料理研究家、料理大好きフッくんです。
春になると店先に並ぶ、長いふき🌿
煮物にすると、ほろ苦さと香りがうれしい春の味ですが、下処理の手間を思うと、つい後回しにしてしまいますよね。
こんなお悩み、よく聞きます。🥹
- 板ずりって何のため?
塩をまぶして転がすと聞くけれど、やり方も理由もよく分からない。 - 茹で時間はどれくらい?
茹ですぎてくたっとしたり、かたいままだったりする。 - 皮むきが途中で切れる
筋が残って、食べると口に引っかかってしまう。
この記事では、現役料理人20年の私が、ふきの下処理の手順をお伝えします。
板ずりと茹で時間、竹串の見極め、皮と筋のむき方、葉と山ぶきの下処理、家族への出し方まで、順番に見ていきましょう。

ふきの下処理——板ずりして茹でる
ふきの下処理は、塩で板ずりしてから、たっぷりの湯で茹で、冷水にとって皮と筋をむく、の流れです。
茹で時間は3〜5分が目安で、細いものはもっと短くします。
茹で上がりは竹串の先で軽く押して確かめ、むいたふきは水に浸けてアクを抜いてから使います。
ふきは、とってから時間がたつほど、アクが強くなり、筋もかたくなっていきます。
買ってきたら、その日のうちに下茹でしてしまうのが、おいしく食べるための近道なんですよね。
一度覚えてしまえば、手順はとてもシンプルです。
下処理が必要な理由

ふきは、生のままでは食べず、必ず茹でてアクを抜いてから料理に使う野菜です。
下処理には、アクを抜くこと、皮と筋をむくこと、色を鮮やかにすることの、3つの役目があります。
どれも、ふきの煮物をおいしく食べるために欠かせないひと手間です。
アクを抜く
ふきには、えぐみのもとになるアクがあります。
茹でて水に浸けると、ほろ苦さがちょうどよくなり、香りが引き立ちます。
農林水産省も、ふきやふきのとうに含まれる天然の成分のなかには、アク抜きで減らせるものがあると紹介しています。
皮と筋をむく
ふきの外側には、薄い皮と、かたい筋があります。
茹でたあとにむいておくと、口に引っかからず、なめらかな口あたりになります。
色を鮮やかにする
板ずりしてから茹でると、ふきの緑が鮮やかになります。
煮物にしたときも、色がきれいに残ります。
3つの役目のうち、どれか1つを省くと、仕上がりがはっきり変わります。
アクが残ると煮物がえぐく、筋が残ると口に引っかかり、板ずりをしないと色がくすみます。
手順は少し多く見えますが、どれも数分でできることばかりです。
材料と道具——基本の分量

ふきの下処理に使う材料と道具は、家にあるものでそろいます。
長いふきを切らずに茹でたいときは、鍋より深めのフライパンが便利です。
基本の分量と道具を、表にまとめました。
| 材料・道具 | 分量・使い方 |
|---|---|
| ふき | 1束 |
| 塩(板ずり用) | 大さじ1 |
| 深めのフライパン(または大きな鍋) | ふきがかぶる量のお湯を沸かす |
| 冷水を張ったボウル | 茹で上がりをすぐに冷やす |
| 竹串 | 茹で上がりの見極めに |
| 保存容器 | むいたふきを水に浸ける |
塩は、粗塩でも、ふだんの塩でもかまいません。
板ずりの塩は茹で湯の中で落ちるので、洗い流さずにそのまま茹でます。
ふきが多い日は、塩の量をふきの束の数に合わせて増やしてください。
ふきの下処理——6工程

