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お雑煮の具材と地域別の違い!関東・関西・九州の定番を料理人が完全解説

お雑煮の具材と地域別の違い
この記事は約12分で読めます。

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料理研究家、料理大好きフッくんです。

お正月の朝の一杯、お雑煮。
同じ「お雑煮」なのに、家によって、地域によって、中身がまるで違いますよね。

実は、お雑煮の具材ほど「わが家の当たり前」が分かれる料理はありません。
こんなお悩み、ありませんか?

  • 何を入れればいいのか迷う
    実家の味を思い出せず、定番の具材が分からない。
  • 相手の地域のお雑煮を作りたい
    結婚して、夫婦で育ったお雑煮が違うことに気づいた。
  • 具材に意味があるなら知りたい
    里芋や小松菜に、どんな願いが込められているのか気になる。

この記事では、現役料理人20年・寿司職人20年の私が、お雑煮の具材を地域別にまとめてお伝えします。
関東・関西・九州の定番から、ご当地の変わり種、具材の縁起、入れる順番、そして餅の安全まで、順番に見ていきましょう。

関東・関西・九州のお雑煮

お雑煮の具材は「餅・汁・具」で決まる

お雑煮の違いは、大きく分けて3つの組み合わせで決まります。
餅の形と調理法、汁の味つけ、そして一緒に入れる具です。
この3つを押さえると、どの地域のお雑煮もすっきり整理できます。

  • 餅:角餅か丸餅か、焼くか煮るか
    東は角餅を焼き、西は丸餅を煮るのが大きな傾向です。
  • 汁:すまし汁か白味噌か
    全国ではすまし汁が多く、関西を中心に白味噌仕立てが広がります。
  • 具:その土地の産物
    海の近くは魚介、山あいは根菜や青菜と、土地の恵みが椀に入ります。

角餅と丸餅の境目は、岐阜の関ヶ原あたりとよく言われます。
私は大阪で、白味噌の丸餅で育ちました。
だからこそ、よその土地のお雑煮を知るたびに、同じ正月でもこんなに違うのかと驚かされます。

お雑煮の早見表——関東は角餅、関西は丸餅

お雑煮の具材の地域別早見表

まずは、関東・関西・九州の代表的なお雑煮を表にまとめました。
同じ地域の中でも家ごとに違いはあるので、「よくある形」として見てください。

地域 餅 汁 主な具材
関東 角餅を焼く すまし汁(かつお昆布だし) 鶏肉・小松菜・かまぼこ・三つ葉・ゆずの皮
関西 丸餅を煮る 白味噌仕立て(昆布だし) 里芋(頭芋・小芋)・大根・金時にんじん
九州(博多) 丸餅を煮る すまし汁(あごだし) ぶり・かつお菜・里芋・しいたけ・かまぼこ

作り方の黄金比は、お雑煮の作り方の記事で関西の白味噌と関東のすましの2つを紹介しています。
この記事では、そこに入れる具材を地域ごとにくわしく見ていきます。

関東のお雑煮——焼いた角餅に鶏肉と小松菜

関東のお雑煮の具材

関東のお雑煮は、かつお昆布だしのすまし汁に、こんがり焼いた角餅を入れるのが基本です。
澄んだ汁の中に、焼き餅の香ばしさと鶏のうま味が重なります。
具材はシンプルで、彩りのきれいな椀になります。

角餅は焼いて香ばしく

四角く切った角餅を、焼き網やトースターでこんがり焼いてから椀に入れます。
焼き目の香ばしさが、すまし汁のキレをいっそう引き立てます。

鶏肉がだしの柱

鶏ももを小さめのそぎ切りにして、汁でことことと煮ます。
鶏のうま味が汁に溶けて、すまし汁に深みが出ます。
鶏肉は中まで色が変わるまで、中心75℃1分以上を目安にしっかり火を通してください。

小松菜・かまぼこ・三つ葉で彩り

緑の小松菜、紅白のかまぼこ、香りの三つ葉が、関東の椀の顔です。
仕上げにゆずの皮をひとかけ浮かべると、香りがぐっと引き締まります。

関西のお雑煮——煮た丸餅に里芋と大根

関西のお雑煮の具材

関西のお雑煮は、昆布だしに白味噌をたっぷり溶いた、甘くとろりとした汁が特徴です。
丸餅は焼かずに、やわらかく煮てから椀に入れます。
私が子どもの頃から食べてきたのも、この白味噌の丸餅です。

