料理研究家、料理大好きフッくんです。
鍋や焼き鳥に、ほんの少しのせるだけで、ぐっと香りが立つ柚子胡椒。
青柚子が出回る季節になると、家で作ってみたくなりますよね。
でも、いざ作ろうとすると、こんなことで迷いませんか?🥹
- 柚子と唐辛子と塩の割合は?
レシピによって分量がばらばらで、どれを信じればいいか分からない。 - 苦くなったり、辛すぎたりする
作ってみたら、思った味にならなかった。 - 何日寝かせればいい?
作ってすぐ使っていいのか、熟成の日数が分からない。
この記事では、現役料理人20年の私が、柚子胡椒の作り方をお伝えします。
青柚子と青唐辛子の黄金比から、6工程の作り方、熟成の合図、保存、家族への出し方まで、順番に見ていきましょう。

柚子胡椒とは——青柚子と青唐辛子と塩
柚子胡椒は、柚子の皮と青唐辛子を、塩と一緒にすりつぶして作る、九州生まれの薬味です。
名前に「胡椒」とありますが、こしょうは入っていません。
九州の一部では、唐辛子のことを「胡椒」と呼ぶことから、この名前がついたといわれています。
材料は、青柚子・青唐辛子・塩の3つだけ。
すっきりした柚子の香りと、青唐辛子のきりっとした辛さが、鍋や焼き鳥の味を引き締めてくれます。
手作りすると、市販のものとはまた違う、香りの立った柚子胡椒が楽しめます。
柚子胡椒の黄金比——皮2:青唐辛子1

柚子胡椒の黄金比は、青柚子の皮2に、青唐辛子1です。
塩は、皮と青唐辛子を合わせた重さの15%にします。
ゆずの保存方法の記事でお伝えしている、皮2に青唐辛子1の割合をそのまま使い、塩の量を決めて、しっかり日持ちする分量にしました。
| 材料 | 分量 | ポイント |
|---|---|---|
| 青柚子の皮 | 40g | 緑の表面だけを薄くむく |
| 青唐辛子 | 20g | へたと種を取る |
| 塩 | 9g | 皮と青唐辛子を合わせた重さの15% |
この分量で、小さめの瓶1つ分ができます。
皮を多めにしているので、香りが立って、辛さはほどよく控えめです。
辛いのが好きな方は、青唐辛子を少しずつ増やして、好みの割合を見つけてみてください。
材料の選び方——青柚子と青唐辛子

材料が3つだけなので、ひとつひとつの選び方で、仕上がりの香りが変わります。
皮にはりのある新鮮なものを選ぶのが、香りのいい柚子胡椒への近道です。
順番に見ていきましょう。
青柚子——皮にはりとつや
青柚子は、夏の終わりから秋のはじめに出回る、まだ青いうちの柚子です。
皮にはりとつやがあり、持ったときにずっしりと重いものを選びましょう。
柚子胡椒に使うのは皮だけなので、果汁はポン酢やドレッシングに回してください。
青唐辛子——緑が濃いもの
青唐辛子は、緑が濃く、皮にはりのあるものを選びます。
しなびたものは香りが弱いので、買ってきたら早めに仕込むのがコツです。
青唐辛子は、同じ袋の中でも1本ずつ辛さが違います。
辛さが心配なときは、刻んだ青唐辛子を半分だけ先にすり混ぜて、味を見ながら残りを足してください。
塩——粗塩でまろやかに
塩は、粗塩を使うと、角の取れたまろやかな味に仕上がります。
精製された塩でも作れますが、その場合も分量は同じ15%にしてください。
黄柚子なら赤い柚子胡椒に
秋の終わりから冬にかけては、黄色く熟した黄柚子が出回ります。
黄柚子の皮に、赤く熟した生の赤唐辛子を合わせると、色の明るい赤い柚子胡椒が作れます。
割合も塩の量も、青柚子と同じです。
柚子の皮は、ピーラーで表面の色のついたところだけを薄くむきます。
裏の白いところまで入れないことが、苦くない柚子胡椒の第一歩です。
ゆずの保存方法の記事でもお伝えしているとおり、皮の苦みの「犯人は白いワタ」です。
むいた皮の裏に白いところが残っていたら、包丁でそぎ取ってから使ってください。
柚子胡椒の作り方——6工程