ここからは、ふきの下処理を6つの工程に分けてお伝えします。
茹でる前に、冷水を張ったボウルと竹串を手元に用意しておくと、茹で上がってからあわてずにすみます。
茹でる前の準備から、皮をむいて水に浸けるところまで、順番に進めれば、迷わずにできます。
熱湯を使うので、やけどに気をつけてくださいね。
工程1 葉を切り落とす
葉のつけ根で切って、葉と茎に分けます。
葉も食べられるので、使う日はとっておきます。
工程2 長さを切りそろえる
茎を、深めのフライパンや鍋に入る長さに切りそろえます。
工程3 塩で板ずりする
まな板の上にふきを並べ、塩大さじ1をまぶして、手のひらで押しながら前後に転がします。
全体に塩がなじめば、板ずりのできあがりです。
工程4 塩をつけたまま茹でる
たっぷりの熱湯に、塩をつけたままのふきを入れて茹でます。
茹で時間は3〜5分が目安で、細いものはもっと短くしてください。
工程5 冷水にとる
茹で上がったら、すぐに冷水にとって冷まします。
熱いままだと、余熱で火が入りすぎて、やわらかくなりすぎます。
工程6 皮と筋をむく
冷めたら、切り口の端から皮と筋をつまんで、ひと回りぐるっとむきます。
むいたふきは、水を張った保存容器に浸けておきます。
鍋に入らない長いふきは、深めのフライパンを使うと、短く切らずに茹でられます。
切る回数が少ないぶん、皮をむくときも、一本を端から端まで通してむけます。
【材料】
ふき…1束
塩(板ずり用)…大さじ1
【作り方】
①葉を切り落とす
②長さを切りそろえる
③塩で板ずりする
④塩をつけたまま茹でる
⑤冷水にとる
⑥皮と筋をむく
くわしい手順とコツは、上の工程をご覧ください。
茹で上がりの見極め——竹串の合図

ふきの茹で時間は、太さによって変わります。
3〜5分は目安なので、時間だけで決めず、ふきの様子を見て引き上げてください。
私は、次の2つの合図を見ています。
合図1 竹串がすっと入る
太いふきの真ん中を、竹串の先で軽く押してみます。
すっと入れば、茹で上がりです。
熱いので、指で押して確かめるのはやめてください。
合図2 色が鮮やかになる
ふきの色が、くすんだ緑から鮮やかな緑に変わったら、茹で上がりの近くです。
色が変わったところで、竹串で確かめてください。
細いふきと太いふきがまざっているときは、太いものから先に入れて、細いものは後から加えます。
同じ時間で引き上げると、細いものだけやわらかくなりすぎてしまいます。
茹ですぎたふきは、皮がむきにくく、煮物にしたときにも形がくずれやすくなります。
皮むきのコツ——端から一周

ふきの皮むきは、茹でて冷ましてからすると、するするとむけます。
皮は薄く、筋は皮の内側に沿ってついているので、皮をむくと筋も一緒に取れていきます。
むき残しがないように、ひと回りしっかりむいてください。
むき方のコツを、2つお伝えします。
端からひと回りむく
切り口の端の皮を、爪の先でひと回り少しずつはがします。
はがした皮をつまんで、反対の端に向かって引くと、筋ごとむけます。
反対側からも
途中で皮が切れたときは、反対の端からも同じようにむきます。
両側からむくと、むき残しが少なくなります。
切り口の皮を数本まとめてはがし、そろえてつまんで一気に引くと、1本ずつむくより作業がぐっと早くなります。
葉と山ぶきの下処理

ふきの葉と、野山に生える山ぶきは、茎とは少し下処理のしかたが違います。
どちらも、茎よりアクや苦みが強いので、水にさらす時間を長めにとります。
順番に見ていきましょう。
ふきの葉
葉は、塩を入れた湯で約1分茹でて、水にとります。
水を2〜3回替えながら、約1時間さらしてから使ってください。
苦みが強いので、細かく刻んで佃煮など、しっかり味をつける料理に向いています。
山ぶき
山ぶきは、店先のふきより細く、アクが強いのが特徴です。
茹でて冷水にとったら、そのまま一晩おいてから皮をむくと、アクがやわらぎます。
山で採るときは、ほかの植物と見分けられないものは採らず、食べないでください。
下処理したふきの保存——水に浸けて

下処理したふきは、水に浸けて冷蔵で3〜4日が目安です。
皮をむいたふきを保存容器に入れ、ふきがかぶるくらいの水を張って冷蔵庫へ。水は毎日替えてください。
冷凍や塩漬けで長く保存したい日は、関連記事のふきの保存方法へどうぞ。
水に浸けておくあいだに、ほろ苦さが少しずつやわらいでいきます。
ただ、長く浸けすぎると、ふきの香りまで抜けてしまいます。
苦みが気になるときは、端を少しかじって確かめながら、浸ける時間を決めてください。
ふきの栄養——春の香りの山菜

