料理研究家、料理大好きフッくんです。
白いスープに、野菜も肉も湯葉も。やさしい鍋の代表、豆乳鍋 🥢
いざ作ろうとして「何を入れればいいのか」「スープがぼそぼそに分離した」「味がぼんやりする」ということ、ありませんか?
正直に言うと、豆乳鍋は具材の「入れる順番」で、分離するかどうかが決まります。豆乳が固まる原因は3つ。沸騰と、塩分と、酸。この3つを持っている具を、いつ入れるかなんですね。
こんなお悩み、ありませんか?
- 定番の具材が分からない
豚バラ、白菜、長ねぎ、豆腐、きのこ。この5つで形になります。 - スープが分離してぼそぼそになる
沸騰・塩分・酸のどれかです。具の順番で防げます。 - 味がぼんやりして、物足りない
うま味の具を一つ足すか、変わり種で芯を入れます。 - 子どもや高齢の家族に出せるか
出せます。湯葉とつくねだけ、気をつけどころがあります。
現役料理人20年・栄養士。店で冬になると毎週仕込んでいた豆乳鍋の、具の選び方から書いていきますね。

豆乳鍋の具材は「分離させない順番」で選ぶ

結論から言いますね。豆乳鍋の具材は、豆乳を分離させる3つの原因を、どの具が持っているかで選びます。
豆乳鍋は、京都の湯豆腐や湯葉の文化から広がった鍋です。豆腐を作る前の豆乳をそのまま鍋にして、表面に張る湯葉をすくって食べる。2000年代に家庭の鍋として定着しましたが、土台は「豆腐屋の鍋」なんですね。
そして豆腐屋の鍋だからこそ、豆腐と同じことが鍋の中で起きます。豆乳は、にがりの塩分で固まって豆腐になる。つまり塩分の強い具を入れると、鍋の中で豆腐が作られてしまう。これがスープがぼそぼそになる正体です。酸も同じで、キムチやトマトやゆずの汁は豆乳を固めます。そして沸騰。豆乳のたんぱく質は、煮立てると固まって分離します。
だから具材の考え方は、塩分と酸を持つ具は、最後か取り皿に。豆乳は最後に足して、沸かさない。この順番さえ守れば、豆乳鍋は分離しません。逆に言うと、順番を守れば、変わり種もかなり自由に入れられる鍋なんです。
なお、豆乳鍋の〆(雑炊や担々麺風など)や、合わせる副菜は献立の記事に詳しくまとめてあります。この記事は「鍋に入れる具」と「入れる順番」に絞って書きますね。
具材選びの3つの考え方

店で豆乳鍋を仕込むとき、私は具材を3つの役割で見ていました。豆乳鍋は味がやさしいぶん、「だし・白に沈む具・芯」の3つがそろわないと、ぼんやりした鍋になります。やさしいと、ぼんやりは違うんですね。
①だしを出す具を、1〜2種
豚バラ・鶏もも・鮭・つくねから。豆乳そのものにはうま味が少ないので、肉か魚のどちらかは外さないでください。豚バラの脂が豆乳に溶けると、スープにコクが出ます。
②白いスープに沈む具を、3〜4種
白菜・長ねぎ・豆腐・えのき・水菜から。豆乳鍋の具は、スープの白に溶け込むやさしい具が土台です。煮るほど甘みが出るものを選びます。
③芯を足す具を、1つだけ
明太子・ごま・ゆず胡椒・チーズから、一つ。白い鍋に、色か辛みか塩気を一点。これが入るだけで「ぼんやり」が「やさしい」に変わります。ただし塩分と酸を持つものは、最後か取り皿で。
合わせ方の早見表
| 作る日 | だし | 白に沈む具 | 芯 |
|---|---|---|---|
| 普段の晩ごはん | 豚バラ | 白菜・長ねぎ・豆腐・えのき | ごま油ひとたらし |
| 魚の日 | 鮭 | 白菜・長ねぎ・豆腐・しめじ | ゆず胡椒(取り皿) |
| 子どもがいる日 | 鶏もも・つくね(小さく) | 白菜・にんじん・豆腐・コーン | チーズ少し |
| 高齢のご家族と | 鶏もも(小さく) | 白菜・豆腐・えのき(短く) | 白味噌小さじ1 |
定番の具材10選