丸餅は「円満」の形

角を立てない丸い形は、家族円満の願いにつながると言われます。
やわらかく煮た丸餅に、白味噌の甘い汁がよくからみます。

里芋は頭芋と小芋

京都などでは、大きな親芋の「頭芋」や、小さな「小芋」を入れる家が多いです。
里芋のねっとりした口あたりが、白味噌の汁とよく合います。

大根と金時にんじんは輪切りで

大根と金時にんじんは、丸餅に合わせて丸く輪切りにします。
角を立てないように、という心づかいが、具の切り方にも表れています。
仕上げに花かつおをのせる家もあります。

★現役料理人20年のコツ:大根とにんじんは薄めの輪切りで下茹で🍳
大根と金時にんじんは、5mmほどの薄めの輪切りにして、先に下茹でしておきます。
白味噌の汁で長く煮ると汁が煮詰まって香りが飛ぶので、具はやわらかくしてから合わせるのがコツです。
元旦の朝は温めて合わせるだけにしておくと、段取りもぐっと楽になります。

九州のお雑煮——あごだしにぶりとかつお菜

九州・博多のお雑煮の具材

九州、とくに博多のお雑煮は、焼きあごでとっただしのすまし汁が特徴です。
焼きあごは、とびうおを焼いて干したもので、上品で香ばしいだしが出ます。
そこに丸餅と、ぶりやかつお菜など、にぎやかな具材が入ります。

ぶりは出世魚

成長とともに呼び名が変わるぶりは、出世を願う縁起の魚です。
脂ののった冬のぶりが、あごだしにこくを加えます。

かつお菜は博多の青菜

かつお菜は、博多の雑煮に欠かせない青菜です。
名前に「かつお」とつくほど、うま味のある菜として知られています。
手に入らないときは、小松菜やちぢみ菜で代わりにしても椀が整います。

★寿司職人20年のコツ:ぶりは塩をして湯通しする🥢
ぶりの切り身は、薄く塩をふって10分おき、出てきた水気を拭いてから熱湯をさっとかけます。
表面が白くなったら冷水にとり、残ったうろこや血を洗い流します。
このひと手間で生臭さが抜けて、あごだしの澄んだ汁がにごりません。

ご当地のお雑煮——あん餅・くるみ・鮭

ご当地のお雑煮の具材の地図

関東・関西・九州の3つのほかにも、日本には驚くようなお雑煮がたくさんあります。
その土地の産物や暮らしが、椀の中にそのまま映っています。
代表的なものを紹介しますね。

  • 香川のあん餅雑煮
    白味噌の汁に、あんこ入りの丸餅を入れる甘じょっぱいお雑煮です。
  • 岩手のくるみ雑煮
    すまし雑煮の餅を、甘いくるみのたれにつけていただきます。
  • 新潟の鮭といくらの雑煮
    鮭の切り身に、いくらを散らした華やかな椀です。
  • 奈良のきな粉雑煮
    白味噌雑煮の丸餅を取り出し、きな粉をつけて食べる食べ方です。
  • 島根・鳥取の小豆雑煮
    小豆を甘く煮た汁に丸餅を入れる、ぜんざいに近いお雑煮です。
  • 広島の牡蠣雑煮
    名産の牡蠣を入れた、海の香りのするすまし雑煮です。

同じ県の中でも、海側と山側でお雑煮が違うこともあります。
ご実家のお雑煮を、改めて家族に聞いてみるのも楽しいですよ。

お雑煮の具材の縁起——里芋は子孫繁栄

お雑煮の具材の縁起と意味

お雑煮の具材には、ひとつひとつに新しい年への願いが込められています。
意味を知ってから食べると、同じ一杯でも味わいが深くなります。
よく言われる縁起をまとめました。

  • 餅
    よく伸びることから、長く続く幸せを願う縁起物とされます。
  • 里芋
    親芋にたくさんの子芋がつくことから、子孫繁栄の願いが込められます。
  • 頭芋
    「人の頭に立つ」ように、という願いを込めて関西の椀に入ります。
  • 大根
    土に深く根を張ることから、家の土台が固まるよう願う具材です。
  • 小松菜
    「菜」を「名」にかけて、名を上げる縁起につながると言われます。
  • ぶり
    成長に合わせて名前が変わる出世魚で、出世を願う魚です。

縁起は地域や家によって言い伝えが違うので、ご家庭の言い伝えがあればそちらを大切にしてくださいね。

具を入れる順番——固い根菜から、餅は別に

お雑煮の具材を入れる順番

具材は、火の通りにくいものから順に入れていきます。
順番を守るだけで、汁が濁らず、どの具もちょうどいいやわらかさに仕上がります。
関東・関西・九州どのお雑煮でも、考え方は同じです。