柚子胡椒の作り方は、6つの工程に分けると、迷わずに進められます。
青唐辛子を扱うので、手袋をつけてから始めるのが大切です。
工程1 瓶を消毒する
保存する瓶とふたを熱湯で消毒し、清潔なふきんの上で、中までよく乾かします。
熱湯を使うので、やけどに気をつけてください。
工程2 手袋をつける
青唐辛子を扱う前に、使い捨ての手袋をつけます。
ゆずの保存方法の記事でもお伝えしているとおり、唐辛子を触った手で目をこすらないよう、気をつけてください。
工程3 青柚子の皮をむく
青柚子を洗って水気をよく拭き、ピーラーで緑の表面だけを薄くむきます。
むいた皮を細かく刻み、40gを量ってください。
工程4 青唐辛子の種を取る
青唐辛子のへたを取り、縦半分に切って、種とワタを取ります。
細かく刻み、20gを量ってください。
工程5 塩とすりつぶす
すり鉢に皮と青唐辛子、塩9gを入れ、なめらかになるまですりつぶします。
フードプロセッサーを使うときは、ふたを開けるときに顔を近づけないでください。
辛い空気が立ちのぼって、目や鼻にしみることがあります。
工程6 瓶に詰めて寝かせる
消毒した瓶に詰めて、表面を平らにならし、ラップを表面にぴったり密着させてから、ふたをします。
冷蔵庫に入れて、1週間ほど寝かせてください。
皮の繊維が残っていると、口の中でざらつきます。
すり鉢の目に押しつけて、なめらかになるまですってください。
フードプロセッサーでも作れますが、最後はすり鉢で仕上げると、なめらかさが変わりますよ。
すり鉢がないときは、細かく刻んでから、包丁の腹で押しつぶすように練ってください。
熟成の日数——1週間の合図

柚子胡椒は、作ってすぐでも使えますが、冷蔵庫で寝かせると、ぐっと味がまとまります。
目安は、冷蔵で1週間ほどです。
日ごとの変わり方を、3つの合図で見ていきましょう。
合図1 作った日は、とがった辛さ
作ったばかりの柚子胡椒は、青唐辛子の辛さと塩が、まだばらばらに立っています。
少しなめてみると、舌をさすような辛さを感じるはずです。
合図2 3日目で、塩がなじむ
3日ほどたつと、塩が全体になじんで、しょっぱさの角が取れてきます。
柚子の香りと辛さが、少しずつひとつにまとまりはじめます。
寝かせている間は、ふたを開けるたびに乾いた清潔なスプーンで表面をならし、ラップを密着させ直してください。
空気に触れる面が少ないほど、緑の色がきれいに残ります。
合図3 1週間で、香りがまとまる
1週間ほど寝かせると、とがった辛さがやわらぎ、柚子の香りが前に出てきます。
色も、鮮やかな緑から、少し落ち着いた緑に変わります。
ここまでくれば、食べごろです。
よくある失敗——苦い・辛すぎる

柚子胡椒の失敗は、ほとんどが皮をむく、種を取る、水気を拭くといった、下ごしらえの段階で起きます。
よくある失敗と、その防ぎ方をまとめました。
- 苦くなった
皮の裏の白いワタが入ると苦くなります。緑の表面だけを薄くむきます。 - 辛すぎる
種とワタを入れると辛さが強くなります。取ってから刻みます。 - 水っぽくなった
洗ったあとの水気が残っていると水っぽくなります。よく拭いてからむきます。 - カビが生えた
濡れた瓶やスプーンが原因になります。カビの部分だけ削って使わないでください。
どの失敗も、「白いワタを入れない」「種を取る」「水気を残さない」の3つを守るだけで、ほとんど起きにくくなります。
特に水気は、カビの原因にもなるので、皮をむく前にしっかり拭いてください。
柚子胡椒の使い道——鍋から焼き鳥まで

柚子胡椒は、ほんの少しで料理の香りを変えてくれる薬味です。
鍋、焼き物、混ぜる調味料と、使い道はたくさんあります。
作った柚子胡椒を、こんなふうに使い分けてみてください。
鍋の薬味に
水炊きの献立の記事でお伝えしているとおり、「薬味が味の背骨です」。
「薬味五種盛り」に柚子胡椒を加えると、ひと巡りごとに香りを変えて楽しめます。湯豆腐の薬味にも、よく合います。
焼き鳥や焼き魚に
塩で焼いた焼き鳥や焼き魚に、ほんの少しのせると、脂の多い部位もさっぱりといただけます。
皮目に少し塗ってから焼くと、香ばしさも加わります。
ポン酢やドレッシングに
ポン酢に少し溶くと、柚子の香りが重なった、鍋のつけだれになります。
マヨネーズやドレッシングに混ぜて、サラダや蒸し鶏にかけてもおいしいですよ。
使う量は、箸の先に少しのるくらいから始めてください。
手作りの柚子胡椒は香りが強いので、思ったより少しで十分に香ります。
足りなければ、あとから少しずつ足していくのが失敗しないコツです。
保存——冷蔵で約1か月

手作りの柚子胡椒は、清潔な瓶に入れて冷蔵庫で保存し、冷蔵で約1か月が目安です。
ゆずの保存方法の記事でも、小瓶で冷蔵1か月とお伝えしています。
保存のポイントを見ていきましょう。
清潔な瓶で冷蔵庫へ
熱湯で消毒して、よく乾かした清潔な瓶に詰めます。
表面にラップを密着させてからふたをすると、空気に触れにくく、色と香りが長持ちします。
清潔なスプーンで取り分ける
取り分けるときは、乾いた清潔なスプーンを使ってください。
濡れたスプーンや、料理に使った箸を入れると、カビの原因になります。
使いきれない分は冷凍
たくさん作ったときは、小分けにしてラップで包み、保存袋に入れて冷凍しておくこともできます。
冷凍した分も、色と香りが落ちる前に、早めに使いきってください。
傷んだら処分
表面にカビが生えたり、いやなにおいがしたりしたら、カビの部分だけ削って使わず、まるごと処分してください。
柚子胡椒の栄養——塩の多い薬味