まずは土台になる10です。この10には、どれも塩分と酸が少なく、煮ても豆乳を固めないという共通点があります。湯豆腐や寄せ鍋で定番になっている顔ぶれが、そのまま豆乳鍋の定番になっているんですね。
全部そろえる必要はありません。この中から5〜6つ選べば、豆乳鍋の顔になります。
豚バラ薄切り——脂が溶けてコクに
豆乳鍋の主役です。豚バラの脂が豆乳に溶けて、スープにコクが出る。ロースだとあっさりしすぎるので、バラが確実。
薄切りを4〜5cm幅に切って、豆乳を入れる前のだしの段階で煮ます。色が白く変わって、透明な汁が出るまで。豆乳を入れたあとは沸かせないので、肉には先に火を通しておく。これが順番のコツです。
鶏もも肉——子どもがいる日の主役
豚バラより軽く、子どもがいる日に向きます。皮つきのもも肉を3cm角に切って、だしの段階から。中心まで75℃で1分以上、しっかり火を通してください。新鮮な鶏でも、生焼けは避けます。
鮭——豆乳と鮭は、石狩鍋の組み合わせ
鮭の脂と豆乳は相性がよく、石狩鍋を白くしたような鍋になります。切り身を3等分にして、だしの段階で5分。骨が残っていることがあるので、取り分けるときに確かめてください。
白菜——甘みの担当
煮ると白菜の甘みが出て、豆乳の甘みと重なります。芯は薄くそぎ切りにして先に、葉はあとから。芯と葉で火の通りが違うので、分けて入れると両方ちょうどよくなります。白菜の保存はこちらの記事にまとめてあります。
長ねぎ——香りと甘み
斜め薄切りにして、だしの段階から。豆乳鍋は香りが弱いので、長ねぎの香りが「和の鍋」の輪郭を作ります。青い部分も刻んで入れてください。
絹ごし豆腐——豆腐屋の鍋の本体
豆乳の鍋に豆腐を入れると、同じ大豆どうしで味がつながります。木綿より絹ごしのほうが、スープと一体になる。大きめに切って、豆乳を入れる直前に。長く煮ると穴があいてかたくなります。豆腐の保存はこちらの記事に。
えのき——豆乳にとろみを返す
根元を落としてほぐし、豆腐と同じタイミングで。えのきの粘りがスープに移って、豆乳のとろみが増します。高齢のご家族には、3cmに切ってから。
しめじ——きのこのうま味
石づきを取ってほぐし、だしの段階で。しめじのうま味は、淡白な豆乳をしっかり支えます。しいたけでもまいたけでも。
にんじん——白い鍋の彩り
白い鍋に、色が一つあるだけで印象が変わります。薄い輪切りか、ピーラーで薄く。薄くすれば、だしの段階で煮なくても、豆乳を入れてから5分で火が通ります。
水菜——最後の30秒
火を止める直前に入れて、しんなりしたら食べどき。シャキッとした歯ざわりが、やわらかい具ばかりの豆乳鍋に対比を作ります。長く煮ると色がくすむので、短く。
うま味を足す具材5選

豆乳鍋がぼんやりする原因は、たいていうま味の具が足りていないことです。豆乳はまろやかですが、うま味そのものは少ない。だから「だしを出す具」をもう一段足すと、白いスープに奥行きが出ます。
ただし、うま味の具は加熱の合図がそれぞれ違います。具ごとに書いておきます。
鶏つくね——しょうがを効かせて
鶏ひき肉にしょうがと長ねぎを混ぜたつくねは、豆乳鍋の定番の「だし担当」です。だしの段階で入れて、浮いてきてから3分。中心まで火が通ったか、一つ割って確かめてください。
そして、つくねは丸い形です。5歳ごろまでのお子さんには、小さく割ってから。消費者庁が示している「丸くてつるんとしたもの」の線です。
たら——豆乳に溶けて、全体のうま味に
たらは淡白ですが、豆乳鍋では埋もれません。身がほぐれてスープに溶け込むからです。切り身を3等分にして、だしの段階で5分。骨を確かめてから取り分けてください。たらを入れた日は、鍋をその日のうちに食べきります。
ほたて——貝のうま味が豆乳に合う
ボイルほたてなら、豆乳を入れたあとに2分温めるだけ。貝のうま味と豆乳の甘みは、クラムチャウダーと同じ組み合わせです。生の貝柱なら、だしの段階で白く不透明になるまで。
油揚げ——だしを吸ってじゅわっと
熱湯をかけて油抜きしてから、短冊に。豆乳を入れる直前に入れると、油揚げが豆乳を吸って、ひと口ごとにスープが出る具になります。同じ大豆なので、味がぶつかりません。
厚揚げ——豆腐より崩れない
豆腐が崩れるのが気になる方は、厚揚げに。油のコクが加わって、豆乳鍋に芯が出ます。油抜きして、ひと口大に。だしの段階から入れて大丈夫です。
変わり種の具材7選

