料理研究家、料理大好きフッくんです。
冷蔵庫にあると安心する、ポテトサラダ 🍳
でも、いざ作ってみると「なぜか水っぽい」「味がぼんやりする」「翌日にはかたくなっている」ということ、ありませんか?
正直に言うと、ポテトサラダは材料ではなく、温度で決まる料理です。入れる順番を変えるだけで、まるで別物になります。
こんなお悩み、ありませんか?
- 水っぽくなってしまう
原因は3つだけです。全部、手当てできます。 - 味がぼんやりして決まらない
下味を入れるタイミングが遅いのが原因です。 - 翌日にはかたくなっている
じゃがいもの性質です。食べる前のひと手間で戻ります。 - 何日もつのか分からない
マヨネーズで和えた料理は、思っているより日持ちしません。線をはっきりお伝えします。
現役料理人20年・栄養士。店の小鉢でも、家の常備菜でも、数えきれないほど作ってきた手順のまま書いていきますね。

ポテトサラダは「温度」で決まる

結論から言いますね。ポテトサラダの勝負どころは、何を入れるかではなく、いつ入れるかです。
温度は3段階に分けて考えます。
- 熱いうち(80℃前後)——酢と塩で下味
じゃがいもは熱いあいだに味を吸います。ここを逃すと、あとから塩を足しても表面にしか乗りません。 - 人肌まで冷めたら——具材を混ぜる
きゅうり、玉ねぎ、にんじん、ゆで卵。このタイミングなら、具の水分が出にくくなります。 - 完全に冷めてから——マヨネーズ
ここがいちばん大事です。熱いうちにマヨを入れると、油が分離して水っぽくなります。
マヨネーズは、油と酢と卵が混ざり合ってできています。熱を加えると、その混ざり合いがほどけて油が浮くんですね。「なぜか水っぽい」の正体は、たいていこれです。
じゃがいもの選び方と、ゆで方3通り

じゃがいもは、品種で仕上がりが変わります。
| 品種 | 食感 | 向いている作り方 |
|---|---|---|
| 男爵 | ほくほく・崩れやすい | つぶしてなめらかにするタイプ |
| メークイン | ねっとり・崩れにくい | ごろっと形を残すタイプ |
| キタアカリ | 甘みが強い | 味つけを薄めにしたいとき |
迷ったら男爵で大丈夫です。ポテトサラダらしいほくほく感は、男爵がいちばん出ます。
ゆで方は、水を入れないほど成功する
水っぽさの半分は、ゆでる段階で決まります。
- 皮つきのまま丸ごとゆでる(いちばん確実)
切ってゆでると、断面から水が入ります。丸ごとなら皮が守ってくれます。竹串が通るまで20〜25分。 - 蒸す(水っぽさゼロ)
蒸気だけで火を通すので、水を吸いません。時間はゆでるのと同じくらいです。 - 電子レンジ(いちばん早い)
洗ってぬれたままラップで包み、600Wで1個あたり4〜5分。手軽で、水っぽくもなりません。
そしてじゃがいもの芽と、緑色になった部分は、皮を厚くむいて取り除いてください。ここは必ず守っていただきたいところです。じゃがいもの保存と芽の扱いは、保存の記事に詳しくまとめてあります。
材料と下ごしらえ

2〜3人分の材料です。
| 材料 | 分量 | 下ごしらえ |
|---|---|---|
| じゃがいも | 300g(中2個) | 皮つきのまま丸ごと火を通す |
| きゅうり | 1/2本 | 薄切りにして塩もみ・水気を絞る |
| 玉ねぎ | 1/4個 | 薄切りにして水に5分・水気を絞る |
| にんじん | 1/3本 | 薄いいちょう切りにしてゆでる |
| ゆで卵 | 1個 | 固ゆでにして粗く刻む |
| 酢 | 小さじ2 | 熱いうちに加える |
| 塩・こしょう | 塩 小さじ1/4 | 熱いうちに加える |
| マヨネーズ | 大さじ3 | 完全に冷めてから加える |
きゅうりと玉ねぎは、絞るところまでが下ごしらえです。ここを飛ばすと、冷蔵庫で一晩おいたときに水が出ます。
ゆで卵は必ず固ゆでにしてください。半熟はおいしいのですが、作り置きする料理には向きません。
ポテトサラダの作り方(6工程)