  • 1 根菜を下茹でする
    大根・にんじん・里芋は別鍋で下茹でし、里芋はぬめりを洗っておきます。
  • 2 鶏肉や魚を汁で煮る
    だしに鶏肉やぶりを入れ、中まで火を通します。
  • 3 かまぼこや根菜を温める
    下茹でした根菜とかまぼこを入れて、温める程度に煮ます。
  • 4 青菜は最後にさっと
    小松菜やかつお菜は火を止める直前か、別に茹でて椀に盛ります。
  • 5 餅は別に焼くか茹でる
    椀の中で汁と合わせると、汁が濁らずきれいに仕上がります。

餅を別に茹でて椀で合わせる方法と、その理由は、お雑煮の作り方の記事で詳しく紹介しています。

お雑煮で避けたい3つ——餅を煮込まない

お雑煮の具材で避けたいこと

お雑煮の失敗は、具材を入れるタイミングと下ごしらえでほとんど決まります。
よくある3つを押さえておけば、元旦の朝もあわてずにすみます。

  • 餅を汁で長く煮込む
    餅が溶け出して汁が濁り、とろみがついてしまいます。餅は別に焼くか茹でて、椀で合わせます。
  • 青菜を最初から入れる
    色が悪くなり、くたくたになります。最後にさっと火を通すか、別に茹でて盛ります。
  • 里芋を下茹でせずに入れる
    ぬめりが汁に出て、濁りや吹きこぼれの原因になります。別鍋で下茹でしてから合わせます。

どれも「汁を澄ませたまま、具をそれぞれいちばんいい状態で合わせる」という考え方です。
お雑煮は、別々に整えた具を椀の中で出会わせる料理なんです。

お雑煮の餅の安全——大人にも4つの約束

お雑煮の餅を安全に食べる4つの約束

お雑煮の記事として、どうしても外せない話があります。
餅による窒息事故は、毎年お正月に起きていて、消費者庁も年末年始に注意を呼びかけています。
楽しい椀の中の、いちばん身近なリスクです。

元気な大人でも、次の4つを約束にしてください。

  • 小さく切る
    ひと口で入る大きさに切ってから食べます。
  • 汁や水分と交互に
    先に汁を飲んでのどを湿らせ、交互に食べます。
  • 急がない
    よく噛んで、飲み込んでから次のひと口へ進みます。
  • ひとりで食べない
    家族がそばにいるときに食べ、テレビを見ながらの食べ方は控えます。

噛む力や飲み込む力が弱い高齢の方の椀は、餅なしが基本です。
小さなお子さんも、5歳ごろまでは餅なしの椀にしてください。
具だくさんの汁だけでも、お雑煮は十分にお正月の顔になります。

お雑煮の栄養——すまし1杯で約230kcal

お雑煮1杯の栄養の目安

栄養士として、関東のすまし雑煮1杯の栄養を計算してみました。
お雑煮の作り方の記事にある関東のすましの黄金比を1人分にして、切り餅1個と鶏もも、小松菜、かまぼこを入れた一杯です。

エネルギーは約230kcalで、分量と内訳は次のとおりです。

  • 切り餅1個(50g) 112kcal
  • 鶏もも30g 57kcal
  • みりん 22kcal
  • かまぼこ20g 19kcal
  • しょうゆ 7kcal
  • だし 6kcal
  • 小松菜30g 4kcal

塩分は1杯で約3.7gです。
そのほとんどは汁に溶けているので、汁を少し残すだけでも、とる量はぐっと減ります。

厚生労働省の食事摂取基準2025年版では、1日の食塩の目標量は男性7.5g未満、女性6.5g未満です。
おせちも並ぶお正月は、汁物以外の味つけを控えめにするのがオススメです。

お雑煮に使う具材の特定原材料は、醤油の小麦、岩手のくるみ雑煮のくるみ、商品によってはかまぼこの卵やえびです。
準ずる品目では、鶏肉、醤油や白味噌やきな粉の大豆、新潟の雑煮の鮭といくらが入ります。
親戚の集まる食卓では、使った具材を確かめてから椀に盛ってください。

★栄養士のコツ:餅は1個から、具だくさんで満足感を🥢
切り餅1個は、ごはんで言えば茶碗半分強ほどの主食です。
おせちと一緒の元旦は、餅は1個から始めて、根菜や青菜を多めにすると、椀の満足感はそのままに食べすぎを防げます。
塩分や糖分の指示を受けている方は、かかりつけの先生の指示を優先してください。