「いつも同じ」を抜けるための7つです。ただし、ここで一つ線を引かせてください。変わり種は、白い鍋に一つ足すつもりで選ぶこと。豆乳鍋は色も味もやさしいので、二つ入れると変わり種どうしがけんかします。
そしてもう一つ。変わり種には、塩分と酸を持つものが多い。明太子・チーズ・ベーコン・キムチ。どれも豆乳を固める側の具です。入れるタイミングを、具ごとに書いておきます。
明太子——白い鍋に、赤い一点
薄皮を取ってほぐし、火を止めてから、上にのせる。煮ると塩分で豆乳が固まり、明太子もぼそぼそになります。のせるだけで、明太クリームのような鍋になりますよ。
モッツァレラ——とろけて豆乳と一体に
火を止める直前にちぎって入れます。豆乳とチーズは、どちらも白くてまろやか。子どもが豆乳鍋を食べられるようになるのは、たいていチーズが入った日です。粉チーズは塩分が強いので、少量に。
ベーコン——燻製の香りが土台になる
1cm幅に切って、だしの段階で先に。ベーコンの塩気と燻製の香りが豆乳に移って、洋風のクリーム鍋に寄ります。塩分があるので、味噌や醤油は控えめに。
市販の餃子——〆の前の腹ごしらえ
冷凍餃子をそのまま、だしの段階で5分。皮がもちっとして、豆乳を吸います。豆乳鍋の「ワンタン」のような役目です。中まで熱くなるまで。
かぼちゃ——甘みで、豆乳を後押し
薄く切って、だしの段階から。かぼちゃの甘みが溶けて、スープが少し黄色く、やさしくなります。子どもがいる日と、高齢のご家族の日に向く変わり種です。
コーン——子どもが手を伸ばす一品
缶詰のコーンを、豆乳を入れたあとに。甘みとぷちっとした食感で、子どもの箸が動きます。缶の汁は入れずに、粒だけ。
キムチ——鍋には入れず、取り皿で
豆乳鍋にキムチを合わせる方は多いのですが、鍋に入れると酸と塩分で豆乳が固まります。取り皿にキムチを置いて、豆乳のスープをかけて食べる。この形なら、辛みと白がきれいに混ざりますよ。
店で親方に言われたのが、「白い鍋に、色は一つでええ。二つ足したら、それは白い鍋やない」という一言でした。足す楽しみは、一つずつがちょうどいいんですよね。
〆の3選——詳しくは献立の記事へ

豆乳鍋の〆は、白いスープをそのまま活かすか、辛みで赤く転換するかの二択です。〆の5選と作り方は献立の記事に詳しくまとめてあるので、ここでは3つだけ。
雑炊——いちばんの定番
残ったスープにごはんを入れて、弱火で。豆乳は沸かせないので、雑炊も弱火のまま。仕上げに刻みねぎと、ごま油をひとたらし。
うどん——別ゆでして
ゆでうどんを別鍋で温めて、スープに入れて1分。鍋に直接入れると塩分で豆乳が固まることがあるので、必ず別ゆでで。
ラーメン——ごまとラー油で担々麺風に
中華麺を別ゆでして、スープに練りごまと少しのラー油。白い鍋が、担々麺のスープに変わります。辛みは取り皿で足すのが、分離しないコツですよ。
具材ごとの下ごしらえと、入れる順番