柚子胡椒は、塩をしっかり使って日持ちさせる薬味です。
この記事の分量では、できあがりの重さの約13%が塩になります。
栄養士として見ると、ほんの少しで香りが立つので、つけすぎないことが上手な付き合い方です。
ポン酢に少し足すと、香りが立つぶん、つぎ足しを控えやすくなります。
塩分の指示を受けている方は、かかりつけの先生の指示を優先してください。
柚子胡椒そのものは材料が3つだけですが、合わせる調味料や料理には、アレルギーの原因になる食品が入ることがあります。
家族に出す前に、一緒に使う調味料の表示を見ておくと安心です。
柚子・唐辛子・塩は、特定原材料にも、準ずる品目にも入っていません。
ポン酢やしょうゆの小麦、マヨネーズの卵は特定原材料で、ポン酢やしょうゆ、豆腐には準ずる品目の大豆が入ります。
柑橘のアレルギーがある方は控え、市販品は表示を確かめてください。
高齢者や子供にやさしい柚子胡椒

柚子胡椒は、ほんの少しで香りが立つ一方で、辛さと塩気がとても強い薬味です。
食べる人に合わせて、量と使い方を少し変えてあげましょう。
高齢の家族に出すとき
辛さと塩気で、むせてしまうことがあります。
高齢の方には、ごく少量をだしで割って、香りを楽しむくらいにしてください。
皮の繊維が残っているとのどに残りやすいので、なめらかになるまでよくすりつぶしたものを使います。
だしやつけだれはさらさらでむせやすいので、飲み込む力に不安がある方には、市販のとろみ剤(とろみ調整食品)でとろみをつけてください。
形ややわらかさは、日本摂食嚥下リハビリテーション学会の嚥下調整食学会分類2013を目安に調整してくださいね。
小さなお子さんに出すとき
柚子胡椒は辛さが強いので、小さなお子さんの分には使いません。
鍋や焼き鳥は、お子さんの分を先に取り分けてから、大人の分に柚子胡椒をのせてください。
鍋の具は、少し冷ましてから渡してください。
1歳未満のお子さんには、柚子胡椒は使いません。
離乳食の味つけや始める時期は、月齢で変わるので、かかりつけの先生や自治体の相談窓口で確かめてくださいね。
私は現役介護士でもあります。
辛いものが苦手な方には、柚子胡椒をほんの少しだけだしに溶き、とろみ剤でとろみをつけたあんにして、やわらかく煮た野菜にかけています。
「いい香りがするね」と言っていただけます。
柚子胡椒を、香りのあんに置き換える日があっていい。
柚子胡椒の作り方でよくある質問
最後に、柚子胡椒の作り方について、よくいただく質問にお答えします。
Q1. 作ってすぐ使っていい?
作ってすぐでも使えますが、辛さと塩がまだなじんでいません。
冷蔵で1週間ほど寝かせると、角が取れて香りがまとまります。
Q2. 塩を減らしてもいい?
塩を減らすと、日持ちが短くなります。
減らすときは少量ずつ作り、冷蔵庫で早めに使いきってください。
Q3. 黄柚子でも作れる?
作れます。
黄柚子の皮に、赤く熟した生の赤唐辛子を合わせると、赤い柚子胡椒になります。割合と塩の量は同じです。
Q4. すり鉢がなくても作れる?
フードプロセッサーでも作れます。
ふたを開けるときは顔を近づけず、辛い空気を吸いこまないように気をつけてください。
Q5. 色が茶色っぽくなった
空気に触れると、緑が少しずつくすんでいきます。
表面にラップを密着させて保存してください。カビやいやなにおいがあるときは、処分します。
まとめ。。。

柚子胡椒の作り方を、最後にもう一度まとめますね。
- 皮2:青唐辛子1
塩は、皮と青唐辛子を合わせた重さの15%。 - 手袋をつけてから
唐辛子を触った手で目をこすらない。 - 白いワタと種は入れない
苦さと辛すぎを防ぐ、下ごしらえの2つ。 - 冷蔵で1週間ほど寝かせる
角が取れて、柚子の香りがまとまる。 - 冷蔵で約1か月
清潔な瓶と、乾いた清潔なスプーンで。 - お子さんの分には使わない
高齢の方には、ごく少量をだしで割って。
柚子胡椒は、材料3つで作れる、季節の香りの薬味です。
青柚子を見かけたら、ぜひ一度、すり鉢で手作りしてみてください。
小さな瓶ひとつあるだけで、いつもの鍋や焼き鳥が、ぐっと香り高くなります。
作った柚子胡椒をなめて、「香りが違う」と感じたら、きっと毎年作りたくなるはずだよ。
フッくんでした!
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