①じゃがいもを、皮つきのまま火を通す
洗って丸ごと、ゆでるか蒸すか電子レンジで。竹串がすっと通れば大丈夫です。
②熱いうちに皮をむいて、つぶす
熱いので、布巾かキッチンペーパーで包んで皮をむきます。湯気が立っているうちにつぶすのがコツです。
つぶしすぎないでください。半分はごろっと残すと、食べたときの表情が出ます。
③熱いうちに、酢と塩で下味
酢小さじ2と塩小さじ1/4、こしょう。ここでしっかり混ぜます。
この一手が、ポテトサラダの味の芯になります。酢の酸味は冷めるうちに飛んで、あとには輪郭だけが残りますよ。
④人肌まで冷ます
バットに広げて、扇風機やうちわで冷まします。急いでいるときは、ボウルの底を氷水に当てても構いません。
⑤具材を混ぜる
絞ったきゅうりと玉ねぎ、ゆでたにんじん、刻んだゆで卵。ハムやベーコンを入れるならここです。
⑥完全に冷めてから、マヨネーズ
手で触ってひんやりするまで冷めたら、マヨネーズ大さじ3を加えて、切るように混ぜます。練らないでください。
味を見て、足りなければ塩をひとつまみ。これで完成です。
これは店でやっていた一手です。
ゆでたじゃがいもの湯を切ったら、鍋に戻して弱火にかけ、10〜20秒ゆすります。表面の水分が湯気になって飛んで、粉をふいたような状態になります。
こうしておくと、そのあとに入れる酢や塩をよく吸ってくれますし、仕上がりの水っぽさが目に見えて減ります。
若い頃、水気を切っただけでつぶしていた私に、親方が言いました。「いもは、乾かしてから味をつけるんや」。
電子レンジや蒸し器を使ったときは、もともと水を吸っていないので、この工程は省いて構いません。ゆでたときだけの手当てです。
水っぽくならない黄金比と、3つの手当て

覚え方はシンプルです。じゃがいも300gに、酢小さじ2・塩小さじ1/4・マヨネーズ大さじ3。
- 酢は、じゃがいもの重さの1%ほど
300gなら小さじ2(約10ml)。多いと酸っぱくなるので、ここは量ってください。 - 塩は、じゃがいもの重さの0.5%
300gなら1.5g、小さじ1/4ほど。具材とマヨにも塩気があるので、控えめで足ります。 - マヨネーズは、大さじ3から
足すのは簡単ですが、引けません。まず大さじ3で混ぜて、味を見てから足してください。 - ゆるくしたいときは牛乳を小さじ1
マヨを増やすより軽く仕上がります。高齢のご家族に出すときにも使える手です。
そして、水っぽさを防ぐ手当ては3つです。
- じゃがいもに水を入れない
皮つきで丸ごと火を通すか、蒸すか、電子レンジで。切ってゆでると断面から水が入ります。 - きゅうりと玉ねぎを必ず絞る
塩もみと水さらしのあと、手でぎゅっと。ここを飛ばすと一晩で水が出ます。 - マヨネーズは完全に冷めてから
熱があるうちに入れると、油が分離します。手で触ってひんやりするまで待ってください。
ビタミンCは熱に弱い、とよく言われますよね。でもじゃがいものビタミンCは、加熱してもよく残ります。まわりのでんぷんが守ってくれるからです。
じゃがいもは100gあたり約59kcal・ビタミンC約28mg・カリウム約410mg。ゆでても蒸しても、この働きは大きく変わりません。
ただし、切ってから水にさらすと流れ出ます。皮つきで丸ごと火を通すやり方は、水っぽさを防ぐだけでなく、栄養の面でも理にかなっているんですね。
※文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」を参考にした概算値です。
よくある失敗と対策