豆乳鍋でいちばん大事なのは、入れる順番です。ほかの鍋と違って、豆乳を入れたあとは沸かせない。だから「沸かして火を通す具」は全部、豆乳を入れる前のだしの段階で済ませておく必要があります。
私の順番は、だしで肉と根菜を煮る → 豆腐・きのこ・油揚げを入れる → 豆乳を注いで弱火 → 葉物と変わり種は最後。豆乳を入れてからは、鍋のふちが小さくふつふつする程度で止めます。ぐらぐら煮立てたら、その瞬間に分離します。
| 入れるタイミング | 具材 | 下ごしらえ |
|---|---|---|
| だしの段階(沸かしてよい) | 豚バラ・鶏もも・鮭・つくね・たら・ベーコン・餃子・白菜の芯・長ねぎ・しめじ・かぼちゃ・厚揚げ | 肉は色が変わって透明な汁が出るまで。鮭とたらは骨を確かめて |
| 豆乳を入れる直前 | 豆腐・えのき・油揚げ・白菜の葉・にんじん(薄切り) | 油揚げは油抜き。豆腐は大きめに |
| 豆乳を入れてから(弱火・沸かさない) | ほたて(ボイル)・コーン・モッツァレラ | 2〜3分温めるだけ |
| 火を止めてから | 水菜・明太子・ゆず胡椒・ごま油 | 明太子は塩分があるので煮ない |
| 取り皿で | キムチ・ラー油・ゆずの汁 | 酸と辛みは鍋に入れない |
豆乳鍋が分離する原因のほとんどは、最初から豆乳で具を煮ていることです。
だしで具に火を通してから、豆乳を注いで弱火で温める。私はさらに、白味噌を小さじ1溶いておきます。分離しにくくなって、コクも出ます。
親方の言葉は「豆乳は、煮るな。温めろ」でした。
私のお店の組み合わせ例

店で実際に出していた組み合わせを、3つご紹介します。だし1〜2種+白に沈む具3〜4種+芯1つ、という形は同じで、中身だけ変えています。
普段の晩ごはん
豚バラ・白菜・長ねぎ・絹ごし豆腐・えのき・にんじん。いちばん基本の形です。仕上げにごま油をひとたらし。豚バラの脂とごま油で、豆乳にコクが乗ります。
魚の日
鮭・ほたて・白菜・長ねぎ・豆腐・しめじ・水菜。肉を入れず、魚介のだしで。石狩鍋の白い版、という感じです。魚介を入れた鍋は、その日のうちに食べきってください。芯は取り皿のゆず胡椒で。
子どもがいる日
鶏もも・つくね(小さく割って)・白菜・にんじん・豆腐・コーン・モッツァレラ。辛みと塩気の強いものを外して、甘みとチーズを足しました。豆乳の甘みが立って、子どもが飲み干す鍋になります。
豆乳鍋は何でも受け止めてくれそうに見えるので、つい色の強い具を足したくなります。でも8種を超えると、白が濁って、何の鍋か分からなくなります。
だし1〜2・白に沈む具3〜4・芯1。合計6〜8種。
迷ったら減らしてください。豚バラ・白菜・豆腐・えのきだけでも、立派な豆乳鍋です。
基本の豆乳鍋の作り方(4人分)
具材が決まったら、作り方は一つです。豆乳鍋の作り方の記事はまだないので、この記事の具材でそのまま作れる手順を、短くまとめておきますね。ポイントは、豆乳を最後に入れることと、入れてから沸かさないことだけです。
材料(4人分)
豚バラ薄切り 250g/白菜 1/4個/長ねぎ 1本/絹ごし豆腐 1丁/えのき 1袋/にんじん 1/2本/水菜 1/2束
だし汁 600ml/無調整豆乳 800ml/うすくち醤油 大さじ1/味噌 大さじ1/塩 少々/ごま油 小さじ2
手順
①鍋にだし汁を沸かし、うすくち醤油と味噌を溶く。豚バラ・白菜の芯・長ねぎを入れて5分。豚は色が白く変わって透明な汁が出るまで
②白菜の葉・豆腐・えのき・薄切りのにんじんを加えて3分
③火を弱め、豆乳を注ぐ。ふちが小さくふつふつする程度を保ち、沸かさない。5分温める
④水菜を入れて火を止め、ごま油をたらす。塩で味を決める
⑤豚を一枚取って、赤みが残っていないか確かめる
※熱い鍋です。お子さんや高齢の方には、器に取って少し冷ましてからお出しください。
豆乳鍋の具材選びで避けたいこと3つ

