる。だから具材を「土台と主役」で選ぶのが、この鍋のいちばんの近道だと思っています。
この四つが同じ鍋の中で重なった瞬間が、私の思う「おいしい」です。相撲部屋の大鍋が、家庭の冬の鍋になって食卓に来た。鶏を水から煮て出汁を作ることは、その大鍋の知恵を受け継ぐことなんだと思っています。
献立と鶏団子の黄金比、水炊きの具材の記事も、あわせてご覧くださいね。
まとめ。。。

ちゃんこ鍋の具材を、最後にもう一度まとめますね。
- 土台は鶏。鶏ももか手羽先を、水から煮る
沸いた湯に入れると出汁が出ません。昆布と一緒に15分。 - 魚介も肉も同居していい。ただし、その日はどちらか
魚介の日は塩、肉の日は味噌に寄せる。 - 野菜は山ほど、半分ずつ途中足し
最初に全部入れると、くたくたになってスープが薄まります。 - 味付けで向く具が変わる。醤油は何でも、塩は魚介、味噌は肉
味噌の日は白菜をキャベツに。 - 変わり種は一つまで。キムチは取り皿で
何でも入る鍋だから、何でも入れない。 - 鶏は75℃で1分以上。団子は一つ割って確かめる
新鮮な鶏でも生焼けは避ける。 - 丸い具(鶏団子・つみれ・ミニトマト)は5歳ごろまで割る
骨のある具(手羽先・たら・鮭)は骨を確かめて。 - 魚介を入れた鍋は当日。鶏と野菜なら冷蔵2日
冷凍するならスープと鶏団子だけ。
ちゃんこ鍋って、「何でも入れていい」と聞くと逆に迷う鍋なんですよね。何でもいいなら、何を入れればいいのか分からなくなる。
親方の「ちゃんこは何でも入る。せやから、何でも入れたらあかん」という言葉は、ちゃんこに限らず、自由度の高い料理ぜんぶに効く考え方だと思っています。そして鶏を水から煮て、出汁を先に作る——これを知ってから、ちゃんこで迷わなくなりました。
今日は、鶏を沸いた湯ではなく、水から煮てみてくださいね。
フッくんでした!
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