高齢者や子供にやさしいお雑煮——餅なしで

高齢者や子供にやさしいお雑煮

お正月は、三世代が同じ食卓を囲む特別な日ですよね。
餅を入れない椀でも、具材を工夫すれば、みんなで同じお雑煮を楽しめます。

高齢の家族の椀

高齢の方の椀は、餅なしを基本にして、大根・にんじん・里芋をやわらかく煮た具だくさんにします。
餅の代わりには、上新粉のやわらか団子や大根もち、豆腐を使う方法があります。
くわしい作り方は、お正月の介護食献立の記事にまとめています。

飲み込む力に不安がある方は、日本摂食嚥下リハビリテーション学会の嚥下調整食学会分類2013を目安に、具を刻んだり、汁にとろみをつけたりしてください。

小さなお子さんの椀

小さなお子さんも、5歳ごろまでは餅なしの椀にします。
1歳未満のお子さんには、汁の味つけが大人と同じなので、お雑煮そのものを出しません。
小芋のように丸くてつるんとした具は、丸ごとではなく小さく切ってから盛ってください。
にんじんを梅の形に抜いた飾り切りを入れると、子どもの椀もぐっとお正月らしくなります。

★現役介護士のコツ:餅なしの椀を、もうひとつの正解に
私は現役介護士でもあります。
介護の食卓では、餅は基本お出ししません。
それでも、やわらかく煮た里芋や大根に白味噌の汁がからめば、お正月の香りは椀いっぱいに届きます。
餅を、上新粉のやわらか団子に置き換える日があっていい。

お雑煮の具材でよくある質問

最後に、お雑煮の具材についてよくいただく質問にお答えします。

Q1. 夫婦で地域が違うときは?

元日は一方、2日はもう一方と、三が日で交互に作るご家庭も多いです。
関東のすましに丸餅を入れるなど、ふたりのお雑煮を合わせた「わが家の一杯」を作るのも素敵ですよ。

Q2. 具材は前日に準備できる?

大根・にんじん・里芋は、大晦日に下茹でして冷蔵庫に入れておけます。
青菜は当日にさっと茹で、餅は食べる直前に焼くか茹でるのがオススメです。

Q3. 残ったお雑煮の保存は?

餅は取り出して別にし、汁と具は粗熱を30分以内に取って冷蔵庫へ入れ、翌日までに食べきります。
温め直すときは、中心まで湯気が立つまでしっかり温めてください。
餅そのものの保存は、餅の冷凍保存の記事にまとめています。

Q4. 具材は何種類くらいがいい?

決まりはありませんが、餅のほかに3〜5種類ほどが目安です。
肉か魚をひとつ、根菜、青菜、彩りのかまぼこやにんじんを組み合わせると、どの地域の椀もきれいにまとまります。

“おいしい”は、全部が重なること

お雑煮のおいしさは、ひとつの具材だけでは決まりません。
香ばしく焼いた、あるいはやわらかく煮た餅と、その土地のだし、季節の具材。
その3つが椀の中で出会って、はじめてお雑煮の味になります。

そして、もうひとつ重なるのが、家族の記憶です。
子どもの頃に食べた一杯の味が、大人になっても「これがお雑煮だ」と教えてくれます。

餅と、だしと、具材と、家族の記憶。
その全部が重なったとき、お雑煮はいちばんおいしい一杯になります。
今年のお正月は、わが家のお雑煮の具材を、ぜひ家族で話してみてくださいね。

まとめ。。。

お雑煮の具材と地域別の違いまとめ

お雑煮の具材を、地域別の定番から縁起、入れる順番、餅の安全までまとめました。

  • お雑煮は餅・汁・具の3つで決まる
    餅の形と調理法、汁の味、土地の具材の組み合わせです。
  • 関東は焼いた角餅に鶏肉と小松菜
    かつお昆布だしのすまし汁に、かまぼことゆずの皮を添えます。
  • 関西は煮た丸餅に里芋と大根
    白味噌仕立てで、具も丸く輪切りにします。
  • 九州はあごだしにぶりとかつお菜
    焼きあごのだしに、出世魚のぶりが入ります。
  • 具材には新年の願いが込められている
    里芋は子孫繁栄、小松菜は名を上げる縁起です。
  • 入れる順番は固い根菜から
    青菜は最後に、餅は別に焼くか茹でて椀で合わせます。
  • 餅は4つの約束で安全に
    小さく切る・汁と交互に・急がない・ひとりで食べない。
  • 高齢の方と小さなお子さんは餅なしで
    具だくさんの汁で、同じお正月の椀を囲めます。

お雑煮は、その家の歴史がいちばんよく表れる料理だと思います。
わが家の定番を大切にしながら、よその土地の一杯も、ぜひ一度味わってみてくださいね。
新しい年の朝が、温かい一杯から始まりますように。
それが、料理人としての私のいちばんの願いだよ。

フッくんでした!

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