選び方の話をしてきましたが、やってしまいがちなことも3つだけ書いておきます。どれも私が店で一度はやって、親方に直された失敗です。
- 最初から豆乳で具を煮る
肉に火を通すために沸かした瞬間、分離します。だしで火を通してから、豆乳は最後に。 - キムチ・ゆずの汁・トマトを鍋に入れる
酸と塩分で豆乳が固まります。取り皿に置いて、スープをかけて食べてください。 - 調製豆乳や豆乳飲料を使う
砂糖や油が入っていて、鍋にすると甘くなり、分離もしやすい。「無調整」と書いてある豆乳を使ってください。
豆乳鍋の栄養と、家族への出し方

豆乳鍋のいいところは、豆乳・豆腐・油揚げと、大豆のたんぱく質が一度にとれることです。肉を少なめにしても、たんぱく質が足りる。高齢のご家族に向く鍋だと、栄養士としても思っています。
1人前を計算すると、1人前で約450kcalです。
- 豚バラ60gが約220kcal
- 無調整豆乳200mlが約91kcal
- 白菜100gが約13kcal
- 長ねぎ30gが約10kcal
- えのき30gが約10kcal
- 絹ごし豆腐80gが約45kcal
- にんじん20gが約7kcal
- 味噌と醤油で約15kcal
- ごま油小さじ1が約37kcal
意外なのは、数字の半分が豚バラだということ。豆乳は200mlで100kcal足らず、野菜は全部足しても40kcal。軽くしたいなら、豚バラを鶏ももに替えるか、豚を減らしてそのぶん豆腐を増やしてください。油揚げは同じ大豆でも油で揚げてあるので、軽くしたい日は増やさない具です。大豆のたんぱく質があるので、肉を減らしても物足りなくなりません。
塩分は、味噌小さじ1で約0.7g、うすくち醤油小さじ1で約1.0g、だしで約0.3g。1人前で約2.0gです。明太子・ベーコン・チーズ・キムチを足す日は、その分の塩分が乗るので、味噌と醤油を半分にしてください。うすくち醤油は色が薄いぶん塩分は多いので、量に気をつけて。
食塩相当量の目標量は、厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」で成人男性7.5g未満・成人女性6.5g未満/日です。塩分や糖分の指示を受けている方は、かかりつけの先生の指示を優先してくださいね。
出す前に確かめておきたいのが特定原材料です。豆乳鍋には、特定原材料8品目(2025年4月くるみ追加・現在えび/かに/小麦/そば/卵/乳/落花生/くるみ)のうち乳(チーズ)・小麦(餃子・うどん・醤油・味噌)、また特定原材料に準ずる大豆(豆乳・豆腐・油揚げ・厚揚げ)・豚肉・鶏肉・さけ・ごま(ごま油)を使うことがあります。豆乳鍋は、大豆が主役の鍋です。大豆アレルギーの方がいる家庭では、この鍋そのものを別のものに替えてくださいね。
軽くするなら、豚を減らして豆腐を増やす。油揚げは揚げてあるので、軽くする日には足しません。大豆のたんぱく質があるので、物足りなくなりません。
明太子・ベーコン・チーズ・キムチの日は、味噌と醤油を半分に。
※文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」を参考にした概算値です。
高齢者や子供にやさしい豆乳鍋の具材