ふきは、水分が多く、香りとほろ苦さを楽しむ春の山菜です。
栄養士として見ると、量をたくさん食べる野菜というより、季節の香りで食卓に変化をつけてくれる一品です。
下処理したふきは、だしを効かせて薄味に煮ると、香りが引き立ちます。
ふきの煮物は、だしでふきを煮てから、しょうゆを少しずつ足して味を見ます。
塩分の指示を受けている方は、かかりつけの先生の指示を優先してください。
ふきの煮物は、油揚げやしょうゆと合わせることが多い料理です。
家族に出す前に、一緒に使う食材の表示を見ておくと安心です。
ふきそのものは、特定原材料にも、準ずる品目にも入っていません。
煮物のしょうゆには、特定原材料の小麦と、準ずる品目の大豆が入ります。
一緒に煮る油揚げも大豆です。
市販の水煮のふきは、パッケージの表示を確かめてください。
高齢者や子供にやさしいふき

ふきは、下処理してやわらかく煮ても、筋と繊維がしっかりした野菜です。
食べる人に合わせて、むき方と切り方を少し変えてあげましょう。
高齢の家族に出すとき
高齢の方には、皮と筋をしっかりむいてから使ってください。
野菜の下ごしらえの記事でお伝えしているとおり、繊維に対して直角に切り、短く薄くしてから、やわらかく煮含めます。
筋が残っていると噛み切りにくいので、むき残しがないか、もう一度確かめてください。
煮汁はさらさらでむせやすいので、飲み込む力に不安がある方には、市販のとろみ剤(とろみ調整食品)でとろみをつけてください。
小さなお子さんに出すとき
ふきは筋と繊維がかたく、ほろ苦さもあるので、3歳ごろまでのお子さんの分は外してください。
それより大きなお子さんにも、細かく刻んでやわらかく煮てから、少しだけにします。
煮物を温めて出すときは、少し冷ましてから渡してください。
1歳未満のお子さんには、ふきは出しません。
野菜を離乳食に使うときの始める時期や量は、月齢で変わるので、かかりつけの先生や自治体の相談窓口で確かめてくださいね。
私は現役介護士でもあります。
短く切っても、繊維が口に残る方がいます。
そんな日は、やわらかく煮たふきを細かく刻んで、とろみ剤でとろみをつけた煮汁ごとおかゆにのせてお出ししています。
「ふきの匂いがするね、春やね」と言っていただけます。
ふきの煮物を、刻んだふきのおかゆに置き換える日があっていい。
ふきの下処理でよくある質問
最後に、ふきの下処理について、よくいただく質問にお答えします。
板ずりの理由や、茹で時間、皮がむけないときなど、迷いやすいところを5つにまとめました。
Q1. 板ずりはしないとだめ?
板ずりをしなくても茹でられますが、板ずりをすると、ふきの緑が鮮やかになります。
煮物の色をきれいに仕上げたい日は、ひと手間かけてみてください。
Q2. 茹で時間の目安は?
3〜5分が目安で、細いものはもっと短くします。
時間だけで決めず、竹串の先で軽く押して、すっと入るかを確かめてください。
Q3. 皮がうまくむけない
茹で上がりのふきが温かいうちは、皮がむきにくいことがあります。
冷水でしっかり冷ましてから、切り口の端からむいてください。
Q4. 生のまま置いてもいい?
ふきは、とってから時間がたつほどアクが強くなるので、その日のうちに下茹ですることが大切です。
すぐに茹でられないときは、湿らせた新聞紙で全体を包んでポリ袋に入れ、野菜室に入れて、できるだけ早く下茹でしてください。
Q5. 苦みが強いときは?
水に浸ける時間を長めにして、水を替えながら苦みを抜きます。
端を少しかじって確かめ、ちょうどよくなったら引き上げてください。
まとめ。。。

ふきの下処理を、最後にもう一度まとめますね。
- その日のうちに下茹で
時間がたつほどアクが強くなります。 - 塩で板ずりしてから茹でる
ふき1束に塩大さじ1が目安です。 - 茹で時間は3〜5分が目安
細いものは短く、竹串の先で軽く押して確かめる。 - 冷水にとって、端から皮と筋をむく
数本まとめて引くと早くなります。 - 水に浸けてアクを抜く
浸けすぎると香りまで抜けます。 - 葉と山ぶきは、さらす時間を長めに
山ぶきは冷水にとったまま一晩。
ふきの下処理は、一度覚えてしまえば、春のあいだ何度でも使える手順です。
その日のうちに板ずりして茹で、皮をむいて水に浸けるだけで、煮物も炊き込みご飯もすぐに作れます。
今年の春は、店先でふきを見かけたら、ぜひ一束連れて帰ってみてくださいね。
むいたふきの鮮やかな緑を見ると、台所に春が来たと感じるはずだよ。
フッくんでした!
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