失敗のかたちから、逆引きできるようにまとめます。
- 水っぽい
マヨを熱いうちに入れたか、きゅうりを絞っていません。すでに水が出たら、キッチンペーパーを表面に当てて吸わせてください。 - 味がぼんやりする
熱いうちの酢と塩が抜けています。冷めてから塩を足しても表面にしか乗りません。次回は順番を守ってください。 - つぶれすぎてのり状になる
つぶしすぎと、練りすぎです。半分は形を残し、マヨは切るように混ぜてください。 - 翌日にはかたくなっている
じゃがいものでんぷんが冷えて締まったためです。食べる30分前に冷蔵庫から出しておくと戻ります。 - 油が浮いて分離した
マヨを入れた温度が高すぎます。牛乳を小さじ1加えて混ぜ直すと、ある程度はまとまります。
日持ちと保存

ここは、はっきり書いておきます。
マヨネーズで和えた料理は、思っているより日持ちしません。常備菜のつもりで1週間置く、というのは避けてください。
作り置きするなら「和える前」で止める
線から書きます。冷蔵で2日以内。マヨネーズと、水分の多い生野菜が入っているので、ここは短めに見てください。
作ったら粗熱を30分以内に取ります。熱いまま冷蔵庫に入れると、庫内の温度が上がって、ほかの食材にも影響します。
それから、混ぜるときに素手を使わないこと。清潔なボウルとへらで作って、取り分けるときも清潔な箸で。何日か置く料理ほど、ここが効いてきます。
そして、もっと日持ちさせたいときの手があります。和える前で止めることです。 じゃがいもに酢と塩で下味をつけたところまでを保存容器に入れて、冷蔵2日。食べる日にマヨネーズと具材を和えれば、その日の作りたてになります。
冷凍は向きません。じゃがいもは解凍するとスカスカになり、マヨは分離します。
お弁当や持ち寄りに入れるときは、常温に2時間以上置かないこと。保冷剤を必ず添えてください。一度解凍したものを、また凍らせるのも避けてくださいね。
マヨネーズは、いちばん最後に着せる服
この記事で伝えたいことを、ひとつにまとめるとこうなります。
じゃがいもは、熱いうちに下味、冷めてから服。酢と塩は下着のように内側に入って、マヨネーズはいちばん外側にまとわせるもの。順番が逆になると、どちらも中途半端になります。
だから、急いでいる日ほどこの順番を守ってください。冷ます時間は、手が空く時間でもあります。その間に具材を切って、絞って、卵をゆでればいい。
段取りとしては、じゃがいもを火にかけたら、先に具材を全部用意してしまう。冷ますのを待つのではなく、冷めるまでに終わらせる。これで全体の時間は変わりません。
高齢者や子供にやさしいポテトサラダ