豆乳鍋は、やさしい鍋の代表のように言われますが、やわらかい=食べやすい、ではありません。豆乳鍋には、豆乳鍋だけの気をつけどころが2つあります。
一つは湯葉。豆乳の表面に張る薄い膜で、豆乳鍋の楽しみですが、薄くて平たいものは口の中で上あごに貼りつきます。もう一つはつくね。丸い形は、のどに詰まりやすい形です。
高齢のご家族に出すとき
気をつけたいのは、湯葉と、長いえのきです。湯葉は箸で細かくちぎってから、スープに沈めてお出しください。えのきは3cmに切ってから。豚バラは薄切りを半分に、鶏は小さめに。
豆乳鍋のスープはとろみがあって、実は高齢の方に向いています。さらさらの汁より、口の中でまとまってゆっくり喉に届く。豆腐と豆乳で、たんぱく質もとれる。私が介護の現場で、いちばん出しやすい鍋の一つです。
お子さんに出すとき
つくねは、5歳ごろまで小さく割ってから出してください。丸くてつるんとしたものは、のどに詰まりやすい形です。コーンは粒が小さいので、スプーンですくえるように器に。
味は、辛みと塩気の強い変わり種を外して、コーンとチーズを。豆乳の甘みで、子どもが飲み干す鍋になります。熱い鍋なので、器に取って少し冷まして。1歳未満のお子さんには出しません。
私は現役介護士でもあります。
薄くて平たい湯葉は、口の中で上あごに貼りつきます。やわらかいのに、飲み込みにくい形。箸で細かくちぎって、スープに沈めてから。
豆乳鍋を、豆腐と豆乳のスープひと椀に置き換える日があっていいと思っています。同じやさしさが届きます。
豆乳鍋の具材でよくある質問
読者の方からよくいただく質問を、まとめておきますね。
Q1.寄せ鍋の具をそのまま使えますか?
ほとんど使えます。塩分と酸の強いもの(キムチ・練り物の一部・柑橘)だけ、取り皿に。豚・鶏・鮭・白菜・豆腐・きのこは、そのまま順番どおりに。
Q2.分離しないコツは?
順番です。だしで具に火を通してから、豆乳を最後に注いで、沸かさない。白味噌を小さじ1溶いておくと、さらに分離しにくくなります。
Q3.豆乳はどれを使えばいいですか?
「無調整豆乳」です。調製豆乳や豆乳飲料は砂糖や油が入っていて、鍋にすると甘くなります。
Q4.具材は何種類入れればいいですか?
6〜8種が目安です。だし1〜2、白に沈む具3〜4、芯1。それ以上は白が濁ります。
Q5.残ったら冷凍できますか?
豆乳のスープは冷凍に向きません。解凍で分離します。残すつもりなら、豆乳を入れる前のだしの段階で分けて、粗熱を30分以内に取って冷蔵2日。食べるときに豆乳を足してください。魚介を入れた鍋はその日のうちに。再加熱は中心まで75℃で1分以上を目安に、豆乳は温め直すだけにしてくださいね。
“おいしい”は、全部が重なること
豆乳鍋の具材を考えるとき、私は四つの軸で見ています。豆乳の甘み、豚の脂、白菜の水分、そして最後に足す一点の芯。
豆乳鍋は、一つの具で完成する鍋ではありません。豆乳だけでは水っぽく、肉だけでは重くなってしまう。それぞれの具が、白いスープの中で別の役割を持っているから、ひと口ごとに表情が変わる。だから具材を「役割」と「順番」で選ぶのが、この鍋のいちばんの近道だと思っています。
この四つが同じ鍋の中で重なった瞬間が、私の思う「おいしい」です。豆腐屋の湯葉の鍋が、家庭の冬の鍋になって食卓に来た。豆乳を煮ずに温めることは、豆腐屋の手を受け継ぐことなんだと思っています。
〆と献立、豆腐と白菜の保存の記事も、あわせてご覧くださいね。
まとめ。。。

豆乳鍋の具材を、最後にもう一度まとめますね。
- 分離の原因は沸騰・塩分・酸。具の順番で防ぐ
だしで火を通してから、豆乳は最後に。入れたら沸かさない。 - だしを出す具は外さない。豚バラか鶏か鮭
豆乳そのものにはうま味が少ない。肉か魚が土台です。 - 白に沈む具が3〜4種。白菜・長ねぎ・豆腐・えのき
煮るほど甘みが出る具を選ぶ。豆腐は絹ごしで。 - 芯は一つだけ。変わり種は白い鍋に一点
明太子は火を止めてからのせる。キムチは取り皿で。 - うま味が足りないときは、つくね・たら・ほたて・油揚げ
ぼんやりの原因は、たいていうま味の具の不足です。 - 豆乳は「無調整」。白味噌小さじ1で分離しにくく
調製豆乳は甘くなって分離もしやすい。 - 湯葉はちぎって。つくねは5歳ごろまで小さく割って
やわらかい=食べやすい、ではありません。 - 残すなら、豆乳を入れる前のだしの段階で分ける
豆乳のスープは冷凍に向かない。冷蔵2日、魚介は当日。
豆乳鍋って、やさしい鍋のはずなのに、分離した瞬間に「なんか違う」となる鍋なんですよね。ぼそぼそして、味もぼんやりして。
親方の「豆乳は、煮るな。温めろ」という言葉は、豆乳鍋に限らず、豆乳を使う料理ぜんぶに効く考え方だと思っています。そして塩分と酸を持つ具を、最後か取り皿に——これを知ってから、豆乳鍋で迷わなくなりました。
今日は、白味噌を小さじ1、溶いてみてくださいね。
フッくんでした!
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