ポテトサラダはやわらかい料理ですが、やわらかいことと、飲み込みやすいことは別です。
高齢のご家族に出すとき
ポテトサラダは口の中でまとまらず、ぱさつくことがあります。でんぷんが水分を抱えているので、意外とのどを通りにくいんですね。
牛乳を小さじ1〜2加えてゆるめると、ずいぶん食べやすくなります。マヨを増やすより軽く仕上がるので、こちらがおすすめです。
きゅうりの薄切りは口に残りやすいので、細かく刻むか外してください。ハムも噛み切りにくいことがあるので、細かく切ります。
お子さんに出すとき
1歳未満のお子さんには、マヨネーズを使ったポテトサラダは出さないでください。マヨネーズには生の卵が使われています。
1歳を過ぎてからも、最初は少量から。マヨを使わず、ゆでたじゃがいもを牛乳やだしでのばした形にすると、小さいお子さんでも食べられます。
そしてじゃがいもの芽と、緑色になった部分は必ず取り除いてください。お子さんはとくに影響を受けやすいので、皮は厚めにむきます。
下味の塩は小さじ1/4(約1.5g)ですが、マヨネーズ大さじ3にも約0.7g、ハムを入れればさらに加わります。全体では2〜3gになることが多いです。
2〜3人で分ければ1人1g前後ですが、つい多めによそってしまう料理でもあります。小鉢に取り分けて出すと、量が見えていいですよ。
食塩相当量の目標量は、厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」で成人男性7.5g未満・成人女性6.5g未満/日です。
下味の塩を減らすより、酢を効かせて塩を控えるほうが、味がぼやけません。酢は塩気を立たせてくれます。
なお、塩分や糖分の指示を受けている方は、かかりつけの先生の指示を優先してくださいね。
私は現役介護士でもあります。
ポテトサラダは見た目がやわらかいので、食べやすいと思われがちです。でもでんぷんが口の中の水分を吸ってしまい、かえってまとまりにくくなることがあります。
そこに水やお茶を足しても、ばらけるだけです。牛乳やマヨネーズのような、脂のあるものでのばすほうが、ひと口がまとまります。
きゅうりの薄切り、コーン、ハムは口に残りやすいので、細かく刻むか外してください。具を減らして、じゃがいもだけにしても、ポテトサラダの味は立ちます。
温度も大事です。冷蔵庫から出したてはかたく締まっています。30分ほど常温に置いてからお出しすると、やわらかさが戻ります。
それでも難しい日があります。ポテトサラダを、じゃがいものポタージュに置き換える日があっていいと思っています。同じ材料で、形だけ変えればいいんです。
ポテトサラダの作り方でよくある質問
Q1.なぜ水っぽくなるのですか?
理由は3つです。じゃがいもを切ってゆでた/きゅうりと玉ねぎを絞っていない/マヨを熱いうちに入れた。
とくに3つ目が多いです。マヨネーズは熱で油が分離するので、完全に冷めてから加えてくださいね。
Q2.じゃがいもは男爵とメークイン、どちらがいいですか?
ほくほくしたポテトサラダなら男爵、ごろっと形を残したいならメークインです。
迷ったら男爵で大丈夫です。つぶしやすく、ポテトサラダらしい食感になります。
Q3.翌日かたくなるのはなぜですか?
じゃがいものでんぷんが、冷えて締まるためです。傷んでいるわけではありません。
食べる30分前に冷蔵庫から出しておくと、やわらかさが戻ります。
Q4.何日もちますか?
冷蔵で2日以内です。マヨネーズと水分の多い生野菜が入っているので、短めに見てください。
もっと日持ちさせたいときは、じゃがいもに下味をつけたところで止めて、食べる日にマヨと具を和えてください。
Q5.冷凍はできますか?
向きません。じゃがいもは解凍するとスカスカになり、マヨネーズは分離します。
どうしても余りそうなら、じゃがいもをつぶした段階で冷凍して、ポタージュやコロッケに回すほうが確実です。
まとめ。。。

ポテトサラダの作り方を、最後にもう一度まとめますね。
- じゃがいもは皮つきで丸ごと火を通す
切ってゆでると断面から水が入ります。蒸すか電子レンジでも構いません。 - 熱いうちに、酢と塩で下味
ここがポテトサラダの味の芯です。冷めてからでは表面にしか乗りません。 - マヨネーズは完全に冷めてから
熱があると油が分離します。水っぽさの正体は、たいていこれです。 - きゅうりと玉ねぎは必ず絞る
絞るところまでが下ごしらえ。飛ばすと一晩で水が出ます。 - 黄金比は 300g : 酢小さじ2 : 塩小さじ1/4 : マヨ大さじ3
マヨは足せますが引けません。まず大さじ3から。 - 冷蔵2日以内。冷凍は向かない
粗熱は30分以内、素手で混ぜない。お弁当には保冷剤を。 - 作り置きは「和える前」で止める
下味までを保存して、食べる日にマヨと具を和えます。 - 1歳未満にはマヨネーズを出さない
芽と緑色の部分も必ず取り除いてください。
ポテトサラダって、材料はどこの家にもあるものばかりなんですよね。それなのに、店の味と家の味がはっきり分かれる。
その差が、温度だけだと知ったとき、私は少し拍子抜けしました。難しい技でも高い材料でもなく、待つかどうかだけだったんです。
冷ます時間は、手が空く時間でもあります。その間に具材を切って、絞って。急がば回れが、いちばん効く料理だと思っています。
フッくんでした!
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